★流しそうめんと選挙
旧盆も終わり、あいさつ文は「残暑お見舞い」となった。先日、学生が流しそうめんのキットをつくった。キャンパスの山林から調達した竹でつくったなかなかの優れものである。問題はどうやって数㍍もある竹を真っ二つに割いたか、である。まず、ナタで円の面を割く。その後、棒を裂けた部分に差し込んで金槌で棒の両端叩きながら割いていく。一気に割くと真っ二つにならなら場合もあるので結構慎重さを要する。
そうしてできた竹に水を流し、そうめんを上流から手のひらに乗るくらいの分量で流していく。水流が速すぎるとキャッチが難しい。加減というものがある。流しそうめんでポイントはつけタレだろう。水切りが十分にされないまま食べるとすぐタレが薄まってしまう。そうめんをよく振って水を落としてから食べるのだ。右利きの人は水の流れる方向の右側に座った方がよい。箸で流れを棹差すようにして待ち構え、そうめんが箸に絡まるタイミングを見計らって一気にすくい上げる。これがコツだ。
ところで竹を割ったように、スパっと自民は割れた。郵政民営化反対のドン、綿貫民輔氏と亀井静香氏らが新党を旗揚げすることになった。党名は「国民新党」という。傑作なのはその活動方針だ。「小泉恐怖政治の打破」「破壊でない真の改革」である。どこかの国のように、大統領権限を振りかざして民政を圧迫するのであれば恐怖政治とも表現できようが、総理が解散権を行使し、対立候補を立てたくらいのことを恐怖政治と称しては「言葉の愚弄」となる。語気を強め、他人が嫌悪する言葉を吐いても、誰にも意図するところは伝わらない。
新党の結成で、綿貫氏の地盤、富山3区の自民党県連は胸をなでおろしているだろう。綿貫氏は富山県の自民党のドンでもある。無所属で立候補した場合、これまでのことを恩義に感じあるいは義理立てして応援に回る人もいる。しかし、新党となると話は別である。「オレは自民党だから、他党は支持できない、従って綿貫氏は申し訳ないが…」と支援を断る理由になる。県連もおそらく「他党を応援するのはよろしくない」とお触れを出すだろう。それにしても綿貫氏は78歳、新党の代表をよく引き受けたものだ。 冷静に考えれば哀れでもある。
そうめんは好き嫌いが分かれる麺類である。うどんやそばとは違って食感が薄いからだ。それでも流しそうめんだと風流や涼感という別の要素が加わって食べる人は多い。新党も同じで「改革を断行しそうだ」などといった期待感やムードが醸成されれば、その党の候補者をよく知らなくても一票を投じるものだ。それがこれまでの民主党だった。ところが、その新味が民主党には感じられないという意見をよく聞く。実際、ブログを閲覧しても、そのような書き込みが多いのではないか。ましてや、綿貫氏や亀井氏の新党に期待感がわくだろうか。水分が抜けて絡まって食えないそうめんのような感じがするのだが…。
⇒17日(水)午後・金沢の天気 雨