★敏感に反応するマーケット
確かに北朝鮮情勢は緊迫化している。北朝鮮が今月8日に中距離弾道ミサイル4発をグアム沖に向けて同時に発射させる案を検討中だと予告すれば、アメリカのトランプ大統領が「彼(金正恩朝鮮労働党委員長)がグアムに対し何かすれば、これまで誰も目にしたことがないような出来事になる」と応酬。9日にはマティス国防長官が金正恩政権を軍事的に崩壊させると言及し、ニュースが世界を駆け巡った。さらに、北朝鮮が弾道ミサイル島根、広島、高知3県の上空を通過すると発表したことから、日本政府は中国・四国地方に地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)を配備すると機敏に対応した。ただ、グアムへのミサイルを撃ち落とすのではなく、コースが外れて日本に落ちてきた場合での破壊措置命令のようだが、具体的な自衛隊の行動として展開していることが目を引く。
こうした「地政学リスク」に株価は敏感だ。「当事者」のアメリカでも10日のダウは200㌦余りの下落。日経平均も3営業日が続落。ただ物色されている銘柄もある。石川県白山市に本社を置く石川製作所(東証一部)は段ボール印刷機や繊維機械が主力商品だが、機雷の製造でも知られる防衛関連銘柄でもある。10日終値は前日比164円値上がり、13%上昇した。
アメリカのメディアはもっと深刻に伝えている。CNNのHPによると、「Signs of fear creep back on Wall Street」、ウォールストリートの恐怖の兆候だ、と。ダウとS&P500は3月以来の最悪の週に苦しんでおり、ウォールストリートの「恐怖計」はほぼ2年ぶりに上昇した、と。「The big winners? Gold, ultra-safe government bonds and defense contractors.」 勝者は誰、金取引か、超安全な国債か、国防関連銘柄か。
日本とアメリカのメディアが北朝鮮の弾道ミサイルの動きが取引市場と敏感に連動していることを伝えている。CNNが述べているように、それは「恐慌の前兆」なのか。
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