⇒ニュース走査

☆新総理初会見を視聴して記した「Good job !」メモ

☆新総理初会見を視聴して記した「Good job !」メモ

   岸田総理の就任後初めての記者会見をきのう4日午後9時からNHKが中継していたのでメモを取りながら視聴していた=写真=。そのメモを見ながら、会見内容で再度チェックする。「早すぎる」と書いたメモが、今月14日に衆院を解散し、19日公示、31日投開票との選挙日程だった。それまでメディア各社が26日公示、11月7日投開票などと予想を報じていたので、「前倒し」は意外だった。それにしても、内閣発足10日で衆院解散に突入する、とは。

   4人が立候補した自民党総裁選(9月17日告示・29日開票)はNHKや民放各社がこぞって討論会の模様を報道するなど、「メディアジャック」現象ともいえるほどに注目された。直近の政党支持率では、日経新聞の世論調査で自民47%、立憲民主8%(9月23-25日調査)、テレビ朝日の調査で自民が49%、立憲民主9%(9月18、19日調査)と自民が支持率を伸ばしている。「鉄は熱いうちに打て」との選挙ポリシーなのだろうか。

   「新たな資本主義って何だ」とメモをしたのが、経済政策での「成長と分配の好循環」の説明だった。岸田氏は総裁選の論戦で「富む者と富まざる者の格差が生まれ、コロナ禍でさらに広がった。これからは富める一部の人間だけでなく、広く多くの人の所得を引き上げること」などと述べていた。中間層の所得の引き上げを通じて、GDPの半分以上を占める個人消費の活性化につなげる経済政策との意味で受け止めていたが、そのような単純明快な話ではないらしい。新たな大臣ポストとして「新しい資本主義担当」を置き、ヤル気だ。富の再配分を目指した、たとえば富裕税の創設などが頭の中にあるのだろうか。

   関連メモで「中国の共同富裕?」とも書いている。中国の習近平総書記が所得格差の是正と称して、不動産会社やIT企業、高所得の俳優などの富裕層に警告を発し、不動産大手「中国恒大集団」などはデフォルト寸前に追いやられている。岸田氏の「成長と分配の好循環」が中国の「共同富裕」のようにならないことを願う。

   「Good job !」とメモ書きしているが、人工知能など先端科学技術の研究に大規模な投資を行うとした「科学技術立国の実現」。そして、地方からデジタルの実装を進め、都市との差を縮める「デジタル田園都市国家構想」だった。本来ならばおそらく地方都市への移住政策だろう。それをあえて移住とは言わず、「デジタル田園都市国家構想」と称したところが見事、「Good job !」だ。

   これは個人的な願いだが、日本のデジタル化を本気で推進するのであれば、選挙のデジタル投票とデジタル法定通貨をぜひ実現してほしいものだ。

⇒5日(火)午前・金沢の天気    はれ

☆極超音速ミサイル 北が着々と進める戦略兵器開発

☆極超音速ミサイル 北が着々と進める戦略兵器開発

   前回のブログで北朝鮮が弾道ミサイル1発を日本海に打ち上げた(9月28日)との報道を取り上げた。きょう29日付の労働新聞Web版によると、打ち上げたのは新開発の極超音速ミサイルだと写真付きで掲載している。「국방과학원 새로 개발한 극초음속미싸일 《화성-8》형 시험발사 진행」の見出しの記事=写真=によると、極超音速ミサイルの名称は「火星-8」。北部のチャガン(慈江)道から発射した。金正恩党総書記の側近のパク・チョンチョン党政治局常務委員らが立ち会った。

   記事では極超音速ミサイルについての詳細な記載はない。「令和2年版防衛白書」によると、アメリカや中国、ロシアはすでに開発していて、弾道ミサイルから発射され、大気圏突入後に極超音速(マッハ5以上)で滑空飛翔・機動し、目標へ到達するとされる。弾道ミサイルとは異なる低い軌道を、マッハ5を超える極超音速で長時間飛翔すること、高い機動性を有することなどから、探知や迎撃がより困難になると指摘されている。

   また、記事では極超音速ミサイルの開発について、ことし1月5-12日で開催した朝鮮労働党第8回党大会で提案された戦略兵器開発(5ヵ年計画)におけるトップ5の主要なタスクの一部と位置付けている。確かに、この8回党大会で金総書記は、アメリカを「最大の主敵」「戦争モンスター」と呼び、より高度な核技術の追求などを通じて、アメリカの脅威に対する防衛力を絶えず強化する必要があると述べた。核兵器の小型・軽量化と大型核弾頭の製造推進、1万5000㌔射程内の戦略的目標に命中させ破壊する能力の向上を目指す方針も表明。固体燃料を用いる大陸間弾道ミサイル(ICBM)と原子力潜水艦の開発、衛星による情報収集能力強化にも言及していた(2021年1月9日付・BloombergニュースWeb版日本語)。

   北朝鮮は各地の代表からなる党最高人民会議をきのう28日からピョンヤンで開催している。ということば、きのう打ち上げた極超音速ミサイルは、今月11・12日の長距離巡航ミサイル、15日の移動式ミサイルの発射と合わせて、戦略兵器開発は順調に進んでいるとの党幹部向けのアピールの狙いもあるのかもしれない。

   それにしても、日本の防衛システムは北朝鮮が次々と開発を進める戦術兵器に対応できるのか。弾道ミサイルは楕円軌道を描きながら標的の上に落ちてくるので迎撃が可能とされている。が、極超音速ミサイルは上下左右に飛び方を変えながら標的に向かうので迎撃が困難とされる。極超音速ミサイルの実用化までには時間がかかるとしても、日本の防衛システムが翻弄されることだけは間違いない。

⇒29日(水)午後・金沢の天気     はれ

★弾道ミサイル発射 文大統領への揺さぶりメッセージか

★弾道ミサイル発射 文大統領への揺さぶりメッセージか

   また、北朝鮮の脅威だ。けさ北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと発表した(防衛省公式ホームページ)。NHKニュースWeb版(28日付)によると、政府高官は「発射は1発と見られるが、落下した場所も含めて現在確認を進めている」と述べた。また、政府関係者は、日本のEEZ(排他的経済水域)の内側に落下した可能性は低いという認識を示した。

   北朝鮮は今月15日にも日本海に向けて弾道ミサイル2発を発射している。落下地点は、能登半島の舳倉島の北方約300㌔の海域と推測される(同・読売新聞Web版)。舳倉島から輪島市は約49㌔の距離。つまり、能登半島の約350㌔先のEEZ内だった。

   前回の発射でさらに脅威を感じさせることが報道された。北朝鮮の朝鮮中央テレビ(9月17日付)は、弾道ミサイルは鉄道を利用した移動式ミサイル発射台から発射されたもので、その動画を公開した=写真=。安倍政権時代に北朝鮮の弾道ミサイルの発射予測を検知して事前に破壊する「敵基地攻撃能力」の保持が議論されていた。15日の弾道ミサイルは敵基地攻撃の意味がなさなくなったことを示すものだった。けさ発射された弾道ミサイルは1発だが、移動式ミサイル発射台をさらに進化させたものだったのか、どうか。

   北朝鮮はきょう28日、各地の代表を集めて最高人民会議を開催すると予告している(9月28日付・NHKニュースWeb版)。韓国の文在寅大統領は22日の国連総会での演説で、「終戦宣言こそ朝鮮半島に『和解と協力』の新しい秩序を作る重要な出発点だ」と述べ、休戦状態となっている朝鮮戦争の終戦宣言を、南北とアメリカの3者か、中国を加えた4者で行うことを提案した(9月22日付・同)。これに対し、北朝鮮の金正恩党総書記の妹、金与正党副部長は24日、「終戦宣言は悪くない」として、「長期間続いている朝鮮半島の不安定な停戦状態を物理的に終わらせ、相手に対する敵対視を撤回する意味での終戦宣言は興味深い提案であり良い発想」とする談話を出した(9月24日付・聯合ニュースWeb版日本語)。

   以下、憶測の話になる。開催される最高人民会議で金党総書記が「文大統領からの終戦宣言の提案を喜んで受ける」と表明したら、今後朝鮮半島の情勢はどのように変化していくだろうか。休戦協定の当事者であるアメリカは「先に非核化、その後に経済制裁解除と終戦宣言」が原則だ。逆に、文大統領は非核化交渉の入口として、先に終戦宣言をすることを提示している。金党総書記の狙いは、弾道ミサイルを発射したぞ、それでも終戦宣言をするんだなと文大統領に揺さぶりをかけたのではないか。アメリカと韓国の亀裂も狙ってのことだ。弾道ミサイルのきょうの発射は、文大統領に対する強烈なメッセージではないのか。

⇒28日(火)午前・金沢の天気      くもり

★皇室の一時金制度そのものが問われている

★皇室の一時金制度そのものが問われている

   はやり宮内庁は大きな勘違いをしている。なぜ皇室経済会議を開催しないのか。NHKニュースWeb版(25日付)はこう伝えている。皇族が結婚などによって皇室を離れる場合、品位を保つことを目的に「一時金」が支給されることが皇室経済法で定められていて、眞子さまのような「内親王」の場合、1億5250万円が上限となっている。これについて眞子さまは、小室さんの母親の金銭トラブルに対する批判的な世論などを踏まえ、受け取りを辞退される意向を示されていて、宮内庁が、政府や内閣法制局とも連絡を取りながら対応を検討してきた。その結果、宮内庁として眞子さまへの一時金は支給しない方向となり、眞子さまの結婚の日程などとあわせ、来月上旬にも発表できるよう調整を進めている。これによって、総理大臣が議長となって一時金の支給額を決定する「皇室経済会議」は開かれない見通し。

   憲法第88条では「すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない」と定めている。皇籍離脱の一時金は皇族費であり、皇室経済法第6条に基づき、皇室経済会議を開く必要がある。本来は一時金の金額の認定などする場ではあるが、「受け取らない」場合であっても、その理由について了承を得る必要がある。会議メンバーは総理大臣、衆参正副議長、財務大臣、宮内庁長官、会計検査院長の8人だ。

   今回の一時金支給の辞退は皇室の歴史においても異例だ。NHKニュースWeb版はこう伝えている。一時金をめぐっては、昭和22年に11宮家の51人が皇籍を離脱した際、軍に所属していた男性皇族11人に支給されなかった例があるが、戦後、結婚によって皇室を離れた女性皇族に支給されなかった例はない。皇室経済会議は眞子さまが辞退したので、「あ、そうですか」と会議を開かない理由が納得いかない。なぜ、辞退されたのか問うてほしい。その上で、「皇室を離れる場合、品位を保つことを目的」としている一時金の意義を論議すべだ。皇室にとって必要のない、あるいは形骸化している制度であれば、この際、一時金制度を廃止すべきだろう。皇室経済会議を開いてその議論をなぜしないのか。

   ましてや、冒頭の記事で眞子さまの辞退の理由は「小室さんの母親の金銭トラブルに対する批判的な世論などを踏まえ」とされている。小室圭氏の母親の疑惑は厚生労働省や司法が判断する別次元の話だ。この件を、一時金で配慮するという眞子さまの感覚そのものがずれている。あるいは、一時金を辞退するので、小室の母親の疑惑はなかったことにしてほしいとのお気持ち、あるいは国民に向けたメッセージであるならば、それは論外ではないだろうか。

   2017年9月の婚約内定会見から4年、国民の信頼の失墜を招いた責任は宮内庁にあるだろう。その役割はもう終わった。全国に700ある天皇家にまつわる陵墓を守るのが宮内庁の大きな役目の一つとされる。それに専念すればよいのではないか。

(※写真は、「小室圭さん母 『年金詐取』計画 口止めメール」疑惑を報じた週刊文春=2021年4月29日号)

⇒25日(土)夜・金沢の天気    あめ  

☆「終戦宣言は悪くない」 北の思惑

☆「終戦宣言は悪くない」 北の思惑

   前回のブログの続き。韓国の聯合ニュースWeb版日本語(24日付)よると、北朝鮮の金正恩国務委員長(朝鮮労働党総書記)の妹、金与正党副部長は24日、韓国の文在寅大統領が国連総会演説で朝鮮戦争の終戦宣言を提案したことについて、「終戦宣言は悪くない」として、「長期間続いている朝鮮半島の不安定な停戦状態を物理的に終わらせ、相手に対する敵対視を撤回する意味での終戦宣言は興味深い提案であり良い発想」とする談話を出した。朝鮮中央通信が伝えた。

   このニュースの見て、「アフガニスタン」の二の舞を想像した。2001年9月月11日の同時多発テロで、アメリカは「テロとの戦い(War on Terrorism)」を錦の御旗に掲げ、当時のブッシュ大統領はアフガニスタンで政権を握っていたタリバンがテロ事件の首謀者とされたオサマ・ビン・ラディンをかくまっていると非難。アメリカ主導の有志連合軍がアフガンへの空爆を始め、タリバン政権は崩壊する。しかし、ビン・ラディンを捕捉できなかった。テロとの戦いはオバマ大統領に引き継がれ、2011年5月、パキスタンのビン・ラディンの潜伏先を奇襲し殺害。オバマ氏は緊急声明で「Justice has been done」と発した。

   バイデン大統領は今年4月、同時多発テロ事件から20年の節目にあたる「9月11日」までにアフガンから完全撤退すると表明した。その後、8月に入り、アメリカ軍の撤退を見越して、タリバンが首都カブールに進攻、日本時間の16日に勝利宣言をした。一方、2014年から政権を担ってきたガニ大統領はまさに「敵前逃亡」で出国し、政権は事実上、崩壊した。

   朝鮮戦争の休戦協定が成立したのは1953年7月27日だ。「最終的な平和解決」、つまり平和協定を締結するまでは戦争行為と武力行使を停止すると規定した書面への書名だった。協定に署名したのは国連軍を代表したアメリカと、中国、北朝鮮だった。韓国側は当時の李承晩大統領があくまでも朝鮮半島の統一を主張して休戦に反対して署名に加わらなかった。しかし、署名しなかったことが後々平和的解決への足かせとなる。

   しかし、冒頭の金与正氏の談話はこれまでの北朝鮮の方針転換ではないかと自身は読んでいる。前回のブログでも述べたが、2018年と2019年に行われた延べ3回の米朝首脳会談で、アメリカ側は「先に非核化、その後に経済制裁解除と終戦宣言」との原則だった。一方、2018年4月に行われた初の南北首脳会談で、文大統領は非核化交渉の入口として、先に終戦宣言をすることを提示していた。北朝鮮とすれば、アメリカと直接交渉するより、韓国と共同で終戦宣言を出して「平和的統一」を世界にアピールする方が在韓米軍を撤退させる近道だと考えた。

   そうなると、アメリカ世論もアフガンのケースと同様にいつまで韓国に軍隊を駐在させる必要があるのかと撤退の声が高まる。北朝鮮の狙いはそこにあるのではないだろうか。

(※写真は、2018年5月26日に行われた韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長の2度目の首脳会談を伝える聯合ニュースWeb版)

⇒24日(金)夜・金沢の天気       はれ

★朝鮮戦争の終戦宣言は「核あり統一」の布石か

★朝鮮戦争の終戦宣言は「核あり統一」の布石か

   韓国の文在寅大統領の国連総会での演説には正直、「また同じことを繰り返すのか。くどい」という印象がぬぐえない。NHKニュースWeb版(9月22日付)によると、文大統領は「終戦宣言こそ朝鮮半島に『和解と協力』の新しい秩序を作る重要な出発点だ」と述べ、70年近く休戦状態が続いている朝鮮戦争の終戦宣言を、南北とアメリカの3者か、中国を加えた4者で行うことを改めて提案した。ことしは韓国と北朝鮮が国連に同時に加盟してからちょうど30年で、文大統領としては来年5月までの任期中に朝鮮半島の平和と安定に向けて成果を出そうと各国に支持を求めた形だ。

   文氏が国連総会で「終戦宣言」を持ち出すのは3度目だ。文氏は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と2018年4月に板門店で初の南北首脳会談で「完全な非核化」の約束を取り付けた=写真=。6月にはシンガポールで初の米朝首脳会談が開かれ、共同声明で板門店宣言を再確認し、北朝鮮は完全な非核化に向け取り組むと記された。会談後に当時のトランプ大統領は米韓合同軍事演習を凍結すると発言した。その年の9月の国連総会で文氏は「非核化のための果敢な措置が実行され、終戦宣言につながることを期待する」と述べた。

   その後に原則論が違いが浮き彫りになる。トランプ氏の原則は先に非核化、その後に経済制裁解除と終戦宣言だった。ところが、板門店で文氏は金氏に対して、非核化交渉の入口として、先に終戦宣言を提示していた。金氏もその提案に同意した。亀裂が生じたのは2019年2月、ハノイでの2回目の米朝首脳会談だった。会見でトランプ氏は、金氏が非核化の前に経済制裁の解除を求めたので、それは無理だと先に席を立ったと述べた。同じ年の6月には板門店で3回目が持たれたが、成果には至らなかった。

   そして、2020年6月、南北首脳会談の板門店宣言の合意で建設した南北連絡事務所を北朝鮮が爆破した。それでも、文氏は、その年の9月、オンラインでの国連総会演説で「終戦宣言こそ、朝鮮半島での非核化とともに恒久的な平和への道を開く扉になる」と繰り返した。そして3度目が冒頭の演説だった。文氏の演説の後、アメリカのバイデン大統領が就任後初めての国連演説に臨み、北朝鮮とイランの非核化を引き続き追求すると明らかにした。文氏が提案した終戦宣言には言及していない。

   北朝鮮は9月に入り、長距離巡航ミサイルや移動式弾道ミサイルなどの発射実験を相次いで行っている。韓国も、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の発射実験を文氏の立ち合いのもとで行っている。両国の軍事競争が不可解だ。「核なき統一」は日本もアメリカも国際社会も望むところだ。ところが、文氏の演説は統一が最優先であって、核は後回し、つまり「核ありの統一」のように聞こえる。油断ならない。

⇒23日(祝)午後・金沢の天気      はれ

★中秋の名月なれど チャイナリスクの暗雲

★中秋の名月なれど チャイナリスクの暗雲

   今夜は「中秋の名月」だ。天候が変りやすい北陸では名月を拝めないことが多い。なにしろ芭蕉の句がある。「名月や北国日和定なき」(『奥の細道』)。今夜は中秋の名月を期待していたけれど、あいにく雨で拝むことができなかった。福井・敦賀で詠んだ句とされる。しかし、今夜はすっきりと見ることができた=撮影:午後7時45分=。しかも、平成25年(2013)以来、8年ぶりの満月というから、まさに名月だ。  

   時代劇のドラマで中秋の名月のカットがよく使われる。大事件や裏切り、画策、謀反、旗揚げなど不吉な出来事の予兆のシーンとして、ウオーッという犬の鳴き声や風に揺れるススキの穂とともに名月が浮かんで出てくる、あのカットだ。きょうの名月もひょっとして。  

   連休明けのきょう21日の日経平均株価は取り引き開始直後からほぼ全面安。終値は先週末より660円安い2万9839円だった。終値が3万円を割り込むのは9月7日以来だ。そして、日本だけでなくアメリカ株も全面安となるなど、世界同時株安の様相だ。その原因と報じられているのが「チャイナリスク」。中国の不動産大手「中国恒大集団」の経営悪化が原因と言われる。日本円で33兆円におよぶ巨額の負債を抱えているとされ、中国経済全体や金融システムに影響を及ぼすのではないかとの懸念が強まっている。

   その予兆は昨年から顕著になっていた。恒大集団は負債比率の削減を目指しすべての不動産物件を30%値引きすると発表(2020年9月7日付・ロイター通信Web版日本語)、このころから危機説が浮上した。もともと、中国当局が不動産価格の過度な高騰を警戒し、市場を引き締めたことが資金繰りが悪化した原因の一つとみられている。そして、本格的にデフォルト(債務不履行)となれば、リーマン・ショック級の信用崩壊が発生し、不動産資産が下落するだろう。不動産を担保にしてビジネスをしている人たちが金融機関の強引な貸しはがしに合うケースも増えるだろう。こうなると、資金繰りが全体に悪化し、不況へと突入する。

   では、中国政府による恒大集団の救済はあるだろうか。習近平政権は「共同富裕」を掲げ、貧富の格差解消を進めている。ある意味で不動産バブルを煽ってきたとも言える恒大集団に助け舟を出せば人民の反発を招くことになるかもしれない。

⇒21日(火)夜・金沢の天気      はれ

☆眞子さま結婚問題さらなる一波乱二波乱

☆眞子さま結婚問題さらなる一波乱二波乱

   これはNHKのスクープ記事だった。16日付のニュースで、「秋篠宮ご夫妻の長女の眞子さまとの結婚の調整が進められている小室圭さんが、今月末には帰国が可能となるよう準備を進めていて、近く帰国する見通しとなったことが、関係者への取材でわかりました。宮内庁は、来月の結婚も念頭に発表の準備を進めていて、眞子さまは、小室さんの帰国後、2人で記者会見などの機会を設け、結婚について報告される見通しです」(9月16日付・NHKニュースWeb版)と報じた。自身の憶測だが、この記事は「関係者への取材」というより、宮内庁からの「取材依頼」、つまり「リーク記事」ではなかったか。

   本来ならば民放テレビや新聞社などが加盟する宮内庁記者クラブで発表すべき案件なのだが、そうなると「小室問題」などに記者の質問が集中して記事が宮内庁側の意図しない趣旨で書かれてしまう、ということになりかねない。そこで、論調が比較的穏やかなNHKに情報を持ち込んだのだろう。メディアへの情報開示の在り方をここで論じるつもりはない。むしろ、そのような手段を使わざるを得ないほど、眞子さまの結婚問題で宮内庁が追い込まれた状況であることをニュースを見て察した。

   宮内庁を追い込んでいる状況はいくつかある。一つは、結婚までに時間がなく切羽詰まっている。記事にあるように、「眞子さまは、30歳の誕生日を迎える来月23日までに結婚される」となれば、あと1ヵ月余りだ。皇族は「民間人」ではないので戸籍はない。入籍するまでに、皇籍離脱の手続き、婚姻届けなど多々ある。この手続きを進めるのは宮内庁だ。とくに、皇族がその身分を離れる際に支払われる一時金(最大1億5250万円)について、眞子さまは「受け取らない意向を示されている」(同)としている点だ。眞子さまは簡単にそう述べられたのかもしれないが、宮内庁にとってはこれほど面倒なことはないだろう。

   憲法第88条では「すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない」と定めている。皇籍離脱の一時金は皇族費であり、皇室経済法第6条に基づき、皇室経済会議を開く必要がある。本来は一時金の金額の認定などする場ではあるが、「受け取らない」場合であっても、その理由について了承を得る必要がある。会議メンバーは総理大臣、衆参正副議長、財務大臣、宮内庁長官、会計検査院長の8人だ。ところが、今月29日に自民党総裁選、10月4日からの臨時国会で首班指名選挙がある。その後に組閣があり、政治家にとって超多忙なスケジュールの中で皇室経済会議を開催できるのだろうか。ましてや、仮に物言いの河野太郎氏が総理になったとして、「受け取らない」をすんなり了承するだろうか。ひと波乱あるかもしれない。

   宮内庁を追い込んでいる状況のもう一つは、「国民の理解」ではないだろうか。冒頭の記事では、「2人で記者会見などの機会を設け」とある。皇籍を離脱する前に会見を開くことを宮内庁が仕込んでいるのだろう。というのも、眞子さまがこのまま会見も開かずにアメリカへ移住した場合、「多くの国民が納得し、喜んでくれる状況」(2021年2月23日・天皇陛下)にはならない。それどころか、多くの国民の嫌悪感を煽ることになりかねない。そこで記者会見を宮内庁はセットする訳だが、眞子さまも小室圭氏も会見を望んでいないのではないか。これまでの経緯を見ても、2人の現在の心境は憲法第24条「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」が最優先の「2人ファースト」ではないだろうか。国民の納得や祝福は念頭にない。

    2人の会見はどのような形式で行われるのかまだ定かになってはいない。おそらくリモート形式で、宮内庁記者からの質問もあらかじめ文書で提出されたものに違いない。時間も30分程度。とりあえず国を離れる前に国民にあいさつと報告をしたという事実を宮内庁としては残したいのだろう。いずれにしても今後、宮内庁の責任と皇室の有り様をめぐって国民の違和感がくすぶり続ける。(※写真は2017年9月3日、眞子さまと小室氏の婚約内定の記者会見=宮内庁公式ホームペ-ジより)

⇒18日(土)午後・金沢の天気   くもり時々あめ

★能登の地震、地球は動く

★能登の地震、地球は動く

   きのうの地震は金沢でも揺れを感じた。16日午後6時42分ごろ、能登半島の尖端を震源とする強い地震があった=写真・上=。気象庁によると、震源の深さは13㌔で地震の規模を示すマグニチュードは5.1と推定されている。震源近くの珠洲市では震度5弱を、隣接の能登町では震度4を。このほか震度3の揺れは輪島市や新潟県、長野県でも観測された。金沢は震度2だった。きょうのテレビニュースによると、人的な被害は出ていない。また、珠洲市で開催されている奥能登国際芸術祭の展示作品などへの影響はいまのところないようだ。

   ことしに入って能登半島を震源とした震度1以上の揺れはきのう夕方を含めて36回(震度3以上は7回)発生している。2020年は11回(同2回)、2019年は9回(同1回)、2018年は3回(同0回)だったので、地震活動が活発化していることが分かる(tenki.jp「石川県能登地方を震源とする地震情報」)。

   能登半島の地震と言えば、2007年3月25日午前9時41分の能登半島地震を思い出す。輪島市などで震度6強、マグニチュードは6.9だった。本震の後、震度5弱の余震も続いた。被害は死者1人、負傷者356人、全壊家屋686棟、半壊家屋1740棟、一部損壊家屋2万6958棟に及んだ(Wikipedia「能登半島地震」)。震災の翌日、学生たちといっしょに復旧のボランティアに被災地に入ろうとしたが、余震があり危険として現地の対策本部から待ったがかかり、3日後に被災地に入ったことを覚えている。。

   能登半島地震について、北陸地方の地震活動に詳しい地震学者の尾池和夫氏(2007年当時・京都大学総長)は「ユーラシアプレート内部で発生したと考えられるが、あまり大きな地震の起きない珍しい場所での地震だ」と話し、そのうえで「ユーラシアプレートに乗っている西日本全体の地震活動が活発化している。今回の地震で、このプレート東端の能登半島沖まで、大きな地震が進行してきたことが明らかになった」と述べていた(2007年3月25日付・読売新聞Web版)。

   学生時代に読んだ小松左京のSF小説『日本沈没』では、ユーラシアプレートに乗っている能登半島など日本列島は太平洋プレートに押され沈没するが、最後に沈むのが能登半島という設定だったと記憶している。そんな印象から、能登は地震の少ない地域だと思っていたのだが。やはり地殻変動が起きているのか。地球は動く。

⇒17日(金)午後・金沢の天気  くもり時々あめ  

★北と南が「弾道ミサイル」を発射した日

★北と南が「弾道ミサイル」を発射した日

   北朝鮮がまたミサイルを発射した。NHKニュースWeb版(9月15日付)によると、岸防衛大臣は夕方、防衛省で記者団に対し「北朝鮮は、きょう午後0時32分と37分ごろ、内陸部から、少なくとも2発の弾道ミサイルを東方向に発射したもようだ」と述べた。その後、防衛省は追加でコメントを発表した。「発射された弾道ミサイルは、従来から北朝鮮が保有しているスカッドの軌道よりも低い高度(最高高度約50km程度)を、変則軌道で約750km程度飛翔し、日本海上に落下したものと推定されます。落下したのは、我が国の排他的経済水域(EEZ)内と推定されます」(防衛省公式ホームページ)

   さらに、読売新聞Web版(同)は「防衛省によると、ミサイルは能登半島の舳倉島の北方約300㌔の海域に落下したと推測される」と報じている。舳倉島から輪島市は約49㌔の距離。つまり、能登半島の約350㌔先のEEZ内に落下させたということだ。

     北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて、菅総理は記者会見で、「北朝鮮が弾道ミサイルと判断されるものを発射した。本年3月25日以来、約6か月ぶりの弾道ミサイル発射は、我が国と地域の平和と安全を脅かすものであり言語道断だ。国連安保理決議にも違反しており、厳重に抗議するとともに強く非難する。我が国の排他的経済水域外の日本海に落下したと推定されるが、政府としては、これまで以上に警戒監視を強めていく」と述べた(総理官邸公式ホームページ)。

   韓国の中央日報Web版日本語(同)によると、文在寅大統領は15日午前、青瓦台(大統領府)で40分間余りにわたり中国の王毅外交担当国務委員兼外交部長と面会した。文大統領はこの席で「わが政府は中国を含めた国際社会とともに韓半島(朝鮮半島)の非核化と平和定着のために努力している」としながら「中国の変わりない支持をお願いしたい」と述べた。この後、文大統領は弾道ミサイルの発射に立ち会っている。

   韓国の聯合ニュースWeb版日本語(同)は、韓国が独自開発した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験に初めて成功したと伝えている。発射実験は15日午後、国防科学研究所の総合試験場で文大統領をはじめとする政府・軍関係者の立ち会いの下で行われた。韓国のKBSニュースWeb版(同)=写真=は「世界でSLBMの打ち上げに成功したのは、米国、ロシア、中国、イギリス、フランス、インドに次いで我が国で7番目。文大統領は、SLBMの開発は北朝鮮の挑発に応じたものではなく、むしろ独自の軍事力増強計画に従っていると述べた。しかし、我々のミサイル兵器の増強は北朝鮮の挑発に対する明確な抑止力になり得ると強調した」と述べた。

   北朝鮮は今月11、12日に新たに開発した長距離巡航ミサイルの発射実験を行った。今回、矢継ぎ早に弾道ミサイルを日本のEEZに打ち込んだ。北朝鮮の意図は、韓国のSLBMを意識した「先制パンチ」だったのか、あるいは中国の王毅部長と韓国の文大統領の会談に対する当てつけだったのか。南北が同じ日に弾道ミサイルを発射したことは、日本の防衛にとって警鐘であることだけは間違いない。

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