☆最期の物語を演出
それにしても見事、あるいは完璧だった。今月17日8時30分の死去から19日正午の発表まで、51時間余り及ぶ情報統制である。北朝鮮の金正日総書記の死亡は完璧に伏されていた。逆に言えば、情報社会とは無縁、スパイすら入れない密閉体制なのである。
一方で、発表までに51時間余りという時間を費やす必要があったのかどうか。考察するヒントとなるニュースがいくつかあった。韓国中央日報インターネット版(日本語)によると、韓国の国家情報院の元世勲院長が20日、「北朝鮮が金正日総書記死去の時間と発表した17日午前8時30分に金総書記の専用列車は平壌竜城駅に停車中だった」と報告したと複数の与野党情報委員が伝えた。さらに引用すると、元院長は「金総書記は15日に現地指導をはじめ色々な行事があり、列車の動線を確認したが16~17日の2日間は動かなかったものと把握している」と説明した。金総書記が「走る野戦列車の中で重症急性心筋梗塞により死去した」という北朝鮮当局の公式発表とは違い、「待機中の列車」あるいは「第3の場所」で死去したということだ。ただし元院長は、「金総書記がどこかに行こうと列車に乗ってすぐに死去した可能性はある」と付け加えたという。
日本の新聞各紙が伝えている、北朝鮮の朝鮮中央通信が19日報じた18日付の「金正日同志の疾病と死去原因に対する医学的結論書」の全文は以下の通り。「金正日総書記は心臓および脳血管疾病により長期間治療を受けてきた。強盛大国建設のため超強行軍で重なった精神、肉体的過労で、17日に走行中の野戦列車内で重症急性心筋梗塞が発生し、深刻な心臓性ショックが合併した。発症からすぐに全ての救急治療対策を講じたが、17日午前8時半(日本時間同)に逝去した。18日に行われた病理解剖検査では、疾病の診断が完全に確定された。」
これらのニュースを突き合わせると、北朝鮮サイドは「金総書記は走行中の列車の中で心筋梗塞」と発表しているが、韓国側では「列車は16日、17日とも動いていない」と認識している。つまり走行中の列車の中での容態悪化ではなかった、と。その死から発表まで51時間余の時間がかかったというのも、ひょっとして「強盛大国建設のため超強行軍で重なった精神、肉体的過労で、17日に走行中の野戦列車内で重症急性心筋梗塞が発生」という「偉大な指導者の最期の物語」を描くストーリー構成に時間がかかったということか。とすれば、これまもまたある意味で見事な演出国家ではある。※連日、北朝鮮の関連ニュースを伝える日本の新聞各紙
⇒23日(祝)朝・金沢の天気 くもり
そうした能登のリアス式海岸を悪用したのが、北朝鮮による拉致事件だった。1977年9月19日、東京都三鷹市役所で警備員をしていた久米裕さん(当時52歳)は、能登の宇出津海岸から北朝鮮に拉致されてた。久米さんを能登に連れていった在日朝鮮人が、入り江にいた北朝鮮の工作員に引き渡したとされる。複雑に入り組んだリアス式海岸は工作員の絶好の隠れ場所となっていたのだ。
生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)での最大の成果は、名古屋議定書とともに、条約の今後10年間の活動の方向性を示す愛知ターゲットを採択したことだといわれる。名古屋議定書は、正式には「ABS(遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分)に関する名古屋議定書」との名称。以下が骨子となる。▽資源を利用する場合は、事前に原産国の許可を得る、▽資源を利用する側は、原産国側と利益配分について個別契約を結ぶ、▽資源に改良を加えた製品(派生品)の一部は利益配分の対象に含めることができる。対象に含めるかどうかは契約時に個別に判断、▽不正に持ち出された資源ではないかをチェックする機関を各国が一つ以上設ける。
式典は30ヵ国から政府関係者が集まりにぎやかだった。でも、なぜ金沢で開催するのか、と疑問符がつく。歓迎レセプションで谷本正憲石川県知事と、武内和彦国連大学副学長(東京大学教授)がその理由を明かした。キックオフイベントは環境省と国連大学などが中心となって5月に東京で開催する方向で準備が進んでいた。ところが3月11日に東日本大震災、そして福島の原発事故などがあり、中止となった。「愛知ターゲット」を何とかスタートさせたいと思いを募らせた関係者に浮かんだアイデアが、昨年12月「国際生物多様性年クロージングイベント」を開催した金沢市でキックオフイベントができないか、だった。会場はどこでもよいという訳にはいかない。生物多様性という意味合いが地域で理解され、これに協力的で、国際会議の開催経験があり、しかもそれなりの開催費も負担する自治体となると絞られてくる。知事はどうやら武内氏らに懇願され最終的に引き受けたらしい。
ただ、この挨拶も度が過ぎるというのもある。ちょうど6年前の2005年12月17日、いきなり金沢市内で50㌢という積雪に見舞われた。こうなると挨拶どころか、ケンカを売っているようにも思える。「人間ども見ておれ、自然をなめるなよ」といった感じだ。すると、人々は「ちょっと待ってくださいよ。二酸化炭素の排出などで地球は温暖化に向かっているのではないですか。それなのになぜ大雪なのですか」と思ってしまう。すると自然の声もさらに荒々しくなる。「地球温暖化は人間が引き起こしていると思っているようだが、オレに言わせれば、地球の寒冷期がたまたま温暖期に入ったわけで、これはオレが差配している自然のサイクルだ。今後雪を降らせないとか少なくするとかは一体誰が決めたんだ、それは人間の勝手解釈だろう。オレは降らせるときはガツンと降らす。2008年1月にはバクダットにも雪をプレゼントしてやったよ」と。北陸という土地柄では、冬空を見上げながら自然と対話ができる。1936年に世界で初めて人工雪を作ることに成功し、雪の結晶の研究で知られる中谷宇吉郎(1900-62、石川県加賀市出身)は「雪は天から送られた手紙である」という言葉を遺している。
九谷焼の若手の絵付職人、造形作家、問屋、北陸先端大学の研究者らが集まり、現代人のニーズやライフスタイルに合った九谷焼をつくろうと創作した作品が並ぶ。九谷焼といえば皿や花器などをイメージするが、置物、それも昆虫のオブジェだ。
世界遺産の合掌集落で知られる白川村。1300年続くとされる祭りは、秋の豊作を喜び、五穀豊穣を祈る祭り。酒造メーカーではなく、神社の酒蔵で造られるのがどぶろくだ。冬場に蒸した酒米に麹(こうじ)、水を混ぜ、春に熟成するのを待つ。ろ過はしないため白く濁るため「濁り酒」とも呼ばれる。その年の気温によって味やアルコール度数に違いが生じる。暖冬だとアルコール度数が落ち、酸っぱさが増す。村内にはどぶろくを造る神社が鳩谷を含め3ヵ所あり、祭りは出来、不出来の品評会にもなる。だからつい飲み過ぎて、腰が立たなく人が多ければ多いほど、どぶろくを造る杜氏(とうじ)はほくそ笑むらしい。「杜氏みょうりに尽きる」と。どぶろく一升(1.8㍑)飲めば、間違いなく三日酔いだとか。そんな話をしてくれたのは、腰かけた境内の石段の隣に座った村の年配男性だった。
ギリシャ国債のデフォルト(債務不履行)が不可避の状況となってきたようだ。1年物国債の利回りは一時117%と急上昇した。つまり、1年で元本が倍になる金利を付けても購入されないということなのだ。同じユーロ圏の支援国のドイツとフランスは、ギリシャ救済に自国の税金が使われることに対する世論の反発が強いことを恐れ、思い切った打開策を打てないでいる。もちろん、ギリシアがデフォルトに陥れば、ギリシャの国債を有するヨーロッパの金融機関は巨額の損失が発生し、金融危機へと連鎖するだろう。そうなれば、同じく膨大な債務を抱えるイタリアやスペインの国債破綻へとドミノ倒しとなる。ちょうど3年前の9月に起きたアメリカ発のリーマン・ショックの欧州版となる。
「地域再生人材大学サミットin能登j。畠山氏をお招きしたステージだ。地域再生のための人材養成に関わる全国の大学関係者らが集った全国会議のシンポジウム。シンポジウムは一般公開としたので、市民も聴講に訪れ、定員1200人のホール(輪島市文化会館)はいっぱいとなった。講演は40分、気仙沼の漁師としての思い、森は海の恋人の提唱者としてのこれからを語ってもらった。
勝彦教授(当時)によって、植物プランクトンや海藻の生育に欠かせないフルボ酸鉄(腐葉土にある鉄イオンがフルボ酸と結合した物質)が大川を通じて湾内に注ぎ込まれていることを解明された。漁師の運動に科学的な論拠を与えてもらった。このおかげで、大川上流のダム建設計画も中止となった。植樹活動には子供たちを参加させている。かつて植樹に参加した子供たちの中には、いま生態学者を志す者もいる。森と川と海をつなげる森は海の恋人運動は、漁師の利害ではなく、未来の地球の環境を守るための「人々の心に木を植える」教育活動だと考えている。
昨日のTBS系のニュース番組で紹介されていた。アメリカ・メリーランド州のコンビニエンスストアの防犯カメラがとらえた映像。店に突然、男女数十が入ってきて、次々に商品をつかむと、そのまま金も払わず店の外へと消えていく。集団が襲ったのは午前2時前、店員は1人で対抗措置を取ることができなかった。治安が悪い地区で起きているわけではない。静かなふつうの都市で起きている犯罪なのだ。