☆クマと出合ったら…

ことしもクマが出没する季節になりました。クマは雑食性の猛獣ですので、人間とは共存できませんが、棲み分けがきるよい知恵がないものかといつも思います。去年の話ですが、クマに関するエピソードをいくつか見聞きしました。
去年10月、金沢市の山のふもとの集落で柿の木に登っているクマが発見され、行政から射殺の依頼を受けた猟友会のメンバーが駆けつけました。メンバーから聞いた話です。クマは見るからに痩せていて、一心不乱に柿の実を食べていました。すぐ撃ってもよかったのですが、「せめて腹いっぱい柿を食べさせてから」と思い待ちました。お腹がいっぱいになり、木から降りてきたところでズドンと銃声が響きました。死んだクマに駆け寄ってみると、クマの目に涙がにじんでいました。
クマが里に出没すると人の対応もさまざまです。去年の秋、富山県はクマに襲われ負傷した人が22人(去年10月時点)にもなりました。同じ北陸でも石川と福井は負傷者が一ケタに止まりました。クマに追いかけられて取っ組み合いとなったり、棒やカマで反撃したりとなかなか気丈な人が多いのが富山県です。私が新聞で見た限り、クマと「格闘」した最高齢は富山県上市町の77歳のおばあさんでした。
ちなみに、金沢大学のオフィスで机を並べている女性は北海道でヒグマの調査をしてきた人です。彼女によると、北海道のヒグマは北陸のツキノワグマより体が大きい分、人の「死亡率」も高いとか。クマと出合ったら反撃せずに逃げるのが一番だそうです。