2006年 9月 5日の投稿一覧

☆トイレットペーパーと豆腐の考察

☆トイレットペーパーと豆腐の考察

 既成概念にとらわれてはいけないと日ごろ思っている。そう思っている割には、意表をつく商品デザインがあったりするとドキリとしたり、思わず笑ったりする。そんな話題を2つ。

  広告入りのトイレットペーパーを見たことがあるだろうか。先日、家人が金沢市内の電気店に用事に行って、サービス品として2本もらってきたものだ。普通の巻紙タイプのトイレットペーパーなのだが薄いブルーで文字とイラストがプリントがしてある。その内容は「地上デジタル放送のご案内」である。2011年7月24日をもって現行のアナログ方式が終了する。そして、「お使いのテレビは今のままではタダの箱。他人事ではありません」と。デジタル放送が始まりますよというキャンペーンであり、要は当社のテレビを買ってくださいというPRなのだ。

  ところが、家の者はだれも使いたがらない。「お尻にブルーのインクがつくのではないか…」などといぶかっているのだ。使用する側に「トイレットパーパーは白色」という既成概念がある限り、せっかくのアイデア(PR}商品も使ってもらえそうにない。

  豆腐といえば四角とだいたい相場は決まっている。中に、能登の「ちゃわん豆腐」のように丸型もある。この豆腐はなんとサーフボード型なのだ。ネーミングが面白い。「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」。2パック入っていて298円だ。受け狙いの流行商品だろうと思ったら、商品開発に5年も費やしたこだわりの味だという。味は濃厚でまるでクリームチーズかプリンのようだ。

  この「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」を調べるといろいろなことが分かってきた。ブランドの豆腐は現在、京都の「男前豆腐店」と、茨城の「三和豆友食品」の2社が製造販売している。西と東でメーカーが違うのである。ちなみに我が家が買った「ジョニー」は東のものだった。男前豆腐の社長が三和豆友時代に開発したヒット商品だが、 三和豆友を辞め05年9月に京都で独立店舗を構えた。その後、ことし5月に三和豆友は大手の「篠崎屋」と業務提携を結び、大手の傘下に入った。どうやら、男前豆腐の38歳のヤリ手社長が独立したのはこの業務提携を嫌って、自分は西で独立し「棲み分け」をしたということらしい。

 その三和豆友は現在、ホームページすらつながらない。つまり豆腐をつくっているだけのようだ。それに比べ、男前豆腐は斬新な切り口のHPで勝負している。そして、雑誌のインタビューに38歳の社長は「ことし夏にアメリカ西海岸で販売網を構築する」と、「ジョニー」の海外戦略を語っている。豆腐の味も人生の波乗りもうまい…。

 ⇒5日(火)夜・金沢の天気  はれ