★イフガオへ-中
25日午前、イフガオ州立大学でプロジェクトを推進する現地の組織「イフガオGIAHS持続発展協議会(IGDC=Ifugao GIAHS Sustainable Development Committee)が設立され、受講生20人を迎えての開講式とワークショプが開催された。目を引いたのが、「イフガオ・ダンス」。男女の男女円を描き、男は前かがみの姿勢でステップを踏み、女は腕を羽根のように伸ばし小刻みに進む。まるで、鳥の「求愛ダンス」のようなイメージの民族舞踊だ。赤と青をベースとした民族衣装がなんとも、その踊りの雰囲気にマッチしている。
伝統の上に21世紀の農業をどう創り上げていくか
イフガオGIAHS持続発展協議会の設立総会には、プロジェクト代表の中村浩二金沢大学特任教授、イフオガ州のアティ・デニス・ハバウェル知事、イフガオ州立大学のセラフィン・L・ゴハヨン学長、フィリピン大学オープン・ユニバーシティーのメリンダ・ルマンタ副学長、バナウエ町のホン・ジェリー・ダリボグ町長らが出席した。持続発展協議会の設立目的は、能登半島と同様に、大学と行政が同じテーブルに就き、地域の人づくりについて手を尽くすということだ。中村教授は「希望あふれるGIAHSの仲間として、持続可能な地域づくりをともに学んで行きましょう」と挨拶。また、協議会の会長に就任したハバウェル知事は「金沢大学の人材養成の取り組みは先進的で、国連大学などからも高く評価されている。イフガオだけでなく、フィリピン全土でこのノウハウを共有したい」と述べた。
午後からは、イフガオ里山マイスター養成プログラムの開講式が、第1期生20人を迎えて執り行われた。受講生は、棚田が広がるバナウエ、ホンデュワン、マユヤオの3つの町の20代から40代の社会人。職業は、農業を中心に環境ボランティア、大学教員、家事手伝いなど。20人のうち、15人が女性となっている。応募者は59人で書類選考と面接で選ばれた。
受講した動機について何人かにインタビューした。ジェニファ・ランナオさん(38)=女性・農業=は、「最近は若い人たちだけでなく、中高年の人も棚田から離れていっています。そのため田んぼの水の分配も難しくなっています。どうしたら村のみんなが少しでも豊かになれるか学びたいと思って受講を希望しました」と話す。インフマン・レイノス・ジョシュスさん(24)=男性・環境ボランティア=は、「これから学ぶことをバナウエの棚田の保全に役立てたいと思います。そして、1年後に学んだことを周囲に広めたいと思います」と期待を込めた。ビッキー・マダギムさん(40)=女性・大学教員=は、「イフガオの伝統文化にとても興味があります。それは農業の歴史そのものでもあります。そして、イフガオに残るスキル(農業技術)を紹介していきたいと考えています」と意欲を見せた。
ユネスコの世界文化遺産でもあるこの棚田でも農業離れが進み、耕作放棄地が目立つ。若者の農業離れは、日本だけでなく、東アジア、さらにアメリカやヨーロッパでも起きていることだ。一方で、農業に目を向ける都会の若者たちもいる。パーマネント・アグリカルチャー(パーマカルチャー=持続型農業)を学びたいと農村へ移住してくる若者たち。ただ農業の伝統を守るだけではなく、伝統の上に21世紀の農業をどう創り上げていくか、その取り組みがイフガでも始まったのである。
⇒25日(火)夜・イフガオの天気 あめ
金沢大学が7年間、能登半島で培ってきた里山の人材養成(「能登里山里海マイスター」育成プログラム)のノウハウをイフガオ棚田(FAO世界農業遺産、ユネスコ世界文化遺産)の人材養成に活かすプロジェクトが、国際協力機構(JICA)草の根技術協力事業(地域経済活性化特別枠)として採択された。
きょうの朝(10日)起きて驚いた。一面の銀世界。さっそく自宅前の道路の「雪すかし」を行った。20数㌢の積雪だ。「雪すかし」は先のコラム(2月9日付)でも紹介したように、金沢の町内会の伝統的な暗黙のルールとも言える。一方で、朝の通学の児童たちのために道を確保するという、ちょっとした「思いやり」を持って除雪にあたっている人もいるかもしれない。
過日、電器店でスマホのカバーを買った。全体のカバー(透明)と液晶画面の保護シート(フイルム)のセットだった。その翌朝から異変が起きた。スマホの液晶表示の画面が、電話の通話が始まると真っ暗にブラックアウトしてしまうのだ。それでも、相手と通話しているときには特に不自由もなかったので放っておいた。電話が切れると、液晶表示画面が回復すしたからだ。焦ったのは、相手が留守電なり、録音して切りボタンを押そうにも、ボランがどこにあるかわからないことだ。焦った。「3分間」延々と電話につながったままになった。
来、20年ぶりとか。気象庁は東京に大雪警報を発表している。こんな中、午前7時から東京都知事選の投票が始まっている。
2014年元旦の金沢は雨ときどき曇りだった。家族で金沢神社に初詣に行き、帰りに東山の茶屋街に立ち寄った。街中は静かだったのに、ここは観光客でにぎわっていた=写真・上=。午前中だったが、店も一部は開店していた。店の前で芸子さんが姿を現すと、珍しげに観光客が集まった。「写真撮らせていただけませんか」とスマートフォンを構えている。芸子さんが「いいですよ」と微笑むと、ちゃっかりと「ツーショットと撮っていただけませんか」と横に並ぶおばさんもいた。
をかけてまで雪つり施す必要はない。理由がある。これらの松は、兼六園の名木たちの2世なのだ。兼六園といえども、強風や台風、大雪も、そして雷などの自然の脅威には常にさらされている。そして、いつかは枯れる。
冬の仙台市をライトで彩る「光のページェント」を初めて見た。14日夜、訪れた。定禅寺通の660メートルのケヤキ160本に、60万球の発光ダイオード(LED)が一斉に点灯して浮かび上がる。ことしのテーマは、「あたたかな光が創り出す『よろこびと感動のステージ!』」。今月6日に点灯し、31日まで。
人は光が消えると一瞬不安になる。そこで再点灯すると感動に包まれる。言葉を付け足すと、暗闇という緊張と不安を感じるところに行き、そこで光を見るとなんともいえない安心感を覚えるという人間の心理を巧みに生かした演出だ。これを大がかりに都市の復興の仕掛けにしたのが、阪神淡路大震災犠牲者の鎮魂の意を込めると共に、都市の復興への希望を託し、1995年に始まった神戸ルミナリエだろう。
なる、そのような可能性を見出している。
イフガオ州政府とバナウエ、ホンデュワン、マユヤオの3町の行政の代表が参加して、プロジェクトの説明会を開いた。質問として「15人の受講生を選ぶクライテリア(基準)」、「プロジェクトの出口として、何をもって成功するのか。それは経済効果などの指標か」、「受講生に対するアローアンス(手当)はあるのか」、「受講が修了時にはどのようなスキル(技能)」、「3年のプロジェクト終了後の見通し」など。要望として、「15人の受講生は3町それぞれ5人ずつにしてほしい」との声が上がった。
いなくなる。継続性をもって実施してほしい」、「コミュニティーに溶け込んだ人をトレーニングしないと成果が還元されない」、「受講した若者はコースを修了することが経済的な利益につながるのか」、「小さな耕運機でよいので棚田に機械が導入したい」など。住民説明会で飛び交う言語はタガログ語ではなく英語だった。
促進に基づき前向きに取り組んでいると述べた。ポルツガル氏は、GIAHSでは農業における生物多様性や景観の維持、伝統文化の継承などが柱となっているので、ぜひ金沢大学とフィリピン大学、イフガオ州立大学が協力してイフガオの若者たちの人材育成に取り組んでほしい、と期待を込めた。
