⇒ニュース走査

★反戦とロシアへ怒り込め「Peace!」IPC会長スピーチ

★反戦とロシアへ怒り込め「Peace!」IPC会長スピーチ

☆「原発占拠」と「注射器の投棄」不気味さ増すロシア

☆「原発占拠」と「注射器の投棄」不気味さ増すロシア

   おそらくロシアはこれをNATOやEUへの脅しに使ってくるのではないかと考え込んでしまった。メディア各社の報道によると、ウクライナ南部のクリミア半島近くにあるザボロジエ原発がロシア軍から砲撃を受け、占拠された=写真=。ウクライナにある15の原子炉のうち6基がザボロジエ原発に集中している。ザボロジエ原発が爆発すれば、チェルノブイリ原発の10倍の被害になるとして、ウクライナ側はロシアに即時停止を求めた。ゼレンスキー大統領はFacebookに動画を投稿し「もし核爆発が起きればみんなおしまいだ。ヨーロッパの終わりになる。ヨーロッパの即座の行動だけがロシア軍を止められる。ヨーロッパを核で破滅させるわけにはいかない」と危機感を露わにした(4日付・NHKニュースWeb版)。

   ロシア側はザボロジエ原発を占拠した理由について、原発に貯蔵されている使用済み核燃料や高レベルの放射性物質をウクライナが核兵器に利用する恐れがあると主張した。IAEAは原子力施設に対する武力攻撃は国連憲章、国際法などの原則に反すると声明を発表し、ロシアをけん制した。いまのところ、原発周辺の放射線量に変化はなく、ウクライナ側は火災は主要設備に影響していないとIAEAに報告した(同)。ロシアがザボロジエ原発を占拠したことで、ヨーロッパへの脅しに使ってくるのではないか。「いつでも爆破させるぞ」と。

   ロシアの不気味なニュースをもう一つ。石川県の地元メディアによると、能登半島の尖端付近の海岸に大量の注射器が漂着し、輪島市の海岸だけで625本が見つかった。包装用の袋にはロシア語の表記があった。注射器の長さは約10㌢で、針のついているもの、針だけ包装されているものもあった(4日付・北國新聞夕刊)。

   これまで島根や鳥取、兵庫、京都府の海岸でも似た注射器が見つかっている(2月28日付・共同通信Web版)。これだけ広域に漂着しているということは以下のことが推測できる。能登半島の沖合には北朝鮮の木造船がよく流れ着く。大陸側に沿って南下するリマン海流が、朝鮮半島の沖で対馬海流と合流し日本海側の沿岸に流れてくる。とくに能登半島は突き出ているため、近隣国の漂着ごみのたまり場になりやすい。おそらく、ロシア、あるいはロシアから提供を受けた北朝鮮が沖合で廃棄した注射器ではないだろうか。見つかっているのはごく一部で、膨大な量の注射器が海を漂っているに違いない。

   ことし1月には能登半島の珠洲市の海岸で、船体の全長が50㍍ほどある鉄製の船が海岸に流れ着いた。船体にはロシア語が書かれていた。能登海上保安署は、ロシアで射撃訓練の際に「標的船」として使われる船に似ているという(1月4日付・朝日新聞ニュースWeb版)。ロシアは日本海でなぜ、どのような理由で射撃訓練をしたのか。実に不気味だった。

⇒4日(金)夜・金沢の天気     くもり

★詭弁を弄するロシア大使の手練手管

★詭弁を弄するロシア大使の手練手管

   「詭弁を弄する」とはこのことを言うのだろう。昨夜、BSフジの番組『プライムニュース』で、駐日ロシア大使のミハイル・ガルージン氏と元防衛大臣の小野寺五典氏が論戦を交わしていた=写真=。ガルージン氏は流暢な日本語で、「ウクライナの市街地を空爆しているかのようなビデオが流されているが、我々が攻撃しているのは軍事施設だけ」と述べ、ウクライナ第2の都市ハリコフの州政府庁舎などが攻撃を受けたことについて、「おそらくウクライナ軍による誤射です」と主張した。

   その後もガルージン氏はキエフのアパートへの攻撃について、「われわれの軍の専門家がウクライナのミサイルの誤射だったと確認した」と主張し、「ウクライナを占拠する意図は一切ない」と繰り返していた。小野寺氏は一つ一つ事実関係をもとにガルージン氏の主張を論破していた。それにしても、事実でないことをいろいろ理屈を付けて事実であるかのように語ることを「詭弁」と言うが、ガルージン氏の手練手管に言いくるめられる日本人もいるだろう。

   その一人が元総理の鳩山由紀夫氏ではないだろうか。今月1日付の自身のTwitterで、「同時にウクライナのゼレンスキー大統領は自国のドネツク、ルガンスクに住む親露派住民を『テロリストだから絶対に会わない』として虐殺までしてきたことを悔い改めるべきだ」「なぜならそれがプーチンのウクライナ侵攻の一つの原因だから」と書いて、ロシア寄りの論調がSNSで批判を浴びた。実は、駐日ロシア大使館の公式ホームページをチェックすると、先月10日にガルージン大使が75歳の誕生日(2月11日)を迎える鳩山氏を訪問したことが記載されている。ページの最後には、「元首相は祝辞に心から感謝していると述べました。また、ロシアとの統合後のクリミアの客観的な状況を日本国民に伝えるなど、今後も両国の交流の促進に積極的に協力する意向を示しました」と記されている。

   上記の文からは、ロシアがウクライナを統合するプロセスについて鳩山氏に説明し、鳩山氏は「国民に伝える」と述べたと読める。以下憶測だ。鳩山氏はガルージン氏の訪問を受けて、ロジックがありそうな同氏の温和な語りを聞いて、鳩山氏はそれを詭弁ではないかとは疑わなかったのだろう。なので、その語りの論調をそのままTwitterに上げた。鳩山氏は2015年3月にロシアが一方的に編入したクリミア半島を、外務省の訪問中止要請を振り切って訪れている。ガルージン氏とすれば、ハトにエサを与えるように、手なずけるのは簡単な人物と読んでいるのかもしれない。

⇒3日(木)午前・金沢の天気     くもり時々はれ

☆「Shame on you」渦巻くロシア非難

☆「Shame on you」渦巻くロシア非難

   きょうお昼に金沢市内の回転寿し店に入った。杖を突いて店に入って来たシニアの男性と付き添いの女性2人が横の席に座った。話し声が聞こえた。「ウクライナに攻め込んで好き放題に街を壊しとる。プーチンは許せん。この杖で叩いてやりたい」と。女性は「あまり感情的になると、また咳き込むから」となだめている。もう一人の女性も「ロシアに好き勝手させて、アメリカも国連も止められんのやね」と憤っていた。ロシアのウクライナへの侵攻への市民の怒りにも似た感情に気づかされた。

   メディアで連日報道されているこの侵攻は激しさを増している。ロシア軍の車列は首都キエフまで27㌔に迫り、きのう1日は同市内にあるテレビ塔などを攻撃したと報じている。テレビ塔の狙い撃ちは市民への情報通信を遮断することが目的だったのだろう。逃げ惑う市民の姿も映し出されていて、侵攻以降でウクライナから隣国ポーランドに避難した人々は41万人にものぼるという(2日付・NHKニュースWeb版)。イギリスのジョンソン首相は「ロシアは1945年以来、ヨーロッパで最大の戦争を計画している」と語った(2月20日付・BBCニュースWeb版日本語)。まさにその様相を呈している。

   キエフにある日本の大使館も一時閉鎖に追い込まれている。朝日新聞Web版(2日付)によると、外務省は大使館をウクライナ西部の都市リビウに移転すると発表し、「ロシアによる侵略が拡大し、首都キエフの情勢が極度かつ急速に緊迫化した」と説明した。在留邦人は先月27日時点で120人、その多くがキエフに在住している、

   ロシアがむき出しの軍事行動の理由にあげているのが、ウクライナ政府によるロシア系住民に対する「ジェノサイド(集団殺害)」から守るために国連憲章第51条が定める自衛権を行使するとの主張だ。駐日ロシア大使館のTwitterを読むと、あからさまな表現で日本とウクライナを非難している。27日に岸田総理がロシアへの追加制裁としてプーチン大統領の資産凍結について発表した。すると、28日の駐日ロシア大使館のTwitterでは、ウクライナ政府を「ナチス」にたとえ、支援している日本政府を非難している。「日本は100年も経たぬ間に二度もナチス政権を支持する挙に出ました。かつてはヒトラー政権を、そして今回はウクライナ政権を支持したのです」と=写真・上=。

   このTwitterには政治家も参戦している。ロシア大使館が同じく28日に「ソーシャルメディア上でロシアに対して情報戦が繰り広げられています。・・・ウクライナの民族主義者の犯罪を記録した映像や動画が、ロシアによるものであるかのように紹介されているのです」と。これに対し、河野太郎氏(元外務大臣、自民党広報本部長)は「Shame on you」(恥を知れ)と真っ向から非難のリツイートを行っている=写真・下=。庶民も政治家もロシアへの激しい怒りだ。

⇒2日(水)夜・金沢の天気  くもり

★「瀬戸際外交」「人質外交」 日米はどう向き合うのか

★「瀬戸際外交」「人質外交」 日米はどう向き合うのか

   ウクライナ情勢は一線を超えたのか。ロシアはウクライナ国境付近に13万人規模の軍部隊を配置している。戦車、大砲、医療施設、後方支援態勢などすべてがそろっている(2月15日付・BBCニュースWeb版日本語)。ロシアのプーチン大統領はウクライナを攻撃して侵攻するつもりはないと繰り返してきた。しかし、ついに21日、停戦協定を破棄し、ウクライナ東部で親ロシア派の武装分離勢力が実効支配してきた2つの地域について、独立を自称してきた「共和国」を承認。加えて、この2地域にロシア軍部隊の派遣を命令した。「平和維持」が目的だと、プーチン氏は言う(23日付・同)。

   ロシアのこの手法は2014年3月にウクライナのクリミア半島を併合したときと同じだ。クリミア半島にはロシア系住民が多くいたことから、ロシアは主権・領土の一体性を保障する国際法を無視して半島に浸出し、現地での住民投票でロシアへの編入を望む声が圧倒的多数だったとして半島を併合した。このとき、プーチン氏は演説で「9割以上がロシア併合に賛成したことは、十分に説得力のある数字だ」と述べた(Wikipedia「ロシアによるクリミアの併合」)。正当性がありそうな主張に聞こえるが、そもそも国際法違反だ。ロシアのむちゃぶりな「瀬戸際外交」だ。ロシアによるクリミア併合は認めないとする国連総会決議も採択されている。

   中国のケースは「人質外交」を狙っていると言えるかもしれない。NHKニュースWeb版(23日付)によると、 北京の日本大使館の職員が21日午後、北京市内で公務中に中国当局に一時的に拘束された。日本の外務省の事務次官は、中国の駐日臨時代理大使を呼んで、正当な公務中の拘束でありウィーン条約に明白に違反していると厳重な抗議を行った。これに対し、中国大使館は23日、報道官の談話を発表し「日本の外交官は中国でその地位にふさわしくない活動を行っており、中国の関係部門が法律に基づいて調査を行った。中国は日本側のいわゆる抗議を受け入れない」と反論した。

   日本も中国も批准しているウィーン条約では外交官が現地の国内法に違反していても逮捕を免れる「不逮捕特権」を認めている。おそらく、中国は一時拘束はしたものの、逮捕はしていないので条約違反ではないと言いたいのだろう。それにしても、中国側が大使館員の情報収集活動などの公務を逐一チェックしていることが明白になった。中国には「国家情報法」がある。11項目にわたる安全(政治、国土、軍事、経済、文化、社会、科学技術、情報、生態系、資源、核)を守るために、日本の大使館員がこうした関係者に接触した場合、重大な機密情報を盗み出す行為と解釈すれば長期の拘束もありうるだろう。

   以下憶測だ。先月21日、岸田総理はアメリカのバイデン大統領とテレビ会議方式で会談を行った=写真、外務省公式ホームページより=。両者は台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、ウクライナ情勢について日米連携を確認した。これに対し中国は、日米は台湾に口出しするなと言いたいだろう。そして、駆け引き材料となるような「人質」を狙っているのかもしれない。
 
   そう憶測させる事件として、2018年12月に中国の通信機器「ファーウェイ」の副会長がカナダ当局に詐欺疑惑で逮捕された。その後、中国は国内にいたカナダの実業家と元外交官の2人をスパイ容疑で逮捕。2021年9月にファーウェイ副会長はアメリカに身柄の引き渡しが決まっていたが、アメリカとの司法取引に応じることで起訴猶予となり釈放。実刑が決まっていたカナダ人2人も釈放された。この事件、中国は「人質」を駆け引きの材料に、カナダとアメリカを相手に激しい外交協議を行っていたことは想像に難くない。

   ウクライナ、そして台湾海峡をめぐる情勢に、ロシアは「瀬戸際外交」を、中国は「人質外交」を駆使してくる。日米はどう向き合っていくのか。

⇒24日(木)午後・金沢の天気    くもち時々ゆき

★雪桜のような冬季五輪だったが

★雪桜のような冬季五輪だったが

   ふと見ると、満開のヨメイヨシノのようにも見える。落葉した桜の木に雪が降り積もり、まるで満開の桜のようだ=写真=。北陸では「雪桜(ゆきざらく)」と言ったりする。ネットで調べると、「雪降桜(ゆきふりのさくら)」という言葉もあった。雪が桜の枝に積もり、風が吹くとまるで桜が舞い散るように雪が舞う。さらに、「桜隠し(さくらかくし)」という言葉もある。桜の咲く頃に雪が降ることを表現する。風流な言葉ではある。

            雪桜のように冬に「満開の花」を咲かせたのが、北京オリンピックでの日本勢の活躍ではなかっただろうか。冬のオリンピックで最多となる18個のメダルを獲得した。金が3個、銀6個、銅が9個で、これまで最多だった平昌大会の13個を上回った。カーリング女子の決勝はイギリスに3対10で敗れ、銀メダルだったが、「氷上のチェス」とも称される理詰めの試合展開にはテレビで観戦する側も息をのんだ。そして、スノーボード男子ハーフパイプで金メダルを獲得した平野歩夢選手は難度の高い大技「1440(斜め軸に縦3回転、横4回転)」を披露した。実況アナが「人類初めての公式戦での演技」と称賛していたのにも納得した。

   北京オリンピックをテレビで観戦していて、今ごろ気がついたことがある。それは、テレビのCMがなかったことだ。「がんばれニッポン」のCMを見かけなかった。平昌大会ではコカ・コーラやJALなどがCMを流していた。去年の東京オリンピックのとき、オリンピックの大口スポンサーでもあるトヨタは新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない中での開催の是非について世論が割れていることを理由にテレビCMを見送り、今回の北京オリンピックでもCMを流していない。ウイグル族への強制労働など、中国の人権状況に対して「外交的なボイコット」を展開したことも背景にあるのだろうか。逆にCMを流せば、「東京で流さなかったに、なぜ北京で」とバッシングが起きたかもしれない。

   ともあれ、北京冬季五輪の17日間は幕を閉じた。開催国の中国は大会を盛り上げようと努力したが、前述の「外交的なボイコット」や新型コロナウイルスによる選手の「バブル」隔離、スーツ規定違反やドーピング問題や、ウクライナ有事などが複雑に絡んでいつの間にか幕を閉じた。次回オリンピックは2024年夏のパリ、26年冬のミラノ・コルティナダンペッツォだ。ここでも、「Baron Von Ripper-off(ぼったくり男爵)」こと、IOCのバッハ会長がしゃしゃり出て来るのだろう。IOCは公的な国際組織ではなく、非政府組織 (NGO) の非営利団体 (NPO)だ。そろそろ国連機関に所管を委ねるべきではないだろうか。

⇒21日(月)夜・金沢の天気      くもり時々ゆき

★「そだねー」が聞きたいカーリング女子決勝

★「そだねー」が聞きたいカーリング女子決勝

   昨夜は北京オリンピックのカーリング女子の日本代表「ロコ・ソラーレ」の準決勝の中継をNHK総合で視聴していた。相手のスイスには17日の予選リーグ最終戦で敗れていて、2日連続の対戦。見せ場は第5エンド。スキップ藤沢選手が相手のストーン2つを一気にはじき出すダブルテイクアウトを決め=写真=、日本側に試合の流れを引き寄せる。これが4点を奪うビッグエンドとなり、逆転の5対2に。その後も第6、第8、最終第10エンドにそれぞれ1点を加えて8対6で逃げ切った。

   カーリングにはまったく興味はなかったが、2018年の平昌オリンピックでロコ・ソラーレのメンバーたちが競技中に「そだねー」と声をかけ合っていたのが印象的で何度か見た。今回も競技よりもむしろ、「そだねー」が聞きたかったので、新聞のテレビ欄を見てチャンネルを合わせた。ところが、きのうの試合では「そだねー」が聞こえなかった。「ナイッスー」に変わっていた。なぜだろう。

   標準語だと「そうだね」だが、「そだねー」は「う」が抜けて、語尾が下がらない独特なイントネーションだ。北海道の北見市出身の選手が多く、北海道地方の独自の言い回しなのだろう。アスリートたちが自然に発した意思疎通のための地の言葉だが、初めて聴く視聴者にとっては新鮮で心が和み、ほっとする光景でもあった。

   ここからは憶測だ。北海道に住む人とそうでない人で、言葉で受ける印象に違いがあるのかもしれない。北海道の人たちが「そだねー」を聞けば、普段聞き慣れているだけに、「ウザイ」と感じた人がいたかもしれない。ましてそれが、テレビ中継されて全国に広まったことで、恥ずかしと感じた人もいたかもしれない。金沢でも似た意味の言葉で「そうながや」「そうしまっし」という方言がある。もし、金沢のアスリートたちが使い、テレビで全国に広まったとしたら、観光のキャッチで使えると喜ぶ人もいるかもしれないが、競技では別の言葉でモチベーションを上げてほしいとモノ申す人もいて、金沢で意見は2分するかもしれない。

   そう考えると、今回は「そだねー」は北海道の人たちの気持ちや、言葉の賞味期限ということを考えてチームとして使わないことにしたのだろうか。また、逆なことも憶測してみた。「そだねー」は世相を反映した言葉を選ぶ「2018ユーキャン新語・流行語大賞」で年間大賞に選ばれた。そこでチームとして2022流行語大賞を狙うため、あえて「ナイッスー」を使っているのかもしれない。

   金メダルをかけた決勝はあす20日、イギリスとの対戦だ。「ナイッスー」も悪くはないが、「そだねー」をもう一度聞きたいものだ。

(※写真は、民放テレビ局オリンピック公式競技動画配信サイト「gorin.jp」のカーリング 女子準決勝・日本×スイス戦 ハイライトより)

⇒19日(土)午前・金沢の天気      くもり

★聞き捨てならないニュース

★聞き捨てならないニュース

   聞き捨てならないニュースをいくつか。秋篠宮家の長男悠仁さまが書かれて受賞したという、「第12回子どもノンフィクション文学賞」(北九州市主催)の作品『小笠原諸島を訪ねて』がネットで掲載されているので読んだ。報道では、ガイドブック『世界遺産 小笠原』(JTBパブリッシング、2012年刊行)と一部文章が似ていて、コピーペーストではないのかと問題が指摘がされている。自身の手元にこのガイドブックがないので比較はできないが、悠仁さまの作品を読んだ感想を述べてみたい。

   この作文は悠仁さまが2017年、小学5年生のときに母の紀子妃と旅行された小笠原諸島の思い出を綴ったものと冒頭で記されている。執筆したのは中学2年のときで、「ノンフィクション文学賞」にふさわしく、事実関係がしっかりと描かれ、形容詞もほとんどない。なので、読み手の想像力を膨らませ、一気に読ませる。むしろ読んでいて、気になったのはこれが中学2年の文章表現と思うほど、大人っぽいのだ。

   たとえば、受賞作品集の77㌻にある、「あるものは海流に乗って運ばれ、あるものは風によって運ばれ、翼をもつものは自力で、あるいはそれに紛れて、三つのW、Wave(波)、Wind(風)、Wing(翼)によって、海を越えて小笠原の島々にたどり着き、環境に適応したものだけが生き残ることができました」という下り。海流、気象、生物に熟知したプロが表現するような文章との印象だ。さらに、「です」「ます」調なら少年らしいと読めるが、「でもあります」という表現も出てきて少々大人っぽい。文章表現だけでなく、ぜひご本人の言葉で小笠原諸島の旅の話を聞いてみたいものだ。

   総務省は放送制度について検討する有識者会議で、特定の事業者が多数の放送局に出資し、経営支配することを避ける「マスメディア集中排除原則」を緩和する方針を示した(16日付・共同通信Web版)。集中排除原則は表現の自由を確保することを目的に多くの企業に放送事業に参入する機会を与えるもので、ローカル局が別の局を経営することを原則として禁止している。地方局の経営環境が厳しさを増していることから、今後、東京キー局を中心とした持ち株会社が系列局を傘下に収めることになるだろう。

   そもそも、ローカル局には放送法で「県域」という原則があり、放送免許は基本的に県単位で1波、あるいは数県で1波が割り与えられている。1波とは、東京キー局の系列ローカル局のこと。現在は地方にいても、パソコンやスマホ、タブレットがあれば動画配信サービス「TⅤer」で東京キー局の番組を視聴できる。ローカル局は視聴されなくなるかもしれないという不安がローカル局にはある。テレビ業界における「ポツンと一軒家」化だ。マスメディア集中排除原則という理念そのものがすでに形骸化している。

⇒17日(木)夜・金沢の天気      あめ

☆北陸に春一番、一転あすから大雪

☆北陸に春一番、一転あすから大雪

   けさ突風が吹いていた。一瞬地震かと思うような家屋の揺れも。テレビのニュースでは、なんと「春一番」だった。気象庁の公式ホームページによると、金沢の最大瞬間風速は19.2㍍だった。道を歩いている人が転倒するくらいの風の強さだ。そして、この春一番は驚くことに、全国に先駆けて北陸に吹いたようだ。気温も午前中は9度だった。しかし、気象は一変するようだ。

   日本海にある低気圧が発達しながらあす16日から17日にかけて北陸から東北付近に近づき、上空には強い寒気が流れ込む。このため、日本海側を中心に雪となり、北陸ではこの冬一番の大雪となるおそれも。17日夕方までの24時間に、北陸で60㌢から80㌢の雪が降り、その後も18日の金曜日にかけて積雪が増える。春一番が大雪に逆戻り。しかし、こうした「寒の戻り」は北陸ではよくあることだ。(※天気図は15日付・日本気象協会「tenki.jp」より)

   大雪もさることながら、むしろ警戒するのは落雷だ。気象庁の雷日数(雷を観測した日の合計)の平年値(1991-2020年)によると、全国で年間の雷日数がもっとも多いは金沢の45.1日だ。雷がとどろけば、落雷も発生する。落雷はどこに落ちるか予想がつかない。きょうも金沢に雷注意報が出ている。

   これが怖いので、自身のパソコンは常に雷ガードのコンセントを使用している。雷が直接落ちなくても、近くで落ちた場合でも「雷サージ」と呼ばれる現象が広範囲に起きる。いわゆる電気の津波だ。この雷サージがパソコンの電源ケーブルから機器内に侵入した場合、部品やデータを破壊することになる。いわゆる「雷害」からパソコンを守るためにガードコンセントは不可欠だ。このコンセントは金沢市に本社があるメーカーが製造したもの。北陸で雷害のケースと実情を研究し耐雷対策に取り組んできた企業の製品なので信頼を寄せている。

   話は春一番に戻る。加賀や能登では生暖かい春一番を「ぼんぼら風が吹く」と言ったりする。今回は生暖かさを感じなかった。三寒四温、ゆっくりと春の訪れを待つ。

⇒15日(火)夜・金沢の天気  あめ    

★ニュース悲喜こもごも

★ニュース悲喜こもごも

   残念なこと。今月2日付のブログ「☆現場を行く~海上の空で消えたF-15戦闘機~」の続報。先月31日、航空自衛隊小松基地のF15戦闘機1機が訓練のために基地を離陸したあとにレーダーから機影が消え、小松市沖の日本海に墜落した。この事故で戦闘機に乗っていた飛行教導群司令の田中公司1等空佐52歳と飛行教導隊隊員の植田竜生1等空尉33歳の2人が行方不明になっていた。田中1佐が前席、植田1尉が後席に乗っていた。捜索できょう14日までに2人の遺体が発見された。

   地元紙の報道によると、11日午前11時50分ごろ、海上自衛隊の隊員が潜水して捜索していたところ、機体がレーダーから消えた基地からおよそ5㌔の海域で一人の遺体を発見。そしてきのう13日午前9時10分ごろ、現場海域で海自の隊員が新たに一人遺体を見つけ、それぞれ身元を特定した。航空自衛隊のこれまでの捜索で、水平尾翼やエンジン排気口、燃料配管などの一部がそれぞれ見つかっている。空自が委託した民間のサルベージ船が近く機体を引き揚げ、原因究明を進める。

   あっぱれ。北京オリンピックのあのダイナミックな演技は冬季五輪の歴史に輝くだろう。平野歩夢選手が11日にスノーボード男子ハーフパイプで金メダルを獲得した。テレビで協議の中継を見ていた。言葉も初めてだった。「トリプルコーク」。最高難度の大技で「1440(斜め軸に縦3回転、横4回転)」を決めた。2回目で2位の91.75点は物議を醸したが、3回目に96.00点をマークして逆転で金メダルを獲得した。このトリプルコーク1440というのが人類初めての公式戦で演技だったというので納得した。

   危うい。紛争は2014年からあったが、今もっとも緊張が高まっている。ロシアがウクライナを侵攻すれば、エネルギーの需給がひっ迫するとの見方から原油価格も上昇している。アメリカの政府高官が11日に、「ロシアの侵攻が北京オリンピックの期間中にもありうる」と発言したあたりから世界に緊張感が高まった。日本の外務省はウクライナの危機情報を最高度の「レベル4」(退避勧告)に引き上げ、滞在する日本人にただちに退避するよう指示している。

⇒14日(月)夜・金沢の天気       くもり