2006年 11月 7日の投稿一覧

★ブリ起こしの雷

★ブリ起こしの雷

 きょう(7日)は立冬だ。発達した低気圧が日本海が回りこんでいるようで、金沢では、昨日から断続的に強い雨と風、雷が吹き荒れている。まさに冬の訪れをイメージさせる天気ではある。

 昨夜、金沢の繁華街・片町を歩くと、居酒屋などでは6日解禁となったズワイガニがさっそくお目見えしていた。例年、解禁初日には石川県内から100隻を越える底引き網漁船が出港し、近江町市場の店頭にはドンとカニが並ぶ。ご祝儀相場が立つので高値で売れるからだ。だが、庶民にはちょっと手が出せない。何しろ一匹数千円の食材なのである。

 そこで、金沢の人々は初日は小ぶりながら身が詰まっているメスのコウバコガニを食する。オスのズワイガニに比べれば安い。一匹1000円前後だ。で、高値のズワイガニはどうなるかというとお歳暮用、つまり贈答用になる。だから、金沢のお歳暮商戦の実質的な幕開けはこのズワイガニの解禁日と重なる。

 冬のもう一つの食材がブリだ。きょうも未明から雷鳴がとどろいた。金沢ではこうした立冬前後の雷を「ブリ起こし」と呼んでいる。ブリが能登半島に回遊してくる季節と重なるのだ。ちなみに、能登半島の輪島では「雪だしの雷」と呼ばれ、初雪の訪れを告げる。

 食材の訪れもさることながら、そろそろ「雪つり」をしなければならない。自分では技術的にできないので植木職人に依頼する。下手に自分で施して、松の枝でも折ろうものなら、「金をケチるからや」とそしりを受けることになる。で、職人に頼むのだが、これは「冬税」だと思ってあきらめるしかない。

 昨日からの雷で、車のタイヤ交換のことを連想した人も多いはず。「よーいドン」ではないが、立冬の雷鳴で、冬支度の準備が始まったのだ。

⇒7日(火)朝・金沢の天気   あめ