⇒ニュース走査

★日本海を狙い撃ち JPCZ寒波と弾道ミサイル

★日本海を狙い撃ち JPCZ寒波と弾道ミサイル

   きょう金沢では初雪が降った。自宅の庭先でもうっすらと雪がつもった=写真=。午後の気温は8度、夕方は5度だった。おととい15日は22度で生暖かい空気が漂っていた。このところの寒暖差のせいか、体調が今一つさえない。熱はないが、くしゃみや鼻水が出る。あす18日にかけて北陸や北日本の日本海側を中心に、猛ふぶきや大雪など荒れた天気との予報が出ている。

   日本海を直撃する寒波が「JPCZ」(日本海寒帯気団収束帯)。この影響で日本海から活発な雪雲が断続的に流れ込み、局地的に降雪量が多くなるおそれがあると気象庁が発表している(15日付)。シベリアから寒気団が日本海に向かって流れてくる際に朝鮮半島北部の白頭山によって、いったん二分されるが、その風下で再び合流し、雪雲が発達しやすい収束帯(ライン)となって北陸地方などになだれ込んでくる。2021年1月にJPCZが若狭湾付近に停滞して大雪が降り続き、福井県の北陸自動車でおよそ1600台が2日間動けなくなったことが連日ニュースとなったことがある。今回は新潟県で70㌢、北陸で40㌢と予想されている。

   そして、防衛省は先ほど午後10時40分の速報で、「北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されました」と報じた。日経新聞Web版(17日付)によると、韓国軍合同参謀本部は、北朝鮮が同日午後10時38分ごろ平壌周辺から日本海に向けて短距離弾道ミサイル1発を発射したと発表した。

   北朝鮮が弾道ミサイル発射するのは9月13日以来ではないだろうか。このときも2発の弾道ミサイルが半島の西岸付近から日本海に発射され、落下した場所は日本のEEZの外側だった。それ以降、北朝鮮は人工衛星に専念し、11月22日に軍事偵察衛星「万里鏡1号」を打ち上げた。打ち上げは再び弾道ミサイルに戻ったのだろうか。

⇒17日(日)夜・金沢の天気   あめ時々ゆき

☆冬の北陸「冬眠しているはず」のクマが住宅地に出没

☆冬の北陸「冬眠しているはず」のクマが住宅地に出没

   師走も後半に入り、クマは冬眠に入っているものと考えがちだが、そうではないらしい。きょう午前、金沢市に隣接する白山市の住宅地で70代の女性が住宅敷地内でクマと遭遇し襲われ、顔面や左腕を負傷した。午後にも高齢の男性と60代の女性が襲われ、合せて3人がけがを負ったと地元メディア各社が伝えている。夕方、3人を襲ったクマは駆除されたものの、別のクマが隠れている可能性があり、引き続き警察や猟友会などが周辺を捜索している。

   現場は山中ではなく、いわゆる田園地帯の住宅街で、近くに鉄道や幹線道路が走る。クマの行動域は25㌔から100㌔がテリトリーとされているが、ドングリなどのエサが不作のときのはさらに行動範囲を拡大することで知られる。石川県生活環境部自然環境課がことし8月中旬から9月上旬にかけて実施した「ツキノワグマのエサ資源調査」によると、ブナの実は金沢市は「豊作」「並作」だが、周辺の白山市地域では「凶作」や「大凶作」のところもある。冬眠時期にもかかわらず、エサを求めてクマが徘徊しているのだろうか。

   ことし1月から県に寄せられたクマの目撃・痕跡情報は309件、冬眠時期に入った今月も目撃情報が15件におよんでいる。懸念されるのは人身事故だけでない。UNEP(国連環境計画)がまとめた報告書に「ズーノーシス(zoonosis)」という言葉が出てくる。新型コロナウイルスの発生源として論議を呼んでいるコウモリなど動物由来で人にも伝染する感染病を総称してズーノーシス(人畜共通伝染病)と呼ぶ。欧米を中心に感染が懸念されている天然痘に似た感染症「サル痘」、エボラ出血熱や中東呼吸器症候群(MERS)、HIVなどこれまで人間が罹ってきた感染症はズーノーシスに含まれる。

   ズーノーシスに感染したクマなどの野生動物が今回の人身事故のように人里や住宅街に頻繁に入ってくることで、日本でも「ズーノーシス」が起きるのではないか。新たな感染症がもたらされるかもしれない。

   話は冒頭に戻る。自身事故を起こしたクマは冬眠しないのか、あるいは冬眠を一時中断したのか。「クマは冬眠する」という概念は吹き飛んだのではないか。

⇒16日(土)夜・金沢の天気    あめ

★栄光の背番号「17」 内閣支持率ガタ落ち17%

★栄光の背番号「17」 内閣支持率ガタ落ち17%

   きょうは午前中から暖かい空気が漂っていた。夕方、金沢の山沿いの道路を車で通ると、街路に設置されている気温計が22度だった。時間は午後4時15分ごろ。冬の北陸でしかも12月中旬に22度は異様な気温だ。今後、ガラリと空気が入れ替わるようだ。金沢地方気象台は、17日から北陸地方に強い寒波が流れ込み、雪になると予報を出している。この寒波は24日のクリスマスごろまで居座るようだ。

   ニュースも寒暖な話題。TVメディア各社は日本時間できょう午前8時から、大リーグのドジャースと10年契約を結んだ大谷翔平選手が記者会見に臨んだ様子を生中継で報じていた。背番号「17」の真新しいユニフォーム姿を着て、「勝つことが今の僕にとっていちばん大事なことだと思うし、優勝に欠かせなかったと言われる存在になれるよう全力で頑張りたい」とワールドシリーズ優勝への決意を語っていた。新聞メディア各社はきょうの夕刊トップで報じている=写真=。

   寒々しいニュースは、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題。NHKニュースWeb版によると、安倍派の所属議員の複数の秘書が東京地検特捜部の任意の事情聴取に対し「派閥側からのキックバックは現金で受け取り、政治資金収支報告書に記載しないよう指示された」と説明していることが分かった。東京地検特捜部は、キックバックされた金額が多い議員を中心に任意の事情聴取を要請していて、不透明な資金の流れの実態解明を本格化させる。

   時事通信Web版(14日付)によると、12月の世論調査(11-12日実施)で岸田内閣の支持率は前月比4.2ポイント減の17.1%となり、2012年12月に自民党が政権復帰後の調査で最低を更新した。世論調査で内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」とよく言われる。それにしても、17%に落ち込むとは。寒々しい。

⇒15日(金)夜・金沢の天気    くもり

★「酒蔵の科学者」農口尚彦杜氏の仕事の流儀

★「酒蔵の科学者」農口尚彦杜氏の仕事の流儀

   どぶろくに続いて日本酒の話。けさの石川県の地元紙によると、能登杜氏の農口尚彦氏が文化活動で優れた功績を上げた人や団体に贈られる文化庁長官表彰に選ばれたとの記事が掲載されている。御年まもなく91歳、16歳から酒蔵に入った杜氏の超ベテランだ。

   小松市の里山にある酒蔵「農口尚彦研究所」をこれまで何度か訪れたことがあり、直近では去年12月。高齢ながら酒蔵の中をきびきびと動く姿やその腕の太さを見れば、いかに屈強な仕事人であるかが理解できる。そして、杜氏の部屋を訪れると、自らしたためた酒造りに関するノートが山のように積まれている。まるで研究室のようで、「酒蔵の科学者」だ。そして、農口杜氏の酒造り意欲はまったく衰えてはいない。この言葉から理解できる。「ブルゴーニュワインのロマネ・コンティをイメージして造っている」

   農口杜氏の酒造りは日本酒ファンからは「酒造りの神様」、地元石川では「能登杜氏の四天王」と尊敬される。「山廃(やまはい)仕込み」を復活させた「現代の名工」でもある。その神業はNHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」(2010年3月)でも紹介された。それでもなお、ロマネ・コンティをイメージして酒を造ると意欲を燃やしている。その心を尋ねると、「のど越しのキレと含み香、果実味がある軽やかな酒。そんな酒は和食はもとより洋食に合う。食中酒やね」。農口杜氏の山廃仕込み無濾過生原酒は銀座、パリ、ニューヨークなど世界中にファンがいて、22ヵ国に輸出されている。

   農口氏と初めて会ったのは2009年。自身が金沢大学で教員をしていたときで、担当していた地域学の講義科目「いしかわ新情報書府学」の非常勤講師として酒造りをテーマに講義をお願いした。それから3年連続で講義をいただいた。毎回自ら醸造した酒を持参され、講義の終わりには学生にテイスティングしてもらい、学生たちの感想に熱心に耳を傾けていた=写真=。

   農口氏自身はまったくの下戸(げこ)で飲めない。その分、飲む人の話をよく聴く。日本酒通だけでなく、学生や女性、そして海外から訪れた人からの客観的な評価に率直に耳を傾ける。それをノートにまとめ、「研究室」に積んでいる。時代感覚を意識した酒造り、世界で求められる味わいの探究、農口杜氏の仕事の流儀は果てしない。

⇒13日(水)午前・金沢の天気     はれ

★寒々しいニュースあれこれ・・政治資金問題を一喝した人

★寒々しいニュースあれこれ・・政治資金問題を一喝した人

   きのう、おとといと気温は20度まで上がり暖かさを感じたが、きょうは一転して寒々しく、最高気温は12度の予想だ。金沢の2週間予報は、15日に再び気温が上がり22度に、そして17日からは雪マークが連日並ぶ。春に向かう「三寒四温」とは逆に、「四寒三温」で本格的な冬に向っている。

   政治も寒々しい。連日、メディア各社が「安倍派五人衆」を報じている。自民党「清和政策研究会」の政治資金パーティーをめぐる問題で、松野官房長官、西村経産大臣、萩生田党政調会長、高木党国会対策委員長、世耕党参院幹事長の5人の名前が上がっている。岸田総理は役職を交代させる意向を固め、近く内閣改造・党役員人事に踏み切るようだ(10日付・朝日新聞ニュースWeb版)。

   久しぶりに元気のいいおばさんの声を聞いた。田中真紀子氏。田中角栄元総理の長女で衆院議員を6期、外務大臣などを務めた。名言がある。もう四半世紀前のことだが、自民党総裁選に立候補した小渕恵三氏を「凡人」、梶山静六氏を「軍人」、小泉純一郎氏を「変人」と評して話題となった。その真紀子氏が8日に国会内で記者会見し、松野官房長官が「差し控える」と釈明を繰り返していることに言及。「差し控えるというのは、やましいから答えられないんでしょ」「国民はばかじゃない。差し控えてはいけない。だったら、議員になるのを差し控えた方がいい。そんな、すっとぼけた言葉の使い方をしたら、だめだ」と一喝した。   

   詐欺がグローバル化している。水戸市で開催されていたG7広島サミット関連会合「内務・安全担当相会合」=写真=の最終日の10日、共同声明を採択した。NHKニュースWeb版(10日付)でその内容をチェックすると、主要な項目の1つとなったのが、国境を越えて行われる組織的な詐欺への対策だった。イギリスでは組織的な詐欺の年間の被害額が日本の特殊詐欺の去年1年間の被害額の11倍にあたる4100億円余りにのぼるほか、アメリカではインドなどでの「コールセンター」を拠点にした詐欺で、年間1400億円余りの被害が出ているという。

   今後さらに生成AIの技術が詐欺などの犯罪に悪用される可能性があることを各国が認識した上で、情報共有と捜査機関の対応能力の強化を行う。また、経済安全保障の観点から政府機関や企業から先端技術や情報が流出するのを防ぐための連携強化を共同声明に盛り込んだ。犯罪のグローバル化とテクノロジー化の対応が急務になっている。

⇒11日(月)午前・金沢の天気    くもり

☆「大谷翔平」で沸いたこの1年 締めは「7億㌦契約」

☆「大谷翔平」で沸いたこの1年 締めは「7億㌦契約」

   ことし1年のニュースは何かとプロ野球大リーグの大谷翔平選手で盛り上がった。その締めは「ドジャーズと10年で7億㌦の契約」というビッグニュースだ。

   CNNニュースWeb版は「Two-time AL MVP Shohei Ohtani agrees to historic deal with Los Angeles Dodgers」(意訳:ア・リーグMVPに2度輝いた大谷翔平がロサンゼルス・ドジャースとの歴史的な契約に合意)の見出しで=写真・上=、また、ニューヨークタイムズWeb版も「Shohei Ohtani, most coveted free agent in baseball history, to sign $700 million contract with Dodgers」(意訳:野球史上最も切望されたフリーエージェントの大谷翔平がドジャースと7億㌦の契約を結ぶ)と最大級の賛辞で取り上げている=写真・下=。

   大リーグ6年目の大谷選手は今シーズン、バッターとしてホームラン44本を打ってホームラン王のタイトルを獲得し、ピッチャーとしても10勝をあげ、「二桁勝利、二桁ホームラン」を達成。大リーグで史上初となる2年連続での快挙だった。シーズンMVPも、史上初となる2回目の満票での受賞。MVPは全米野球記者協会に所属する記者30人の投票によって選ばれ、2021年に続いて記者全員が1位票を入れた。これも、ニュースで大きく取り上げられ、NHKなどは「速報」で報じていた。

   ことし2023年という年は大谷選手が春から大活躍した。3月22日、WBC決勝戦「日本対アメリカ」戦。9回表で大谷投手はマイク・トラウト外野手を空振り三振で仕留め、日本優勝を決めた。この決勝戦はテレビ朝日が中継(放送枠・午前8時25分-午後0時8分)、平均世帯視聴率が42.4%(関東地区)という驚異的な数字だった。視聴率とともに大谷選手の人気もさらに高まった瞬間だった。

   名実ともに大リーグトップのスター選手となった大谷選手。フォロワーが625万人もいるインスタグラムで「野球人生最後の日までドジャースのためだけでなく野球界のために努力し続けたいと思う」と投稿している。さて、来期はどのような活躍を見せてくれるのか。

⇒10日(日)午前・金沢の天気    はれ 

★「能登かき」は生育不良、「かきまつり」中止の衝撃

★「能登かき」は生育不良、「かきまつり」中止の衝撃

   ちょっと日本海の魚介類の様子が変だ。能登半島の穴水湾はカキの養殖が盛んで、例年2月には「雪中ジャンボかきまつり」が開催されている。自身も家族で何度もカキを食べに行ったことがある。地元メディアによると、カキの生育不良のため例年並みの数量を確保するのが難しいとして、来年予定していた「かきまつり」は中止となった(7日付・北國新聞)。

   かきまつりは、毎年2月10日と11日に町営の広場で延長400㍍の炭火焼きコーナーにコンロを並べ、採れたてのカキを焼いて味わう=写真=。例年数万人が訪れる町の一大イベントだ。それが開催中止となった。

   報道によると、カキの殻が例年の出荷サイズになっておらず、先月下旬から主催者の町観光物産協会と生産者の間でかきまつりの開催をめぐって協議してきた。まつりで用意する8万個余りのカキが確保できないと判断し、中止を決めた。猛暑などで半分ほどのカキが死滅しているという。コロナ禍で中止はあったものの、生育不良による中止は1988年にかきまつりが始まって以来初めてのこと。

   能登半島の養殖カキは「能登かき」と呼ばれブランドになっている。里山の栄養分が川を伝って流れ、湾に注ぎこむ。その栄養分が植物プランクトンや海藻を育み、海域の食物連鎖へと広がり、カキもよく育つとされる。とくに、里山の腐葉土に蓄えられた栄養分「フルボ酸鉄」が豊富にあるとされる。

   ところが、ことしは夏から秋にかけての猛暑がたたり、石川県水産総合センターの9月時点の調査で、湾全体の深度10㍍の水温は過去5年の平均と比較して2.6度高くなった。海水温が高い影響で死滅するカキが激増した。さらに、もう一つの原因として指摘されているのが、クロダイによる「食害」だ。2年ほど前から湾内でクロダイが増え始め、カキの稚貝をクロダイが食べることが問題となっていた。クロダイは釣り人に人気で、「遊漁船業」を営む業者が稚魚を放流している。

   能登の名物のカキをめぐる問題は複雑だ。優先順位としてはまず、少々の海水の高温に耐える、高温耐性の種苗生産の準備が必要ではないだろうか。能登のカキ養殖の再生を願う。

⇒8日(金)夜・金沢の天気     はれ

★季節外れの「黄砂」、的外れの「政治資金」

★季節外れの「黄砂」、的外れの「政治資金」

   あす7日は西日本と沖縄などの広い範囲に黄砂が飛来する見込みで、9日には北日本にも黄砂が飛来するとの予想が出ている。北海道に流れ込んだ後、東北や北陸にも黄砂が飛来するようだ(6日付・日本気象協会「tenki.jp」)=黄砂予報図=。

   日本から3千kmも離れた中国北部のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠を低気圧が通過することで黄砂が発生し、偏西風に乗って日本にやってくる。植物が砂漠の地表を覆わない2月から5月にかけて黄砂が発生するといわれてきたが、中国北部で乾燥化が一段と進んでいるのか、「季節外れ」の黄砂が頻繁になっている。

   黄砂は何かと悪者扱いされがちだが、黄砂にはミネラル成分が含まれていて、それが日本海に落ちて植物プランクトンの発生を促し、それを動物プランクトンが食べ、さらに魚が食べる食物連鎖が生まれて日本海の漁業資源は保たれているとの研究もある。

   話は変わる。メディア各社の報道によると、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について、岸田総理は政府与党連絡会議で、「各政策グループの活動に国民から疑念を持たれていることは遺憾だ。政治の信頼を回復するため、党としても強い危機感を持って、この問題に一致結束して対応していく」と述べた(6日付・NHKニュースWeb版)。

   その後、岸田総理は麻生副総裁や茂木幹事長、それに世耕参議院幹事長ら党幹部7人と会談し、対応を協議。会談のあとの記者会見で茂木幹事長は「パーティーなどの自粛が根本的な解決だとは思っていないが、二度と問題が起こらないための対応策がとられるまでは自粛をする」と説明した。また、政治資金規正法を改正する必要性についは、「現行法に問題があるのか、現行法が守られていないことに問題があるのかによっても対応策は変わってくる。いずれにしても透明性を高めることが極めて重要だ」と述べた(同)。

   このニュースで率直な印象は「的外れ」だ。自民党の派閥のパーティーは自粛するとの幹事長の話だが、その前にやるべきことは金がどう還流しているのか、実態をつまびらかにすべきだろう。まずは、説明責任を果たすべきだ。

⇒6日(水)夜・金沢の天気   くもり

★「自由に生きたい」香港民主化の周庭氏が亡命宣言

★「自由に生きたい」香港民主化の周庭氏が亡命宣言

   香港の民主化運動で活躍した周庭(アグネス・チョウ)氏へのインタビューがきょうニュース番組(4日付・テレビ朝日)で流れていた。「カナダにきて大学院の勉強をして、(香港に)帰らないことを決断しました。私はただ自由に生きたいと思っています」。番組は、周氏が留学先のカナダで事実上の亡命宣言を発表したと報じた。

   周氏は2014年のデモ「雨傘運動」に初めて参加してから、20年8月までに香港国家安全維持法の違反容疑などで4度逮捕されている。4度目の逮捕の保釈後に、日本のメディアに対し、香港警察から証拠の提示もなく、パスポートも押収され、「なぜ逮捕されたのか分からない」と流暢な日本語で答えていた。そして、拘束中に「欅坂46」のヒット曲『不協和音』の歌詞を心で口ずさんでいたという。秋元康が作詞して2017年4月にリリ-スされた曲。「絶対沈黙しない」「最後の最後まで抵抗し続ける」。こうした歌詞が民主活動家としての彼女の心の支えになったのだろう。(※写真は、周氏が保釈後に配信したユーチューブ動画から)

   その後、無許可集会を扇動した罪で7ヵ月にわたり収監され、2021年6月に出所。出所後は沈黙を貫いていた。ただ、SNSでは再び警察に逮捕され連行されることの不安などに駆られ、恐怖におびえる日々が続いたと明かしていた。

   日本のメディアによると、周氏が香港からカナダのトロントに向かったのはことし9月。パスポートは出発の1日前に受け取った。 12月末には香港に戻るつもりで航空券も購入していた。警察への報告義務があったためだ。しかし、今回番組で語ったように、「帰らないことを決断しました。私はただ自由に生きたいと思っています」。

   中国・香港から亡命するのは周氏だけではない。NHKニュースWeb版(7月22日付)によると、メキシコ国境からのアメリカへの「亡命」を目指し摘発され中国人はことしに入って5月までに1万人を超えた。去年の同じ時期の17倍に上っている。今回の周氏の亡命宣言はさらに中国人の亡命に拍車をかけるのではないか。

⇒4日(月)夜・金沢の天気     はれ

☆岸田総理が手を差し伸べるべきは海外の被災地ではないか

☆岸田総理が手を差し伸べるべきは海外の被災地ではないか

   このニュースで岸田内閣の支持率はさらに下落するのではないだろうか。中東を訪れた岸田総理大臣はエジプトのシシ大統領と会談し、エジプトはロシアのウクライナ侵攻による食料や燃料価格の高騰に加え、イスラエルとハマスの衝突の影響で、厳しい経済・財政状況にあるとして、最大でおよそ2億3000万㌦の財政支援を検討する考えを伝えた(2日付・NHKニュースWeb版)。その後、岸田総理をヨルダンを訪れ、アブドラ国王と会談し、イスラエルとハマスの衝突で影響を受けているヨルダンにおよそ1億㌦の財政支援を行う方向で準備を進めていくと伝えた(同)。

   岸田総理はアラブ首長国連邦のドバイで開かれていたCOP28(国連気候変動枠組み条約締約国会議)に出席し、イスラエル、エジプト、ヨルダン、カタールの中東各国の首脳らと会談すると予め述べていた(30日付・総理官邸公式サイト)。その4ヵ国のうちの2ヵ国に3億3000万㌦にも及ぶ「財政支援」を伝えた。財政支援は本来ならば各国がIMFに支援要請を行うべきであって、日本が単独で行う必要がどこにあるのだろうか。(※写真は、COP28でスピーチをする岸田総理=総理官邸公式サイト)

   そもそも、COP28に岸田総理が行く必要はあったのか。前年のエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催されたCOP27に国の代表として出席したのは西村環境大臣だった。COP26はイギリスのグラスゴーで開かれ、アメリカのバイデン大統領が出席したので岸田総理も参加した。スペインのマドリードでのCOP25は小泉環境大臣,ポーランドのカトヴィツェでのCOP24は原田環境大臣だった。つまり、COPはおおまかには環境大臣の所管だ。

   それが、わざわざ岸田総理がエジプトとヨルダンに行き、財政支援を行う必要がどこにあるのか。むしろ、目を向けるべきは被災地への支援ではないだろうか。フィリピンでミンダナオ島付近を震源とするマグニチュード7クラスの地震が2日から相次いでいる。震源地に近い離島では64㌢の津波が観測されている。また、インドネシアのスマトラ島のマラピ火山で3日に大規模な噴火が起きている。被害の状況はこれから全容が明らからになってくる、手を差し伸べるべきはこうした被災地ではないだろうか。

⇒3日(夜)金沢の天気   くもり時々あめ