⇒ニュース走査

★コロナ禍が揺さぶる内閣支持率、そして政局

★コロナ禍が揺さぶる内閣支持率、そして政局

   昨年9月16日に発足した菅内閣。メディア各社の世論調査では内閣支持率は高かった。毎日新聞の調査では、内閣支持率が64%で、不支持率は27%を大幅に上回っていた(2020年9月18日付・毎日新聞Web版)。 朝日新聞社の調査は内閣支持率が65%で、不支持率は13%だった(同9月17日付・朝日新聞Web版)。共同通信の調査でも支持率66.4%、不支持率16.2%だった(同9月17日付・共同通信Web版)。高支持率の背景には、携帯電話料金の値下げや縦割り行政の打破、デジタル庁発足への布石、ハンコ行政の廃止など、新型コロナウイルスでよどんでいた世間の空気を換えてくれそうな期待感があった。

   その内閣支持率が急落している。読売新聞の最新の世論調査(今月15-17日)が先ほどネットに上がった。菅内閣の支持率は39%、不支持率は49%となり、初めて不支持が支持を逆転した。支持率の下落は3回連続。政府の新型コロナウイルス対策への強い不満が表れたとみられる(1月18日付・読売新聞Web版)。支持率は、前回調査(2020年12月26、27日)の45%から6ポイント下がり、内閣発足以降で最も低い。不支持率は前回の43%から6ポイント上がった。朝日新聞の調査でも菅内閣の支持率39%(不支持35%)に下がっている(2020年12月21日付・朝日新聞WEB版)。

   世論調査は上がり下がりするものだが、このまま右肩下がりが続くのか、V字回復があるのか。なんと言っても、内閣の支持率を左右するのはコロナ禍への対応だろう。右肩下がりが続くとすれば、観光支援策「GoToトラベル」を全国で一時停止する判断の遅れ、さらにコロナ禍にともなう景気と雇用の対策など政策決定の遅れで、支持率低下は加速するだろう。逆に、V字回復で支持率を上げるとすれば、ワクチン接種による集団免疫の獲得でなないか。すでに、厚労省は全国約1万ヵ所の「接種施設」で、2月下旬から始める方針と報道されている(1月16日付・読売新聞Web版)。その後、7月23日の開会式で東京オリンピックが無事スタートできれば、菅内閣はよく難局を乗り切ったと評価されるだろう。

   ただ、現実は甘くない。日本は乗り超えたとしても、世界は混沌としている。オリンピックが開催できなくなれば、一気に政局は揺らぐ可能性もある。メディア業界でよくささやかれるのは、内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」と。第一次安倍改造内閣の退陣(2007年9月)の直前の読売新聞の内閣支持率は29%(2007年9月調査)だった。その後の福田内閣は28%(2008年9月退陣)、麻生内閣は18%(2009年9月退陣)と、自民党内閣は支持率が20%台以下に落ち込んだときが身の引きどきだった。民主党政権が安倍内閣にバトンタッチした2012年12月の野田内閣の支持率は19%だった(数字はいずれも読売新聞の世論調査)。

   総理は元旦の年頭所感でこう述べている。「我が国は、多国間主義を重視しながら、『団結した世界』の実現を目指し、ポストコロナの秩序づくりを主導してまいります。そして、今年の夏、世界の団結の象徴となる東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催いたします。安全・安心な大会を実現すべく、しっかりと準備を進めてまいります」(総理官邸公式ホームページ)。ぜひ、団結した世界を実現してほしい。

⇒18日(月)朝・金沢の天気   ゆき

☆コロナ禍「ステージ4」 試される知事の行動力

☆コロナ禍「ステージ4」 試される知事の行動力

   最近、「ステージ4」という言葉が新聞・テレビなどで目につくようになってきた。けさの北陸中日新聞(1月15日付)でも一面の見出しでも、「石川県の病床使用率『ステージ4』」と出ていた。感染ピーク時における確保想定病床の使用率が50%以上に達し、緊急事態宣言の対象となるステージ4(爆発的感染拡大)の目安に達したというのだ。

   ひっ迫しつつある病床の確保をどうするか。厚生労働省はきょう、感染症の専門部会を開き、通常国会に提出する感染症法改正案について議論し、新型コロナウイルス感染者の病床を確保し、受け入れを促進するため、国や都道府県知事が医療機関に「協力を求めることができる」という現在の感染症法の規定を「勧告できる」に強化する方針を政府が固めた。勧告に従わなければ公表できるようにする(1月15日付・共同通信Web版)。

   病院に対して「協力」要請から「勧告」「公表」へと知事権限を強化するには背景があるようだ。厚労省公式ホームページに掲載されている「療養状況等及び入院患者受入病床数等に関する調査について」をチェックすると。前回の緊急事態宣言(4月7日-5月25日)で確保病床は1万7290、確保想定(見込み)病床は3万639だった(5月13日まとめ)。感染者が拡大し、緊急事態宣言の再発令が議論になっていた今月は確保病床は2万7650、確保見込み病床は2万7635だった(1月6日まとめ)。つまり、確保見込み病床数が減っているのだ。コロナ禍の第1波、第2波に比べれば大きな第3波が来ているのに、病床数が減っている。なぜだ。

   全国で8400余り(病床数156万)ある病院のうち、民間病院が占める割合は82%とされる(平成28年度・総務省まとめ)。公立病院の場合はすでに都道府県知事などから命令に近いカタチで新型コロナの患者の受け入れが要請されている。以下憶測だ。この1年、民間病院関係者は公立の医療現場での新型コロナの患者への対応を見て、医師の負担の大きさや看護師の数が足りなさなど様々な問題を認識した。さらに、病院でクラスターとなれば経営のリスクを抱えることにもなる。当初は医療機関の使命として患者の受け入れを心づもりしていたが、ここに来て躊躇し始めているのではないだろうか。

   日本の医療制度は、医療機関の自主的な判断を尊重するうえ、これまで民間病院に対する行政の介入の余地は小さかった。とは言え、患者がこのまま増えれば公立病院の病床数はひっ迫する。民間病院でも、いわゆる大病院でなければ受け入れは難しい。今後、受け入れ可能な民間病院を都道府県が調査し、知事は自らの責任で決定を下し、予算をつけて必要な人材を手配して、体制を整える。その上で、知事が直接出向いて民間病院側に要請することになるだろう。勧告には法的な拘束力はない。受け入れられなければ、その事実を公表することになる。

   病床がひっ迫して、他の病気の患者の受け入れに影響が出るという事態を避けながら、今後さらに増えるであろう新型コロナの患者がたらい回しにならないように事態を収める。知事は「ワード(言葉)」ではなく、「行動」が試されることになる。

⇒15日(金)午後・金沢の天気    はれ

☆トランプ大統領、冥土の道連れ

☆トランプ大統領、冥土の道連れ

   CNNニュースWeb版日本語(10日付)をチェックしていると、驚きのニュースがあった。アメリカ民主党のペロシ下院議長は、トランプ大統領による核攻撃命令などが起きる事態を懸念し、軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長と協議したことを明らかにした。ベロシ議長は、行動などが不安定な大統領が軍事的な敵対行動に踏み切ったり、(核ミサイルの)発射コードへのアクセスや核攻撃を命令したりするのを阻む予防措置をミリー氏と話し合ったと語った。

   上記のCNNニュースに自身が注目したのは、別のニュースとの連鎖反応だった。BloombergニュースWeb版日本語(9日付)を読んでいて、北朝鮮の金正恩委員長が5-7日に開催した党大会への報告で、アメリカを「最大の主敵」「戦争モンスター」と呼び、より高度な核技術の追求などを通じて、アメリカの脅威に対する防衛力を絶えず強化する必要があると述べた。核兵器の小型・軽量化と大型核弾頭の製造推進、1万5000㌔射程内の戦略的目標に命中させ破壊する能力の向上を目指す方針も表明。固体燃料を用いる大陸間弾道ミサイル(ICBM)と原子力潜水艦の開発、衛星による情報収集能力強化にも言及した。

   3年前のあの時に時代は戻ったと連想した。2017年7月28日、北朝鮮が打ち上げたICBMはアメリカ西海岸のロサンゼルスなどが射程に入るものだった。北は同年9月3日に6回目の核実験を実施し、同15日には弾道ミサイルを日本上空に飛ばした。それをトランプ大統領が国連総会の演説(同19日)で「ロケットマンが自殺行為の任務を進めている」と演説した。それ以前には、アメリカ太平洋軍のハリス司令官は同じ年の4月26日、アメリカ下院軍事委員会公聴会で、北朝鮮に関して「アメリカは先制攻撃の様々な選択肢がある」と述べ、原子力空母カールビンソン率いる空母打撃群が北朝鮮を攻撃できる射程内に入ったことも明らかにした(2017年4月27日付・朝日新聞ニュースWEB版)。

   その後、トランプ氏と金氏による米朝首脳会談は2018年6月12日(シンガポール)、2019年2月28日(ハノイ)、同年6月30日(板門店)で3回行われたが、北の非核化の交渉は進まなかった。トランプ氏にとっては外交の失敗事例でもある。そして、本人は「この交渉でロケットマンがさらにつけあがった」と悔いているのではないだろうか。

   トランプ氏の大統領任期は1月20日正午までとされる。冥土の道連れに、アメリカを「最大の主敵」「戦争モンスター」と呼んだ金氏に核攻撃を仕掛けるのではないかとペロス氏は懸念しているのではないだろうか。以下憶測だ。仮に、トランプ氏が軍に核攻撃を命令したとして、それが軍によって阻まれた場合、金氏へのピンポイント攻撃、つまり「斬首作戦」を命令する可能性がある。斬首作戦が実行されるとして、作戦に使用されるのはステルスヘリコプター「ブラックホーク」だろう。この機を使うのは新月で夜が真っ暗闇となる日。直近の新月の日は今月13日だ。

   この機を使った斬首作戦で知られるのがオバマ政権下で実行された、オサマ・ビン・ラディンに対して行った2011年5月2日のバキスタンでの攻撃だ。この日は新月の前夜だった。以上は連想ゲームのような話だ。

⇒11日(月)朝・金沢の天気   

★北陸は「ホワイトロックダウン」

★北陸は「ホワイトロックダウン」

   きのう9日午後、金沢大学角間キャンパスへ自家用車で出かけた。自宅のガレージから車を出すのに雪すかし(除雪)。そして、いつもの市道と県道、国道のルートでキャンパスへ。市道と県道は除雪が行われておらず、道路にはあちこちに「わだち」ができていて、車はタテ揺れ、ときにはヨコ滑りを繰り返しながら進む。国道は融雪装置がありスムーズに進んだが、交差点ではわだちで立ち往生する車も何台かあった=写真・上=。

   大学の駐車場に車を入れたが、しんしんと雪が降っていて身震いした。キャンパスはいわゆる中山間地にあり、市内の平地より積雪が5割増しだ。積雪は35㌢ほどだったが、帰宅する夕方にはおそらく50㌢ほどになり、駐車場から車を出せなくなると直感したからだ。そこで、大学での打ち合わせを急きょ変更し、キャンパスから下った国道沿いのコーヒー店にした。

   午後1時30分に店に入った。すると、店員が「きょうは大雪のため営業時間を午後2時までとさせていただきます。あと30分ほどですがよろしいですか」と申し訳なさそうに言う。確かに、店の周囲にある全国チェーンの飲食店では「臨時休業」の貼り紙を出していた。豪雪で食材が届かないのだろう。そこで、打ち合わせを30分ほどコーヒー店で済ませ、帰宅した。

   キャンパスに残っていたスタッフとオインラインで話すと、予想通り駐車場の積雪がみるみる増えて、このままでは帰宅できなくなるのでいまから早退するとのこと。午後3時30分ごろだった。街は豪雪ロックダウン状態となった。

   一夜明けて、自宅周辺はまさに銀世界だ。積雪は70㌢ほど=写真・下=。写真下の長靴の跡は新聞配達員の足跡だ。金沢地方気象台の公式ホームページをチェックすると金沢の積雪は65㌢(10日午前8時現在)となっている。きょうは日曜日とあって、車もほとんど見かけない。まさに「ホワイトロックダウン」だ。

   福井県の北陸自動車道では、大雪の影響で福井インターチェンジから金津インターチェンジの間の上下線で、きょう午前7時現在、トラックなど車が1090台が立往生していて、福井県は陸上自衛隊に災害派遣の要請を行った(1月10日付・NHKニュースWeb版)。また、富山県の東海北陸自動車道では南砺スマートインターチェンジ付近で大型トラックが雪で動けなくなりおよそ200台の車が立往生。解消するめどは立たず、富山県はきょう午前4時に陸上自衛隊に災害派遣を要請した。陸上自衛隊は金沢駐屯地から100人を派遣し、車両のけん引のほか、食糧や燃料、それに携帯トイレなどを配付する(同)。

   物流が滞れば、次に来るのは食料不足だ。すでに、自宅近くのコンビニやスーパーでは品薄状態になっている。コロナ禍でのロックダウンと違った意味でより深刻だ。

⇒10日(日)朝・金沢の天気   ゆき  

★コロナ禍後に吹き荒れる増税の嵐

★コロナ禍後に吹き荒れる増税の嵐

   最近の世界のニュースを見ていると、世界のそれぞれの価値観がむき出しになっている。アメリカの連邦議会議事堂にトランプ大統領の支持者が乱入する事態が発生し、議会では民主・共和両党からトランプ氏の大統領の罷免を求める声が上がっている。閣僚や政権高官も相次いで辞任を表明しており、任期終了まで残り13日となる中、トランプ氏の孤立化が進んでいる (1月7日付・ロイター通信Web版日本語)。 

   アメリカではかつて、テレビ局に選挙などの政治的な扱いに報道の公平性を課すフェアネスドクトリン(The Fairness Doctrine)があった。しかし、TVメディアの多局化とともに、言論の多様性こそ確保されなければならず、フェアネス性を課すことのほうがむしろ言論の自由に反するとの司法判決(連邦最高裁)により、1987年にファネスドクトリンは撤廃された。これ以降、大統領選では対立候補を誹謗、中傷するネガティブ・キャンペーンがTVメディアも巻き込んで行われるようになる。対立候補にダメージを与える上では有効だが、有権者や国民に対立感情を煽ることにもなった。トランプ支持者による連邦議会議事堂への乱入はそのシンボリックな事件ではないだろうか。

   香港の警察は、国家政権の転覆を狙ったとして、香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで、議会にあたる立法会の民主派の前議員や民主活動を次々と逮捕している。6日と7日の両日で55人に上る(1月8日付・NHKニュースWeb版)。民主派は暴動を起こしたり煽ったりわけではない。選挙を通じて議会の主導権を勝ち取ることは香港の憲法にあたる基本法に守られている権利でもある。異なる意見を持つ者が国安法に触れるという中国の価値観が香港に定着するのは時間の問題かもしれない。

   アメリカや香港の民主主義は岩盤だと世界は認めてきた。それが崩れ始めている。それも土砂崩れの様相を呈している。では、日本は安泰なのか。

   IMFが昨年10月に公表した報告書で、日本政府の債務残高は10月時点のGDP比で266%とアメリカの2倍、日本に次ぐイタリアでは161%だ。日本のダントツの数値を世界はどう解釈するか。債務残高が増えて、このまま少子化が進めば一体誰が返済するのか、日本国債の大暴落を世界は予感しているのではないだろうか。

   コロナ禍で多額の予算を費やした日本政府は来年度から手荒な税収対策を強行してくるだろう。たとえば、40兆円以上ともいわれる「タンス預金」を吐き出させることによる課税もある。2024年度に1万円、5千円、千円の紙幣(日本銀行券)の全面的な刷新が行われる。多額の旧札が銀行などに持ち込まれることになれば、国税がチェックする。翌年2025年度からは旧札と新札の交換で手数料を取る。また、新札発行を機にデジタル法定通貨へと舵を切ることなるだろう。政府が銀行での預金分しかデジタル通貨と交換しないと発表した時点で、タンス預金は一気に消費へと回る。これをもくろんで消費税の増税を行うのではないか。

   さらに、400兆円以上ともいわれる企業の「内部留保」への課税だ。アメリカや台湾、韓国ではすでに実施されている。日本でも資本金1億円以上の同族会社の内部留保増加額には10-20%の課税がされている。これを、すべての企業を対象に実施する。ニュースで伝わる銀行の合併による再編とデジタル庁新設の本来の目的はこの布石だと読んでいる。財源難に陥る政府は、巧妙かつ手荒く、そしてやみくもに増税を行う。大混乱を招きながらも国家財政の維持を図るだろう。歴史は繰り返される。

⇒8日(金)夜・金沢の天気    くもり

☆緊急事態宣言と大雪警報の日常

☆緊急事態宣言と大雪警報の日常

   菅総理はきょう夕方、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象に、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言を出した。期間は2月7日まで。飲食店の営業時間短縮や、テレワークによる出勤の7割減、午後8時以降の外出自粛、イベントの人数制限の4点をパッケージで対策を行っていく(1月7日付・NHKニュースWeb版)。

   石川県の地元メディアは、能登半島にある穴水町の石川宣雄町長が感染したと報じている。石川町長は79歳で、きのう6日午前、新年のあいさつで谷本県知事と面会し、その後、公務中に体調不良を訴え、検査したところ、感染が確認された。肺炎を起こしていて、中等症だという。感染経路はわかっておらず穴水町では初めての感染者となった。きょう県内で25人が感染した(石川県庁公式ホームページ)。

   県内での感染拡大を受けて、石川県庁ではきょう夕方、新型コロナウイルスの対策本部会議が開かれ、知事は首都圏への不要不急の往来を自粛するよう県民に呼びかけた。ただ、知事は県独自の緊急事態宣言について、「前回の宣言は地域経済に相当なダメージを与えたことは事実。(モニタリング指標などの)基準に照らし合わせながら、石川県は今どういう状況にあるのかということがある程度客観的に判断できる。総合的に判断していくということになる」と述べるにとどめた(1月7日付・北陸放送ニュースWeb版)。

   きょうの県内は、急速に発達する低気圧の影響で雪や風が強まり、大荒れの天気となった。今夜からは強い寒気が流れ込み大雪になるおそれがあるとして、金沢地方気象台は県内全域に大雪警報を出して、大雪による交通障害に警戒を呼びかけている。雪の降る量は、8日夕方までの24時間で多い所で県内の平地で30㌢から50㌢、そのあと、9日の夕方にかけても平地の多い所で30㌢から50㌢の積雪となる見込み。(※写真は2018年1月13日の大雪では金沢の中心部でも57㌢の積雪となった)

           今回の寒波では九州地方でも20㌢の積雪が見込まれると予報で伝えている。スノータイヤに履き替えていないトラックや乗用車などのスリップ事故などが多発するのではないだろうか。

⇒7日(木)夜・金沢の天気     くもり時々ゆき  

☆コロナ禍、世界は再びロックダウン

☆コロナ禍、世界は再びロックダウン

          けさイギリスBBCニュ-スWeb版(1月4日付)をチェックすると、新型コロナウイルスの感染拡大がすさまじい。変異種化したウイルスの感染によって、1日当たりの感染者が5万人を超える日が続き、ジョンソン首相は4日夜のテレビ演説で外出を厳しく制限する措置(ロックダウン)をイングランド全域で導入することを明らかにした=写真=。

   BBCによると、食料品の買い物や通院、1日1回の運動などを除き、外出を厳しく制限し、違反した場合には200ポンド(円換算で2万8000円)の罰金が科される。生活必需品をあつかう店舗以外は原則として営業を禁止とするほか、小中学校や大学は原則として閉鎖し、来月中旬まではオンラインでの授業となる。

   感染者数はイギリスほどではないが、日本でもコロナ禍の勢いが増している。5日は全国で4900人超えの感染が発表され、死亡者も68人。感染者数、死亡者数とも1日当たり過去最多を更新した(1月5日付・共同通信Web版)。日本相撲協会は同じ日、横綱・白鵬の感染を発表した。白鵬は嗅覚異常の症状で4日にPCR検査を受け、けさ陽性と判定された。10日から始まる初場所の出場については休場となる見込み(同)。

   菅総理は感染拡大を受けて、きょうの自民党役員会で、東京都と埼玉、千葉、神奈川3県を対象とする緊急事態宣言の発令を7日に決定する方針を表明した(同)。宣言の発令は昨年4月に続いて2回目だ。

   当地の石川県でもきょう感染者が20人となった。金沢大学でも3日付でこのような一斉メールが届いた。「本日、共通教育科目受講学生に新型コロナウイルスの感染者が報告されました。行動歴の調査から,複数の濃厚接触者またはその疑いがある学生の存在が危惧されます。大学入学共通テストを控えて感染の拡大を予防するために1月4日(月)から7日(木)の授業についても、対面講義を取り止め遠隔授業といたします」と。コロナ禍の新年、仕事始めから強烈だ。

⇒5日(火)午後・金沢の天気    くもり

★著作権を手玉に取る

★著作権を手玉に取る

   著作権ビジネスを手玉に取った「おいしい」手口だとこの記事を読んだ人は思ったのではないだろうか。NHKニュースWeb版(12月22日付)によると、東京・渋谷区の音響会社に勤めていた男性が日本テレビの朝のニュース番組の音響効果を担当し、自身が創作した楽曲を平成27年(2015)から2年余りの間、番組で合計1900回余り放送したと虚偽申請をし、JASRAC(日本音楽著作権協会)から7400万円余りを不正に受け取っていた。男性は自らの楽曲の著作権管理をJASRACに委託契約していた。

   どうして男性がいとも簡単に大金を手にできたのか、JASRACとテレビ局の著作権契約の内容を調べてみる。JASRACは民放とNHKから年間で260億円余りの著作権料を徴収している。両社の契約は2015年当時、放送事業収入の1.5%を著作権料として支払うことで局側は楽曲が使い放題という包括契約をJASRACと結んでいた。JASRACにとっても、テレビ局はある意味で公的機関なので徴収がしやすいというメリットがある。

   男性が目をつけたのはまさにこの局側が楽曲が使い放題という包括契約にある。番組に使った楽曲について局側はJASRACに毎月報告する。JASRAC側は基本的に「放送収入の1.5%」の徴収枠組みが決まっているので報告内容に関して本当に使用されたのかどうかの精査は必要はない。ここに盲点がある。音響効果を担当した男性が自ら創作した楽曲を使用したとしてテレビ局に報告すれば、テレビ局はそのままJASRACに報告。JASRACはテレビ局の報告をもとに権利料を楽曲の制作側に支払うことになる。

   記事によると、JASRACが男性に支払った著作権使用料は1900回で7400万円なので、1回の使用料が3万9千円となる。2年余りで1900回の使用だから、朝のニュース番組が毎日放送されたとして仮に延べ800日と計算して、1回の放送につき、2.4回の使用料が発生したことになる。実際は1回しか使用していなくても、2回と記載することは可能だっただろうし、ゼロ回でも1回と記載することも可能だったろう。放送ごとに毎日チャリンチャリンと現金が降って来た。

   この一件が露見したのは日テレ側の内部告発ではないだろうか。同じ楽曲を流し続ければ、視聴者は聴き飽きる。以下は憶測だ。日テレの番組担当ディレクターが直接本人に、あるいは、男性が所属していた会社の担当者に「そろそろ番組に使う楽曲を変えてほしい」と指示したが、男性は変更しなかった。それを不審に感じた日テレ側が調査すると、その楽曲は男性自らが創ったものと分かった。そこで、報告書の使用回数を改めて調査すると合計で1900回と記載されていた。番組の映像はデータベースとして保存されているので、それをチェックすると、実際の使用回数は報告書記載の4分の1ほどと分かった。そこで、日テレがJASRACに虚偽の記載報告があったと通告したのではないだろうか。以上はあくまでも憶測だ。

   手玉に取られたJASRACは男性が所属した会社に対し、実際の放送分と虚偽の申告分を差し引いた5500万円の賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。男性は著作権者であり社員だったが、この場合社員としての不正にあたり、JASRACとしては男性が所属する会社に賠償を求めた。

⇒23日(水)夜・金沢の天気     はれ

☆めでたい金箔、ユネスコ無形文化遺産に

☆めでたい金箔、ユネスコ無形文化遺産に

   金、ゴールドの価値は世界共通のものだ。そして、金属であり、伸びる特性がある。それを極限まで薄く伸ばしたのが「金箔」である。400年以上の伝統があるとされる縁付(えんづけ)金箔の製法がユネスコの無形文化遺産に登録されることが決まった。文化財建造物の保存には欠かせない「伝統建築工匠の技」の一つ。金箔のほかに、屋根をふく技術の「ひわだぶき・こけらぶき」、そして「かやぶき」、文化財建造物を装飾する技術の「建造物漆塗」、壁の表面を土やしっくいで仕上げる「左官」や、「畳製作」など17の技術がまとめて登録された(文化庁公式ホームページ)。

   縁付金箔の製造現場をこれまで何度か見学する機会があったが、その技と金の耐久性には驚く。柿渋などにつけ込んだ専用の和紙に金をはさんで打ち延ばし、1万分の1㍉の薄さにする。金沢の伝統的な技法だ。こうした職人技は金沢の誇りでもある。そして、建物だけでなく仏像などの国宝の修復にも使われる。文化財は金箔の技術なしでは維持することはできない。まさに、有形と無形の文化遺産は密接に結び付いていると、現場を見て思う。

   金沢では金箔は体によいとされ、金箔を入れた日本酒、化粧品、うどんもある。かつて、金沢の子どもたちが頭にたんこぶをつくると、膨らんだ部分に金箔をはっていた。そして、知人からかつて聞いた話。金箔製造業者は潰れない(倒産しない)。なぜなら、金の価格が安いときに材料として仕入れ、高くなれば売って経営を安定させる。「良質な金を見極める目利きであり、金のトレーダーだよ」と知人は妙にほめていたことを覚えている。

   今回の登録で国内の無形文化遺産は「和食」や「和紙」などに加えて22件。石川県内では、単独で登録された農耕儀礼「奥能登のあえのこと」を始め、七尾市「青柏祭の曳山」(「山・鉾・屋台行事」の一つ)、輪島市・能登町「能登のアマメハギ」(「来訪神 仮面・仮装の神々」の一つ)に続いて4例目となる。

(※写真は金沢金箔伝統技術保存会ホームページより)

⇒19日(土)夜・金沢の天気  ゆき

☆『テラスハウス』、故意に「侮辱」を煽ったのか

☆『テラスハウス』、故意に「侮辱」を煽ったのか

   フジテレビのリアリティ番組『テラスハウス』に出演した女子プロレスラーが自死した問題で新展開があった。読売新聞Web版(12月16日付)が報じている。警視庁は近く、ツイッターで女子プロレスラーを中傷したとして、大阪府の20歳代の男を侮辱容疑で書類送検する方針。女性に匿名の誹謗中傷は数百件に上ったが、中でもこの男が女性のツイッターの投稿に対し、「生きている価値あるのかね」「いつ死ぬの?」などと複数回にわたって返信の書き込みを繰り返し、公の場で侮辱した疑い。警視庁では、摘発して処罰の可否を問う必要があると判断した。

   問題のシーンは『テラスハウス』の38話で、同居人の男性が女子プロレスラーが大切にしていたコスチュームを勝手に洗って乾燥機に入れたとして怒鳴り、男性の帽子をはたく場面だ。この38話は3月31 日に動画配信サービス「Netflix」で流され、SNSコメントで批判が殺到した。この日、女子プロレスラーは自傷行為に及び、それをSNSに書き込んだ。フジの番組スタッフがこのSNSを見つけ、本人に電話連絡をとっている。ところが、フジは5月19日未明の放送で、SNSで批判された問題のシーンをカットすることなく、そのまま流した。女子プロレスラーは5月23日に自ら命を絶った。 

   女性の母親は、娘の死は番組内の「過剰な演出」がきっかけでSNS上に批判が殺到したためだとして、人権侵害があったとBPO(放送倫理・番組向上機構)に申し立てを行った(7月15日)。番組でプロレスのヒール(悪役)のキャラクターを演じるよう指示され、「番組内に映る虚像が本人の人格として結び付けられて誹謗中傷され、精神的苦痛を受けた」として、人格権の侵害を訴えた。併せて、「全ての演出指示に従うなど言動を制限する」などの条項を含む「誓約書兼同意書」によって自己決定権が侵害され、人権侵害に相当すると訴えた。

   これに対し、フジテレビ側は7月31日付で内部調査の検証報告を公式ホームページで掲載した。聞き取りを番組のプロデューサー、ディレクター、制作現場のスタッフ、出演者、女子プロレスラーの所属事務所の関係者ら27人に対して行った。番組について「予め創作した台本は存在せず、番組内のすべての言動は、基本的に出演者の意思に任せることを前提として制作されていた」としたうえで、調査では「制作者が出演者に対して、言動、感情表現、人間関係等について指示、強要したことは確認されなかった」としている。

   BPO放送人権委員会は遺族からの申し立てを受け、これまで10月20日と11月17日の2回審理を行っている(BPO公式ホームページ)。今回の警視庁の書類送検によって、今後の審理ではSNS上に批判が殺到した理由、さらに、なぜ5月19日にそのまま放送したのか、フジの姿勢が問われるのではないだろうか。故意に「侮辱」を煽ったのかどうかだ。

(※写真は5月23日付のイギリスBBCニュースWeb版で掲載された女子プロレスラーの死をめぐる記事)

⇒16日(水)夜・金沢の天気    くもり