★ギョウカイの裏読み
テレビメディアの「劣化」を指摘する声をよく聞く。放送内容もさることながら、最近目立つのがテレビ業界(ギョウカイ)の不祥事だ。きょうもネットニュース(読売新聞Web版)で毎日放送(MBS、大阪市)の男性社員が同僚の女性社員を盗撮したとして、警察が迷惑防止条例違反の疑いで捜査していると報じられている。盗撮に気がついた女性が警察に被害届を提出し発覚した。MBSではことし4月にも男性の局長がセクハラで懲戒処分を受けている。山梨、山形で20代の3人の女性に性的暴行を加えたとして強姦致傷などの罪に問われ逮捕されたたNHKの記者がいた。ことし4月の判決で懲役21年の刑が言い渡されている。
折しも、報道関係者が集まってきのう(20日)ときょう札幌市で「マスコミ倫理懇談会」全国大会が開催されている。マスコミ倫理懇談会全国協議会のホームページをチェックすると分科会は7つあり、「岐路に立つ実名報道」、「極端化する災害と取材・報道」、「ネット時代を、マスメディアはどう生き抜くか」、「公文書管理と情報公開」、「働き方改革」、「国民投票法を考える」、「地方活性化と広告の可能性」とある。それぞれ重いテーマなのだが、「報道機関でパワハラ、セクハラ、性犯罪がなぜ起きるのか」を緊急案件として入れるべきではなかったのか。
それにしてもタイミングが悪い。日本民間放送連盟(民放連)の大久保好男会長(日本テレビ社長)がきのう午後2時からの定例の記者会見で、憲法改正の際に賛否などを呼びかけるCMについて、放送時間の長さなどの量的な規制はしないことを決めたと述べ、物議をかもしている。民放連のホームページに会見の内容が記されている。以下引用。記者は「憲法改正の国民投票をめぐり、テレビCM規制のあり方が議論されているが、どのようにお考えか。また、自主規制について、民放連で検討が進んでいるのか」と質問した。
これに対し、大久保会長は「憲法改正をめぐる国民投票運動のテレビCMのあり方について、私たちに検討が投げかけられており、国会の検討の場に招かれて説明も行った。本日開催した理事会で、この問題を担当する放送基準審議会から検討状況の報告があった。その中で、民放連として一律にCMの量的規制はしない方向で検討を進めていくとの説明があり、これを了承した。民放連がCM量についてどのような自主規制を行うのか、との問いに対して、現時点の考えを確認したものだ。今後、この基本的な考え方に沿って番組・CM全般の論点を検討していく」と述べた。文面そのままでは分かりにくいので以下考察する。
3選を果たした安倍総理は、憲法第9条の第1項と第2項を維持したまま、自衛隊の存在を規定する第3項を加える方向で憲法を改正を任期中に行う考えを示している。憲法改正には衆参両院の3分の2の賛成を得た上で国民投票で過半数の承認を得る必要がある。憲法改正の発議が本格化すれば、当然賛否の論が沸き、テレビを使ったキャンペーン(CM)が激しさを増すことは想像に難くない。
というのも、国民投票法にもとづく国民投票運動は選挙運動と違ってかなり自由度が高い。例えば、選挙運動では街頭演説は午前8時から午後8時に限定されているが、国民投票運動には制限はない。選挙運動では禁止されている戸別訪問や自分で自由にビラやポスターを作って配布することもできる。インターネットや電子メールも制限なく使用できる。ただし、国民投票法では投票日14日前からのメディア(新聞、テレビなど)を使ったCMを禁止している。が、14日前までならばCMを大量に流してもよいのだ。記者会見で民放連会長はそのCMに関して国民投票運動は原則自由であり自主規制はしないと述べたのだ。ただ、CM内容で誹謗中傷がないかを放送前にチェックする考査について今後検討していくと述べた。
資金力がある側(自民)が大量にCMを流すと公平性が保てない恐れがあると野党側はテレビ局側に量的な自主規制を求める声を上げていたが、民放連はそこには踏み込まなかった。自衛隊をめぐる憲法改正は安倍政権の総仕上げだ。昨年の自民党の政党助成金173億7400万円はダントツに多い。一方、2017年の日本の広告費(電通調べ)ではインターネット広告費は4年連続二ケタ成長であるのに対し、テレビは前年比99%と減少傾向にある。数年後にはテレビを抜く勢いだ。喉から手が出るほどCMがほしいギョウカイの下心が見えたか。
⇒21日(金)夜・金沢の天気 はれ





会見ではリーダーの城島茂が、山口の辞表を預かっていると述べていた。その後、事務所側に辞表が託され、正式に受理されたということだろう。山口は2月に自宅マンションの部屋に女子高生を呼び出し、無理やりキスをするなどのわいせつな行為をしたとして、警視庁から強制わいせつの疑いで書類送検されていた。示談が成立していたので、東京地検は起訴猶予にした。本来ならば、ここからが再起のステップになるのだが、役員は見限ったのだろう。
この事件を突き詰めて考えると、会見でも話が出ていたように山口本人のアルコールによる自己管理のなさ(酒癖の悪さ、あるいは酒乱)がそもそも問題だろう。城島茂は「現場で酒の匂いがするとか、二日酔いで調子悪そうだなということは確かにあった。円滑にロケが進まないようなこともあった」と。さらに、松岡昌宏はこう述べていた。「山口はアルコール依存症なんだと思っていたが、いろいろな病院に診断書を求めても、アルコール依存症というのは出てこない。本人も先の会見でそう言っていた通り、30日の時点での診察の紙には『依存症』とは書かれていない。どこが原因なのかと我々も、もちろん彼もわからない」と。
1963年5月、能登半島沖へ漁に出たまま行方不明になり、87年1月に北朝鮮で生存が判明した寺越武志氏。2002年10月、39年ぶりに一時帰国し、故郷の石川の地を踏んだ。その時は朝鮮職業総同盟の訪日団の一員として訪れた。本人はこれまで一貫して「自分は拉致されたのではない。遭難し、北朝鮮の漁船に助けられた」と拉致疑惑を否定してきた。「金英浩」という現地名を持ち、妻と子供3人をもうけているので、拉致疑惑を否定せざるを得なかったのかもしれない。
会談の最大の焦点は「非核化」だ。韓国メディアはどう評価しているのか。現地ではさぞ「万歳」と会談を称える論調だろう思いながら、チェックしてみると意外と冷静だ。本日(28日)付「朝鮮日報」webサイトは社説で次のように述べている。以下抜粋。