☆2014ミサ・ソレニムス~2
~ 近隣国に親しみ感じない学生半数、しかし、「外交努力で友好」望む73% ~
一方で、「安倍総理や現役閣僚の靖国神社参拝が、中国や韓国の反発を招いていますが、靖国問題をどう思いますか」という質問には、回答した125人のうち、「戦争犠牲者を弔うのは当然」など肯定的と判断される意見が73件、「他国を刺激するので参拝すべきでない」など否定的とみられる意見の20件を上回った。「亡くなった人をお参りして周囲が騒ぐのはおかしい。でも他国の反応は想像がつくので考えて行動すべきだ」など中立的と判断される意見は19件あった。以上の数字だけでを読めば、大方の学生たちは日本にいろいろと干渉する隣国に随分と不快感を持っているようにも思える。
別の角度から数字を眺めてみる。いわゆる「ヘイトスピーチ」が問題になっている在日特権を許さない市民の会(在特会)の主張をどう思うか聞くと、「反対」「どちらかというと反対」との答えが33.6%で、「賛成」「どちらかというと賛成」は29.8%。「わからない」が36.6%だった。
学生たちに近隣国との在り様を尋ねた。「近隣諸国との緊張状態が続く東アジアのなかで、日本はこれからどうすべきだと思いますか」という質問には、「外交努力で友好に務める」を選んだ学生が73.1%を占めた。「外交的圧力をかける」は13.8%、「軍備を増強して備える」は4.6%だった。つまり、近隣諸国とぎくしゃくし、親しみを感じられない学生が半数をしめながらも、外交努力すべきだという人が多く、冷静でバランスのとれた考え方の学生が多いのである。
そして、「日中戦争の発端となった満州事変以来の戦争は侵略だったと思いますか」との質問には、「思う」「やや思う」が57.7%、「思わない」「あまり思わない」は17.5%だった。25.2%が「わからない」と答えた。戦争を引き起こしたことには日本に非があると思っている学生が半数以上だ。これは上記の「外交努力で友好に務める」73.1%の意識のバックにあるように推察できる。
ジャーナリズム論を履修している学生に対する意識調査ということで、学生のスタンスを勘案しなければならないが、若者の政治や世の中への関心は決して低くない。消費増税など身近な話題から国際問題まで幅広く関心があると感じた。
⇒25日(木)午後の金沢の天気 ゆき