★きょう立冬 季節の味ズワイガニ、初競り450万円、かに面おでん

季節は移ろい、きょうは二十四節季の「立冬」。カニの季節が訪れ、食卓に上る頃でもある。きのうズワイガニ漁が解禁となり、きょう金沢市民の台所でもある近江町市場に並んでいる。店頭ではオスの「加能(かのう)ガニ」やメスの「香箱(こうばこ)ガニ」がずらりと=写真・上=。「加能」は加賀と能登の意味。山陰地方の「松葉ガニ」、福井県の「越前ガニ」の向こうを張った名称ではある。「香箱」は小さな箱の意味で小さな甲羅のこと。
市場で市民が求めていたのは甲箱ガニ。小さいので食べやすい。ゆで上がったもので1匹1200円から2200円。甲羅の中の内子(未成熟卵)と外子(成熟卵)、カニ味噌はまさに季節の味わい。市民が香箱ガニを求めるもう一つの理由。それは食する期間が加能ガニに比べ短いから。ズワイガニの漁期は3月20日までだが、その中で香箱ガニの漁期は資源保護政策で12月29日まで。食する期間が短いのではやく食べておこうという気持ちにかられる。

市場で買い求めたのは、ちょっと贅沢な「かに面」。香箱ガニの身と内子、外子などを一度甲羅から外して詰め直したもの。手ごろなもので1個1500円から1800円。金沢のおでん屋に行くと、おでんのだし汁で味付けされたものが出される=写真・下=。かつて、かに面おでんは庶民の季節の味だったが、いまは1個3000円はする高級品のものもある。急騰したのは2015年3月の北陸新幹線の金沢開業がきっかけだった。金沢おでんが観光客の評判を呼び、季節メニューのかに面が人気の的となり、おでんの店には行列ができるようになった。いまの言葉で言えば、「オーバーツーリズム」かもしれない。
ところで、毎年ズワイガニ漁の解禁で初競りが地元メディアのニュースになる。各漁船が選んだカニの最高価格を競う「蟹-1(かにわん)グランプリ」。ことしは重さ1.76㌔、甲羅幅16.1㌢の加能ガニが最高級ブランド「輝(かがやき)」に選ばれ、450万円で競り落とされた。水揚げしたのは能登の珠洲市の漁船。競り落としたのは、きょう7日に開業する金沢の旅館だった。香箱ガニの最高級ブランド「輝姫(かがやきひめ)」は甲羅幅9.5㌢以上のものが対象となるが、それに資するものはなかったようだ。ようやく訪れたズワイガニの季節。例年のことだが、しばらくは家族や友人たちとの会話はカニの話題で盛り上がりそうだ。
⇒7日(金)夜・金沢の天気 はれ





















