★春の雪、嵐、夏日

名残雪(なごりゆき)という言葉がある。3月下旬に三寒四温が「二寒五温」くらいになる。そんな時に雪がチラリと降ることがある。「冬はこれで終わりです。来年もよろしく」という空からのメッセージのようなもので、北陸の住む身としては風情というものを感じる。スノータイヤの交換や雪吊りの庭作業、雪すかし(除雪)などこの冬のできごとを走馬灯のようにいろいろと思い起こさせてくれる。この名残雪がある意味で次の季節、春へのスイッチとなる。ノーマルタイヤへの交換や、雪吊り外しなど名実ともに気持ちが入れ替わる。
4月に入っても、三寒四温どころか、「四寒三温」だ。昨日(6日)夕方に帰宅し、庭の手入れをしようと草むしりをすると手がかじかんできて30分ほどで作業を止めた。晴れてはいたが、土に温もりがない。確かに「寒の戻り」や「春の淡雪(あわゆき)」といった冬への逆戻りを指す言葉はもともとあるが、きょうの雪はちょっと気が滅入る。金沢地方気象台による兼六園の梅の開花宣言は3月22日だった。平年より24日遅い、この25年間ではもっとも遅い開花だった。
かと思えば、今月3日の「春の嵐」はどうだ。南から暖かな風が吹きこみ、金沢市ではこの時期では異例の25.4度、夏日(なつび)を記録したのだ。最大瞬間風速は同市内で33.1㍍、まるで台風だった。小松市内の国道8号で風にあおられた4㌧トラックが横転した。金沢大学では午後1時過ぎごろに、「暴風等に伴う帰宅対応について」と教職員に対し帰宅するようメールで呼びかけがあった。帰宅困難者を出さないための、この時期にしては異例の措置だった。
4月に入ってからのこの1週間で冬と夏を体感したようなものだ。ところで、気になる兼六園の桜(ソメイヨシノ)の開花予想はどうか。ウエザーニューズ社の「さくら開花情報」サイトを閲覧すると、開花予想は4月13日、五部咲きが17日、満開20日から、桜が散る桜吹雪が24日と託宣されている。ちなみに、どのような基準で「開花日」とするかについては、気象庁の場合、標準木(観察を続けている木)5、6輪以上の花が咲いた場合を開花日としている。ウエザ-ニューズ社の場合は、1輪開花を開花日としている。「春よ桜とともに来い」。今回のブログはぼやきになった。
⇒7日(土)午前・金沢の天気 ゆき、くもり