★春風に笑む花と世の無常
この時節庭の花が色とりどりに咲き始めている。フクジュソウ(福寿草)は黄色い花、カンシャクヤク(寒芍薬)は白や紫と、春を感じさせる。先日友人から花入れを頂戴したこともあって、さっそく活けてみた。
まず床の間に飾ってみる。春先なので掛け軸は「桃花笑春風」(とうかしゅんぷうにえむ)を選んだ。唐代の詩人・崔護の漢詩の一部「桃花依旧笑春風」が元の書である。うららかな春風に揺られて咲く桃の花は、まるで微笑んでいるようだ。無心に咲く、花の美しさよ(淡交社『茶席の禅語大辞典』より)。床の間をじっと見つめていると、モモ、フクジュソウ、カンシャクヤクの花が春風にそよいでいるように思えるから不思議だ。
さらに禅語風に、花は変わらず咲くが、人の世は変わってしまうという無常感とも解釈できる。本来ならば春の訪れを祝うかのように人の心はうららかになり、街も華やいでくる。ところが、人の世は新型コロナウイルスの流行(はや)りで滅入っている。春の選抜高校野球の快音と歓声は聞けなくなり、世界は互いに国境を閉ざしている。
WHOの記者発表(ジュネーブ・現地時間13日)をチェックすると、新型コロナウイルスの感染は139の国・地域に及び、感染者は13万2000人、死亡者は5000人超えとなった。テドロス事務局長は死者が5000人を超えたことを、「a tragic milestone」と述べている(WHOホームページ)。これを「悲劇的な節目」と解釈するか、あるいは「悲惨な節目」と解釈するかは別として、世の無常を感じさせる言葉ではある。
⇒15日(日)午前・金沢の天気 はれ







2019年10月は台風19号による被害で東京ー金沢の全面運休が13日間続いたことなどが響き、前年同月比47%減の41万4千人だった。20年2月は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で同8%減の56万5千人(同)。まさにダブルパンチだ。しかも、コロナウイルスに関してはいつ終息するか予想がつかない。それでも北陸新幹線は暫定ダイヤなどは組まず予定通り運行している。
