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★北陸の雪いよいよ本降り 食材の価格高騰か、おせち料理に変化

★北陸の雪いよいよ本降り 食材の価格高騰か、おせち料理に変化

この冬で初めての本格的な雪の降り方だ。自宅の庭は30㌢ほどの積雪になっている。五葉松の枝にはこんもりと覆いかぶさるように積もっている=写真・上、午前8時ごろ撮影=。雪吊りがなかったから枝が折れていたかもしれない。とりあえず、人が通れる幅で「雪すかし」を行った。

気象庁は警報級の大雪の恐れがあると発表している。日本付近は冬型の気圧配置となっており、本州付近の上空5500㍍にはマイナス36度以下の強い寒気が流れ込んでいる。日本海側を中心に大雪となっていて、きょう3日午前6時から24時間の降雪量の予想は、北陸地方で40㌢とさらに雪が積もる。いよいよ冬将軍の到来か。

先月26日付のブログでも述べたが、雪すかしには「暗黙のご近所ルール」がある。何㌢以上の積雪があると町内が一斉に除雪するというルールや当番がいるわけではない。町内の児童たちが登校する前の午前7時ごろ、ご近所の誰かが、スコップでジャラ、ジャラと雪すかしを始めるとそれが合図となり、ご近所の人たちもスコップを持って家から出てる。「よう降りましたね」「冷え込みますね」と朝のあいさつを交わす。いつの間にかご近所が一斉に雪すかしをしている。そんな暗黙のル-ルだ。ただ、きょうは正月なので学校は休み。スコップのジャラ、ジャラという音は1ヵ所でしか聞こえなかった。

話は変わる。この正月、おせち料理を堪能した=写真・下=。例年、金沢市内のホテルから取り寄せている。家族で分け合って食べたが、ちょっとした変化に気が付いた。例年ならば身を詰めたカニの甲羅が入っているのに、ことしはエビが2つ。アワビの煮ものはなく、巻貝が2個。数の子などは例年通りだが、具材の一部が替わっている。価格は例年並み。味に問題があるわけではない。ということは、食材の価格が高騰しているのだろうか。

参考までに農林水産省の公式サイトをチェックすると、先月12月の食品価格動向調査(魚介類)では、エビとブリがそれぞれ高くなっている。エビは前月比で4%、平年比で10%、ブリは前月比で21%、平年比で32%だ。カニやアワビも高騰しているのだろうか。円安の影響なのだろうか。そんなことを思いながら正月のおせち料理を味わった。

⇒3日(土)午前・金沢の天気   くもり

☆冬至の頃、冬将軍はいつやって来るのか

☆冬至の頃、冬将軍はいつやって来るのか

ことし冬の北陸の降雪量は「平年並み」との予報を金沢地方気象台が発表している(23日付)。一時的に冬型の気圧配置が強まり、大雪となる可能性もあるようだ。3月の気温は平年並みか高い見込みで、春の訪れも平年並みか早くなりそうだ、との予報。とは言え、冬将軍は来るときに来て大雪をもたらす。

ことし2月20日前後には金沢市内で30㌢余りの積雪となった。JR金沢駅前にある「もてなしドーム」も雪に覆われた=写真=。ドームは3019枚の強化ガラスで造られているが、雪がさらに積もって、その重みでガラスが壊れはしないかと実際に眺めて心配になった。何しろ金沢の雪は湿気を含んでいて重い。調べてみると、強化ガラスは180㌢の積雪に耐える強度をもっている(金沢市役所公式サイト)とあり、少しは安心できた。

大陸で冬型の気圧配置が強まり、強い寒気が日本海に南下すると、雪雲が急激に発達し、局地的な短時間強雪になりやすい。2023年12月22日には北陸に「顕著な大雪に関する気象情報」が発表され、輪島では24時間の降雪量が53㌢と12月の観測史上1位を更新する短時間強雪となったこともある。

雪国に住んでいて、この時節の気象予報士の言葉遣いに耳を傾ける。キーワードは2つ、「ラニーニャ」と「JPCZ」だ。「ラニーニャ現象」は、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象をいう。ラニーニャの年には豪雪がやってくる。あの1963年の「三八豪雪」も、1981年の「五六豪雪」もラニーニャだったと言われている。今冬はどうか。世界気象機関(WMO)によると、ことし12月から2026年2月の気温は、北半球の多くの地域と南半球の広範囲で平年より高く、「弱いラニーニャ現象が発生する可能性は55%」と発表している。

そして近年よく使われる気象用語が「JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)」。シベリアから寒気団が日本海に向かって流れてくる際に朝鮮半島北部の白頭山によって、いったん二分されるが、その風下で再び合流することで雪雲が発達し、北陸地方などになだれ込んでくる。2021年1月にJPCZが若狭湾付近に停滞して大雪が降り続き、福井県の北陸自動車で1600台が2日間動けなくなったことが大きなニュースとなった。日本気象協会「tenki.jp」公式サイトによると、あす25日夜からJPCZが山陰地方にかかり、26日は雪や風が強まり大荒れの天気。27日朝にかけて中国地方の日本海側や山地沿いを中心に大雪となる見込みとの予報だ。

北陸地方も予報で26、27日は雪マークがついている。大雪となるのかどうか。いよいよ本格的な冬の季節がやって来る。

⇒24日(水)夜・金沢の天気    あめ

☆政権肝いりでガソリン値下げ、卵価は高値続くも次なる一手は  

☆政権肝いりでガソリン値下げ、卵価は高値続くも次なる一手は  

近所のガソリンスタンドの前を通ると、「会員価格151円」の表示が出ていた=写真・上=。会員ではないが、安くなっているので給油した。非会員の単価は1㍑156円だ。同じスタンドで11月27日に給油したときは161円、10月24日は173円だったので、この数ヵ月で随分と価格が下がった。金沢市内でガソリンの小売価格が150円だったのは2021年と記憶しているので、4年ぶりではないだろうか。

先日からのメディア各社の報道によると、政府は物価高対策として、ガソリン税の暫定税率25.1円を12月31日に廃止して補助金支給を終え、年明けの2026年1月1日には、減税対応に移行するとのこと。これを受けて、金沢市内でも1㍑当たりの販売を140円台を表示するスタンドも現れたようだ。高市政権の肝煎りのガソリン値下げ政策ではある。果たしてガソリンの値下がりは年明けも続くのか。ガソリンスタンド業界への影響はないのだろうか。EVやハイブリッド車の普及でガソリン需要そのものが減少しているだけに業界は今後どのような動きを見せるのか。

一方、鶏卵は高値止まりが続いている。「物価の優等生」と称され、長らく価格が安定していた。スーパーでは10個入りパックが200円前後で売られていて、特売日では160円だった。それが、2022年12月ごろから1パック「269円」、今では「店長おすすめ品」ではあるものの、1パック299円(税込み323円)だ=写真・下=。

鶏卵の高値の理由は理解できなくもない。ニワトリの飼料の多くを海外からの輸入に頼っていて、円安やロシアによるウクライナ侵攻の影響などで輸入飼料の価格が高騰、さらに国内での鳥インフルエンザの影響が価格高騰をまねているとメディアが繰り返し報じている。

その鶏卵の価格高騰で新しく出てきた言葉が「冷凍液卵」。卵の殻を取り除いた「液卵」を冷凍することで保存期間を1年半程度延ばすことができる。夏に鶏卵の需要が減るのでこの時期に業界では液卵を製造し、冬場の需要期に売り出している。この冷凍液卵の生産を増やすことで秋から冬の卵の価格が安定するとの見方から、農水省では今年度の補正予算案に4億5000万円を盛り込み、業者が冷凍液卵の保管施設を新設する際に補助金を出すことにしている。

確かに冬場はケーキなどの洋菓子需要が高くなり鶏卵も高騰するが、それを鶏卵の需要が下がる夏場でつくった冷凍液卵で補うことで卵価を抑える。果たして話はうまく運ぶのか。

⇒18日(木)夜・金沢の天気    くもり

★ブリ起こしの雷の季節 能登高級ブランド「煌」初競り400万円

★ブリ起こしの雷の季節 能登高級ブランド「煌」初競り400万円

発達した積乱雲が近づいているとして、気象庁はきょう午後0時42分に、石川県能登地方に「竜巻注意情報」を発表した。積乱雲が近づくと雷や急な風の変化、それに雹(ひょう)が降るなど荒れ模様となる。ただ、雷は「待ってました」と言わんばかりの季節の訪れでもある。「ブリ起こしの雷」。石川や富山など北陸ではこの時期、雷が鳴ると「寒ブリ」が揚がるとの言い伝えがある。ブリの季節の訪れだ。

きのう1日朝、能登半島の七尾港や能登町宇出津港に、定置網に入った寒ブリ552本が水揚げされた。その中でも重さ14㌔以上で、カタチの良さなどから選ばれた高級ブランド「煌(きらめき)」の初競りが金沢市の石川県漁協かなざわ総合市場であり、重さ14.5㌔、長さ92㌢のブリに400万円の値が付いた(2日付・地元メディア各社の報道)。「煌」の認定制度は県漁協が2022年から始め、七尾市に本社がある食品スーパーが4年連続で初競りモノを競り落としている。

その400万円で落札された天然能登寒ブリが食品スーパーできょうまで展示されているというので、さっそく見学に行ってきた。発砲スチロールの箱に横たわる14.5㌔のブリはさすがに貫禄がある=写真=。寒ブリは眼のふちが黒いのが特徴だが、じっと睨まれているようにも感じ、恐れ多い。この寒ブリは能登町の鵜川漁港で水揚げされたもので、この日、規格基準の厳しい「煌」ブランドに認定されたのはこの一本のみ。

重さ14㌔以上のブリはほかにも数本あったものの、胴回りが十分なサイズではなかったため、認定されなかった。ちなみに、「煌」になり損ねた寒ブリは15万円から50万円で落札されたようだ(2日付・地元メディア各社の報道)。

食品スーパーの店員に「(煌を)いつさばくのか」と尋ねると、きょうの夕方にさばき、あす3日に寿司として限定販売するとのことだった。ところで、能登で寒ブリの話でよく誤解されるのは、雷鳴に驚いて、ブリが能登や富山湾に逃げ込んで来るという説。むしろ、時化(しけ)で日本海も荒れるので、イワシといった魚が沿岸に寄って来る。それをブリが追いかけてきて、定置網にかかるというのが定説のようだ。たかがブリ、されどブリ。冬の訪れとともにブリの話は尽きない。

⇒2日(火)午後・金沢の天気 くもり時々あめ

★参院選で若い世代の投票率アップ 共感呼ぶSNSが決め手

★参院選で若い世代の投票率アップ 共感呼ぶSNSが決め手

けさスマホのメールをチェックすると、「警察庁」から「重要なお知らせ」が届いていた。「組織犯罪対策部」からの連絡で、「あなたはマネーロンダリングの疑いがあります。保釈金として180万円を下記の口座にお振り込みください・・・」と。真夜中に到着したメールだ。こうしたメールは開かないことにしてるが、眺めているうちに段々と腹が立ってきた。おそらく日本語を知らない人物の仕業だろうと想像がつく。「疑い」で「保釈金」を払うことの意味が通らない。まさに架空料金請求詐欺だ。警察庁をかたっての詐欺行為を警察はなぜ真っ先に取り締まらないのか。ほかにも、「NTTドコモ」から「請求書支払いについての詳細」などが届いていた。最近この手の迷惑メールが多すぎる。

話は変わる。この数値は、日本の選挙行動の常識を根底から変えるシグナルではないだろうか。総務省がまとめたことし7月20日投開票の参院選の年齢別投票率(抽出調査)によると、2022年7月の前回選や2024年10月の衆院選と比べて19~39歳の若い世代の投票率が大幅に上昇したことが分かった(今月5日付・メディア各社の報道)。今回の参院選全体の投票率は58%で、前回選の52%を6ポイント上昇したものの、上昇幅が最も大きかったのは20歳代後半の52%で、これは前回選の37%や衆院選の38%から14ポイント前後増加した。さらに、30歳代前半は56%で前回選から12ポイント、30歳代後半は57%で同じく11ポイント上昇した。

これまでよく言われていた投票率は「年齢≒投票率」で、60代は60%、30代は30%という直線的な相関の数値だった。ところが直近の参院選で20〜30代の投票率が大幅に上昇した。この背景は何なのか。大きな要因として、SNSを基盤とした情報流通の断層化があるかもしれない。若い世代はテレビや新聞などの選挙報道よりも、共感できる発信者とプラットフォームを媒介に投票行動を決める傾向がある。つまり、政策の中身だけでなく、どの媒体で誰が何を語るかが決定的に重要になるのだろう。

とは言え、SNSの潮目は速いので、同じプラットフォームが次回以降も持続するかどうかは不確実だ。一つ言えることは、これまでの「高齢者向け施策を優先すれば選挙に勝てる」という政界の暗黙の前提が崩れつつあるということだ。政治家に求められるのは若い世代に刺さる政策、そして選挙ではプラットフォームごとに適合させたコミュニケーションの仕方が勝敗を分けるのかもしれない。※経営戦略のコンサルタントで知られる大前研一氏のメールマガジン(11月14日付)の記事を一部引用

⇒14日(金)夜・金沢の天気   くもり

★きょう立冬 季節の味ズワイガニ、初競り450万円、かに面おでん

★きょう立冬 季節の味ズワイガニ、初競り450万円、かに面おでん

季節は移ろい、きょうは二十四節季の「立冬」。カニの季節が訪れ、食卓に上る頃でもある。きのうズワイガニ漁が解禁となり、きょう金沢市民の台所でもある近江町市場に並んでいる。店頭ではオスの「加能(かのう)ガニ」やメスの「香箱(こうばこ)ガニ」がずらりと=写真・上=。「加能」は加賀と能登の意味。山陰地方の「松葉ガニ」、福井県の「越前ガニ」の向こうを張った名称ではある。「香箱」は小さな箱の意味で小さな甲羅のこと。

市場で市民が求めていたのは甲箱ガニ。小さいので食べやすい。ゆで上がったもので1匹1200円から2200円。甲羅の中の内子(未成熟卵)と外子(成熟卵)、カニ味噌はまさに季節の味わい。市民が香箱ガニを求めるもう一つの理由。それは食する期間が加能ガニに比べ短いから。ズワイガニの漁期は3月20日までだが、その中で香箱ガニの漁期は資源保護政策で12月29日まで。食する期間が短いのではやく食べておこうという気持ちにかられる。

市場で買い求めたのは、ちょっと贅沢な「かに面」。香箱ガニの身と内子、外子などを一度甲羅から外して詰め直したもの。手ごろなもので1個1500円から1800円。金沢のおでん屋に行くと、おでんのだし汁で味付けされたものが出される=写真・下=。かつて、かに面おでんは庶民の季節の味だったが、いまは1個3000円はする高級品のものもある。急騰したのは2015年3月の北陸新幹線の金沢開業がきっかけだった。金沢おでんが観光客の評判を呼び、季節メニューのかに面が人気の的となり、おでんの店には行列ができるようになった。いまの言葉で言えば、「オーバーツーリズム」かもしれない。

ところで、毎年ズワイガニ漁の解禁で初競りが地元メディアのニュースになる。各漁船が選んだカニの最高価格を競う「蟹-1(かにわん)グランプリ」。ことしは重さ1.76㌔、甲羅幅16.1㌢の加能ガニが最高級ブランド「輝(かがやき)」に選ばれ、450万円で競り落とされた。水揚げしたのは能登の珠洲市の漁船。競り落としたのは、きょう7日に開業する金沢の旅館だった。香箱ガニの最高級ブランド「輝姫(かがやきひめ)」は甲羅幅9.5㌢以上のものが対象となるが、それに資するものはなかったようだ。ようやく訪れたズワイガニの季節。例年のことだが、しばらくは家族や友人たちとの会話はカニの話題で盛り上がりそうだ。

⇒7日(金)夜・金沢の天気   はれ

☆能登半島の尖端が動き出す 風車と珠洲焼、炭焼き窯

☆能登半島の尖端が動き出す 風車と珠洲焼、炭焼き窯

先日(今月12日)に能登半島の尖端の珠洲市に行くと、山の尾根の風車が回っていた=写真・上=。同市にある30基の風力発電は長さ30㍍クラスのブレイド(羽根)で、日本海から風で悠然と回る光景は自然のエネルギーを感じさせ、ある意味で地域のシンボルでもある。それが、去年元日の最大震度7の能登半島地震ですべて停止した状態となった。メンテナンスを施せば再稼働するものの、山道などが崩れてアクセスがままならない状態が続いていた。それがようやく回り始めたようだ。

震災後、地域も動き出している。伝統的な焼き物でもある珠洲焼もその一つ。毎年秋に作品を一堂に集めた珠洲焼祭りを開いてきたが、能登地震で窯が全て壊れるなど壊滅的な被害を受けた。このため、去年は開催ができなかった。現在も18ある窯元のうち6つしか復旧していないものの、珠洲焼の陶工たちでつくる「珠洲焼創炎会」が共同で使用する窯を修復することで創作活動の再開にこぎつけた。そして、今月11日と12日、2年ぶりに珠洲焼祭りの開催が実現した。

会場となった珠洲市多目的ホール「ラポルトすず」前の広場では、17人の作家が手がけた数々の器や花入れなどが並んでいた=写真・中=。珠洲焼は黒に近い灰色が特徴の焼き物で、平安時代から室町時代に生産された後に途絶えたが、1976年に復活したことで知られる。今回も珠洲焼の復活祭と言える。会場は珠洲焼を求める人々でにぎわっていた。

珠洲焼祭りを見学した後、今度は炭焼き窯を見学に行った。山の中で製炭業を営む大野長一郎氏を訪ねた。茶道用の炭である「菊炭」を生産する石川県内では唯一の業者でもある。今回の能登半島地震で稼働していた4つの炭焼き窯が全壊した。2022年6月19日の震度6弱の揺れで窯の一部が大きくひび割れ、2023年5月5日の震度6強でも窯の一部が崩れた。震災のたびに支援者の力添えを得ながら修復していたが、本人は限界を感じていた。ことし5月に訪れたときには、「土で造る窯はもう無理。地震に強い鉄窯でやってみる」と語っていた。その後、クラウドファンディングを利用し、金属製窯の導入した=写真・下=。

鉄窯には先月17日に初めて火を入れた。気密性が高く、1回当たりの生産量は土窯より落ちるが、従来の半分の時間で焼き上がるため、1ヵ月の生産量は同じという。茶道用の菊炭もこれから手掛けるという。大野氏は「まだ満足のいく炭には仕上がっていないけど、これから完成度を高めていく」と意欲的だった。

珠洲市を含む能登は、少子高齢化と地震多発の日本の縮図でもある。珠洲焼祭りや大野氏の炭焼き窯を見学して、災害復興のモデル地区として再生して欲しい、そんなことを思いながら帰路に就いた。

⇒14日(火)夜・金沢の天気  あめ

☆金の価格高騰1㌘2万円超え 金を楽しむ金沢という街

☆金の価格高騰1㌘2万円超え 金を楽しむ金沢という街

国内の金の価格が初めて1㌘2万円を超えたとメディア各社が報じている。FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の利下げで金利が付かない金の魅力が相対的に高まるとの思惑から国際的な金相場が高値で推移しているという背景があるようだ。2023年9月に1㌘1万円を超えたときなど、何度かこのブログで金と金沢の関係性について述べた。以下、「☆高騰する金の価格 金を楽しむ金沢という街」(2023年9月4日付)などをベースに再録。

金、ゴールドの価値は世界共通のものだ。そして、金属であり、伸びる特性がある。それを極限まで薄く伸ばしたのが「金箔」である。 「金沢は金箔で持つ」と言われ、金沢は金箔の全国シェア98%を誇る。400年以上の伝統があるとされる縁付(えんづけ)金箔の製法はユネスコの無形文化遺産に登録されている(2020年12月)。そして、金沢では金は日常遣いでもある。金は体によいとされ、金箔を入れた日本酒、化粧品、金箔をまいたソフトクリーム、うどんもある。かつて、金沢の子どもたちが頭にたんこぶをつくると、金箔が熱の吸収によいことから膨らんだ部分にはっていた。(※写真は、金沢金箔伝統技術保存会ホームページより)

最近では「金継ぎ」が国内外で知られるようになった。東京パラリンピックの閉会式(国立競技場・2021年9月5日)でアンドリュー・パーソンズ会長が発した言葉だった。日本の金継ぎの技術について、「不完全さを受け入れ、隠すのではなく、大切にしようという発想であり素晴らしい」と述べて、金継ぎという言葉が世界でもトレンドになった。さらに、金継ぎは一度は壊れてしまった製品を修復するだけでなく、金箔を使うことでアートを施し、芸術的価値を高める。

金の価格は高騰し続けてきた。外国為替市場で円安・ドル高が進行し、円建ての国内金価格が上昇。世界景気の減速懸念から「安全資産」とされる金が選好されていることも後押ししている。こうなると金箔生産が盛んな金沢では、業者は材料入手が難しくなるのではと思ったりもする。ところが、そうではないようだ。知人からかつて聞いた話。「金箔製造業者は潰れない(倒産しない)」と。なぜなら、インゴット(地金)の価格が安いときに大量に仕入れ、高くなれば売って経営を安定させる。「良質な金を見極める目利きであり、金箔業者は金のトレーダーだよ」と知人は妙にほめていたことを覚えている。

金の価格高騰もさることながら、その金をどのように生活で使い、楽しみ、そして新たな価値を創造するか。金沢という街はそのショーウィンドーかもしれない。

⇒30日(火)午前・金沢の天気   はれ

★自民総裁選に期する論戦~対アメリカ外交、人口減対策、教育改革~

★自民総裁選に期する論戦~対アメリカ外交、人口減対策、教育改革~

まるで人気投票のような雰囲気の選挙だ。日本の政治の舵取りはこれでいいのだろうかとマスメディアの報道などを視聴していてつい思ってしまう。自民党の総裁選挙はきょう22日に告示され、投開票は10月4日となる。そして、今回の総裁選で出てきた「フルスペック」という言葉もなんだか分かりにくい。

フルスペック方式の総裁選はいわゆる「国の会議員票」(現在295票)と全国の党員などによる「党員票」(295票)の合わせて590票で争われる。党員票は全国で100万人余りに及ぶ党員・党友が投票を行い、ドント方式で票換算する。この方式は、選挙で各候補者の得票数を1、2、3……と整数で割っていき、商が大きい順に295票を配分する。問題はここから。過半数を得た候補者が総裁に就くが、過半数を得られなかった場合は上位2候補者で決戦投票を行う。この場合は国会議員票の295票と都道府県連票の47票の計342票の過半数を得た候補者が総裁となる。この方式は自民党の「総裁公選規程」で定められている(9月7日付・NHKニュースWeb版、選挙ドットコムなど参考)。

去年9月の総裁選では投票権を持つ党員・党友は全国で105万人余りで、投票率は66.16%だった。ちなみに、総裁選の規定では、投票権を持つ党員・党友は去年までの2年間、党費などを納めた者と決められているそうだ。今回の告示後の日程は、あす23日午前に共同記者会見、午後は公開討論会、30日には政策討論会がいずれも党本部で開催される(9月18日付・NHKニュースWeb版)。

冒頭の話に戻る。今回の総裁選では人柄ではなく、直面する日本の課題を論点にしてほしい。一つは、対アメリカに対する現実的な外交だろう。トランプ政権の下でいつまで「追随外交」が続くのか。日米安保条約を修正して日本独自の選択肢を持つ必要があるのではないか。そして、年間90万人が減少する日本の国力は確実にやせ細っていく。将来を見据えた移民政策を打ち出すのか、出さないのか。国の方針をはっきり定めるときが来たのではないか。そして、世界はAIとITのトレンドのただ中にある。現行の教育や学習体系をどう変革させていくのか。

総裁選ではこうした直球の議論を戦わせてほしいものだ。自身は党員・党友でもないが・・・。(※絵画は、ヴァチカン美術館のラファエロ作『アテネの学堂』。上のプラトンとアリストテレスは論争を繰り広げているが、下のヘラクレイトス=左=とディオゲネス=右=は我関せずの素振り)

⇒22日(月)午後・金沢の天気   はれ

★店頭に「能登ひかり」 震災・豪雨にめげず耕し続ける農家の想い

★店頭に「能登ひかり」 震災・豪雨にめげず耕し続ける農家の想い

金沢のスーパーのコメ売り場には新米がずらりと並んでいる。石川県産のコシヒカリ「一粒のきらめき」は5㌔税込み5379円だ。去年、新米を買ったときは同2312円だったので、今では倍以上の値段になっている。そこで、少しだけ割安な「能登ひかり」を買うことにした。それでも5㌔税込み5163円だ=写真=。

能登ひかりは能登地域の標高が50㍍以上ある山あいで生産され、「能登はやさしや土までも」と唄われる能登の大地と気候風土で育ったブランド米でもある。早生品種で、8月下旬から9月中旬に収穫される。もともとコシヒカリの系統の能登ひかりは、米粒が大きく、粒の腹が白いのが特徴とされる。味はコシヒカリと似ていて、噛むほどに旨味が広がる。

能登ひかりにはちょっとしたドラマがある。一昔前まで能登の気候に合う品種ということで生産されていたが、モチモチ感のあるコシヒカリに押されて生産する農家は少なくなっていた。それを見直したのが、京都や大阪といった関西の寿司屋だった。「ベタベタとした粘りがない分、握りやすく、食べたときにも口中でパラッとバラけるので、寿司によいのだという」(講談社新書『日本一おいしい米の秘密』)。さらに、このバラける食感がスープ料理にも合うということで、金沢市内のレストランなでども使われるようになった。

奥能登では去年元日の能登半島地震で被災した農地が徐々に回復しているものの、同年9月の奥能登豪雨の被害を受けた水田も多い。ことしの作付面積は昨年同様に、震災前の6割程度にとどまっていることろが多いようだ。それだけに、能登ひかりのコメ一粒一粒に農家の想いが込められているに違いない。まさに「能登はやさしやコメまでも」だ。

⇒12日(金)夕・金沢の天気  あめ