☆「選挙一過」の光景
すっきりと見えた山が「株高」だった。23日、日経平均株価は2万1696円と上昇し、ことしの最高値を更新し29年ぶりの高値水準、15営業日連続の値上がりは57年前の14営業日連続の値上がりの記録を超え「史上最長」と、メディアは報じている。「天晴(あっぱれ)」と言うべきか。
すっきりと見えた公約は消費税率を10%に引き上げること。国の借金減らしに当てる分を削って、幼児教育の無償化などに使うと宣言して安倍総理は解散に踏み切ったのだから、これは間違いなく実行されるだろう。曇り空も見える。では、消費税の使い道を見直すことで財政再建が遅れることを国民にも国際的にも説明責任がある。もう一つ見逃せないのが日銀による大規模な金融緩和が継続されるということだ。
選挙一過のもう一つの光景は北朝鮮。首班指名を行う特別国会は来月1日に招集され、第4次安倍内閣がスタートする。その最初の大仕事が「トランプ大統領との外交展開」だと読む。5日に2泊3日で日本を訪れるトランプ大統領はゴルフだけをするわけではない。北朝鮮問題、とくに「斬首作戦」の日程の双方合意ではないかと個人的に勘ぐっている。そう推測する理由は、今月20日の各社が伝えている、安倍総理がトランプ大統領を護衛艦「いずも」(全長248㍍)に招待するというニュースだ。「いずも」は海上自衛隊最大級の護衛艦だ。報道各社は「強固な日米同盟をアピールする狙い」など報じているが、本来の狙いは「朝鮮半島有事の際はこの護衛艦を出す」とアピールするためではないか。
アメリカ軍の機関紙「星条旗新聞(Stars and Stripes)」は今月23―27日で、非戦闘員救出作戦(NEO)訓練を実施すると報じている(9月12日付)。大使館員やアメリカ軍の家族、民間人らが旅券などを持って韓国内に18ヵ所の避難所に集まり、航空機や船舶で日本に逃げる退避訓練だ。その記事の見出しがすべてを物語っている。「US military plans semiannual evacuation drills against backdrop of North Korea tensions」。通常の訓練とは言え、朝鮮半島有事を想定した訓練は半年に一度行われているのだ。アメリカ軍はすでに朝鮮半島沖に戦略爆撃機や原子力潜水艦、空母などを展開している。
このような状況で、「いずも」にトランプ大統領を招待することは、「斬首作戦」を決意する大統領に対し、後方支援の最大のアピールになると安倍総理は考えているのではないか。衆院総選挙を早めた理由も北朝鮮情勢を計算に入れたものではなかったか、と。これでは勘ぐりである。
⇒24日(火)朝・金沢の天気 くもり
ところで、海外のメディアと今回の総選挙をどう伝えているのか。イギリスの公共放送「BBC」は23日0時00分のホームページの見出しで「Abe on course for strong victory in Japan」と伝えている。「日本の選挙は安部の圧勝だ」と。さらに記事の中で、日本の戦後の、平和憲法を改正するという安部総理の野心にとって大多数での勝利は不可欠」と述べ、自民党は改憲に向けて大きく進むだろう、と論評している。
次に「トリエンナーレ(3年に一度の美術展)で次回は2020年になりますが、『奥能登』と銘打っているので2市2町(輪島市、珠洲市、穴水町、能登町)へと会場を広げるお考えはあるのですのか」と質問した。「さいはてのアートなので、他の自治体とも連携してできればさらにアートの面白味がでてきます。しかし、運営資金を出し合うとなると途端にハードルは高くなります」と今度は口元が引き締まった。1週間後の14日夜、再び泉谷市長にお目にかかった。地元のキリコ祭りの会場で、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」で知られる新潟県十日町市の関口芳文市長の訪問を受けて、市内を案内されていた。珠洲市と十日町市の連携イベントを模索しているのかと直感したのだが。
黄色からピンク色への暖色に塗られたトンネルのようなカタチをした作品だ。レールの上を意識したのだろうか。そのトンネルの出口付近に双眼鏡を置いてあり、のぞくとネオンサインの看板が見え、そこに「Something Else is Possible」の文字が描かれている。ボランティアの男性ガイドによると、ネオンサインの看板とセットで一つの作品なのだと解説してくれた。なるほど。肉眼であれ、双眼鏡であれ、近くでも遠く離れていても「作品の場」は構成できる。なるほど、芸術はセットで一つだ。
2礼2拍手1礼で鳥居をくぐった。よく見ると、鳥居の柱やしめ縄まで、すべて廃棄物なのだ。ボリタンクやペットボトル、漁具など。しかも、ハングル文字や中国語、ロシア語の表記のものが目立つ。日本語のものもある。しめ縄は廃棄された漁網だろうと想像がついた。この周辺で集めた廃棄物で相当の量に驚く。海にはこれほど廃棄物が漂着しているのか、と。
元職(43歳)、共産の新人(36歳)の3人が立候補している。「今回の選挙は若い人ばっかりやね。元気があっていいね」と笑っている。すると、一人が口元をほころばせている自民候補のポスターをのぞき込んで、「この人、ちょっと歯並びがよくないね、前歯がガタガタや」と。するともう一人が同じく歯を見せて笑っている希望元職を指さして、「この人はしっかりした歯やわ」と比較した。あとは雑談で終わったようだ。人物は見た目の印象が心に残る。ひょっとして歯並びが投票行動の決め手になるのかもしれないと考えさせられた。本題から話がずれた。
個、全部市内からですよ」と少し自慢気に。聞けば、アーチストの村尾氏との地元の人たちの打ち合わせで、今年6月から一般家庭や飲食店に呼びかけて集め始めた。貝殻の貼りつけ作業が7月からスタートし、作品のカタチが徐々に見え始めると、集まる数も増えた。当初から作品づくりを見守ってきたという男性ボランティアは「サザエの中身は食べるもの、殻は捨てるものですよ。その殻が芸術になるなんて思いもしなかった。殻を提供しただけなのに地元は参加した気分になって、(芸術祭で)盛り上がってますよ」とうれしそうに話した。
この馬緤集落は、キリコに描かれる絵が面白い。源義経の「八艘跳び」の絵や義経と弁慶の絵=写真=なのだ。このキリコ絵の作者であり、祭りに誘ってくれた田中栄俊氏(元珠洲市教育長)が馬緤集落と義経伝説について語ってくれた。
会場は同町立小木(おぎ)小学校。この小学校は文部科学省の特例校に指定されている。この特例校というのは、学習指導要領によらない教育課程を編成して実施することを認める制度で、同小学校は独自の「里海科」を持っている。小学校がある小木地区はイカ釣り漁業が盛んで、地域の生業(なりわい)を初等教育から学ぼうと3年前に開始した。一般社団法人はそうした町教育委員会の動きを支援しようと金沢大学の教員や地域の有識者が構成メンバーとなり、日本財団からファンドを得て設立された。
ごちゃごちゃ選挙の印象はどこが理由なのか、自分なりに点検してみる。第一に争点がどこにあるのか分からない。安倍総理は「国難突破解散」と称して、北朝鮮の核実験・弾道ミサイルの発射に対応した体制づくりと消費税を10%に増税し、幼児教育や保育の無償化など少子化対策に回すと争点を掲げた。野党は増税の凍結を訴えるが、それよりも「解散そのものが森友・加計隠しだ」とのボルテージが高い。政策論争が聞こえない。
今夜は「中秋の名月」を雲の切れ間から見ることができた。月をめでることができる幸福感に包まれたのだが、それにしても、世俗では毎日テレビで戦国時代のドラマを見ている気分になる。旗揚げ、画策、裏切り、謀反、切腹・・・のシーンが出てくる。
一方の「防衛関連株」の石川製作所(本社・白山市)の終値は2986円(前日比21円高)と3000円目前に迫った。アメリカのトランプ大統領が国連総会での演説(9月19日)で、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」と揶揄(やゆ)すれば、金委員長はすかさず声明(9月21日)で「老いぼれ」と返した。北朝鮮メディアによる罵詈雑言は珍しくないが、最高指導者が直に発したのは異例だろう。さらに、李容浩外相は金委員長への批判について「明白な宣戦布告」と見なすと声明(9月25日)を発表した。こうした「言葉の戦争」で防衛関連株はエスカレートしているのか。