★千載一遇のチャンス
回復したと伝えていた。アメリカの政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス(RCP)」も7日時点の全米世論調査の平均支持率で、クリントン氏44.8%、トランプ氏42.1%だった。ではなぜ、予想はひっくり返されたのか。
面白いことに、アメリカのメディアは、その理由を「隠れトランプ票」があったためと伝えている。問題発言を繰り返すトランプ氏への支持を公言しにくいことや、メディアへの不信感から、世論調査に回答しない人たちの存在がこの「番狂わせ」「予想外」を招いたというのだ。言い訳としか聞こえない理由だが、世論調査の結果をひっくり返すほど、「隠れトランプ票」が多かったことは間違いない。
前回のブログ「トランプ現象と白人層の閉塞感」で、「ポリティカル・コレクトネス(political correctness)」について述べた。もともとは政治的、社会的に公正・公平・中立的という概念だが、広意義に職業、性別、文化、宗教、人種、民族、障がい、年齢、婚姻をなどさまざまな言葉の表現から差別をなくすこととしてアメリカでは認識されている。しかし、ポリティカル・コレクトネスは、本音が言えない、言葉の閉塞感として白人層を中心に受け止められている。心の根っこのところでそう思っていても、表だってはそうのように言わない人たちでもある。「隠れトランプ票」とはこうした人たちを指すのではないか。
それにしても、9日の東京株式市場で、日経平均の下げ幅は一時1000円を超えた。開票作業が続く中で、トランプ氏優勢の報道を伝えられ、投資家にリスクを避けたいとの思いが強まったようだ。終値は前日より919円安い1万6251円だった。さらに、トランプ氏が勝利を決めたことで、日本とアメリカなど12ヵ国が参加するTPP(環太平洋経済連携協定)の発効に暗雲が立ち込めてきた。トランプ氏はTPPについて「大統領の就任初日に離脱する」と反対を表明しているからだ。白人の労働者層の支持を集めるための、プロバガンダだったが、クリントン氏もTPPには反対を表明していたので、ここは有言実行だろう。
ほかにも、日本とアメリカの安保体制も懸念される。在日米軍の費用負担の全額を日本に負担させるとのトランプ氏の発言である。ある意味、これは「戦後レジーム」を見直す千載一遇のチャンスかもしれない。戦後70年余り経った現在でも「アメリカの核の傘の下」で、外交や防衛問題などアメリカにお伺いをたてているのが現状だ。過日、国連での核兵器禁止条約の制定交渉をめぐる決議案で日本が反対に回ったのは、その最たる事例だろう。この際、対米関係を見直すときが巡って来たと前向きに考えればよいのではないだろうか。もちろん、よきパートナーを目指して、である。
⇒9日(水)夜・金沢の天気 はれ
広範囲に噴石が飛び散っているという。熊本市内でも灰は降っているのだろうか、そんなことを思いながら熊本に向かった。
半壊した。実際に行ってみると街のあちこちにブルーシートで覆われた家屋や、傾いたままの家屋、解体中の建物があちこちにあった。印象として復旧半ばなのだ。
にもかかわらず「熊本城坪井川園遊会 秋の宴」というイベントの真っ最中で大勢の人が集まっていた。女の子たちが扮する花魁(おいらん)道中やフラダンスのイベントもあり、華やかな雰囲気だ。そんな中、ちょっと気が引けたが、ボランティアの女性に「被災した熊本城でかろうじて残った縦一列の石垣で支えらた城はどこから見えますか」と尋ねた。すると、「湧々座(わくわくざ)の2階からだったら見えますよ」と丁寧にも施設に案内までしてくれた。石垣が崩れるなど恐れからいまも城の大部分は立ち入り禁止区域になっている。
う。熊本城の周囲をぐるりと一周したが、飯田丸五階櫓だけでなく、あちこちの石垣が崩れ、櫓がいまにも崩れそうになっている。
して760年余り、古都鎌倉のシンボル的な仏教美術、国宝でもある。パンフなどによると、完成当時は全身に金箔が施され、大仏殿に安置されていた。ところが、大仏殿は2度の台風で損壊し、露座の大仏になったとされる。地域の災害の歴史を刻んだ歴史があり、含蓄のあるお姿と察した。
鎌倉文学館を訪れた。夏目漱石や川端康成など鎌倉にゆかりのある文豪や文学者に関する原稿など資料を収集・展示している。万葉集や平家物語などの当地にまつわる古典作品も紹介している。
鶴岡八幡宮の入り口の旗上弁財天社前で観光ガイド氏が面白いことを説明してくれた。「鶴岡八幡宮の境内には白ハトがいます。白ハトは樹木の上にとまり、黒いドバトは地べたにいるのです」と。観察すると樹木に白ハトが数羽とまっていた。さらにガイド氏は「八幡宮の額の八の字は、神聖な神の使いとされる二羽の白ハトをかたどっています」と。確かに、本宮手前の楼門の額の「八幡宮」の八の字はハトをシンボリックに描いたものだった。参道沿いに鳩サブレーで有名な豊島屋の本社がある。そうか、鳩サブレーの原点は鶴岡八幡宮だったのかと合点がいった。
鎌倉で一番の古刹、杉本寺を訪ねた。鎌倉幕府が開かれる500年近くも前の平安初期の734年に創建された。仁王門を抜けるとコケむした石階があった。すり減った石段は長い年月をかけて多くの参拝者が訪れたことを物語っているかのようだ。本堂の屋根は茅葺(かやぶき)で風情がある。訪れたとき、毎月1日の護摩供(ごまく)が営まれていた。
と、駅舎が屋敷風の形状でその存在感を強調しているようにも思えた。
次に「鎌倉市雪ノ下」という地名に、鎌倉投信株式会社を訪ねた。昨年5月にNHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」にファンドマネージャーとした出演した新井和宏氏(同社資産運用部長)に会うためだ。実は昨年8月に金沢大学で講演会があり、その折、あいさつをさせていただいた。今回は2度目となる。金融というと、経済状況がよいときは盛んに投資を勧め、悪くなるとさっと逃げてしまうという印象がある。講演で初めて新井氏の話に耳を傾けて、「この人は逃げない」と思った。その人のオフィスをぜひ訪ねてみたかった。
邦大学で開催された東方経済フォーラム(Eastern Economic Forum)で繰り広げられた日本とロシアの首脳による外交だ。
聴くが、やはりコンサートホールの方が胸が高鳴る。11年前にサントリーホールで聴いて以来だったので、今回の金沢公演を楽しみにしていた。
こはかとなく高貴な香りがする。「お守りして差し上げたい」と本能がくすぐられる。ところが、同じユリの花で姿、カタチはよく似ていても、香りがしないのが高砂百合(タカサゴユリ)だ。わが家でも5、6輪咲き誇っている=写真=。
聴していた。3時間40分余りの長丁場、いつの間にかうとうと眠ってしまった。
