⇒ニュース走査

★冬に咲く寒紅梅の彩り トランプ流「ドンロー主義」の赤ネクタイ

★冬に咲く寒紅梅の彩り トランプ流「ドンロー主義」の赤ネクタイ

冬に咲く梅の花のことを「寒紅梅」と呼ぶ。金沢の中心街にある尾山神社の寒紅梅はとくに早咲きで=写真・上、8日午後4時ごろ撮影=、参拝がてら多くの人々が観賞に訪れている。寒冷前線が活発なこのころ、小さな花をさりげなく咲かせる寒紅梅を眺めると心が安らぐ。

もう14年も前の話だが、寒紅梅を見て俳句を詠んだことがある。「蔵人の 麹揉む手や 庭の梅」(2012年1月句会)。造り酒屋を訪ねると、ムッとする麹室(こうじむろ)の室温は43度を指していた。蔵人(くらんど)=酒蔵の職人=が床で蒸し米を揉みほぐし、種麹が入った缶を持った手を高く上げて、揉み床に沿って移動しながら缶を振り、麹の胞子(種)をまいていく。根気の入る仕事だ。麹室から出て、酒蔵の庭を見ると寒紅梅が咲き始めていて、麹を揉む蔵人のほてった赤い手と同じ色だと思った。

話は変わる。アメリカのトランプ大統領の疑心暗鬼は特に外交分野などに及んでいて、国連に対して警戒感を募らせている。国際機関の有効性や費用、説明責任について繰り返し疑問を呈していた。「アメリカの利益にかなっていない」と。その第一弾が就任早々の去年2月にWHO(世界保健機関)から脱退すると表明し、大統領令に署名した。発効は1年後なので、まもなく1月22日に脱退する。その後も、国連への資金提供を削減し、国連人権理事会へのアメリカの関与を停止、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)への資金提供を停止、ユネスコ(国連教育科学文化機関)からも脱退した。(※写真・下は、トランプ大統領による国連機関の脱退を伝えるBBCニュースWeb版)

さらにトランプ氏はきょう(8日・日本時間)、アメリカの国益に反するとして、31の国連機関と35の非国連組織からの脱退や資金拠出を停止するよう各省庁に指示する大統領覚書に署名した。UNFCCC(国連気候変動枠組条約)やUN Women(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントに取り組む国連女性機関)、UNFPA(家族計画と母子保健に焦点を当てた国連人口基金)、UNU(国連大学)などだ。トランプ氏は2025年9月の国連総会での演説で、国連が紛争解決で機能していないと批判していた。これは、あえて世界に介入しないトランプ流のモンロー主義(通称「ドンロー主義」)なのか。

イギリスのBBC(8日付)は「Trump withdraws US from key climate treaty and dozens of other groups」の見出しの記事で=写真・下=、ある意味でアメリカの国内問題でもあると指摘している。「アメリカ合衆国憲法では、大統領は『出席した上院議員の3分の2が同意』した場合に国際条約に加盟できると定めているが、脱退する場合については明記していない。そのため、今回の動きは法的な異議に直面する可能性がある」(日本語版)。意訳すれば、脱退するのは簡単かもしれないが、政権が代わって加盟を求めるとなると、これはこれで大変。アメリカの大きな国内問題になるかもしれない、と解釈した。

⇒9日(金)午前・金沢の天気  ゆき

★「二重災害」能登の人口13%減、自治体職員も1割減るという現実

★「二重災害」能登の人口13%減、自治体職員も1割減るという現実

きのう(6日)午前10時18分、鳥取県と島根県で最大震度5強の地震があった。震源地は島根県東部で震源の深さは11㌔、マグニチュード6.4だった。気象庁の記者会見によると、同地域での震度5強の地震は、2000年10月の揺れ(M7.3)以来となる。今回、特徴的だったのは、建物の高層階を大きく揺らす「長周期地震動」の階級4が鳥取県西部で観測されたこと。階級4は最も強い揺れの位置付けで、「はわないと動くことができない」とされる。

ネットなどでは南海トラフ巨大地震の前兆ではないかとの書き込みが飛び交っている。過去には鳥取地震が1943年9月にあり、翌1944年12月に東南海地震が、1945年1月に三河地震、1946年12月に南海地震と、1年ごとに連続した。当時は「終戦前後の4大地震」と呼ばれていた。気象庁はきのうの記者会見で「今後1週間程度は、震度5強の地震が発生する可能性がある。とくに今後2、3日はさらに強い地震が起きる可能性もある」と注意を呼びかけていた。

話を能登半島地震のその後に替える。2024年元旦の震災以降、人口減少が止まらない。石川県の統計情報室が今月5日に発表した12日1日時点の県内の人口と世帯の推計結果によると、地震と9月の記録的な大雨に見舞われた奥能登4市町(輪島、珠洲、穴水、能登)では人口が7503人減って4万7710人となり、13%減少した。自治体でチェックすると、震源地となった半島尖端の珠洲市では震災当日の1月1日は1万1721人だったが、1年11ヵ月後の12月1日時点で9640人となり、減少率は17.8%となった。最大震度7が観測され、豪雨では48時間で498㍉が降った輪島市は2万1903人から1万8535人に減り、15.4%の減少率となった。(※写真は、輪島市の被災地に掲げられていた鯉のぼり。復興への願いを込めた旗印のようにも思えた=2024年5月4日撮影)

さらに深刻なのは自治体職員の退職かもしれない。日経新聞の調査報道(12月5日付)によると、地震や豪雨で大きな被害が出た輪島、珠洲、能登町の3市町の去年11月1日時点の職員数(行政職や公立病院の看護師など)は、震災当日と比べて1割(計138人)減ったことが分かった。二重被災による業務負担の増加などが背景にあるとみられる。これを裏付けするような調査もある。

自治労石川県本部が去年10月3日に発表した、輪島と珠洲両市など5市町の職員を対象に実施したメンタルヘルス(心の健康)に関するアンケート調査(回答523人)では、71・8%が「仕事を辞めたいと思ったことがある」との回答だった。退職を考えた理由(複数回答)は「業務量の増加」が51・8%と最多で、「身体的・精神的不調」「今の生活への不安」が続いた。また、精神的な不調があると答えた人は43・1%に上った。記者会見した自治労の委員長は「二重被災で職場環境が悪化しており、人員を増やすなど対策が必要」と述べた。暗くて悲しくなる数字を並べた。ただ、これは現実だ。

⇒7日(水)午後・金沢の天気   あめ

☆ベネズエラ攻撃の翌日、北朝鮮が日本海に向け極超音速ミサイル

☆ベネズエラ攻撃の翌日、北朝鮮が日本海に向け極超音速ミサイル

正月から世の中がざわざわしている。アメリカのトランプ大統領は3日、南米ベネズエラの首都カラカスを空爆し、マドゥロ大統領夫妻を拘束した。トランプ氏はマドゥロ氏を「麻薬カルテルのボス」と呼び、アメリカへの麻薬密輸を阻止するという名目で去年9月からベネズエラ近海での船舶を攻撃を繰り返してきた。また、原油埋蔵量世界一のベネズエラを含む中南米では、アメリカが中国やロシアと勢力圏を争っている。地域の地政学リスクを高め、原油市場にも影響を及ぼす可能性が出てきた(メディア各社の報道)。

トランプ氏によるベネズエラ攻撃の翌日(4日)、北朝鮮は弾道ミサイルの発射した。防衛省公式サイトによると、北朝鮮は午前7時54分ごろと8時5分ごろの2回発射した。北朝鮮西岸付近から、東方向に向けて発射した。落下したのは日本海のEEZ(排他的経済水域)外と推定されている。弾道ミサイルは変則軌道で飛翔した可能性がある。1発目も2発目も最高高度約50㌔で、それぞれ約900㌔、約950㌔飛翔した。(※写真・上は、2022年1月12日付・朝鮮新報で掲載された北朝鮮の極超音速ミサイル)

北朝鮮が弾道ミサイルを発射するのは2025年11月7日以来。北朝鮮の国営「朝鮮中央テレビ」は金総書記の立ち会いのもと、「極超音速ミサイル」の発射訓練を実施したと5日伝えた。訓練は、任務の遂行能力の検証や確認などのためとしていて、首都ピョンヤンから発射されたミサイルは、1000㌔先の日本海上の目標に命中したとしている。金氏は「ミサイル兵たちはわが国の核武力の準備態勢を遺憾なく示した」と評価した(5日付・NHKニュース)。今回、北朝鮮は韓国の李大統領が中国を訪問するタイミングで発射した。韓国側は、朝鮮半島の平和について中国と議論したいと表明している。北朝鮮側の狙いは何なのだろうか。(※図は、防衛省が4日に発表した極超音速ミサイルの落下推定場所)

日本海側に住む者にとって、北朝鮮が日本海に向ける弾道ミサイルに不穏さに感じる。2023年6月15日、北朝鮮はEEZ内に撃ち込み、能登半島の尖端の輪島市の舳倉(へぐら)島の北北西およそ250㌔に落下させている。2017年3月6日、北朝鮮は「スカッドER」とされる中距離弾道ミサイル弾道を4発を発射し、そのうちの1発を輪島市から北200㌔㍍の海上に落下させている。同市にある高洲山(567㍍)の山頂には航空自衛隊輪島分屯基地のレーダーサイトがある。このレーダーサイトには航空警戒管制レーダーが配備され、日本海上空に侵入してくる航空機や弾道ミサイルを24時間監視している。北朝鮮はこれを意識しているのか。

⇒6日(火)午前・金沢の天気   くもり時々ゆき

★能登地震で倒壊の重文「上時国家」 復旧に向けて動き出す

★能登地震で倒壊の重文「上時国家」 復旧に向けて動き出す

この家屋が国の重要文化財に指定された際に、「江戸末期の民家の一つの到達点」との評価を受けていた。それが2024年元日の能登半島で倒壊した。震災以降で何度か立ち寄ったが手付かずの状態が続いていた。確かに、重要文化財だと再建に向けた準備と段取りに相当な時間がかかることは想像に難くない。それがようやく動き出すようだ。

日本史で知られる平氏と源氏が一戦を交えた壇ノ浦の戦い(1185年)。平家が敗れて一族の平時忠(※平清盛の後妻である時子の弟)が能登に流刑となり、その子孫が輪島市町野地区に根付いて製塩業や海運業など営み、現在も2軒の時国家が継承されている。

2軒の住宅(国の重要文化財指定)のうち上時国(かみときくに)家の入母屋造りの主屋は約200年前に造られ、間口29㍍、高さ18㍍に達する。それが能登半島地震で倒壊。さらに、同年9月の記録的な大雨では裏山が崩れ、敷地全体に被害が及んだ。

厚さ1㍍にもおよぶ茅葺の屋根が地面に覆いかぶさるように倒壊した。上時国家の古文書8千点余(石川県指定文化財)も主屋と離れを結ぶ廊下に保管されていたが、家屋の下敷きとなった。それを国立文化財機構文化財防災センターのスタッフや石川県教委の職員、大学教授ら20人でレスキュー活動を行い運び出した。

能登の歴史を語る古文書などは何とか救出できたが、家屋そのものが2年間手付かずの状態だった。地元メディアの報道(今月2日付)によると、新年度から本格的に復旧に向けて動き出すことなり、上時国家近くに現地事務所が設けられるようだ。文化財復旧のための設計管理は公益財団法人「文化財建造物保存技術協会」(東京)が行う。

 文化財の復旧作業は解体した部材を取り出し、それぞれがどの位置にあったかを示す印をつけて管理していく作業が進められる。建築設計図などがないことから、一つ一つの部材が建物のどの部分に使われていたかを類推しながらの作業となる。このため、11年の工期を要するプロジェクトになり、復旧に関わる費用は30億円を超えるようだ。

(※写真・上は、上時国家の賓客をもてなす「大納言の間」=2010年8月撮影。写真・下は、能登地震で倒壊した上時国家の主屋など=2024年2月撮影)

⇒5日(月)午前・金沢の天気  

★来年の世界の旅先ベスト20に「石川県」 能登ツーリズムに弾み

★来年の世界の旅先ベスト20に「石川県」 能登ツーリズムに弾み

100年余りの歴史を刻むイギリス国営放送のBBCはグローバルメディアだ。BBCがニュースとして取り上げると、フランスのAFP通信やアメリカのニューヨーク・タイムズなども追いかけるように取り上げることもある。ニュースの取り上げ方も、グローバルメディアにありがちな上から目線ではなく、視聴者の目線に徹している。そうした影響力のあるBBCが今月12日(日本時間)に発表した「The 20 best places to travel in 2026」(2026年に訪れたい旅行先ベスト20)に、なんと「Ishikawa, Japan」が選ばれた。

国内のメディア各社が報じていたので、BBC公式サイトで調べてみた。中世の数々の建築で知られるサントドミンゴ(ドミニカ共和国)、美術館やオペラハウスラなどが集積する文化芸術都市として知られるフィラデルフィア(アメリカ)などと並んで石川県が紹介されている=写真・上=。画像部分は大名庭園で知られる金沢城の玉泉院丸庭園。見出しは「Why go: Traditional crafts and award-winning sake」、そして、紹介文の冒頭はこう記されている。「On New Year‘s Day 2024, a 7.6-magnitude earthquake devastated Japan’s remote Noto peninsula in Ishikawa Prefecture. Two years on, local leaders are urging visitors to return to help support the area‘s renewal.」

紹介文を以下、意訳する。見出し「なぜ行くのか:伝統工芸と誉(ほまれ)のある日本酒」。紹介文「2024年元日、マグニチュード7.6の地震が能登半島を襲った。2年が経ち、地元の人たちは地域再生を支援するためにぜひ能登を訪れてほしいと呼びかけている。金沢市は東京から新幹線で行け、有名な庭園である兼六園、そして伝統工芸の世界が広がる。金箔や加賀友禅で自分の作品をつくることもできる。そして、訪問者が最も心動かされるのは被災した能登だ。農家民宿では稲作などに参加でき、宿泊することで何世紀も続く白米千枚田を支えることにもなる。能登は海の幸や輪島塗、能登杜氏が造る日本酒で知られる。被災した能登の酒蔵を立て直すために『能登の酒を止めない』プロジェクトの取り組みが行われている」

上記の内容からも分かるように、BBCが「The 20 best places to travel in 2026」に「石川」を選んだ大きな理由に能登半島地震がある。欧米では被災地を巡る旅行を「ダ-クツーリズム(Dark tourism)」と呼んでいる。被災地や戦場跡地などを訪ね、死者を悼むとともに、悲しみを共有する観光とされている。すでに、能登ではインバウンド観光客が多く訪れている。ことし9月18日に輪島市の白米千枚田に立ち寄ると、インバウンド観光客が目立っていた。稲刈りは半分ほど終わっていたが、展望ができる高台からわざわざ下に降りてあぜ道を歩いて見学するグループの姿もあった=写真・下=。今回のBBCの選定で能登へのインバウンド観光にさらに弾みがつくかもしれない。

⇒25日(木)午後・金沢の天気   あめ

★「核を持つべき」総理官邸幹部オフレコ発言の波紋広がる

★「核を持つべき」総理官邸幹部オフレコ発言の波紋広がる

残すところあと9日。この1年を振り返って、どんな年だったのだろうかと思いめぐらしてみても、ぴったりとはまる言葉が思い浮かばない。ふと出た言葉が、ケセラセラ(Que será, será)。若いころの流行語で、「どうにかなるさ」という意味のスペイン語だ。ところが、ケセラセラでは済まされないような怪しい雰囲気が漂い始めている。安全保障政策を担当する総理官邸の幹部が今月18日に記者団とのオフレコ発言の中で、「核を持つべきだと思っている」と語ったことが波紋を広げている。

メディア各社の報道によると、この発言に真っ先に反応したのは北朝鮮だった。北朝鮮外務省の傘下機関にある日本研究所は20日、「極めて挑発的な妄言だ」と反発する談話を発表した。21日付の朝鮮中央通信が伝えた。日本政府は表では世界で唯一の被爆国だとして非核化を唱えつつも、裏では核保有を目指していると主張した。さらに北朝鮮側は、アメリカが韓国の原子力潜水艦の建造を承認したことを契機に、日本でも原潜の必要性が議論されるようになったとも指摘した。「アメリカを背に核武装化へと突き進んでいる戦犯国・日本の危険極まりない妄動を断固として阻止しなければならない」と批判した、と報道されている。

日本海側に住む一人として懸念するのは、総理官邸幹部の発言が北朝鮮に弾道ミサイルを日本海側に打ち込む口実を与えるのではないか、ということだ。北朝鮮は10月22日、数発の短距離弾道ミサイルを発射し、日本海に撃ち込んでいる。この日は高市総理が総理に就任した翌日。高市氏は自民党「北朝鮮核実験・ミサイル問題対策本部」の本部長代理を務めていた。(※写真は、10月22日の北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて記者会見に応じる高市総理=首相官邸公式サイトの動画から)

そもそも、冒頭の「オフレコ発言」とは何か。記者取材の用語に、「オンレコ」と「オフレコ」がある。オン・レコードはメモ取り、オフ・レコードはメモ取りなし。オンレコは記者会見といった実名で発言内容がニュースになることが多い。オフレコは一応記事にしないことを前提とした取材を指す。情報のニュースが高く、記事にする場合は、オフレコの発言者を今回の場合のように「総理官邸幹部」や「政府筋」といった匿名の表現にとどめる。発言内容も一切報道しない「完オフ」(完全オフレコ)という場合もある。

もし、総理官邸幹部のオフレコ発言を口実にして北朝鮮が弾道ミサイルを日本海に放ったら、どのような事態になるのか。高市総理は官邸に入り、防衛、外務両大臣に必要な情報の収集と分析を指示することになるだろう。それでもメディア各社は匿名を続けるのか、あるいはこの際、実名とするのか。ケセラセラと言ってはおれない事態になる。

⇒23日(火)午前・金沢の天気   はれ

☆高市内閣2ヵ月の支持率、各紙の世論調査で軒並み7割

☆高市内閣2ヵ月の支持率、各紙の世論調査で軒並み7割

季節は移ろい、きょうは冬至。一年でもっとも昼が短く、夜が長い頃を言う。逆に言えば、これから日が延びていく始まりの日でもある。などと、悠長なことは言ってられない。年の瀬も迫ってきて、片付けるべきことが山のように。ユズ湯に浸かる余裕もなく、長野から送っていただいたリンゴを食べて、冬至の日を迎えた次第。

話は変わる。きょう付の読売新聞が報じている世論調査(今月19-21日)によると、高市内閣の支持率は73%で、前回調査(11月21-23日)72%を若干上回り、10月の内閣発足以降で最高となった。不支持率は14%で前回17%より下回った。内閣の発足直後から2ヵ月後も支持率70%以上を維持したのは、1978年発足の大平内閣以降では細川、小泉の両内閣に続く3例目、と報じられている。朝日新聞の世論調査(今月20、21日)も内閣支持率が68%で、前回調査(11月15、16日)69%を下回ったものの、3ヵ月連続で7割近い支持率となった。不支持率は19%だった。毎日新聞の世論調査(今月20、21日)は支持率67%、不支持率22%だった。日経新聞の世論調査(今月19-21日)は支持率75%、不支持率18%、共同通信の世論調査(今月20、21日)は支持率67.5%、不支持率20.4%だった。

この内閣支持率の高さはどこにあるのかと考えてみる。世論調査の中から浮かび上がってくるのは、高市内閣の中国に対する姿勢ではないだろうか。11月7日の国会で、総理は台湾有事に関し「戦艦を使って武力行使を伴うのであれば、存立危機事態になり得る」と答弁した。翌日、中国の駐大阪総領事が SNSで「汚い首は斬ってやるしかない」と投稿した (※現在は削除)。さらにエスカレートし、中国政府は国民に日本への渡航自粛を求め、日本のアニメ映画の上映やコンサートの中止、日本産の水産物の輸入を停止。そして上野動物園のパンダは来月に中国へ返還されることになった。

中国側はこの総理答弁の撤回を求めて圧力を強めているが、本人は動じない。この中国に対する総理の姿勢に対する世論の反応は、読売調査では「評価する」が62%、「評価しない」が25%だった。朝日調査では「評価する」が55%、「評価しない」が30%となっている。毎日調査は答弁を撤回すべきか尋ねていて、回答は「撤回する必要はない」が67%で、「撤回すべきだ」の11%を大きく上回った。共同通信調査では、総理の答弁について不用意な発言かどうか尋ねていて、回答は「不用意だったとは思わない」が57.0%、「不用意だったと思う」が37.6%だった。

上記の調査数値から、高市総理の中国に対する不動の姿勢が内閣支持率につながっていると読めなくもない。そう思える数値をもう一つ。朝日調査は、来月いなくなるパンダの再来日に向けて、政府は中国側に働きかけたほうがよいかと尋ねている。回答は「その必要はない」が70%にのぼり、「働きかけたほうがよい」は26%だった。この結果には自身も納得する。

⇒22日(月)夜・金沢の天気    くもり

★首都直下地震で大停電1600万軒 キャッシュレス時代の「不都合な真実」

★首都直下地震で大停電1600万軒 キャッシュレス時代の「不都合な真実」

首都直下地震が東京で起きたらどうなるのか。政府の中央防災会議の作業部会「首都直下地震対策検討ワーキンググループ」が19日、被害想定と対策についての報告書を公表した。ページをめくると、冒頭で「首都直下地震は、その被害想定からして、まさに国難級の災害」と記している。この国難級地震とはどのような事態なのか。

報告書によると、地震の揺れや火災に伴う死者は最大1万8000人となり、前回想定(2013年)より5000人減っている。住宅や多くの人が利用する建物の耐震化率が約90%(全国平均)に向上していることを挙げている。今回初めて試算された災害関連死は最大4万1000人としている。報告書は「避難行動や避難生活に伴い心身の負担が増えたり、平時に受けていた医療や看護、介護サービスを受けられなくなって健康状態が悪化したりするなど、多数の災害関連死が発生するおそれがある」と記している。

「これは問題」と注目したのが、「停電」について。関東9都県で前回想定の1220万軒より1.3倍増え、1600万軒に及ぶ。通信やインターネット環境を直撃することになり、復旧が遅れれば首都の政府・行政の中枢機能や企業の本社機能、経済活動などに多大な影響が出る。そして、照明のない生活となり、通勤通学の電車も止まる。(※写真は、能登半島地震で倒れた電柱。地震直後に最大で約4万軒が停電した)

報告書での停電に関する項目を読んで、能登半島で起きた「事件」を思い出した。地震が発生した去年元日の夜、ある県立高校に設置されていた自動販売機3台が避難してきた住民らによって破壊され、飲料が持ち出された。停電で硬貨を入れても自販機は使えず、しかも地域は断水となっていた。同校は指定避難所ではなかったので、水や食糧などの生活必需品の備蓄品はストックされていなかった。自販機は、災害時には鍵で扉を開け、無料で商品を取り出せる「災害支援型」だった。その鍵は学校が飲料会社から預かり、事務室で管理していたが、正月休みで職員はいなかった。寒く、暗く、水も食糧もない中での事件。飲料会社は壊した人たちに賠償請求はしなかった。

小さな事件だが、首都直下地震で停電が起きれば、能登で起きたようなことが各地で起きるかもしれない。消費支出額に占めるキャッシュレス決済比率は43%にまで増加している(※経産省「2024 年のキャッシュレス決済比率を算出」)。そのキャッシュレス決済が震災後の大規模停電で使えず、現金以外での決済は出来なくなる。ATMで現金を下ろせない。コンビニやスーパーは混乱するのではないだろうか。震災と停電がもたらす「不都合な真実」ではある。

⇒21日(日)夜・金沢の天気  あめ

★のとキリシマツツジを守るNPO法人に「松下幸之助賞」の栄誉

★のとキリシマツツジを守るNPO法人に「松下幸之助賞」の栄誉

深紅の花をつける能登の花木と言えば、「のとキリシマツツジ」が代表的だ。素封家の家々では座敷から眺めるこの花木を大切に育ててきた。かつて九州地方から伝わったキリシマツツジの亜種とされる。街路で見かけるツツジよりも花は小さく、真っ赤な花を咲かせるのが特徴。樹木の成長は遅く、樹齢400年でも高さは3㍍ほどとされる。見事に咲き、しかも小ぶりなので庭木の主役の一つとして能登では重宝されてきた。

のとキリシマツツジの保全活動に取り組んでいるNPO法人「のとキリシマツツジの郷」(能登町)が、松下幸之助記念志財団による「第34回松下幸之助花の万博記念賞」の松下正治記念賞に選ばれたと地元メディア各社が報じている(今月17日付)。記念賞は、自然と人間の共生に貢献する活動をテーマに個人や団体を表彰している。今回、NPO法人がのとキリシマツツジの古木調査や保護、普及活動に長年取り組んできたことが評価された。

毎年3月中ごろに、のとキリシマツツジの鑑賞会が金沢市で開催されている=写真=。能登の庭では4月中ごろから5月中旬にかけて見頃を迎えるが、植木鉢を温室に入れることで開花時期を調整し、早めのお披露目となる。金沢の市民にもこの花木のことを広く知ってもらい、実際に能登に足を運んでほしいという想いを込めている。受け入れる能登では、この時期に庭先を開放する「オープンガーデン」を実施し、家々で自慢ののとキリシマツツジの古木などが観賞できる。能登半島地震で家々は少なからず被災したものの、来年ものとキリシマツツジはいつものように美しく迎えてくれるだろう。

話は変わる。今月16日に開かれた石川県議会の予算委員会で自民党の重鎮議員が、金沢市内にある陸上自衛隊の駐屯地を能登に移転してはどうか提案した。これに対し、馳知事が「議論を喚起する価値がある」と答えたことが議論を呼んでいる。地元メディア各社の報道によると、提案した福村章県議は「能登半島地震からの復興には起爆剤となる事業が必要だ」と前置きし、「隊員と家族で2000人を超える移住で、能登の活性化を見込める」と強調した。

この発言をニュースで知って、「孤立」という言葉が浮かんだ。これは能登地震で大きな問題となったが、半島という地形で主要道路が崩壊するなどした場合、半島の尖端部分h孤立化する。実際、金沢と能登を結ぶ自動車専用道路「のと里山海道」は北部を中心に道路が20ヵ所余りで崩れ、通行可能になるまで7ヵ月余りを要した。今後、この提言はどのように展開していくのか。

⇒19日(金)夜・金沢の天気  はれ

☆東北の「後発地震」注意から1週間余 能登では震度4の揺れ

☆東北の「後発地震」注意から1週間余 能登では震度4の揺れ

青森県東方沖を震源とするマグニチュード(M)7.5の地震発生からきょうで8日となる。北陸に住んでいて気になっていたのは、内閣府と気象庁が今月9日午前2時に出していた「後発地震注意情報」だった。北海道沖から三陸沖にかけて巨大地震が発生する可能性が平常時よりも高まったとして、事前避難は求めないものの、今後1週間、避難経路の確認や家具の固定など地震への備えを呼びかけていた。きょう16日午前0時でこの「特別な備え」の呼びかけは終了したことになる。

「北海道・三陸沖後発地震注意報」の呼びかけは2022年12月に国が運用を始め、今回初めて発表されたものだった。国による「特別な備え」の呼びかけが終了したとしても大規模地震が起きる可能性がなくなったわけではなく、突発的に巨大地震が発生することはありうる。政府の地震調査委員会では、今後30年間に青森県東方沖などでM7.9程度の巨大地震が起きる確率は「20%~40%」と予測している。

能登半島の地震にも注意したい。14日午後11時26分に石川県志賀町で震度4の揺れがあった。自身が住む金沢もグラッと揺れ、震度1だった。震源は能登半島沖で、震源の深さは約10㌔、M4.9と推定される。その後、15日午前4時3分に能登半島沖が震源のM4.7、震度3の地震があった(気象庁公式サイト「地震情報」)。(※図は、青森県とその周辺の主な被害地震=地震調査研究推進本部公式サイト「青森県の地震活動の特徴」より)

地震と合わせて警戒するのが津波だ。ことし7月30日にロシアのカムチャツカ半島付近で発生したM8.7の巨大地震で、震源から1500㌔離れた日本でも津波警報が発令された。太平洋沿岸部に津波の影響が広く及んだが、このとき、これが日本海側を直撃していたらどうなったことかと考えてゾッとしたものだ。

日本海に突き出る能登半島ではこれまでも地震による津波の惨事に見舞われている。石川県庁がまとめた『石川県災異誌』(1993年版)によると、1833年12月7日に新潟沖を震源とする大きな津波があり、半島尖端に位置する珠洲市では流出家屋が345戸、死者は約100人に上ったとされる。1964年の新潟地震や1983年の日本海中部沖地震、1993年の北海道南西沖地震でも珠洲に津波が押し寄せている。このため、同市では海岸沿いの道路に「想定津波高」という電柱看板を付けている。中には「想定津波高 20.0m以上」もある=写真=。同市では2018年1月に「津波ハザードマップ」を改訂した際にリスクがある地域への周知の意味を込めて電柱看板で表記した。

半島の尖端という立地では、震源地が遠く離れていたとしても常に津波を警戒する心構えが必要なのだ。地震の被害は揺れによるものだではない。地域によって被災のパターンは異なる、そんなことを教えてくれる「津波看板」ではある。

⇒16日(火)午前・金沢の天気   くもり時々はれ