★09総選挙の行方~2
総選挙が18日に公示された。と同時に、公職選挙法に基づく縛りもでてきた。この「gooブログ」の作成画面には、「※選挙期間中は公職選挙法にご留意いただきますようお願いいたします。」との赤字の注意書きが掲載されている。私がブログを始めた05年春ごろ、ブログは「個人の日記」程度の認知だった。それがいまでは情報発信力が注目され、広告媒体やパーソナルメディアとしてのチカラを持つようになった。「だから、選挙期間中は候補者への中傷などは避けてください。公平に、公平に。私は注意しましたよ、あとは自己責任でどうぞ」との「gooブログ」運営担当者のつぶやきが聞こえてきそうだ。
政界へ執念の79歳、立つ
さて、公示日に候補者が出そろった。中で、興味深い顔ぶれも。比例代表北信越ブロックで、民主党は元自民党参院議員で国家公安委員長や内閣府特命担当大臣(防災担当)を歴任した沓掛(くつかけ)哲男氏(79歳)を、単独で名簿登載した。沓掛氏は金沢市在住で、もともと建設省技監を務めた官僚だ。3年前、議員会館を訪ねたことがある。大学のプロジェクトの立ち上げに際して、協力を求めに訪れたのだが、非常に丁寧な応対で、「お昼でもどうかね」と誘っていただいた。「政治家らしからぬ」柔軟さが好印象だった。
当時、沓掛氏は去就を巡り揺れていた。07年7月の参院選挙を前に、高齢を理由に自民党石川県連が候補差し替えを決定し、引導を渡された沓掛氏は引退を表明した。その後、党決定に反旗を翻し、県政の民主党勢力である新進石川の支援で、無所属での出馬を検討したが最終的に断念したという経緯があった。沓掛氏自身は年齢でもって、政治への意欲を断ち切られることに納得がいかなかったのだろう。
そして今回、80歳を目前にして再度国政を目指す。地元メディアの取材にこう答えている。「自民政権がめちゃくちゃにした建設業を立て直し、石川の政治を刷新したい」「再びバッジを着けることができたら公共事業の適切な在り方に取り組む」(北陸中日新聞)。面白いのは民主党幹部の言葉。「公共事業の知識が豊富というメリットは大きい」(同)と。政権交代が起きたら、民主党は沓掛氏を中心に公共事業の仕切りを行うのだろうか、と思ってしまうほど「迫力」のあるフレーズではある。本人の名誉のために付け加えるが、沓掛氏は汚職にまみれたことはなく、いたってクリーンなイメージでこれまで通してきた。
自民から民主へ鞍替え、高齢引退からの出馬、公共事業、建設業界…。見事当選すれば後期高齢者の「希望の星」となるかもしれない。さて、沓掛氏の政界への執念は成就するのか、どうか。
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