★食ありて~客が礼を言う店
たまに無性にラーメンが食べたくなるときがある。そんなときに出かけるラーメン屋が金沢市寺町にあるK店。この店で見る光景は普通のラーメンの店とは一風異なる。店内は飾りが
なく、静かで落ち着いていて、客層は老紳士・淑女然としたお年寄りが多いのだ。
この数年、われわれの身の回りのもので携帯電話とラーメンほど進化したものはない。さまざまな食味を追求したラーメン店が巷(ちまた)に看板を競っているが、K店は「自然派らーめん」と称している。無化調(無化学調味料のこと)を売りに、鶏をベースに鰹節、煮干、コンブの海産物からとった薄味のスープ。インパクトはなく優しい味わいで美味。ちじれ麺は足踏みだから腰がある。ちじれ麺にスープが絡んでいるのでのど越しがいい。
さらに、私がこの店で食べたいのは、実はチャーシュー。燻煙の風味のする炭火焼きのチャーシューだ。地元産の豚モモ肉を使っている。炭火焼きチャーシュー麺を注文すると、麺鉢とチャーシュー皿が別々に盆に乗って出てくる。というのも、スープにチャーシューを入れると風味が損なわれ、硬くなるからだ。
主人のM氏は「うちはラーメンではなく、中華そばの店」とこだわる。M氏のこだわりとは計算され尽くした食のプロセスにある。無化調のスープをちじれ麺でからませ、食感とのど越しを満足させる。炭火焼きチャーシューと麺鉢を分離するこでチャーシューの風味を守る。この緻密な計算式が狂うときがる。時折、臨時休業の貼り紙が。「腰痛で足踏み麺ができない」、「土佐の煮干が入荷しない」などの理由だ。客もそこは心得ていて、「納得いく中華そばがつくれないのであれば仕方ない」と文句は言わない。つくり手が満足しないのに、食べる人が満足する訳がないからだ。休業する理由も不思議なことに、顧客満足度を高めている。
冒頭に述べた、この10数人にしか入れない小さなこの店にお年寄りが多いというのは凛(りん)とした店の雰囲気と清潔感、薄味といった、まるで「ラーメン界の料亭」といった趣きを醸し出しているからかもしれない。もう一つ、ほかの店と雰囲気が違う点がある。炭火焼きチャーシュー麺はチャーシュー3枚入り(950円)と5枚入り(1150円)の2種類。値段もそこそこ高い。でも、客がお金を払って、「ありがとうございました」とお礼を言っているのは、なんと客の方なのだ。レジのそばの席に座って観察してみるがいい。
⇒30日(日)夜・金沢の天気 あめ
変えられてしまった人々も多い。そんな被災者の生の声をつづった「住民の生活ニーズと復興への課題」というリポートがある。金沢大学能登半島地震学術調査部会の第2回報告会(3月8日)で提出されたものだ。その中からいくつか拾ってみる。
ろう。その玉虫厨子を現代に蘇らせるプロジェクトが完成し、その制作過程を追ったドキュメンタリー映画が輪島市と金沢市で上映されることになった(3月16日付・北陸中日新聞)。
15日の新聞各紙にこんな事件が報じられた。石川社会保険事務局は14日、野々市町の男性が約43万円の還付金詐欺の被害にあったと発表した。同事務局によると、12日午後1時半ごろ、男性方に「タナカ」と名乗る男から「過去5年間の医療費の返還金があり、昨年10月に案内のはがきを送った」と電話があった。男性がはがきを見ていないと答えると「返還金の期日が過ぎているのでATM(現金自動出入機)から振り込む」と言われたため、近くのATMに行った。そこで男から操作を指示され、口座から43万3097円を振り込んだという。手の込んだ、計算し尽された詐欺である。
れるので栽培過程で農薬や化学肥料は必要ない。自然の食材として見直されている。
で「天白どんこ」とこの業界では言うそうだ。誰が考案した名称か知らないが、いかにも高級感が漂う。そして、市場価格はぐんと跳ね上がるのだ。
スプリンクラーか水道管が破裂。ロッカールームが水浸しになった。たまたま松井選手が残っていて被害に遭った。右ひざのリハビリが進むと首痛、首痛の治りかけに今度は水難。見方によれば、不運続きだ。「故障持ち」のレッテルが貼られた上に、今度は「不運なヤツ」という新たなレッテルが貼られそうである。