2016年 12月 15日の投稿一覧

★プーチン、技あり一本

★プーチン、技あり一本

  きょう(15日)のニュースは何といっても、山口県長門市で日本とロシアの首脳会談だ。ところが、ロシアのプーチン大統領の到着は予定より3時間近く遅れた。友人と電話でこの話をしてして、友人は「安倍総理への政治的なメッセージではないか。じらせることで、きょうの会談はオレのペースでやるという意味ではないか」と解説した。

  私はこの電話での話の後、ひょっとしてプーチンは宮本武蔵と佐々木小次郎の巖流島の闘いの伝説を知っているのではないかと思った。巖流島は山口県下関市にある関門海峡に浮かぶ無人島だ。この島で小次郎は2時間も待たされたり、さらに太刀の鞘(さや)を捨てたことを敗北の予兆だと武蔵から揚げ足を取られ、頭に血が上り、冷静さを失ったところを武蔵に舵棒(かじぼう)で額を割られたというあの有名な話である。プーチンは山口入りにするにあたって、巖流島の闘いをモチーフにわざと遅れたのでは、ないかと。これはプーチン流の政治的なショーだ、と。ちょっと考えすぎか。テレビの解説では、プーチン氏はどうやら遅刻の常習犯で、これまでも各国首脳との会談にたびたび遅れているそうだ。

  午後6時すぎ、首脳会談の冒頭のシーン=写真=がテレビで放送された。安倍氏は「大統領の11年ぶりの訪日を、私のふるさとである長門市でお迎えできてうれしい。会談での疲れをぜひ温泉で癒してほしい。ここの温泉は必ず疲れがとれる」と発言。これに対し、プーチン氏は「安倍総理の尽力により、ロシアと日本の関係が前進している。きょうとあすの首脳会談は、日ロ関係の前進に大きく貢献すると期待している。温泉はうれしいが、疲れが出ない会談にしましょう」と応じた。

  この冒頭のやり取りを視聴して、思わず「プーチン、技あり一本」と思った。普通だったら、招かれた側は「そのような素晴らしい温泉に招待いただきありがとう。十分に話をしましょう」と言うのかと思いきや、「疲れない会談をしましょう」と切り返すあたりは、さすが手練手管の政治家だ。「安倍、敗れたり」とならないよう会談に期待したい。

⇒15日(木)夜・金沢の天気   あめ