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★球児の夢、松井のドラマ

★球児の夢、松井のドラマ

 季節には風物詩というものがあって、7月の梅雨が上がるか上がらないかの微妙なこの時期は何と言っても、夏の高校野球ローカル大会をイメージする。きのう15日開幕した第87回全国高校野球選手権石川大会は順調に行けば、決勝は27日だが、見どころとすると夏の連覇をめざす遊学館、あるいは春夏連続での甲子園出場をめざす星稜か。

   メイン球場は石川県立野球場。きのうの日中の金沢の最高気温は31.3度、球場のグラウンドはそれより2、3度高い。筋書きのないドラマはいつもこの炎天下で繰り広げられる。ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手は1992年(平成4年)、3年の時にこの球場で満塁ホームランを放ち、星稜は4年連続11度目の甲子園出場を果たす。意気揚々として乗り込んだ甲子園大会の2回戦で物議をかもした「連続5敬遠」(対明徳義塾戦)があり、高校野球ファンでなくても松井選手を知ることになる。松井選手のあのドラマの書き出しは県立野球場で始まっていたのだ。

   53校のトーナメント表(4ブロック)を眺めていると、「この学校はいつもくじ運がいいな、このブロックだとベスト8かも」とか「この学校とこの学校は相性が悪いから、潰し合うな」などと試合展開のイメージが不思議と浮かんでくるものだ。高校野球の面白さは、こうした「読み」が当たるかどうかの醍醐味でもある。

   とは言え、27日に決勝、52校は敗れ去る。中にはボロ負けのコールドゲームもあるだろう。そこで、高校球児に贈る言葉を探した。マリナーズのイチロー選手は「負けている中でも粘りがないと、次の可能性は見えてこない」と口癖のように言うそうだ。最後までチャンスを狙うマインドが大切だ、との意味だろう。そして松井選手の父親、昌雄さんはこう言って息子を育てた。「努力できることが才能なんだ」と。逆説的な言い回しだが、勝者も敗者も励ます温かな表現である。

⇒16日(土)朝・金沢の天気  くもり

★「ノアの箱舟」の梅雨

★「ノアの箱舟」の梅雨

   少年期に「ノアの箱舟」をテーマにした映画を見た。映画のタイトル名などは覚えていない。雨の恐怖とでも言おうか、大雨が来ると人類は洗い流される、と思ったものだ。それ以来、私にとって雨は恐怖の概念の中にある。

  「降れば土砂降り」とはこのことを言うのだろう。何しろ激しい雨である。北陸地方は先月28日から大雨。ここ金沢大学角間キャンパスもその例外ではない。きのう1日に撮影した写真(左)のように、私が「角間渓谷」と勝手に名づけている人造川もご覧の通り濁流が怒涛のように押し寄せ、水は赤茶けている。石積みは大丈夫か、と心配になる。そして、記念館「角間の里」前に市民ボランティアや養護学校の子供たちが植えたアワやキビ、トウモロコシなどの雑穀の畑の一部も水流にえぐり取られ、痛々しい。

   しかし、金沢地方気象台のきょうの予報は外れたようだ。朝までにまとまった雨となっていたが、すでにきのう夜半には峠を越し、きょうは青空も出て、梅雨の中休み。ところで、向こう一週間は、前線や気圧の谷の影響で曇りや雨の日が多く、期間の前半は前線の活動が活発となるため、降水量の多くなるところがある。最高気温は平年より高い日が多い。降水量は、平年より多い見込み。以上は、気象台のきょう午前11時発表の週間予報。来週も雨が降り、そして蒸す~。

⇒2日(土)午後・金沢の天気 晴れ