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★どう読む自民総裁選 「ステマ騒動」最中メディア各社が世論調査

★どう読む自民総裁選 「ステマ騒動」最中メディア各社が世論調査

きょう未明、能登半島の北部は豪雨に見舞われた。石川県と金沢地方気象台は、2市3町(七尾、輪島、志賀、穴水、能登)に土砂災害警戒情報を出した。輪島市三井では、29日午前2時42分までの1時間に観測史上最大となる73.5㍉の非常に激しい雨となった。輪島に住む知人によると、「まるで滝のような雨だった」と。警戒情報はけさになって解除された。

話は変わる。自民党総裁選(10月4日投開票)に立候補した小泉進次郎農相の陣営が、インターネット上の配信動画に小泉氏を称賛するコメントを投稿するよう要請するメールを陣営関係者に送っていた、いわゆる「ステマ騒動」(今月25日発覚)がメディアで論議を呼んでいる。そんな中で、メディア各社は総裁選を前に世論調査を行っている。その調査結果を比較してみると。

読売新聞(29日付)によると、今月27、28日に自民党支持層3143人と自民党の国会議員のうち265人の支持動向を調査した。議員への調査では小泉氏が最多で71人、林芳正官房長官が52人、高市早苗・前経済安保相が38人、小林鷹之・元経済安保相と茂木敏充・前幹事長がそれぞれ29人、未定・未回答が76人だった。自民党支持層では、小泉40%、高市25%、林16%、小林5%、茂木4%、残り9%は支持候補を明らかにしなかった。さらに、支持層の中で党員・党友と答えた519人では、小泉41%、高市28%、林13%、小林8%、茂木4%の順だった。調査結果の記事では、「小泉・高市氏先行 林氏追う 決戦投票の公算」と見出しを立てている。(※写真は、今月22日に行われた自民総裁選の候補者演説会の模様=NHK番組から)

共同通信(29日付)は27、28日に国会議員票や党員・党友による地方票の動向を調査した。議員への動向調査では小泉が80人強の支持を集め、林が60人程度、高市が40人程度、小林は30人強、茂木30人弱だった。このうち自民支持層では高市34.4%、小泉29.3%、林19.5%、茂木5.2%、小林3.8%の順だった。支持層のうち総裁選の投票資格があると返答した人では、高市34.4%、小泉30.5%、林13.4%の順だった。小林、茂木は引き離されている。1回目の投票でどの候補も過半数を獲得できず、上位2人による決選投票となる公算が大きい。

日経新聞(29日付)の世論調査(26-28日)では、高市34%がトップで、小泉25%、林14%、茂木5%、小林4%となる。一方、自民党支持層は小泉33%、高市28%、林20%、茂木6%、小林3%の順だった。特定の支持政党を持たない無党派層だと、高市29%、小泉27%、林8%、小林と茂木がそれぞれ5%だった。ちなみに無党派層が「いえない・わからない」は28%となる。

総裁選は議員票295と地方票295の計590票で争われる。現状では、小泉、高市両氏が決選投票に進む可能性が高いようだ。

⇒29日(月)夜・金沢の天気   くもり

☆横綱・大の里が優勝 2場所ぶり無念晴らす

☆横綱・大の里が優勝 2場所ぶり無念晴らす

地元石川県出身の郷土力士、横綱・大の里は横綱として初の優勝を果たした。じつにドラマチック展開だった。結びの一番、1敗でトップの大の里は2敗で追う横綱・豊昇龍と対戦し、押し出しで敗れて2人が13勝2敗で並んだ。そして、横綱同士の優勝決定戦。大の里は寄り倒しで優勝を決めた。大の里の優勝は2場所ぶり5回目で、ことし夏場所後に横綱に昇進してからは初めとなった。

テレビで観戦していてもハラハラする優勝決定戦だった。取組前まで豊昇龍には、1つの不戦勝を除くと1勝6敗だった。合口のよくない相手に本割で敗れて13勝2敗で並び、正直に嫌な予感が漂ったが、優勝決定戦で雪辱を果たした。実況アナウンスによるとと、横綱同士による優勝決定戦は、2009年初場所の朝青龍と白鵬(優勝は朝青龍)以来、じつに16年ぶりだった。(※写真は、横綱・大の里=日本相撲協会公式サイトより)

大の里の地元の津幡町福祉センターではパブリック・ビューイングが開催され、住民など260人が集まり観戦した。優勝決定戦の土俵に大の里があがるとファンは大きな声援を送ったり大の里の名前を書いた紙を掲げたりして取組を見守った。そして、寄り倒しで大の里が優勝を決めると、会場は一斉に立ち上がって喜び、大きな歓声があがった(28日付・NHKいしかわニュースWeb版)。

大の里にとって今回の優勝は面目躍如だったのではないだろうか。前回の七月場所は、新横綱での優勝を目指していたが、4つの金星を与え、千秋楽を待たずに賜杯争いから脱落してしまった。当時のインタビューでは「反省している。最後優勝争いに加われなかったのは悔しい」と唇を噛みながら語っていた。無念だったに違いない。

きょうの優勝後の場内インタービューでこう答えていた(抜粋)。

―横綱という最高位についてからは初めての優勝。どんな胸の内
「先場所、苦しい経験をして、もうあの経験は二度としたくないということで、稽古に励んで、今日こうやって2場所目で優勝することができてうれしいです」

―横綱という立場になっての2場所目になりましたが、何か横綱とはというところを今感じていることはありますか
「いや、もうあまり考え過ぎずに、いつも通り、今まで通りを、自分をやることが全てかなと思ったんで。今回いつも通りのことをやることができたので、優勝することができました」

大の里は2場所ぶりに優勝を決め、七月場所の無念さを晴らしたのだろう。「いつも通り、今まで通り」の想い戻ってきたようだ。

⇒28日(日)夜・金沢の天気    くもり時々あめ

☆自民総裁選で小泉陣営にステマ騒動 ネット動画やらせコメント

☆自民総裁選で小泉陣営にステマ騒動 ネット動画やらせコメント

けさ叩きつけるような雨音に目が覚めた。ちょうど午前5時だった。昨夜は暑かったので寝室の窓を開けて就寝したのであわてて閉めた。何しろ周囲が霞むほどの激しい降りだった=写真・上、金沢の自宅2階から午前5時3分撮影=。降り始めから6、7分で止んだ。また来るのかとスマホでチェックするも、そもそも金沢に雨マークがない。にわか雨だったのか。

政界にも激しい雨が降ったようだ。果たしてにわか雨でことは終わるのか。共同通信Web版(25日付)によると、自民党総裁選(10月4日投開票)に立候補した小泉進次郎農相の陣営が、インターネット上の配信動画に小泉氏を称賛するコメントを投稿するよう要請するメールを陣営関係者に送っていたことが25日分かった。今週発売の週刊文春が報じた=写真・下=。小泉陣営の広報班長を務める牧島かれん元デジタル相の事務所が陣営関係者に「ニコニコ動画」にポジティブなコメントを書いてほしいとメールで要望。「総裁まちがいなし」や「泥臭い仕事もこなして一皮むけたのね」など、24のコメント例文を紹介した。

小泉陣営の事務局幹部を務める小林史明衆院議員は国会内で記者団に文春の報道についての事実関係をおおむね認めた。小林氏は「陣営としてルールを守ってやっていく方針を共有している」と述べた。また、牧島氏からのメールには、「ビジネスエセ保守に負けるな」という文例もあったことについては、「(総裁選候補で保守派の)高市早苗前経済安全保障担当相を批判したという意味では全くないと牧島氏も言っている」と語った。

上記の共同通信の報道は、小泉陣営にいわゆるステマ(ステルスマーケティング)の指示があったことを文春が暴露したと述べている。そもそも、「やらせコメント」を書き込むよう陣営内で指示が出たということは、小泉氏は総理にはまだ能力不足があり、それを補うための苦肉の策と陣営内では受け止められているのではないか。このニュースを見て、そう思った党員・党友は少なからずいるはずだ。

この事態を受けて、小泉氏本人はどう動くのか。きょうの閣議後の記者会見で、記者から引き続き総裁選には出続けるのかと問われ、小泉氏は「起こってしまったことの責任は私にある。批判はしっかりと受ける」と述べ、総裁選から撤退する考えはないことを明らかにした(26日付・共同通信Web版)。

⇒26日(金)午後・金沢の天気  はれ時々くもり

☆高額献金めぐる旧統一教会の「深い闇」 どう断罪するのか

☆高額献金めぐる旧統一教会の「深い闇」 どう断罪するのか

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の教団トップの韓鶴子総裁が23日、韓国の特別検察官によって政治資金法違反などの容疑で逮捕された(24日付・メディア各社の報道)=写真=。メディアによると、韓容疑者は2022年4月から7月、元教団幹部らと共謀し、教団に便宜を図ってもらう目的で尹前大統領の妻・金建希被告=斡旋収賄罪などで起訴=に高額のネックスレスなどを贈った疑いが持たれている。旧統一教会の問題についてこれまで何度かブログで取り上げた。解明されるべきはこの教団の日本での金集めの仕組みだ。これまでのブログから以下、再録する。

東京地裁はことし3月25日、文科省の解散命令請求を受けて、日本の旧統一教会に対して解散を命じた。安倍元総理の射殺事件(2022年7月8日)から端を発し、犯人が恨みを持っていたという旧統一教会に解散が命じられるという展開になっている。もう半世紀も前の話だが、自身も高校生のころにこの教団に洗脳されそうになった経験がある。

教団の霊感商法が社会問題となり、2009年2月に警視庁の摘発を受け複数の教団信者が逮捕されるという事件があった。その後も霊感商法は後を絶たず、全国霊感商法対策弁護士連絡会の記者会見(2022年7月12日)によると、1987年から2021年に連絡会などに寄せられた元信者らの被害件数は約3万4500件、被害金額は計約1237億円に上るという。これはあくまで被害総額であって、実際の献金はこの数十倍にもなるようだ。2023年7月3日付の共同通信Web版によると、韓総裁は同年6月に開催された教団内部の集会で、「日本は第2次世界大戦の戦犯国家で、罪を犯した国だ。賠償をしないといけない」などと発言していたことが音声データなどで分かった。

多額の献金は韓国の本部に集められた。それはどこに流れたのか。「文藝春秋」(2023年1月号)は「北朝鮮ミサイル開発を支える旧統一教会マネー4500億円」の見出しで報じている。旧統一教会と北朝鮮の接近を観察していたアメリカ国防総省の情報局(DIA)のリポートの一部が解除され、韓国在住ジャーナリストの柳錫氏が記事を書いている。旧統一教会の文鮮明教祖は1991年12月に北朝鮮を訪れ、金日成主席とトップ会談をした見返りとして4500億円を寄贈していた、と。

さらにDIA報告書では、1994年1月にロシアから北朝鮮にミサイル発射装置が付いたままの潜水艦が売却された事例がある。売却を仲介したのが東京・杉並区にあった貿易会社だった。潜水艦を「鉄くず」と偽って申告して取引を成立させていた。韓国の国防部は2016年8月の国会報告で、北朝鮮が打ち上げたSLBM潜水艦発射型弾道ミサイルは北朝鮮に渡った「鉄くず」潜水艦が開発の元になっていたと明かした。この貿易会社の従業員は全員が旧統一教会の合同結婚式に出席した信者だった。

高額献金をめぐる旧統一教会の「深い闇」をどう断罪するのか。断罪がなければまた繰り返される。

⇒24日(水)夜・金沢の天気   はれ

☆「落とされ」「利下げ」「陥没」 ニュース・ピックアップ

☆「落とされ」「利下げ」「陥没」 ニュース・ピックアップ

きょうネットや新聞でニュースをチェックすると、妙に「落とす」「下げる」という言葉が目に止まった。石川県の郷土力士である横綱・大の里は秋場所4日目(17日)で平幕の伯桜鵬に土俵際で突き落とされ、初黒星を喫した。相手を土俵際まで追い詰めながら、勝ち急いだのだろうか。伯桜鵬には2場所続けて金星を許したことになる。大の里にとって4日目は「鬼門」のようで、大関に昇進した昨年の九州場所以降の6場所で4日目は1勝5敗となった。きょう5日目(18日)は王鵬と対戦し、突き落としで4勝目を上げている。

次は経済。アメリカ連邦準備理事会(FRB)は17日開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で9ヵ月ぶりに政策金利を0.25%引き下げた。参加者による政策金利の見通し(中央値)によると、年内残り2回の会合で計2回の追加利下げを見込む。前回(6月)よりも利下げのペースが上がった。政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は4.0〜4.25%になった。

FRBの記者会見でパウエル議長は「(労働市場が)とても堅調だとはもはや言えない」と述べた。企業による雇用の勢いが弱まって失業率が上昇する懸念が強まったため、金融引き締めを緩める必要性が高まった。ただ、物価上昇率はFRBの目標水準を上回り続けており、引き締めの必要がなくなったわけではない。パウエル氏は「(雇用と物価という)両面のリスクを抱えた状況にあり、リスクのない道筋は存在しない」と説明し、今回の決定を「リスクを管理するための利下げ」と総括した(18日付・日経新聞Web版)。アメリカの利下げが日本経済にどう波及していくのか。

次は生活面。ことし1月に埼玉県八潮市で下水道管の損傷による道路陥没事故が問題となった。これを受けて、各自治体が古くて大きな下水道管を調査したところ、41都道府県の計297㌔で道路陥没につながる恐れがある腐食や損傷が進んでいることが分かった。このうち、1年以内の対応が必要となる「緊急度1」は72㌔で、石川県内では金沢市が4㍍、小松市で17㍍で見つかった。また、5年以内の対策が必要となる「緊急度2」は225㌔に及び、金沢市では8㍍あることが分かった(地元メディア各社の報道)。「落とされ」「利下げ」「陥没」。ネットと新聞を読んでいて、なんだか妙な気持ちではある。 

⇒18日(木)夜・金沢の天気   くもり

★金沢の名所「W坂」のシンボル「ケヤキの大木」倒れる

★金沢の名所「W坂」のシンボル「ケヤキの大木」倒れる

金沢という街にはいろいろ名所がある。兼六園や武家屋敷、忍者寺といった観光スポットのほかに、そこに住んでいる人しか知らない名所もある。その一つが「W坂」。「だぶるざか」と呼ばれているが、これは通称で、標識では「石伐坂(いしきりざか)」となっている。なぜ、W坂と呼ばれるようになったかというと、金沢出身の詩人で小説家の室生犀星が「美しき川は流れたり」と讃えた犀川に架かる桜橋の詰から寺町台へ上がる階段坂がある。この坂がジグザグ状になっていることから、W坂と呼ばれるようになった。

自身もかつて寺町台に住んでいたのでW坂を何度も上り下りしたことがある。石垣沿いの階段は60段ほどだが、傾斜は急だ。芥川賞作家の井上靖(1907-1991)がかつて旧制四高(金沢大学の前身)に通っていたころにW坂を上り下りした体験を小説『北の海』に記している。「腹がへると、何とも言えずきゅうと胃にこたえて来る坂ですよ」、「この辺で足が上がらなくなる」。この一節はW坂の途中にある井上靖の文学碑で紹介されている。そして、このW坂には地元の知る人ぞ知る言い伝えもある。「人とすれ違っても、決して振り向いてはいけない」と。振り向くとすれ違ったはずの人の人影が見えなくなる。そう、いまで言う「心霊スポット」でもあるのだ。

前置きが長くなった。このW坂のシンボルの一つは石垣から飛び出すように生えていたケヤキの大木だ。地元メディア「北國新聞」(17日付)によると、幹回り最大約1㍍、高さ15㍍のこの大木が15日午前0時40分ごろに倒れた。根元が腐敗していたようだ。けさ現地に行って見てみると、すでに倒木の片づけは済んでいた。ただ、根元を伐採した跡が残っていて、痛々しい光景のように思えた。(※写真・上の左側がケヤキの大木=2015年9月撮影。写真・下は倒れたケヤキの木の根元=17日午前7時撮影)

このケヤキの大木の下をくぐり街中に行く。そして、帰りもこの大木の下をくぐり寺町台に戻る。ケヤキの下から眺める街中も絶景だった。樹齢は200年近かったのではないだろうか。根元を眺めながら、この大木に感謝したい気持ちになった。

⇒17日(水)午前・金沢の天気   はれ

☆少数与党の「アリ地獄」から抜け出せるのか

☆少数与党の「アリ地獄」から抜け出せるのか

石破内閣の少数与党のことをこのブログで2回、「ハング・パーラメント」と「比較第1党」という言葉で取り上げたことがある。簡単に振り返ってみる。ハング・パーラメントは去年10月27日の衆院総選挙の結果を受けて、10月30日付「☆与党は過半数割れ『宙づり』状態をどう乗り切るのか」で使ったキーワードだった。以下。

「政策の実効性を確保するために『議会を解散して民意を問う』と石破政権は選挙に打って出たものの、与党の過半数割れとなった。このままでは何も決められない、いわゆる『宙づり議会』、ハング・パーラメント(hung parliament)の状態だ。この言葉は議会制民主主義の歴史が長いイギリスが発祥で、直近では2017年の総選挙で保守党が第1党を維持しながらも過半数割れとなり、宙づり状態に陥った。この時は、北アイルランドの地域政党の閣外協力を得て、何とか政権を維持し、その後2019年の総選挙で保守党が単独過半数を獲得した。日本の自民党もハング・パーラメントを乗り切るために、部分連合や閣外協力に躍起になっているようだ」(※写真・上は、衆院選で少数与党となり野党との連合について取り上げる各紙)

そして、比較第1党はことし7月20日の参院選の結果、1955年の自民の結党以来初めて衆参両院で過半数を割り込むことになったことを受けて、7月21日付「☆衆院に続き参院も少数与党に転落 能登では復興に寄せる期待」で使った。以下。

「石破総理はきのう夜のテレビ朝日の選挙特番で『比較第1党の議席をもらったことの重さもよく自覚しなければいけない』と述べ、キャスターから『(その言葉を)続投すると受け止めてよいか』と問われ、『けっこうだ』と答えた。これまで耳にしたことがなかった『比較第1党』は、議会の過半数には達しないが、議席数をもっとも多く有する政党を意味する言葉だ。続投の理由を問われ、石破総理は『敗北の責任を私が担っていく』と述べ、アメリカとの関税交渉や選挙期間中に訴えた物価高を上回る賃金上昇、地方創生、防災対策などをあげて、『きちんとした道筋をつけることは国家に対する責任だ』と語った」(※写真・下は、衆参両院の選挙敗北など理由にした石破総理の退陣表明を伝える各紙)

自身もこれまで少数与党にはそれほど違和感はなかったが、こうして振り返ってみると、少数与党による政権運営は至難の業であり、さらに党内から党首に対して不満が噴き出すプロセスが石破総理の辞意表明までの報道でじつによく見て取れた。

メディア各社の報道によると、自民党は石破総理(党総裁)の後継を選ぶ総裁選の日程を「22日告示、10月4日投開票」とする方向で最終調整に入ったようだ。ただ、少数与党というアリ地獄に陥っているので、誰が総理・総理になってもここから抜け出すのは至難の業ではないだろうか。イギリス保守党のような離れ業をやり切る政治家は自民にいるのか。

⇒9日(火)午前・金沢の天気   はれ時々くもり

★週明けは大雨と地震、円安と株高。そして次期総理は誰に

★週明けは大雨と地震、円安と株高。そして次期総理は誰に

不穏な週明けだ。金沢地方気象台は能登地方を中心に大雨洪水警報を出している。能登の入り口に位置する宝達志水町ではきのう7日夜の降り始めから午前6時までの雨量が77.5㍉に及んでいて、同町では町内の4つの地区140世帯352人に避難指示があった。さらにこれから、1時間に降る雨の量は多いところで50㍉と予想されることから、石川県と同気象台は土砂災害警戒情報を出して住民に注意を呼びかけている。

そして地震も起きた。気象庁によると、きょう午前8時24分に能登半島の尖端部分を震源とするとマグニチュード4.3の地震があった。震源の深さは10㌔で、輪島市と能登町で震度3の揺れが観測された。揺れは広範囲にわっていて、北陸3県のほか岐阜県、新潟県で震度2や1の揺れが観測されている。(※図は、日本気象協会「tenki.jp」公式サイトより)

週明けは政治と経済も動いている。石破総理はきのう官邸で緊急記者会見を開き、退陣する意向を表明した。これを受けて、きょうは円安・ドル高が進行している。外国為替市場では1ドル=148円台前半での取引だ。前週末の5日は、8月のアメリカの雇用統計が市場予想を下回ったことから、147円台まで円高が進んでいた。それが、石破総理の退陣による政局の流動化への懸念から円売りが進んだようだ。一方で、円安により輸出企業の業績が改善するとの期待が追い風となって日本株が買われ、前週末からの上げ幅は一時800円を超えた。株高については、「辞意表明を受け、次期政権で積極的な財政政策が進められるとの期待感から株が買われている」(日経新聞Web版)との見方もある。

週明けからの政局はどうなるのか。前回ブログでも述べたが、少数与党下では政権運営は難しい。自民党総裁に選出されても国会で総理に指名される保証はない。首班指名選挙や予算案、法案の成立には野党の協力が欠かせない。となると、次期の総理に誰が向くのか。TBS系列のJNNが行った電話での世論調査(9月6、7日、有効回答1030)で与野党の中から誰が次の総理にふさわしいか聞いたところ、同率で1位(19.3%)に並んだのは小泉農水大臣と高市前経済安全保障担当大臣だった(8日付・TBSニュースWeb版)。メディア各社の報道によると、次期の総裁選は10月上旬を投開票日とする案が浮上しているようだ。

⇒8日(月)午前・金沢の天気   あめ

☆石破総理が退陣表明 さらに続く少数与党の混迷

☆石破総理が退陣表明 さらに続く少数与党の混迷

きょう日中の金沢の最高気温は34度、そして新潟地方気象台はけさ大雨と雷および突風に関する気象情報を発表した。それによると、石川県と新潟県では、今夜からあす8日未明にかけて線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があるとしている。晴れれば「猛暑残暑」、降れば「線状降水帯」、まさに異常気象が当たり前のように繰り返されている。

そして政治も。7月の参院選の与党大敗を受け、石破総理(自民党総裁)は続投か退陣をめぐって混迷していたが、きょう退陣の意向を表明した。午後6時から総理官邸で開かれた臨時記者会見をNHKの生放送で視聴した=写真=。2024年10月に総理に就任してから11ヵ月余りでの退陣表明。会見は質問込みで45分余りだった。

石破総理は会見の冒頭で「自民党の総裁の職を辞することとした」と述べ、辞任の意向を表明した。党則6条に基づく総裁選の前倒しの是非を問う手続きを進める必要はなくなったと説明した。自民党ではあす(8日)総裁選の前倒しの是非を決める予定で、所属議員から前倒しの要求の表明が広がっていたタイミングだった。その上で、「新総裁を選ぶ手続きを開始していただきたい」と述べた。

石破総理は「身を引くという苦渋の決断をした」と述べ、その理由について、「(総裁選を前倒しする)臨時総裁選要求の意思確認に進んでは、党内に決定的な分断を生みかねない」と説明し、党の分断回避を強調した。また、辞任を決めた理由としてアメリカとの関税交渉が合意に至ったことでトランプ大統領が大統領令に署名したことを挙げ、「1つの区切りがついた今こそがしかるべきタイミングであると考え、後進に道を譲る決断をした」と述べた。

記者からの質問で、次の総裁選には「出馬しない」と言明。また、衆院解散・総選挙を検討したのかと問われ、「いろいろな考えがあったことは否定しない」と明かし、「何よりも国民に対して政府の機能が停滞することがあっては決してならないということでこの判断に至った」と説明した。また、参院選後、すぐに辞任しなかったことで政治空白が生まれたのではないかと記者から問われ、「政治空白があったとは考えていない」「参院選が終わった時点ではアメリカとの関税交渉は大統領令が発出されることが決まっていなかった」と反論した。

また、看板政策の一つである防災政策に関して、「被災で苦しんでいる方々の負担を軽減したいとの思いで取り組んできた」と述べ、防災庁を2026年度に設置する意向を改めて示し、次の新総裁にバトンタッチしていきたいと言及した。

以下は憶測だ。辞意を表明した石破総理は清々した気分だろう。何しろ、与党の自民・公明両党は衆参両院ともに過半数を割る。なので、今年度の補正予算案や2026年度の予算案・税制改正関連法案については野党と合意し、成立させる課題に直面する。野党に足元を見られているだけに簡単ではない。バトンタッチされた次の新総裁の力量がまさに問われる。

⇒7日(日)夜・金沢の天気  くもり

★石破総理の発言に翻弄されるメディア 読売の検証記事から

★石破総理の発言に翻弄されるメディア 読売の検証記事から

ドル円相場で急に円安が進んでいる。きのう午前中は147円だったが、午後にかけて148円に、さらに149円に迫ろうとしていた。きょうも148円台後半で値動きしていた。この円の値動き誘引したのが政治情勢だ。自民党幹部の辞意表明で日本の政治が不透明になるとの見方から円売りが進んだようだ。

もう少し詳しく見てみる。自民党の森山幹事長は2日午後の両院議員総会で、7月の参院選で大敗した責任をとる形で辞意を表明し、小野寺政調会長や鈴木総務会長も辞任するとの意向が伝えられた。そして、自民党総裁の石破総理は総会で「地位にしがみつくつもりは全くない。責任から逃れず、しかるべき時にきちんとした決断をする」(メディア各社の報道)と語った。これが、日本の政治情勢に不透明感があると世界に伝わり、円売り・ドル買いにつながったようだ。

話は変わる。読売新聞はきょ3日付の1面で、7月24日付の1面で「石破首相退陣へ」と報じたことの検証記事を掲載している=写真=。それによると、石破氏は7月22日夜、日米関税交渉が合意に達した場合には「記者会見を開いて辞意を表明する。辞めろという声があるのなら辞める。責任は取る」などと周囲に明言したことを踏まえて報道に至った。しかし、報道の後に石破氏は「態度を一変させた」と指摘。「翻意する可能性への思慮が足りなかった」として「結果として誤報となったことを読者の皆様に深くおわびします」と検証記事で記している。

「態度を一変」「翻意する」ことの背景には石破氏の責任を取らない性格がにじんでいるのではないだろうか。「ヒゲの隊長」として知られる、前自民党参院議員の佐藤正久氏(元陸上自衛隊イラク先遺隊長)がテレビ番組(先月30日・ABC番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』)で面白いことを語っていた。2003年12月、イラク先遣隊を派遣する際の防衛庁長官は石破氏だった。当時の世論はイラク派遣反対の声が高まっていて、防衛庁の正門には反対デモが行われていた。派遣にあたって佐藤氏ほか多くの隊員は家族と涙の別れをして、多くの隊員が遺書を書いていた。出発に当たって石破長官は反対デモとのもめ事を避けるために先遣隊に(正門でなく)裏門から出なさい、と指示した。

その時、佐藤氏は「我々の名誉や誇りはどうなるんだ」と怒りを込み上げたそうだ。それを同席していた自民党議員が石破氏に猛反対し、裏門ではなく堂々と正門から出ることになった。デモ隊とのもめ事を回避するため、逃げの姿勢がこの一件で見えたという。そして、「責任を取らない」「トップの器ではない」と石破氏を批判していた。

前述した「態度を一変」「翻意する」こそ、まさにこの責任を取らない姿勢ではないだろうか。「誤報」と言うより、読売新聞は石破氏に翻弄されたのだろう。

⇒3日(木)夜・金沢の天気  くもり