☆辺野古から-下
キャンプ・シュワブから辺野古地区に入った。紺碧の海と空が見える海岸べり、ここで海上基地反対の運動を10年余
り続けているテント村を訪ねた。「座り込み4175日」とある。東京から来たという女子学生3人がテント村の人たちと話し込んでいた。「私たちはこのきれいな海を戦場にしたくない。新基地がどれだけ県民の心の負担になるか察してほしい」とテント村のスタッフが訴えていた。
一方で、辺野古周辺で、機械システム工学科や情報通信システム工学科がある国立高専があるの建設、IT企業も誘致されているという。おそらく地域振興策として多額の国のお金が投入されたことは想像に難くない。もちろん政府が勝手に国立高専を設置したわけではなく、高等教育機関の誘致を望む地元の強い要望に応えたものだろう。辺野古地区の人々は、新基地反対と辺野古移設の間で板挟みなっているのではないかと察した。
23日付の琉球新報と沖縄タイムスの記事を読んで気が付いた点がいくつかあった。翁長知事が国連人権理事会で2分間の演説をしたことに関する記事である。知事は、辺野古の新基地建設が進められること関して、「県民の自己決定権や人権がないがしろにされている」と訴えたが、日本政府代表部が「基地問題を人権理事会で取り上げるのははじまない」とクギを刺したのに対し、知事は「基地問題が一番大きな事件問題だ」と反論した。
、 確かに人権理事会では、新たな人権問題を条約化しており、たとえば、「強制失
踪からのすべての者の保護に関する国際条約」(強制失踪防止条約)では、日本政府とこれまで、日本人拉致問題を念頭に「国境を越えた拉致」を条約案に盛り込むよう働きかけて、採択されている。こうした条約の中に、知事が訴える「基地は人権問題」という概念を落とし込む条約は見当たらないのではないか。見当たらないとしても、沖縄タイムスが記事にしているように、人権理事会の円形会議場には「同じように助けを求めに来ている人がたくさんいた」ということだ。
続けて、記事にはこのような下りがある。「自民党県連は知事の出発前、『先住民』と名乗らないように要請した。言葉が持つ『未開の』といった謝ったイメージから、県民の間にある抵抗感を代弁している。知事もその言葉を使わなかった」と。「先住民と基地問題」というふうに国際的に理解されては、県民のプライドが許さない。安全保障の圧力の下で、人権がないがしろにされてはならないと、今度どううまく訴えるのか。今回、国連人権理事会でデビューしたものの、微妙なバランスの上に立っているとも言える。
⇒24日(木)夜・金沢の天気 くもり
を挟んだ向こう側には基地反対派のテントが張られて大音響で入れ替わり、立ち代わりアジテートの演説が行われている。タクシーでその前を走行すると、「辺野古新基地NO!」などのプラカードが車から見えるように道路側に差し出されるのである。正面で陣取っていた人がいた。「辺野古埋立阻止」のプラカードを持って、椅子に腰かけている。基地と歩道の境界線である黄色い線を超えないように、公道ギリギリのところでアピールしている=写真=。
ている、という。地元と反対派は一体化していないようだ。
ラムサール条約登録の湿地「名蔵アンパル」を見学できるというので、隣接する「石垣やいま村」というテーマパークに立ち寄った。八重山の古い民家も移築して保存されている。沖縄の民謡を三線(さんしん)で生演奏している家などあり、にぎやかな雰囲気だった。入口から東に向かって、途中、カンムリワシのケージを横目で見て、さらに坂を下りていく。ウッドデッキがあってマングローブの群生林に入っていく。
22日付の朝刊をホテルで読むと、琉球新報と沖縄タイムスの一面の見出しが躍っていた。琉球新報「新基地は『人権侵害』 知事、国連で演説 辺野古阻止 国際世論へ訴え」、沖縄タイムス「反辺野古 国連で訴え 知事、人権理で声明」と。沖縄県の翁長知事が21日午後(日本時間22日未明)、スイスの国連欧州本部で開かれている国連人権理出席し、「沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされている」と述べ、アメリカ軍普天間飛行場の県内移設反対を訴えたという記事だ。両紙ともジュネーブに同行の記者を送っていて、署名記事だ。チカラが入っている。
石垣島の第一印象は、紺碧の空と海、そして赤土のサトウキビ畑だ。そして、東シナ海に面し、国境離島と称されるくらいに中国と接している。きょう(21日)は、とくに当てがあったわけでもないが、島を半周するつもりでレンタカーを走らせた。
した。この蜂起を知ったアメリカのイギリスの海軍が3回にわたり島に来て、砲撃を加え、武装兵が上陸して捜索を行った。クーリーたちは山中に逃げ込んだが、逮捕、銃撃された。自殺者や病没者も続出した。
り、地元の新聞紙を買った。安保法の成立を沖縄の地元紙はどう伝えているのか。
午前2時すぎに記名投票が始まった。壇上の野党議員は「戦争法案反対」などと叫びながら、法案反対の青票を掲げていた。与党議員は賛成の白票を積み上げていた。午前2時18分。野党議員が「憲法違反」と叫ぶ中、賛成多数で同法は可決した。中谷防衛大臣が議長と議場に向かって頭を3回下げた。賛成148票、反対90票だった。
立 平和主義転換、米支援拡大」、地元紙の北國新聞は「安保法が成立 集団的自衛権可能に 戦後政策の大転換」だった。北陸に輪転工場がない朝日新聞、毎日新聞の各紙はコンビニでは売っていない。
本会議の採決を退席した民主の議員は「これほど国会の中の光景と、国会の外の国民の声がかけ離れて聞こえた経験はない」と語った。議員は審議を振り返り、「総理は何をしてもいいとお考えなら、勘違いされているのでは」(7月17日付・朝日新聞)
金沢でテレビを視聴ていると、最近、安保法制に関して「国会周辺では…」とのフレーズをやたらと耳にする。国会内での政治的な動きより、むしろ外の動きをメディアは気しているのではいかと思うほど、アナウンサーやキャスターが「国会周辺では…」と繰り返している。そこで、国会周辺は一体どうなっているのか、どのような人たちが行動を起こしているのか、気になったので、ちょっと現場を覗いてみたということだ。滞在時間はわずか15分ほどだった。