★書架にある立花隆氏の本を眺め、悼む
ジャーナリストの立花隆氏が、ことし4月、急性冠症候群のため亡くなっていたことが分かったとメディア各社がけさ報じている。80歳だった。いわゆる「文春砲」、雑誌ジャーナリズムの先駆けをつくった人だ。1972年、テルアビブの空港で日本赤軍の3人が銃を乱射し24人が死亡した事件で、現地の警察に拘束されていた実行犯の岡本公三容疑者への一問一答の記事を「週刊文春」に掲載し、当時社会に衝撃を与えた。
1974年には月刊「文芸春秋」に「田中角栄研究 その金脈と人脈」を発表。現職総理の政治手法を入念な取材と裏付け調査で明らかにし、退陣のきっかけをつくった。その後、「ロッキード事件」が発覚。田中氏や丸紅、全日空の役員らが受託収賄、贈賄などの罪で起訴される歴史的な疑獄事件となった。ジャーナリストとしての粘り強さ、徹底した調査報道は際立っていた。
書棚を眺めて立花氏の本を手に取る=写真=。権力者の不正を追及するだけではなく、「科学する心」を持ったジャーナリストだった。宇宙や医療、脳、インターネットといった分野でも数々の著書を残している。科学・技術の最前線に立った人間がその体験を精神世界でどう受容し、その後の人生にどう影響したのか人物像も追っている。
書棚の本をいくつかを紹介する。インターネットの普及期に読んだ『インターネットはグローバル・ブレイン』(1997)は示唆に富んでいた。著書名の通り、地球を生命体と見立てればインターネットは頭脳であり、プラットフォームやブログサイトなどはその神経細胞の一つというものだ。その細胞を活性化させることは、いかにして質の高い内容をアップロードし続けるかにある。自身はその後、この「インターネットはグローバル・ブレイン」というタイトルを会話や意見交換などで使わせてもらっていた。それが高じて、幻冬舎ルネッサンス新書『実装的ブログ論 日常的価値観を言語化する』(2017)を出版するきっかけにもなった。
『臨死体験』と『証言・臨死体験』(文藝春秋社)は人間の脳の最期の姿を現すものだった。数々の臨死体験の中で、光の輪に入り、無上の幸福感に包まれるという臨死体験者の証言がある。立花氏は著書の中で「死にかけるのではなく本当に死ぬときも、大部分の人は、臨死体験と同じイメージ体験をしながら死んでいくのではないか」と推定している。この本を読んだのは1997年だった。17年後にこの本のことを思い起こすことになる。
2014年2月、乳がんを患っていた妻の最期に立ち合うことができた。脈拍、心拍数がどんどん落ちていく。医師から臨終を告げられたのは午後8時50分だった。そのとき、妻の左目から涙がひとしずく流れた。死の生理現象なのかもしれないが、若くして逝った悔し涙だったのかなどと、その涙の意味をそれからずっと考えていた。ふと、以前読んだ『臨死体験』を思い出した。あのときの妻の涙は光の輪の幸福に包まれ流した涙だったに違いない、と。今でもそう思っている。書籍を通じてだが、教示いただいた立花氏に感謝している。そして、氏も臨終の際は光の輪の幸福に包まれていたことを祈る。
⇒23日(水)朝・金沢の天気 はれ
暑さが増すとともに、ガソリン価格も増している。金沢市内の自宅近くのカソリンスタンドではレギュラーの価格が1㍑あたり155円だった。前の週より2、3円アップしている。欧米ではワクチン接種が進展して、経済回復への期待が高まりがガソリンが値上がり基調となっていると報じられていた。新型コロナウイルスの感染拡大が広まった昨年4月は不要不急の外出自粛でリモートワークや「巣ごもり」の生活スタイルが広がって、金沢市内で1㍑あたり120円前後だった。その前の3月は130円、2月は1㍑140円だったので、月あたり10円ほど価格が落ちていた。それにしても、コロナ禍でこれほど価格が上下するものだろうか。不思議だ。
。バンド名を「Bombs」とした。激しい音を出すので、「爆弾のようなバンドだ」と周囲からなじられ、bomb(爆弾)をバンド名にした。ビートルズのように歌えるボーカルがいなかったので、ベンチャーズのインストゥルメンタル・サウンドが中心だった。
芒種にちなんだわけではないが、我が家の和室も障子戸を外して簾(すだれ)をかけた。床の間の掛け軸も『五月晴れ』から『青山緑水』に取り換えた=写真=。山の木々は青々と輝き、山から流れ出る川水に緑が映える。生命力あふれる自然の情景を感じさせる。掛け軸の下の花入には、庭に咲いていたシモツケ、ズイナ、ツキヌキニンドウの3種を生けた。
に適用されている新型コロナウイルスの「蔓延防止等重点措置」(今月13日まで)を受けて、公道でのリレーは中止になった。その代わり行われたのが無観客のセレモニー会場のステージで行われた「トーチキス」。ランナーは走らずにトーチで聖火を受け渡す=写真、東京オリ・パラ組織委員会公式ホームページより=。
金沢市に住んでいて、ただただ待っているのがワクチン接種だ。同市のワクチン接種の予約受付は今月6日に始まったが、自身の予約はまだ取れていない。市のコールセンタ-とはようやく12日に電話が繋がった。ところが、ワクチン接種を行う市内201の医療機関はすでに申し込みが満杯の状態で、今月31日から再度、予約受付を開始するとの返事だった。この日、予約受付に使用しているアメリカの顧客管理システム「Salesforce」が一時ダウン、予約受付もストップするなど混乱が続いていた。
えられる。「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」と。花は精気を放ち、心を和ませてくれる。
烏山頭ダムは10年の歳月をかけて1930年に完成したものの、日本国内では1923年に関東大震災があり、ダム建設のリ-ダーだった八田にとっては予算的にも想像を絶する難工事だった。5月8日が命日というのは、ダム建設後、軍の命令でフィリピンの綿花栽培のための灌漑施設の調査のため船で向かう途中、アメリカの潜水艦の魚雷攻撃で船が沈没し亡くなった。その日が1942年の5月8日だった。終戦直後、八田の妻は烏山頭ダムの放水口に身投げし後追い自殺する。
瞬間は見ることができたが、残念ながら「ため息」は聞いたことがない。ただ、「兼六園にカキツバタの花音を聞きに行く」、なんと風流な言葉か。その兼六園がしばらく閉鎖されるとのニュースが流れてきた。
また、時事通信Web版(同7日付)によると、ドイツ政府は生産能力の増強を目指すべきだとして消極的な姿勢を示した。報道官は声明で「ワクチン生産の障害となっているのは、生産能力と高い品質が要求されることであって、特許ではない」と強調。「知的財産権の保護は技術革新の源泉であり、将来もそうあるべきだ」と指摘した。