☆総理会見を勘ぐる
25日午後6時からの安倍総理の記者会見をNHK総合でライブで視聴した。質問時間を入れて40分だった。この記者会見で、安倍総理は今月28日召集の臨時国会の冒頭で解散する方針を固め、その解散の理由を事前表明し国民に理解を求めた。衆院解散ならば10月10日に公示、同22日に投開票となる。
会見では解散理由のキーワードがいくつかあった。核実験やICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射を繰り返す北朝鮮と、少子高齢化への対応を挙げて「国難突破解散」と銘打った。「生産性革命、人づくり革命はアベノミクス最大の勝負」「選挙はまさに民主主義における最大の論戦の場。総選挙は、私自身の信任も含めて与党の議員全ての信を問う」「より多くの人たちが才能を生かせる社会にしなければ少子高齢化社会を乗り切っていくことができない」
気になるシーンがあった。イギリスのフィナンシャルタイムズ東京支社の記者の質問に対する安倍総理の返答だ。記者「先週、トランプ大統領が北朝鮮のリーダーをロケットマンと呼び、アメリカは北朝鮮を完全に破壊するしか選択はないかもしれないと述べた。このコメントは日本をより安全にするのか。それとも日本人の安全性は低くなるのか」と。総理は「トランプ大統領の個々の発言についてのコメントは控えたいと思いますが、日本は全ての選択肢がテーブルの上にあるとの米国の立場を一貫して支持しています」と述べ、「ロケットマン」発言についての言及はあえて避けたのだ。
国連でのトランプ大統領の「ロケットマン」発言に北朝鮮は「ロケットがアメリカ本土に到達することを不可避にした」と猛烈に反発した。記者はこの日本の安全保障に関わる重大発言について、総理の所感を質したのだ。ところが、総理は「トランプ大統領の個々の発言」とあえて質問の意味を遠ざけた。これは一体どういうことなのか。しかも、伏し目がちに逃げるようなそぶりだった。ここから勘ぐりが始まる。なぜあえてトランプ発言に言及しなかったのか、と。
総理は先月29、30日、そして国連で今月21日にトランプ大統領と会談している。1ヵ月で3回も、である。単に圧力をかけましょうではなく、相当話し込んだ内容ではなかったか。つまり密約である。以下勘ぐりである。総理と大統領の間でアメリカによる北への斬首作戦について日程調整が進められた。総理は作戦実行前に政権基盤を固めておきたいと総選挙の腹を固めた。作戦実行後では極東アジアが大混乱に陥る、難民や武装難民、局地戦など、そんなときに日本で総選挙など難しいだろう。総理が何度も繰り返した「国難」とは斬首作戦実行後のこの大混乱のことだ。
そう考えると、総理が腹をくくった理由がなんとなく理解できる。フィナンシャルタイムズ記者の質問にあえて言及しなくても、作戦のスケジュールはもう決まっている。余計なことを言及する必要はない、との総理のスタンスか。と、勘ぐった。(写真は総理官邸ホームページより)
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