2016年 10月 8日の投稿一覧

★クマモトを訪ねる-上

★クマモトを訪ねる-上

    ことし4月16日の本震で震度7の揺れに2度も見舞われた熊本。その後も震度4以上の余震が115回も起きている。震災から6ヵ月後となるきょう8日、熊本市、そして隣接する益城町の被災現場を訪ねた。

    金沢から熊本へは、JRの「サンダーバード」で新大阪へ。新大阪から山陽新幹線で博多へ。さらに博多から九州新幹線に乗り継ぎ、熊本に到着した。朝8時すぎに金沢駅を出発したので、かかった時間は6時間ほどだ。被災地を訪ねるの目的の旅だが、熊本駅に到着すると出迎えてくれるのが、あの「超」有名な「ゆるキャラ」の「くまモン」だった。くもモン駅長室などこれでもかとあのゆるキャラが存在感を見せつけている。ここまでくると、おかしくて滑稽な感じがして、心が緩む。2011年3月の九州新幹線全線開業をきっかけに誕生して、5年間、知名度で言えば、ジャーニーズ事務所のタレントを凌ぐかもしれない。駅近くのホテルにチェックインしたが、部屋に入ってびっくり、大小のくまモンの縫いぐるみがベッドの上やソファに10個もある。これには、「参った」。

    大粒の雨が降って来たので、タクシーをチャーターして熊本城に向かった。雨にもかかわらず「熊本城坪井川園遊会 秋の宴」というイベントの真っ最中で大勢の人が集まっていた。女の子たちが扮する花魁(おいらん)道中やフラダンスのイベントもあり、華やかな雰囲気だ。そんな中、ちょっと気が引けたが、ボランティアの女性に「被災した熊本城でかろうじて残った縦一列の石垣で支えらた城はどこから見えますか」と尋ねた。すると、「湧々座(わくわくざ)の2階からだったら見えますよ」と丁寧にも施設に案内までしてくれた。石垣が崩れるなど恐れからいまも城の大部分は立ち入り禁止区域になっている。

    2度の震度7の揺れで石垣が崩れるなどの大きな被害を受けた熊本城。かろうじて「一本足の石垣」で支えられた城跡は「飯田丸五階櫓(やぐら)」と呼ばれている名所。応急工事が施されていた。ボランティアの女性の説明によると、高さ10㍍の「コ」の字形の鉄骨の架台で櫓を支え、一本足の石垣の倒壊を防いでいるのだという。熊本城の周囲をぐるりと一周したが、飯田丸五階櫓だけでなく、あちこちの石垣が崩れ、櫓がいまにも崩れそうになっている。

    ふと思った。これが金沢城だったらどうか。おそらく、「金沢城が復旧するまで」と一切のイベントなどは実施されないかもしれない、と。でも、熊本の人々の心根は強い。「あたがたどこさ 肥後さ 肥後どこさ 熊本さ 熊本どこさ・・・」、「おてもやぁ~ん あんたこの頃 嫁入りしたではないかいな~」。復興途中でありながらも逆境にめげず、踊り歌う地域性がむしろ感動を呼び起こす。くまモン、そして駅前にある「おてもやん」の少女像。クマモトらしいと感じた。

⇒8日(土)夜・熊本市の天気   あめ