⇒ドキュメント回廊

★能登半島地震の仮設住宅団地をめぐる「期日前投票バス」のこと

★能登半島地震の仮設住宅団地をめぐる「期日前投票バス」のこと

きょう気象庁と環境省から石川県に「熱中症警戒アラート」が発表された。今月4日以来2度目。「梅雨明け宣言」もないまま、熱中症警戒アラートだけが先行している。日中の最高気温は金沢市で33度、輪島市で31度と平年を5度前後上回る厳しい暑さだった。

この暑さの中、参院選の有権者は期日前投票に足を運んでいる。去年元日の能登半島地震で仮設住宅が点在する志賀町富来では、バスを使った移動式の投票所が初めて導入されたと地元メディアで報道されていたので、きょう現地へ見に行ってきた。

志賀町では北鉄能登バス(七尾市)の路線バス車両を借りて、バスの車両中央部に投票用紙の記載場所と投票箱を備え、立会人は後方の座席から見守るという配置にしている。午前11時ごろに現地に着くと、仮設住宅「とぎ第4団地」(76世帯)のすぐ近くにバスが停まっていた。有権者が次々と訪れ、バスの入り口で受付を済ませ、バスに乗り込んで投票していた=写真=。同町選管の「移動期日前投票所のお知らせ」のポスターによると、きょうはこの後、13時からと15時から2ヵ所の仮設住宅団地を回る。あさって10日も3ヵ所を予定している。

バスの期日前投票所はきのう(7日)から始まっていて、近くに投票所がない8つの仮設住宅団地を中心に回るほか、若者に投票を呼びかけるために地元の公立高校でもお昼の時間にバスが停まった。バスの滞在は1時間から1時間30分と限られているものの、「動く投票場」は注目されたに違いない。

能登では志賀町のほか、珠洲市でもきのうからバスの期日前投票所が12ヵ所で開設されている。去年10月の衆院選では、近くに投票所がない仮設住宅団地が多いことや、車を持っていない高齢者が団地に多くいることなどが浮き彫りとなったため、今回参院選で「期日前投票バス」の導入に踏み込んだようだ。さらに行政側には投票率の向上につなげたいとの思いもあるのだろう。震災と選挙を考えるよい事例の一つかもしれない。

⇒8日(火)夜・金沢の天気   くもり後あめ

★安倍元総理銃殺事件から間もなく3年 能登空港で見た「聴衆を20㍍離す柵」

★安倍元総理銃殺事件から間もなく3年 能登空港で見た「聴衆を20㍍離す柵」

安倍元総理が奈良市で選挙応援演説中に銃撃され死亡してから、今月8日で3年になる。今でもこの銃殺は回避できなかったのかと思うことがある。最初、容疑者と安倍氏の直線距離は15㍍だった。その後、安倍氏の背後に回り込むように歩いて車道を横断。ショルダーバッグの中から手製の銃を取りだし、8㍍の距離から発砲した。周囲の人たちが大きな音に身をすくめる中、容疑者は白煙の上がる銃を手にし、さらに5歩前進。2.7秒後に、背後5㍍から2発目を撃った。音の方を振り向くような動きを見せていた安倍氏は身をかがめるようにして倒れた。容疑者は直後、車道上で取り押さえられた。警視庁のSP1人を含む4人の4警察官が警備にあたっていたにもかかわらず起きた事件だった。

今月4日、石破総理の街頭遊説が能登空港で行われたときの警備はどうだったのか。会場は能登空港の第2駐車場という空港ビルから100㍍余り離れた場所で、周囲には空港ビル以外の建物はない。入り口が設けられていで、ここで金属探知と手荷物の検査が行われていた。検査を行っていたのは警備会社のスタッフだった。入り口では警察官がなるべく手荷物を持ち込まないようにと呼びかけていたので、自身はスマホと車のキーのみを持って入ったので、金属探知のみだった。

ただ、一瞬あれっと思ったのは、金属探知が終わっていきなり、警備会社のスタッフが紺色の丸いシールを左胸の上に貼ったことだった。検査済みという意味だと理解するのに数秒かかった。街頭遊説の主催者は自民党石川県支部連合会で、主催者の発表だと参加者は700人とのこと。

石破総理は選挙カーに上がって演説をしたが、聴衆は選挙カーから20㍍余り離れた柵の中で聴いていた=写真=。聴衆の中からは「えらいものものしい雰囲気やな」や「石破さんの顔がよう見えん」などと声が上がっていた。確かに20㍍も離れると、自身も演説者の顔がよく見えなかった。カメラ撮影はOKとのアナウンスがあったので、石破総理ら演説者の表情はカメラ画像で確認した次第。

こうした警備態勢は警察と主催者側が事前に打ち合わせをして敷いたのだろう。能登空港では起きなかったが、安倍事件以降で選挙活動中に政治家が襲われる事件が相次いでいる。2023年4月には、和歌山市の漁港で選挙の応援に訪れていた当時の岸田総理に向かって手製の爆発物が投げ込まれるという事件もあった。政治家の街頭演説の20㍍の柵はさらに伸びていくのかもしれない。

⇒6日(日)午後・金沢の天気   はれ

☆熱中症警戒アラートの中、能登で石破総理が応援演説、熱気の「あばれ祭」

☆熱中症警戒アラートの中、能登で石破総理が応援演説、熱気の「あばれ祭」

金沢はきょうも朝から蒸し暑かった。気象庁と環境省は午前5時に、石川県内で熱中症の危険性が高まったとして今季初めて「熱中症警戒アラート」を発表した。金沢地方気象台によると、きょうの最高気温は能登半島の尖端に位置する珠洲市で34.2度、加賀市で34.1度、小松市で33.5度、金沢市で33.3度と県内11の観測地点すべてで真夏日となった。気象台では、エアコンを適切に利用したり、こまめに水分や塩分を補給したりするなど熱中症予防を呼びかけている。去年元日の能登半島地震の被災地では、公費解体などの作業に追われている被災者や作業員の人たちも多く、熱中症が気になる。

この危険な暑さの中、きのう公示された参院選で自民党総裁の石破総理がきょう党公認候補の応援演説のため、輪島市の能登空港を訪れた。地元メディアの報道によると、石破総理は遊説先の福島県からチャーター機で能登空港に降り立ったようだ。自身も金沢から空港の会場に行き、総理の演説に耳を傾けた。

午後2時ごろマイクを握った石破総理=写真・上=は、1年半が経過した能登半島地震を振り返り、「財政力が弱いから、地形が厳しいから対応できないということは国家が言うことではない。能登から新しい日本をつくっていく」と訴えた。また、「世界有数の災害大国ならば世界一の防災大国にしなければならない」と述べ、事前防災と災害対応の司令塔となる「防災庁」の必要性について強調していたが、どこに本部を置くかなどの具体案はなかった。また、能登の被災地の復旧・復興についての具体策についても言及はなかった。

総理の演説の後、能登半島をさらに北上し、能登町宇出津(うしつ)に着いた。夏から秋にかけて能登の各地で催されるキリコ祭りの先陣を切る「宇出津のあばれ祭(まつり)」が始まっていた=写真・下=。能登では「1年365日は祭りの日のためにある」という言葉があるくらい、人々は祭りにこだわる。その能登の祭りで、一番威勢のいい祭りとして知られるのが、宇出津のあばれ祭だ。

地元でキリコと呼ぶ「切子灯籠(きりことうろう)」を老若男女が担ぎ、「イヤサカヤッサイ」の掛け声が港町に響き渡っていた。熱気あふれるとはこの事をことを言うのだろうと実感した。絶好調になると、神輿を川に投げ込んだり、火の中に放り込むなど、担ぎ手が思う存分に暴れる。それを神が喜ぶという伝説がある祭りだ。

⇒4日(金)夜・金沢の天気   はれ

★クマの大量出没を警戒、石川県が注意報で呼びかけ

★クマの大量出没を警戒、石川県が注意報で呼びかけ

ツキノワグマの大量出没が懸念されるとして、石川県自然環境課はきのう(27日)、「出没注意情報」を出して警戒を広く呼びかけている。ツキノワグマの出没注意報は4年連続となる。人身事故が発生した場合、県では「警戒情報」に切り替えて警備を強化する。

県内の各自治体や県警、猟友会などの関係者を集めて開かれたクマ出没対応連絡会議での県の説明によると、5月下旬から6月にかけて行ったクマの餌となる植物3種(ブナ、ミズナラ、コナラ)の雄花の落下数を調査した結果、クマの主要な餌であるブナは22地点のうち20地点で大凶作、2地点で凶作となり、今秋は全体で大凶作が予想されると判断した。ミズナラは豊作、コナラは並作だった。これまでのデータで、ブナが大凶作だった2020年にはクマの目撃件数は869件となり、人身被害は15人に上った。

ことしに入り県内ではすでに129件の目撃情報が寄せられている。地域別では小松市など南加賀が99件ともっとも多く、次いで金沢市周辺での21件などとなっている。春から夏に向かう今の季節では、交尾期のクマや親離れした若いクマの行動が広範囲で活発となる。

また、最近では「アーバンベア(都市型クマ)」と呼ばれ、市街地周辺で暮らし、街中に出没するクマも増えている。ペットフードや生ごみなどをあさる。(※イラストは、石川県公式サイト「ツキノワグマによる人身被害防止のために」から)

クマの市街地での出没や人身事故は石川県だけでなく全国的な問題となっている。このため国はことし4月18日、クマやイノシシが市街地に出没し、建物内に立てこもったり、木の上に登ったりするなど膠着状態が続いた場合、それぞれの自治体の判断で発砲できるようにする「改正鳥獣保護管理法」を成立させた。施行日は公布から6カ月以内とし、クマの出没が増える秋をめどとしている。

以下は憶測だが、能登に行くと山々がうっそうとしていて、スギやアテ(能登ヒバ)などにツル草が絡んで、まるで原生林に戻ったように山が荒れている。去年元日の能登半島地震で山を手入れする人や業者の手が回らないのだろうか。クマやイノシシはそこを狙ってやって来るのかもしれない。県に寄せられた能登地区の9市町での目撃情報は去年1年で36件、ことしは9件(今月25日時点)となっている。秋にかけてさらに増えていくのか。

⇒28日(土)夜・金沢の天気  くもり

☆のと・かが小話・・参院選ポスター掲示板、能登島の橋、和倉温泉

☆のと・かが小話・・参院選ポスター掲示板、能登島の橋、和倉温泉

参院選挙に向けてポスター掲示板が設置されている=写真・上=。7月3日公示、20日に投開票が想定されてのことのようだが、有権者は何を想うだろうか。金沢市内では592ヵ所に設置される予定で、あす22日までの4日かがりの作業のようだ(20日付・地元メディア各社の報道)。それにしても気になるのは参院選の投票率だ。前回2022年7月10日投開票の石川選挙区の投票率は46.4%、同年4月24日の補選は29.9%だった。辛口の知人は「参院なんて、いらないよ」と。「なぜ」と問うと、「二院制の役割がどこにあるのか見えない。税金のムダ遣い」と手厳しい。

2016年6月19日に改正公選法が施行され、選挙権年齢は満20歳から満18歳以上に引き下げられた。あれから9年、日本の選挙に若者の息吹は感じられるか。これについても、先の知人は「親も行かない選挙に子が行くか」と、これまた冷めた言葉が。

話は変わる。去年元日の能登半島地震で半島の中ほどにある七尾市能登島の「ツインブリッジのと」(中能登農道橋、620㍍)が被災し、1年半にわたって通行止めが続いていたが、今月16日から片側交互通行が可能になった=写真・中=。そこで、今月18日に現地に行って見てきた。能登島と本土をつなぐ橋は2本あり、島の南側の「能登島大橋」(1050㍍)は震災での影響はなかった。一方で、北側のツインブリッジは地震で橋桁が損傷し、さらに道路との間に40㌢ほどの段差ができたことから通行止めが続いていた。このため、島の一部の住民は本土とのアクセスで遠回りを強いられていた。また、能登島にある「のとじま水族館」や「ガラス美術館」へのアクセスにはツインブリッジが近く、復旧が待たれていた。

片側交互通行ながら大動脈が復活したことで、能登島の産業の柱である観光の回復に弾みがつくに違いない。橋梁を管理する七尾市農林水産課と復旧作業を担当する石川県中能登農林総合事務所では来年3月までに片側交互通行の解除を目指すようだ。

能登島からの帰りに和倉温泉に立ち寄った。震災で損壊した旅館やホテルの解体作業が行われていた=写真・下=。地元メディアの報道(6月20日付)によると、和倉温泉旅館協同組合に加盟する20軒のうち10軒が公費または自費で解体。うち1軒は解体を終え、3軒が着手、6軒が今後予定する。現在、建物の修復などを終えた5軒が営業を再開していて、来年春までにさらに4軒が再開の見込みという。

老舗旅館「加賀屋」は来年2026年度中に本館ならびにグループ旅館合わせて4軒の営業再開を目指している。和倉温泉は能登の観光産業の柱でもある。能登島を含めて、復興の弾みとなることに期待したい。

⇒21日(土)夜・金沢の天気  はれ

★梅雨の中休みに草むしり したたかなチドメグサの話

★梅雨の中休みに草むしり したたかなチドメグサの話

テレビメディア各社の速報によると、イランの首都テヘランで複数の大きな爆発音が聞こえたと第一報。同時に、イスラエル軍はイラン各地の核関連施設を含む数十ヵ所の軍事目標への第1段階の攻撃を行ったと発表した、と報じている。イスラエルは敵対するイランの核開発を強く非難しており、核施設を攻撃するとかねて警告していた。この動きがロシアによるウクライナ侵攻などに今後どう連鎖するのか、不穏な動きが漂う。

話は変わる。梅雨の中休み、金沢はきのうきょうと晴れの天気に恵まれた。チャンスとばかりに、庭の草むしりを行った。何しろこの時季、雑草が勢いがすさまじい。昭和天皇のお言葉に「雑草という草はない。どんな植物でもみな名前があって、それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる」という有名なフレーズがあるので、あえて植物名で言えば、スギナ、ヨモギ、ヤブカラシ、ドクダミ、チドメグサなどだ。取っても抜いても、必ず復活してくる植物だ。

中でも手強いのがチドメグサだ=写真=。ほかの草と比べても、自身の思い込みでもあるが、生態のレベルが格段に高い。漢字では「血止め草」と書き、学名は「Hydrocotyle sibthorpioides」。葉の汁には止血成分が含まれ、古くから民間で外傷の止血に使ったためこの名があるようだ(Wikipedia「チドメグサ」)。

生態のレベルが高いと前述したが、この草と向き合っていて、人に重宝されてきたというプライドと同時にずる賢さを感じる。たとえれば、「隠れ蓑」戦術だろうか。細い茎はよく枝分かれし、節から根を出して地面をはうのだが、芝生の生息地に入り込み、目立たないように勢力を拡大しているのだ。目を凝らして、なんとか葉や茎は取っても、芝生の根にチドメグサの根が絡まって離れようとしない。一本一本外すとなると相当な労力と時間がかかる。

もう一つのずる賢さは 「空蝉(うつせみ)の術」だ。大切にしているスギゴケの庭に入り込んでいる。スギゴケ群の中では、チドメグサは見えにくい。葉と茎を1本取ったかと思ったら、隠れるように別の葉と茎がある。まるで分身があちこちにあり、本体の根っ子の部分がなかなか見つからない。つまり、自分の分身を周囲につくり、人の注意を振り分けている。すると、こちらがうっかりとスギゴケを抜くこともある。人の注意をそらす、したたかな草なのだ。

植物と向き合い、直接手で触れて想像をめぐらしながら草むしりをする。楽しく充実したひとときでもある。

⇒13日(金)午後・金沢の天気   はれ

☆北陸も梅雨入り ヤエドクダミの可憐な花とその生命力

☆北陸も梅雨入り ヤエドクダミの可憐な花とその生命力

きょう午後は雨模様となった。気象台は「北陸地方が梅雨入りしたとみられる」と発表した。平年より1日、去年より12日早い梅雨入りとなったようだ。蒸し暑さを感じる。あす11日の最高気温は金沢、能登(輪島市)ともに25度の夏日、以降徐々に上がり、15日以降は30度超えの真夏日が予報されていて、蒸し暑さは続く見込みだ。

庭にはヤエドクダミの白い花が咲き誇っている=写真=。八重咲きの白い花びらのように見えるのは「総苞片(そうほうべん)」と言って、花びらではない。総苞片というのは、花を抱く葉なのだ。苞葉とも言われている。それにしても、ドクダミの生命力と繁殖力には驚かされる。地下茎を伸ばし、地上に芽を出して群生する。裏庭にスギゴケを繁殖させよと草むしりをしているが、ドクダミが顔を出して、抜いても抜いても根気よく生えてくる。

小さいころ、「擦り傷にはドクダミの葉をこすればよい」と言われたことが何度かある。古くから民間治療薬として用いられてきた。最近では、抗カビや抗菌作用に、さらに独特の臭いは白アリなどにも予防剤としても使われているようだ。においのもとになっているのがデカノイル‐アセトアルデヒドという精油成分。これがペニシリンをしのぐといわれるほど強力な殺菌作用があるらしい。黄色ブドウ球菌や肺炎球菌、白癬菌などの細菌や、ある種のウイルスの活動を抑える力があり、傷口の止血や再生にも効果があるようだ。

若いころ、金沢市内の居酒屋でドクダミの天ぷらを食べたことがある。マスターに「においが全然しないね」と問うと、一度高温でゆがくとにおいが抜けると話していたこと思い出した。花言葉を調べると、「白い追憶」「野生」とある。その生命力から「野生」、そして、ツンとくるにおいが忘れられないから「白い追憶」なのだろうか。

⇒10日(火)夜・金沢の天気   くもり  

★米価高騰再び ”無銭米”農相「貧乏人は麦を食え」と言うのか

★米価高騰再び ”無銭米”農相「貧乏人は麦を食え」と言うのか

きょうは二十四節季の一つ、「小満」にあたる。草木や花々、鳥や虫も、そして人も日を浴びて輝く季節という意味が込められた季語のようだ。金沢は朝からムッと暑かった。自宅近くの街路の温度計は正午過ぎで30度だった=写真・上=。真夏日だ。スーパーの駐車場に行くと、車から出て日傘を差す人や、店から出て日傘を差す人の姿が多く見られた。太陽の光を避けるのはもはや現代人の習いか。

スーパーに入ると、コメ売り場に目が向いてしまう。地元石川県のブランド米「ゆめみずほ」の5㌔袋が3980円(税込み4299円)だった=写真・下=。つい、「また高くなっている」と思った。前回4月14日付のブログでも書いたが、このときは備蓄米の放出の効果で、「ゆめみずほ」は3580円(税込み3867円)だった。その5日前の4月9日には4080円(税込み4407円)だった。1ヵ月半余りで、400円から500円の乱高下を繰り返している。

一方、コメはあるところにはあるようだ。報道によると、きょう江藤農水大臣は、総理官邸で石破総理に辞表を提出した。江藤氏は今月18日に佐賀県での講演で、「私もコメは買ったことありません。正直。支援者の方々がたくさん米をくださるんでですね。まさに売るほどあります、私の家の食品庫には。大変なんですよ、もらうというのも」などと発言。地元紙などが報じ、批判が広がっていた。

江藤氏は衆院宮崎2区選出で、現在8期目のベテラン議員ながら、この発言はコメの生産者にも、そして消費者にも配慮のない発言ではないだろうか。備蓄米の放出の陣頭指揮を執った大臣の発言とは思えない。「貧乏人は麦を食え」は、コメの価格が高騰していた1950年の当時の池田勇人大蔵大臣の有名な発言だが、江藤氏の発言はまさに「コメが食えなければ麦を食え」と言っているようなものだ。

⇒21日(水)夜・金沢の天気   くもり 

☆金沢で震度7、死者2200人、避難者19万人・・被害想定見直し

☆金沢で震度7、死者2200人、避難者19万人・・被害想定見直し

これは衝撃的な数値だ。石川県危機対策課は地震の被害想定を27年ぶりに見直し、きのう(7日)開催された県防災会議の震災対策部会で報告した。政府の地震調査委員会が去年8月に示した「長期評価」などに基づき、9つの断層帯で将来、大地震が発生することを想定したものだ。

それによると、人や建物への被害が最も大きいとされるのは金沢市と白山市、津幡町の直下を走る「森本・富樫断層帯」(全長26㌔)で、最大震度7の揺れが金沢市で想定されるとしている。冬の朝5時に地震が発生した場合、2212人が亡くなると見込まれている。自治体別では金沢市が1788人で8割以上を占め、白山市が182人、津幡町が68人と続く。要因別では、雪の重みなどによる建物の倒壊での死者が2029人と最も多く、次いで火災が94人、ブロック塀の倒壊や自販機などの転倒などによる死者が81人などと推定されている。けが人は9344人に上ると試算される。地震発生から1週間後の避難者は19万1898人と想定されている。(※写真は、地震と津波で倒壊した珠洲市の民家=2024年4月29日撮影)

また、森本・富樫断層帯での建物の被害は、冬の午後6時に地震が発生した場合、もっとも多くなると推定される。この時間は、火気の使用で火災の危険が高まることや、積雪の重みで倒壊する家屋が増えることも考慮され、4万6947棟が全壊・全焼、5万5359棟が半壊と予測される。金沢市では36%の建物が全半壊することになる。

今回の被害想定の見直しは、1998年3月の被害想定が現状とかけ離れていることも背景にあったのかもしれない。前回の想定では能登半島北方沖断層(50㌔)を震源とするマグニチュード7.0の地震が起きた場合、死者は7人、建物の全壊は120棟になると想定していた。実際に起きた去年元日のマグニチュード7.6の能登半島地震では、ことし4月末時点で直接死は228人、住家の全壊は6151棟に達していて、想定の不十分さが指摘されていた。今回見直された被害想定では、正月やゴールデンウィークなど5つの状況を設定するなど、精密に被害を予測している。

今回の被害想定の見直しを受けて、金沢市などは避難所の確保や災害医療の見直しなど迫られるだろう。

⇒8日(木)夜・金沢の天気    くもり

☆ス-パーで備蓄米と初見参 「3543円」は、ありがたい価格か

☆ス-パーで備蓄米と初見参 「3543円」は、ありがたい価格か

きょう近所のスーパーで備蓄米を初めて見つけた。ブレンド米で5㌔袋で3280円(税込み3543円)=写真=。「米おいしいね 国産米 5kg」との表示なので、最初はどんな商品なのか分からなかった。「どこどこ産米」との表記がないので分かりにくい。それだったら「備蓄米」と表記すればよいのにと思った次第。価格は石川県産コシヒカリより、400円ほど安い。

別のスーパ-に行くと、備蓄米らしき商品はまったく並んでいない。「石川県産」や「富山県産」、「新潟県産」などがずらりと並んでいる。コメ不足で政府の備蓄米が放出されることになったが、このスーパーの棚を見る限りではむしろ山積みと思えるほどの商品量だ。  

もう一つアレっと感じたのは購入制限のこと。県産米は5㌔袋で「お1人様 2袋」との「お願い」のチラシが棚に貼られているが、備蓄米の棚には個数制限の張り紙はまったくない。この違いはいったい何なんだと思ってしまう。

話は価格に戻るが、備蓄米は安いと言えるのだろうか。そもそも、「税込み3543円」は高い、と言える。去年8月25日付のブログでコメの値段ついて書いたとき、同じスーパーで購入したブランド米の新米は5㌔で2290円だった。あれから8ヵ月で50%以上、1300円ほど高くなっている。コメの値段は一律ではないが、消費者は備蓄米5㌔袋3543円を「まだ高い」と思うか、「400円ほど安くなったので、まあいいか」と思うか。そして、不思議なのは備蓄米が並んでいるスーパーと並んでいないス-パーがあるのはなぜか。コメの流通の仕組みが複雑過ぎるのか。

⇒30日(水)夜・金沢の天気 くもり