2009年 8月 28日の投稿一覧

☆09総選挙の行方~3

☆09総選挙の行方~3

 27日付の朝日新聞は「民主、320議席獲得も、自民100前後、公明20台」と総選挙中盤の情勢調査の結果を伝えた。有権者である我々でもちょっと怖い数字である。なぜなら「熱」がないのである。何人か集まって、世間話をしていても選挙が話題に上らない。政権交代が必要と熱く語る人(有権者)が周囲にいない。なのに05年のあの「小泉劇場」と呼ばれ、有権者が熱かった総選挙より、数字的にダイナミックに政権交代が起きるというのである。これは一体、どんな現象なのか。

          不気味なほど静かなる選挙

  26日付の朝日新聞では、テレビの選挙報道が前回より「半減している」と報じていた。解散した日から1週間の間で、NHKや民放が取り上げた選挙に関する映像を時間で計測したデータの05年と今回の比較である。それを見ると、テレビ朝日の場合、前回がトータルで25時間、今回は16時間ほどなっている。フジテレビなどは3分の1だ。全体でデータを眺めると確かに今回はトーンダウンしている。テレビはある意味で正直だ。視聴率という数字が取れない、あるいは「絵にならない」(映像的に面白くない)と判断すると取り上げないものだ。確かに、前回は「刺客」「小泉敵情」の取り上げが過熱して、「テレポリティクス」と揶揄(やゆ)されたように、テレビが選挙を誘導しているとの批判の声もあった。テレビはその反省に立って、今回自重しているのか。「否」である。テレビはそんな殊勝な業界ではない。数字が取れると思えば、どこまでも食いついて行く。要は、選挙では数字が取れない、「酒井法子で行こう」と視聴者の心を読み取っているのである。

   おそらく選挙期間中(8月18日~30日)なので、多くの選挙分析の専門家はこの「覚めた現象」の分析を避けているのかもしれない。個人的には投票率が気になる。どんな層が動くのか。

  気になるのは、「ネガティブキャンペーン」がインターネットのユーチューブで盛んに流されている点だ。自民党が流している「プロポーズ編」「ブレる男たち編」「ラーメン編」では民主の幹部たちとおぼしき人物がアニメで表現されている。「プロポーズ編」は64万回も再生されている(28日現在)。民主党の鳩山党首とおぼしき人物が、「無料にする」などと女性に約束を乱発するアニメである。最後のナレーションで、「その根拠のない自信に人生を預けられますか?」と強調する。「ブレる男たち編」は「4人ばらばら、ブレ4です」と登場する「黒い影」は意味深だ、ちょっと見ようとクリックしてしまう。相手陣営を皮肉るという手法のテレビCMは、アメリカでは普通だ。先のアメリカの大統領選挙の民主党候補選びではオバマとヒラリー・クリントンの間でもこのネガティブ・キャンペーンが繰り広げられた。日本では表のCMはテレビ・新聞、裏のCMはインターネットと分けられている。

  冒頭で紹介した民主320議席は電話調査、64万回も再生されたCMはインターネットだ。数字だけが積み上がる、不気味な選挙ではある。

 ⇒28日(木)朝・金沢の天気  はれ