⇒ニュース走査

★緊急事態宣言で問われる非日常性のこと

★緊急事態宣言で問われる非日常性のこと

   金沢大学角間キャンパスは市内より少々高台にあり、兼六園より少し遅れて、今ちょうどソメイヨシノの満開を迎えている。桜並木の通りから満開の桜を見上げると青空に映えて、絶妙な風景が描かれる=写真・上=。それにしても、自然界は春を迎えることができたが、人間界は新型コロナウイルスの感染拡大で戦々恐々としていてそれどころではない。きょう7日、わが国では緊急事態宣言が発令される=写真・下=。人の世の無常というものを感じる。

   昨夜、町内会の班長から電話があった。今月11日に予定していた町会の定期総会を急きょ中止することにした、と。これまでも毎年楽しみにしているゴールデンウイークの音楽祭や、参加を予定していた学術シンポジウム、菩提寺の春の団子まき(涅槃会)などイベントや伝統行事が中止となっている。町内会の寄り合いまでもか、と。

   安倍総理はきのう緊急事態宣言に先立って緊急経済対策会議を開き、午後5時50分から記者団に説明した。事業規模については「コロナウイルス感染の経済に与える甚大な影響を踏まえ、過去にない、強大な規模となるGDPの2割にあたる事業規模108兆円の経済対策を実施する」と述べた(6日付・NHKニュースWeb版)。緊急事態宣言は全国ではなく、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に出される。期間もゴールデンウイーク最終日の5月6日までをめどするようだ。海外のようなロックダウン(都市封鎖)は行わない。PCR検査態勢を1日2万件に倍増し、病床数も現在の2万8千床から5万床を確保する。

   この総理の発表を受けて、小池都知事は午後9時30分から記者会見を行った。都の対応案として、外出の自粛を都民に要請するとともに、映画館や図書館、デパ-トやショッピングモールなどの商業施設、カラオケ店や居酒屋、そして学習塾や理髪店、質屋にまで休止を要請する方針だ。ただし、病院や薬局、コンビニ、スーパーマーケット、銀行、飲食店などの「生活インフラ」に関してはその対象ではない(7日付・朝日新聞)。

   人々にひたすら「自宅に籠(こも)っておれ」との都知事の強いメッセージではある。しかし、別の意味で穏やかならぬ不安もよぎる。独り身がマンションに籠るのであれば落ち着いたものだろう。ただ、家族が籠るとなると、必ずしも穏やかとは限らない。今月1日付のBloombergニュースの記事だ。中国の事例として、離婚率が急激に増え、陝西省西安市や四川省達州市では3月前半に離婚届件数が過去最高になった、と。

   日常ではない非日常での生活では、団結する家族もあれば、逆に夫婦喧嘩や親子喧嘩、DVなどが顕在化することもあるだろう。限られた空間で長い時間を共に過ごすことで、予想もしなかった人間の関係性が露呈するものだ。それは中国に限らず人間界の常ではないだろうか。

⇒7日(火)午前・金沢の天気    はれ

★テレビ番組 悩ましい「3密」

★テレビ番組 悩ましい「3密」

         新型コロナウイルスの感染拡大はマスメディアも例外ではない。きょうの朝日新聞朝刊の第2社会面のベタ記事(1段見出しの記事)が掲載されていた。東京本社に勤務する編集局の30代の女性記者が匂いを感じないなどの症状があり、先月31日に倦怠感があったため保健所と相談、今月1日にPCR検査を受け、4日に陽性と判明した。NHKでも感染者が出ている。3日付の報道資料によると、国際放送局に所属する40代の男性は先月23日に発熱があり、医療機関で「風邪」と診断された。以降自宅で療養し、30日に出勤したが、帰宅後に再び発熱。別の医療機関で受診し、今月1日にPCR検査を受け、3日に陽性と判明した。

   テレビ局の場合、番組制作という仕事はまさに「3つの密」である。スタジオという密閉空間と密集場所、一堂に会した番組打ち合わせは密接場面である。TBSは今月2日に「新型コロナウイルス対策についてのお知らせ」と題した報道資料(ニュースリリース)を出した=写真=。報道・情報番組は従来通りに取り組むものの、ドラマやバラエティなどの番組については、「不特定多数の方々と接触したり、大人数が集まったりするケースが多いことから、一般の方々や出演者の方々、番組スタッフへの感染予防を最優先に、当面、ロケやスタジオ収録などを見合わせる」(報道資料)。見合わせる期間を4日から今月19日までの2週間で、それ以降はその都度で判断するとしている。

        TBSは前日の1日、今月スタートのドラマ3本(『半沢直樹』『私の家政夫ナギサさん』『MIU404』)と、4日に生放送する予定だった特別番組『オールスター感謝祭2020春』の放送を延期すると発表していた。放送直前での苦渋の決断だったろう。TBSでは、さらにその前日の31日に派遣契約の60代の男性スタッフが陽性と確認されたと発表していた。

   ここからは憶測だ。クライアントであるスポンサーの意向もあったのではないだろうか。放送予定だった生番組『オールスター感謝祭2020春』は多数が出演してのクイズやスポーツに挑戦する内容で、まさに「3つの密」だ。これが放送された場合、SNSで相当な批判が沸き起こることは想像に難くない。事前に有力なスポンサーから番組の提供を降りたい旨の話があったとしても不思議ではない。

   NHKには別の悩ましさもある。今月2日の前田会長の記者会見で記者から質問があった。「コロナウイルスに関して、中小企業やホテルなどに対して緩和措置を取るのか」と。これに対し「3月30日に高市総務大臣から、旅館やホテルなどの中小事業者向けの受信料負担の軽減について、減免を含めて、検討の要請がありましたことを踏まえて、前向きに検討したい」と答えている。受信料問題と絡んできている。

⇒5日(日)午後・金沢の天気    くもり

☆コロナショック 経済が重症化する前に

☆コロナショック 経済が重症化する前に

     世界の新型コロナウイルスの感染拡大は続く。死亡者数▽イタリア1万4681人▽スペイン1万935人▽アメリカ7152人▽フランス6507人▽イギリス3605人▽中国3326人、となっている(4日付・NHKニュースWeb版)。

   日本集中治療医学会のホームページによると、イタリアでは3月31日の時点で感染者10万5792人に対して死者約1万2428人と死亡率は11.7%と急増している。一方でドイツは、感染者約7万1808人に対して死者は775人で、死亡率は1.1%となる。この違いは、集中治療の体制の違いと指摘している。ICUのベッド数は、ドイツでは人口10万人あたり29-30床であるのに対し、イタリアは12床程度。ドイツではコロナ感染の死亡者のほとんどがICUで亡くなるのに対し、イタリアでは集中治療を受けることなく多くの人々が亡くなっているのが現状だ、と。結果として、ベッド数が足りている分、高齢者の重症化を抑えることに成功し、死亡者が他の国に比べ少ない。

   日本はどうか。クルーズ船感染を除いた死亡率は2.4%(4日現在)だ。重症患者用の病床数は10万人あたり7.3床となる。ドイツやイタリアに比べ少ない。そこで、政府はまず「検問体制」を設けた。発熱があってもそれだけで病院での受付はせず、事前の電話確認を行う。「37.5度以上の熱が4日間以上続いている」「基礎疾患がある」「海外から帰国した」などの特定条件に充当していれば、病院で診察が受けられる。これは憶測だが、入口を狭くする意味合いは、まず罹(かか)らないように十分気をつけてください。本当に罹患したと思われる人のみ受け付けます。「病床数が少ないので、国民のみなさんご理解ください」との国民へのメッセージなのだろう。それだったら最初からそう言えばいい。

   それにしても、国民に「3つの密」(密閉空間、密集場所、密接場面)を避けることが求められ、日本の主力産業である自動車工場の休業が相次ぐ。これが日本の、そして世界の経済に及ぼす影響はいかほどだろうか。想像もつかない。ただ、懸念されるのは自殺の増加だ。バブル経済の崩壊後の不況で山一證券や北海道拓殖銀行などの金融機関の破綻し、翌年の1998年にどん底となる。この年はそれまで2万人台だった自殺者数が一気に3万人台と増加し、その後10年余り高止まりした。

   個人的にショックだったのは、新聞記者時代に赴任した輪島市で取材のお世話になった輪島塗業界の経営者が相次いで3人も資金繰りに困って自殺するという訃報に接したことだった。自死を選んだ理由は保険金だった。経営者は責任感が人一倍強い。その分、融資を絶たれると覚悟を決めてしまう。新型コロナウイルスによる経済の行き詰まりはこれから表面化してくるだろう。中小零細企業に手厚い支援策を望む。「1世帯2枚のマスク」より緊急度の高い対策課題ではないだろうか。(※写真はWHOの公式ホームページ)

⇒4日(土)夜・金沢の天気      あめ

★コロナショック 能登の「でか山」中止に

★コロナショック 能登の「でか山」中止に

   能登を代表する祭りと言えば、七尾市の「青柏(せいはく)祭」だろう。「でか山」と呼ばれる高さ12㍍もある巨大な山車が街を練る光景は実に壮観である=写真=。毎年5月3日から5日にかけて行われる祭礼でゴールデンウイークの目玉のイベントでもある。そのでか山の運行が今年は中止されることが決まった。

   祭礼の神事は執り行われるが、メインイベントの曳山行事が取り止めとなる。新型コロナウイルスの感染拡大を懸念しての措置だ(七尾市役所ホームページ)。和倉温泉も近くにあり、毎年10万人余りが見学に訪れる。ユネスコの無形文化遺産にも登録されている伝統行事でもある。開催地としては苦渋の決断だったに違いない。このニュースを知って最初に思ったことは、「能登にはコロナウイルスの感染者は出ていないので、規模を縮小してこじんまりとやればいいのではないか」と。オール・オア・ナッシングで中止する必要はないのではないか、と。

   自らの考え違いに間もなく気が付いた。高さ12㍍、重さ20㌧もある山車3台を長時間にわたって動かすのは地域の住民だけではない。この祭りを楽しみに県内外の出身者も大勢が帰郷して曳き手に加わっている。実際、こうした有志がいないと巡行は難しい。かといって、3台のうち1台だけを地元の人たちで、しかも無観客で動かすというのは祭りの趣旨にそぐわない、ならばいっそうのこと中止に、という判断だったのだろう。

   能登の祭りだけではない。新型コロナウイルスの脅威はどこまで波及していくのか。

⇒3日(金)夜・金沢の天気    はれ

☆政府対策「1世帯2枚のマスク」のインバクト

☆政府対策「1世帯2枚のマスク」のインバクト

    このところテレビで、新型コロナウイルスの感染拡大による国の緊急事態宣言の是非についての議論されている。視聴していて、それぞれの専門のコメンテーターの話しぶりに殺気だった雰囲気を感じる。それだけ危機が差し迫っているのかと受け止める。そんな中、きのうのこのニュースを知って、おそらく国民のほとんどは耳目を疑っただろう。

   安倍総理がきのう政府の感染症対策本部の会合=写真、首相官邸公式ホームページより=で、マスク不足対策の一環として、洗濯して繰り返し使える布マスクを1億枚配る方針を明らかにした。1世帯当たり2枚を郵便を使って順次送る、という。総理発言で自ら耳目を疑った理由をいくつか。

   その1)「1世帯当たり2枚のマスク」。これは総理が述べるべき内容だろうか。地方自治体の首長が言ったのであれば納得する。総理がいま言うべきは国民の生活保障ではないだろうか。ドイツ政府は収入を失った個人事業主(フリーランス)に3ヵ月100万円、イギリスは給与の8割、フランスは給与の7割を政府が保証すると発表している。それに比べるとマスクを1世帯当たり2枚とは。最近まで自民党内にあった肉券と魚券の提案と同じレベルではないか。

   その2)マスク配布は緊急経済対策(60兆円想定)の経費に盛り込むという。配布は日本郵政が担う。全国に張り巡らされた郵便局のネットワークを活用して郵送ということだろう。その経費はいくらなのか。1世帯への配布のコストを仮に500円として、全国5000万世帯で計算すると250億円だ。

   そこまでして全国津々浦々に配る必然性がどこにあるのだろうか。国から1世帯当たり2枚のマイクが配布されて、これを政府の対策と国民は納得するだろうか。冒頭に述べたように、この世の中は少々殺気立ってきた。配布後の内閣支持率を見てみたい。20%台に落ち込んだら危険水域だ。

   けさもニュースをチェックしていると、世界はすでに殺気立っている。WHOのテドロス事務局長は1日、ジュネーブの本部で記者会見し、ここ数日間で世界で感染者は100万人に上り、死者も5万人に達するだろうと述べた。イギリスでは先月31日に死亡者が1日としては最も多い563人に上ったと発表された。累計は2352人となる。アメリカのトランプ大統領が感染拡大について「非常に厳しい2週間になる」と述べたことを受けて、1日のニューヨークダウの終値は前の日に比べて973㌦下落した(2日付・NHKニュースWeb版)。

⇒2日(木)朝・金沢の天気   あめ

★欧州クラスターに付け入る中国の思惑

★欧州クラスターに付け入る中国の思惑

   日本のメディアもさることながら、アメリカやヨーロップのメデアィアは新型コロナウイルスのニュースであふれている。31日付のCNNは、フロリダ州で外出禁止令の中で礼拝を続けた牧師が逮捕されたといった、社会や政治経済の動きを細かに報じている。イギリスBBCのWeb版をチェックすると、国際問題になるようなニュースが掲載されていた。   

  「Coronavirus: Countries reject Chinese-made equipment」(国々は中国製の機器を拒否している)=写真=。記事によると、オランダ保健省は、中国製のマスク60万枚をリコールしたと発表した。マスクは品質認証を受けているにもかかわらず、しっかりと装着できず、フィルターも機能していないと説明している。中国メーカーから直接購入したもので、すでに治療に当たる医療現場に送られていた。

   検査キットについても問題が起きている。スペイン政府は数十万個のウイルス検査キットを中国の企業から購入したが、そのうち60万個近くで正確な検査ができないことが判明した。在スペイン中国領事館は、この検査キットを販売した中国のバイオ関連企業は保健当局から認可を得ていなかったとツイッターで説明した。トルコ政府も、中国企業に注文した検査キットに欠陥のあるものが見つかったと発表した。

  BBCはEU外務・安全保障政策代表がブログで述べたコメントを紹介している。「“China is aggressively pushing the message that, unlike the US, it is a responsible and reliable partner,” he wrote. “Armed with facts, we need to defend Europe against its detractors.”」(意訳:「中国は、アメリカとは異なり、責任ある信頼できるパートナーであるというメッセージを盛んに送ってきている」「事実を武器に、中傷者からヨーロッパを守らなくてはならない」)

   感染拡大が続くヨーロッパでは、中国がパンデミックを政治的影響力として使っていると批判が出始めているようだ。

⇒1日(水)午後・金沢の天気    あめ

☆チューリップ祭典中止、ウイルスは止まず

☆チューリップ祭典中止、ウイルスは止まず

           きのう午前のブログで京都の私立大学の学生7人が新型コロナウイルスに感染したことを述べた。大学のホームページが30日午後8時現在で更新されていて、さらに同大学の学生6人が新たに罹患していることが判明したと記されている。スペインなどヨーロッパに旅行した学生と帰国後に送別会などで接触した学生合わせて13人の感染となる。

   ところが、大学側がホームページを更新した直後に後でさらに、感染者が新たに発表された。同大学の学生で富山市に帰郷していた女子学生がPCR検査で陽性が判明したと、富山市が午後8時30分に、マスメディア各社などにファクスで概要を発表した。その後、午後9時30分すぎに富山県の石井知事が県庁で会見し、「心配していたことが現実になった。感染者が増えないよう全力を尽くすことが大事だ」と述べた(31日付・北日本新聞Web版)。

   大学側が最初に発表した7人と接触した学生が48人もいたことから、京都市保健福祉局は29日、富山市保健所に対し感染者の濃厚接触者として調査の依頼していた。30日、保健所は女性に対して帰国者・接触者外来での受診を指示し、PCR検査で陽性であることが分かった。女性はこの春に同大学を卒業し今月21日にゼミの卒業祝賀会に出席していた。おそらく就職先も決まっているだろうから、これから新社会人というときに本人も残念だろう。

   もう一つ残念なこと。富山県砺波市で開催される予定だった「となみチューリップフェア」(4月22日-5月5日)は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止が決まった(2020となみチューリップフェア公式ホームページ)。69回目だったが、中止は初めてという。主会場のチューリップ公園は通常の都市公園として開放する予定で、前売り券は払い戻す=写真=。チューリップフェアにはこれまで何度も家族で会場を訪れたことがある。野外なので中止にしなくてもよいのではと一瞬思ったが、来場者の安全と健康を考慮しての判断なのだろう。

⇒31日(火)朝・金沢の天気    はれ

★「大学クラスター」の深刻度

★「大学クラスター」の深刻度

  日本の各大学は新学期を控え身構えているのではないだろうか。学生たちが春休みを利用しての旅行や留学から続々と帰ってくる。多くがアメリカやヨーロッパからの短期組である。

  京都の私立大学はきのう(29日)、学生7人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。そのうち男子1人が石川県出身で、県内で陽性が判明するまでの経緯が公表されている。学生は3人で3月2日から13日までヨーロッパ旅行でスペインなどを訪れた。14日に関西空港に降り立ち帰国。14日から25日は関西方面で滞在し、26日に石川県の自宅に帰った。22日ごろには鼻閉、味覚・嗅覚障害があったようだ。帰宅後に37度台の発熱が出て、県内の帰国者・接触者相談センターに相談。28日に石川県保健環境センターでのPCR検査で陽性と判明し入院。石川県では9人目の感染者となった。

  この私大では感染した7人と接触した学生が48人もいることから、48人それぞれに自宅待機を指示し、京都市保健福祉局で検査を受けるよう連絡をとっている。また、4月6日に予定していた授業の開始日をさらに延長して5月11日とすると発表している。新学期を1ヵ月以上も遅らせるとなると、学内の混乱ぶりは想像に難くない。大学とするとキャンパスがクラスター化(集団感染源)することをなんと防ぎたい。

  この京都の学生たちのケースは表面化したが、他山の石ではない。統計的な数字は手元にないが、全国の大学でも相当数の学生が新学期前に旅行や留学から帰国するのでそれぞれのキャンパスでは危機感を募らせているだろう。

  週明け30日午前の東京株式は、感染拡大で東京都がロックダウンの可能性もありとの警戒感から日経平均が大幅反落し、下げ幅は一時800円を超えた。そして、訃報も報じられている。「ザ・ドリフターズ」のタレントの志村けん氏が亡くなった。70歳だった。重度の肺炎との診断を受け、23日に陽性が確認されてた。番組「8時だョ!全員集合」で東村山音頭を踊っていたことを思い出す。あの懐かしいポーズも。アイーン

⇒30日(月)午前・金沢の天気   くもり

☆コロナ感染、ハンドドライヤーが使えない

☆コロナ感染、ハンドドライヤーが使えない

   先日金沢のコンビニで買い物ついでにトイレに入った。手荒いをしようとしたが、ハンカチを持ってくるのを忘れたことに気がついた。そこで、ハンドドライヤーを使おうとするとこのような貼り紙が。「お客様各位 新型コロナウイルス感染予防の為、ハンドドライヤーを停止しております。ご了承のほどお願い申し上げます。店長」

    結局このコンビニでハンドタオルを購入して再度手洗いに入った。購入するときに店員に「なぜハンドドライヤーが使えないの」と尋ねると、「ハンドドライヤーのエアーでウイルスが拡散する可能性もあるのでとめています」と明快な返事だった。なるほど、ハンドドライヤーでウイルスが飛び散る「エアロゾル感染」もありうると妙に納得した。と同時に、最近はハンカチを持たない若者が多いので、ひょっとしたらハンドタオルが売れているのではないかなどと想像をたくましくした。

   それにしても、今回の新型コロナウイルス感染でさまざまなカタカナ言葉が拡散している。「クラスター」や「オーバーシュート」「ロックダウン」「テレワーク」など、これまで医学などそれぞれの専門分野で使っていた言葉がこれを機にマスメディアを通して広まり、一気に全国区になった。ただ、使うことに迷ってしまうカタカナ言葉もある。

   テレワークはその事例かもしれない。「tele=離れた場所」と「work=働く」の造語とされる。本来は、会社から支給されたノートパソコンなどを使って自宅などで働く就労スタイルなのだが、「電話会議」と勘違いしている人たちもけっこういる。こうした誤解を避けるためにも、「リモートワーク」と称する方がよいのではないだろうか。

   問題は政府がそのようなカタカナ言葉を安易に使ってよいのかという論点もある。河野防衛大臣は、政府が新型コロナウイルス対応で横文字の専門用語を多用していることに苦言を呈している。河野大臣は今月24日の記者会見で「日本語で言えることをわざわざカタカナで言う必要があるのか」と持論を展開し、「分かりやすく説明するのが大事だ」と厚生労働省に言い換えを求めている(25日付・朝日新聞Web版)。

   「クラスター」や「オーバーシュート」「ロックダウン」などは新鮮味を感じるが、日常の言葉としてなかなか定着しない。話し言葉としては「集団感染」「感染爆発」「都市封鎖」と表現した方が使いやすいことは確かだ。

⇒29日(日)夜・金沢の天気    くもり

★金沢の桜開花、夜の華やぎ

★金沢の桜開花、夜の華やぎ

   金沢地方気象台が毎年出している「桜の開花宣言」が今年は今月26日にあり、平年よりも9日早く観測史上最も早いと発表された。同気象台の敷地にあるソメイヨシノが5、6輪以上の花をつけるというのが開花宣言の基準になっている。平成元年と平成14年と並び統計開始の昭和28年(1953年)以来で最も早い開花だとか。

   昨日兼六園を歩いた=写真=。例年だと開花宣言後の週末、兼六園周辺の平地ではブルーシートを広げて宴会を楽しむ花見客の姿があちこちに見受けられたが、今年は閑散としている。見頃を迎える兼六園の桜の並木道にも観光客の姿はまばらだった。春の風物詩がなくなっているのだ。

   兼六園近くの繁華街、片町を歩いた。「ハナキン」なのに人通りは少ない。ところが、居酒屋に入ると、けっこう人であふれていた。その後、2軒はしごをしたが、そこそこ入っている。店のマスターに「このご時世でも繁盛しているね」と声掛けすると、マスターは「常連客が来てくれて助かっています」と。観光客はインバウンド客も含めて減少しているが、常連客は「巣ごもり」生活のうっぷん晴らしか、と思いをめぐらせた。常連客の中に顔見知りがいた。70歳後半のシニア仲間と店に来たという。「われわれはマスターの応援団だから、コロナに負けるなと元気づけに来たんですよ」と。何とも頼もしい言葉だ。

   確かに、テレビなどでは、閑散とした飲食店街の様子が映し出される。おそらく、このご時世が長引けば、経営が成り立たない、あるいはこの際だから閉店といった店が続出するだろうと誰しもが想像するに違いない。そこで、シニア世代が立ち上がった。「コロナに負けるな」、街の経済を支えよう、と。そのシニア仲間の話を聞いて、気が高ぶって少々飲み過ぎたようだ。きょうは二日酔い気味だった。

⇒28日(土)午前・金沢の天気   くもり