☆奥能登国際芸術祭の作家 地域復興の願い込め動き出す
去年秋に能登半島の尖端、珠洲市で開催された奥能登国際芸術祭2023(9月23日-11月12日)で心を打たれた作品の一つが、人生の生き様をテーマにした画家、弓指寛治氏の『プレイス・ビヨンド』だった。岬にある自然歩道を歩きながら、珠洲の地元で生まれ育った南方寳作(なんぽう・ほうさく)という人物が生前に残した伝記をもとにした、人生ストーリーを立て札と絵画を見ながらたどる=写真=。
その内容が濃い。戦前に人々はなぜ満蒙開拓のために大陸に渡ったのか、そして軍人に志願したのか、どのような戦争だったのかを、立て札の文字をたどりながら、設置されている絵画を見ながら追体験していく。ただ、ストーリーが記された立て札は87枚、絵画は50点もある。立て札一枚一枚を読んで、さらに絵を鑑賞していると、いつの間にか時間が経って辺りが暗くなったの覚えている。
その弓指氏がきのう18日、珠洲市役所を訪れ、出品した作品の売却費の一部65万円を地震の支援金として市に寄付した。また、弓指氏は同日から泊まり込んで珠洲市でボランティア活動を行う(5月19日付・北國新聞)。芸術家として深く関わった現地が地震で甚大な被害を受けたことに心を痛めたのだろう。
奥能登国際芸術祭の総合ディレクターである北川フラム氏は震災に関する支援を行う「奥能登珠洲ヤッサープロジェクト」を立ち上げている。アーティストやサポーターで構成する有志グループで、被災した人たちと協力しながら、同地の復興に寄与していくという。北川氏は述べている。「珠洲の人々と他地域の人々を結びつけるアート作品や施設の撤去、修繕、再建などを行い、珠洲に思いを寄せる人々の力を結集したいと考えます」(「奥能登珠洲ヤッサープロジェクト」公式サイト)。
「ヤッサー」は珠洲の祭りの掛け声で、若い衆が力を合わせて巨大なキリコや曳山を動かすときに「ヤッサーヤッサー」と声を出して気持ちを一つにする。弓指氏も芸術への想い、地域復興への願いを一つに込めて動き出そうとしているのだろうか。
⇒19日(日)夜・金沢の天気 くもり
輪島市や珠洲市では集落の裏山が崩れているところが各地にある。珠洲市の山間部でがけ崩れが起き、土砂の一部が民家に押し寄せている=写真・上、2月22日撮影=。梅雨の大雨によって、がけ崩れや山崩れが起き、民家への2次被害が出るのではないか。
た、地震でため池の土手に亀裂などが入っていると、大雨で雨量が急激に増すことでため池が決壊する可能性がある。こうなると、下流にある集落に水害が起きる。(※写真・下は、土砂ダムで孤立した輪島市熊野町の民家=1月4日、国土交通省TEC-FORCE緊急災害対策派遣隊がドローンで撮影)
こと分かった。能登の9市町の地元消防署への取材を基に共同通信が集計した(5月16日付・北陸中日新聞)。
戸惑いがいくつかある。審査が行われたのは3市町の35人(珠洲19人、輪島9人、能登7人)だった。認定されたのは30人(珠洲14人、輪島9人、能登7人)。珠洲の5人ついては、委員が追加資料の提出を求めたため次回以降に再審査となる。戸惑いというのも、今回審査された人数が少ないのではと感じるからだ。遺族からの申請数は輪島市だけでも53人に上っている。ところが、今回は9人しか審査されていない。このペースだと輪島市の申請数の審査を終えるのにあと5ヵ月はかかることになる。もちろん、数をこなす単純な作業ではなく、ある意味で「書面上の検死」なので時間がかかるのは分かる。
輪島市里町で完成した木造長屋の仮設住宅は周囲の里山とマッチしていて景観的にも合っている=写真、5月3日撮影=。27棟・100戸が建てられ、コンパクトな1DKや車椅子の利用を考慮した部屋、さらに和室のあるタイプもあり、入居者に配慮した仮設住宅だ。配慮はこれだではない。従来のプレハブ型は取り壊すことを前提に原則2年で退去しなければならないのに対し、木造長屋型は2年が経過した後は輪島市営住宅に転用され、被災者が長く住み続けることができるようだ。
た評価の重荷を背負いながら愛耕会のメンバーは努力を重ねたものの、それでも「1000分の120」にとどまった。
れなどを復旧する作業が行われ、きのうの段階で120枚に田植えが行われた。(※写真は、田植えに間に合うように復旧作業が進められた千枚田=5月3日撮影)
ことしの夏は猛暑になりそうだ。気象庁の報道発表(5月10日付)をネットでチェックすると、7月から9月にかけてラニーニャ現象が発生する可能性があり、強い高気圧に覆われて、日本では猛暑になるようだ。ラニーニャ現象は、南米・ペルー沖の太平洋の海面水温が基準値より0.5度以上低くなる状態が続く現象で、世界各地で大雨や猛暑などの異常気象をもたらす。2022年夏のラニーニャ現象では金沢をはじめ石川県内で35度の猛暑に見舞われ、気象庁は「熱中症警戒アラート」をたびたび発していた。
長い冬を超えて新緑の季節を実感するこの頃だ。(※写真は、金沢市泉野町のイチョウ並木=5月10日撮影)
シャクヤクの花が自宅の庭を彩っている=写真・上=。「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」という言葉があるように、上品な女性の姿をイメージさせ、精気を放っている。花言葉は「恥じらい」。シャクヤクは夜になると花を閉じる習性があり、その姿から「恥じらう様子」がイメージされたようだ。毎年のことだが、大型連休明けで心にぽっかりと穴が空いたようなタイミングでこの花が和ませてくれる。
ぐようにして倒れている=写真・中、5月3日撮影=。現地を訪れるたびに、撤去はいつ始まるのだろうかとつい思ってしまう。
以下が自身が現地を見た印象。ビルは根元からポキッと折れるようにして倒れている。その根元をよく見ると、建物の重さを支える土台が、地下の岩盤に指してある杭から抜けているようにも見える=写真・下、3月10日撮影=。震度6強の揺れだったので、建物が激しく揺さぶられ、杭が抜けて倒れたのだろうかと素人目線で考えてしまう。