★権力者の孤独な幕引き
菅総理が辞意を表明し、自民党総裁選(今月17日告示、29日投開票)に立候補しない意向を示した。新聞メディアは号外や夕刊紙で速報した=写真=。テレビ各社もこの日午後1時過ぎの官邸での菅総理の不出馬表明を生中継した。菅氏のコメントを聴く限り、「コロナ対策に自分のエネルギーを注ぎたい」「総裁選との両立は難しいからコロナに集中するために今回は出馬しない」との言い分で、とても分かりやすい。
しかし、一人の国民、そして有権者として思うことは、最近の菅氏は「チカラ強さがない」という印象だ。昨年9月の就任時には携帯電話料金の値下げやデジタル庁の新設を打ち上げ、チカラ強かった。ところが、新型コロナウイルスの政府の対応が不十分だとの批判が相次ぎ、東京都議選(投票7月4日)で自民党は過去2番目に少ない33議席。総理のおひざ元である横浜市長選(同8月22日)でも、盟友と言われた小此木八郎氏(前国家公安委員長)を推しながら敗北を喫した。
それは数字でも表れていた。読売新聞Web版(8月9日付)によると、世論調査(8月7-9日踏査)では菅内閣の支持率が昨年9月の内閣発足以降の最低を更新し、支持率35%だった。前回(7月9-11日調査)と6月調査は37%だった。不支持率は54%(前回53%)で、内閣発足以降最高だった。
読売が世論調査を実施した8月上旬は、オリンピックで日本選手の金メダルラッシュに沸いていた。開催反対論を押し切った菅内閣に支持が集まっても当然とも思えた。本人もそう思っていたに違いない。ところが、内閣支持率は上がるどころか下落したのだ。
政局は一気に揺らぐ可能性があった。読売の調査で支持率が下がると権力者は身震いする。メディア業界でよくささやかれるのは、内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」と。第一次安倍改造内閣の退陣(2007年9月)の直前の読売新聞の内閣支持率は29%(2007年9月調査)だった。その後の福田内閣は28%(2008年9月退陣)だった(数字はいずれも読売新聞の世論調査)。菅内閣の支持率は9月ではおそらく「危険水域」、20%台に落ち込むだろう。数字をよく読んでいた本人もそれを悟った。その前に辞すことを表明した。それにしても、権力者の実に孤独な幕引きだった。
⇒3日(金)夜・能登の天気 あめ
ない、あるいはすで横行しているかもしれない。新聞・テレビのメディア各社は新紙幣の印刷が今月1日から国立印刷局で始まったと報じている。(※写真は、国立印刷局東京工場で1日に行われた新一万円札の印刷開始式の模様=国立印刷局公式ホームページより)
に婚姻届を自治体に提出される。ただ、新型コロナウイルス感染状況によっては来年にずれ込む可能性もある。
話は変わるが、日経新聞Web版(8月30日付)のニュース。パラリンピックに合わせて来日しているフランスのソフィー・クリュゼル障がい者担当副大臣は30日、都内で記者会見を開き、2024年パリ五輪・パラリンピックは「オリンピックとパラリンピックの垣根を取り払う大会にする」と述べた。大会ボランティアの6%を障がい者にする考えを示し、あらゆる人々の社会参画の必要性を強調した。(※写真はソフィー・クリュゼル障がい者担当副大臣=在日フランス大使館公式ホームページより)
侮辱罪を巡っては、フジテレビが放映したリアリティ番組『テラスハウス』(2020年5月19日放送)に出演していた女子プロレスラーがSNSの誹謗中傷を苦に自死した事件(同5月23日)=写真=が記憶に新しい。警視庁は侮辱罪の公訴時効(1年)までに、ツイッターで複数回の投稿があったアカウントの中から2人の男を書類送検した。このうち、大阪府の20代の男は女性のツイッターアカウントに「性格悪いし、生きてる価値あるのかね」「いつ死ぬの?」などと投稿を繰り返した。東京区検は3月30日、この男を侮辱罪で略式起訴した。東京簡裁は同日、男に科料9000円の略式命令を出し、即日納付された。男はこれ以上罪を問われることはなかった。
言論仲裁法の改正法案に対して、国際ジャーナリスト連盟(IFJ、本部ブリュッセル)は公式ホームページ(8月21日付)で「South Korea: Concerns over media law amendment」との見出しで韓国政府への懸念を表明。また、韓国に拠点を置く外国メディアの組織「ソウル外信記者クラブ(SFCC)」は20日、「『フェイクニュースの被害から救済する制度が必要』との大義名分には共感するが、民主社会における基本権を制約する恐れがある」と声明を出している(8月21日付・朝鮮日報Web版日本語)。
が再開される。解説者のコメントによると、車いすラグビーは「マーダーボール」、殺人球技といわれるほど激しくぶつかり合う。
25日の卓球・男子シングルスも感動的だった。エジプトのイブラヒム・ハマト選手は両腕の肘から先が欠損しているので、口にラケットをくわえ、ボールを打つ。サーブ時は足全体を大きく振り上げ、足の指でつかんだ球を上にトスする。首と身体を左右に大きく振りながらラリーを続け、強烈なレシーブを決める。10歳の時に列車事故に遭い、障害を負った。「人に不可能はない」。人はここまでできると教えてくれているようで衝撃的な感動だった。
アメリカの世論がこれほど動くのも、歴代政権が支援してきたアフガンの民主政権を守れなかったのではないかとの国民の評価が分かれ、一方で、アメリカ軍と協力するはずの民主政権の「自主防衛」の有り様が問われた。このニュースは世界中に流れた。ロシア通信は16日、アフガンのガニ大統領が、車4台とヘリコプターに現金を詰め込んで同国を脱出したと伝えた。在アフガニスタンのロシア大使館広報官の話としている(同・共同通信Web版)。多額の現金に関してはフェイクニュースとの見方があるものの、軍の総司令官でもある大統領が抵抗勢力と戦わずして高跳びしたことは事実である。言うならば「無血開城」。これでは、アメリカ軍も手出しようがない。
連合軍がアフガンへの空爆を始め、タリバン政権は崩壊。大規模な捜索にもかかわらず、ビン・ラディンを捕捉できなかった。10年後の2011年5月2日、隣国パキスタンに逃げ込んでいたビン・ラディンの潜伏先をアメリカ軍特殊部隊が探し出して殺害している。
ところで、アメリカはこの試合をどう報じているのか気になった。アメリカでの放送権を独占しているNBCテレビのニュースWeb版は「Team USA shut out by Japan, settles for baseball silver as hosts win Olympic gold」との皮肉を込めた見出しで伝えている=写真・上=。ホスト国の日本チームはプロ野球球団から構成するオールスターメンバーだったが、アメリカチームは大リーグ(MLB)がシーズンを中断しなかったため、スター選手は出場しておらず、マイナーリーグやフリーエージェントの選手たちで構成されていたと報じている。
このNBCとCNNの違いはなんだろう。IOCの収入は放送権料が73%、スポンサー料が18%だ。その放送権料の50%以上をNBCが払っている。韓国・平昌冬季大会(2018年)と東京大会の合算した数字だが、NBCの供出額は21億9000万㌦だ。ちなみに、開催国の日本はNHKと民放がコンソ-シアムを組んで5億9400万㌦だ。五輪開催前の6月の投資家会議でNBCの最高経営責任者(CEO)が「the pandemic-tainted Tokyo Games “could be our most profitable Olympics in the history of the company.“」(パンデミック下での東京大会は「当社の歴史の中で最も収益性の高いオリンピックになるかもしれない」)と述べて、モラルハザードではないかと問題視されたことがある。