⇒トピック往来

★高校生たちが描くトキと能登の未来、そして自然栽培米クッキー

★高校生たちが描くトキと能登の未来、そして自然栽培米クッキー

前回のトキの話の続き。トキの放鳥を楽しみにしている高校生たちものいる。今月5日付のブログ「★能登半島の真ん中、JR能登部駅に夢のある『トキ舞う壁画』」でも紹介した、能登半島を走る列車のJR七尾線・能登部駅にあるトキやツルが舞う壁画を作成したのは石川県立鹿西高校の生徒たち。「能登の明るい未来」をテーマにJRの許可を得て創り、能登の伝統的な祭りのキリコと青柏祭の「でか山」の周りをトキやツルが飛ぶ姿が描かれている=写真・上=。

能登部駅は、5月31日にトキが放鳥される羽咋(はくい)市の邑知潟(おうちがた)の北側に位置し近場でもある。おそらく列車の窓からトキが空を舞う姿を眺めることできるようになる。生徒たちはそのイメージを伝統の祭りと重ね合わせ、「能登の明るい未来」として描いたようだ。想像を膨らませた生徒たちはかつてこの地域で棲息していたトキの話を祖父母から聴いていたのかもしれない。駅の近くに連なる眉丈山(びじょうざん)はかつてトキの繁殖地で、1961年の記録で5羽のトキが確認されている。半世紀以上も前のことだが、そのころのトキの思い出を祖父母から聴いて知り、さらに能登とトキの歴史を学んでイメージを膨らませたのだろう。夢のある壁画だと思った。

トキの姿をかたどったクッキーを、羽咋市にある県立羽松(うしょう)高校の教員の方からいただいた。同校は邑知潟南側の近場にある。この位置からすれば、校舎の窓からトキが飛ぶ姿を見ることができるだろう。羽松高の生徒たちが金沢市でクッキー教室を開いている講師の女性と協力してクッキーセットをつくった。クッキーは、羽ばたくトキなど4種類あり、そのデザインの一部を生徒たちが考案した。なるほどと思ったのはその商品名で、『おかえり ふるさトキ』=写真・下=。上述した眉丈山はかつてのトキの棲息地であり、そのふもとにある邑知潟や田んぼは餌場でもあった。トキがいよいよ古里に帰って来る、そんな熱い想いを盛り込んだ商品名ではないだろうか。

ちなみに商品のベースとなっている米粉は、地元で栽培されている無肥料・無農薬の自然栽培米だ。地元では「羽咋米」と呼ばれるブランド米でもある。日本の自然栽培の第一人者とされる、青森県弘前市のリンゴ農家の木村秋則氏の指導を受けて栽培している。木村氏は、「奇跡のリンゴ」のテーマでNHK番組『プロフェッショナル仕事の流儀』(2006年12月7日放送)で取り上げられ、農薬と肥料を一切使わない農法を全国に広めている。その木村氏の農法をコメづくりで活かしたのが羽咋米。邑知潟周辺に自然栽培の田んぼが広がる。

これはあくまでも憶測だが、環境省が邑知潟周辺でのトキの放鳥を決めたのも、自然栽培米が広がる地域であること、その栽培に地域農家の熱意を感じたからではないだろうか。もちろん、トキの餌となるカエルやドジョウ、メダカがこうした水田に豊富にいるということは言うまでもない。

⇒27日(金)午後・金沢の天気   くもり

☆能登でトキ20羽デビューへ 3日から佐渡で野生化トレーニング

☆能登でトキ20羽デビューへ 3日から佐渡で野生化トレーニング

ことし5月31日に本州で初めて国の特別天然記念物トキの放鳥が能登で行われるのを前に、佐渡では能登に向かうトキの野生化に向けたトレーニングが始まる。環境省は24日付の公式サイトで概要を発表した。それによると、放鳥に向けた訓練は3月3日から佐渡トキ保護センターで始まる。訓練されるのは放鳥候補の1歳から13歳の20羽(雄12羽、雌8羽)。中には「いしかわ動物園」で生まれ佐渡に送られた3羽も含まれる。

野生順化に向けたトレーニングは野生の環境に近いケージ「野生復帰ステーション」内で3ヵ月間行われ、飼育下で育ったトキが自立して生存できるように、空を飛ぶ力や自らエサを取る力などを養う。その後、石川県に移送され、5月31日に能登半島の中ほどに位置する羽咋市の邑知潟(おうちがた)周辺で放たれる。邑知潟には毎年10月中旬から3月下旬にかけて、シベリアからコハクチョウなどが飛来し越冬することから、「白鳥の里」とも呼ばれている。(※写真・上は、2021年10月に佐渡で観察したトキ)

環境省が発表した「放鳥候補個体一覧」によると、8羽の雌はすべて1歳で繁殖の適齢期でもある。トキの繁殖時期は12月後半から半年ほどとされる。この後、2回目の放鳥が9月にも予定され、10羽が放される。うまく営巣の条件が整えば来春に能登生まれ繁殖が期待できるかもしれない。

石川県の馳知事は年頭記者(1月5日)の会見でトキの放鳥について、放鳥式を羽咋市の余喜グラウンドゴルフ場で実施し、皇族を招く予定で交渉中と述べた。こうして、放鳥に向けての段取りが具体化するにつれて、能登の人たちのテンションも高まっている。「本州で最後の一羽」と呼ばれた雄のトキが1970年に捕獲された奥能登の穴水町では、トキ復活を心待ちにする人たちが「能登トキファンクラブ」を設立し、餌場になる池を自分たちで掘って環境整備や生き物の生息調査を行っている。また、輪島市の白米千枚田でも無農薬栽培に切り替え、トキの餌となるドジョウやメダカなどが繁殖する田んぼづくりを始めている。(※写真・下は、放鳥が予定されている羽咋市の邑知潟と水田。左の山並はかつてトキが生息していた眉丈山)

かつて能登では、トキはドゥと呼ばれれていた。水田に植えた苗を踏み荒らす「害鳥」とされ、ドゥとは「ドゥ、ドゥと追っ払う」という意味だ。昭和30年代、地元の小学校の校長らがこれは国際保護鳥で、国の特別天然記念物のトキだと周囲に教え、仲間を募って保護活動を始めた。それでも能登ではトキは減っていった。時は流れ、いまは逆にトキが舞い降りる田んぼにしようと各地で工夫を凝らす動きが出ている。トキの放鳥は、トキと共に能登半島が元気になっていくチャンスなのかもしれない。そうなってほしいと期待する。

⇒26日(木)午後・金沢の天気  くもり

★「白山手取川ジオパーク」4年に1度の現地審査を前に「水問題」相次ぐ

★「白山手取川ジオパーク」4年に1度の現地審査を前に「水問題」相次ぐ

冬場のひと時の青空に映える白山の眺望を楽しんだ。先日(今月19日)石川県小松市で所用があり、その帰りの午後4時半ごろの光景だ。日本海側から光りに照らされ、大汝峰が白く輝き、その右側に最高峰の御前峰がくっきりと見えた=写真・上、小松市から撮影=。白山は北陸3県ほか岐阜県にまたがる標高2702㍍の活火山であり、富士山、立山と並んで「日本三名山」あるいは「三霊山」と古(いにしえ)より称される。奈良時代には禅定道(ぜんじょうどう)と呼ばれた登山ルートが開拓され、山岳信仰のメッカでもあった。

その白山を源流とする手取川は加賀平野を流れ、日本海に注ぎこむ。手取峡谷にある落差32㍍のダイナミックな綿ヶ滝は見る人を圧倒する。先月、雪が舞う白山市を訪れると、峡谷を流れる手取川はまるで山水画のような幻想的な風景を描いていた=写真・下、1月30日午後3時ごろ撮影=。さらに下ると、手取川の水は扇状地を流れ、加賀平野へと広がる。こうして、白山と手取川を眺めると、まさに「大地の公園」だ。

ユネスコが定める世界ジオパークに「白山手取川ジオパーク」が認定されたのは2023年5月だった。世界ジオパークは48ヵ国・213地域が認定されていて、日本からは洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島、山陰海岸、室戸、隠岐、阿蘇、アポイ岳、伊豆半島、そして白山手取川の10ヵ所の登録となる。世界ジオパークは4年に1度の審査があり、結果には「再認定」「条件付き再認定」「認定取り消し」がある。白山手取川ジオパークは2022年9月にユネスコの現地審査を受け、翌年5月に世界認定を受けた。それから4年経ったことし夏以降で現地審査となる。が、このところ困ったことが相次いでいる。

今月10日に手取川で油の混入が確認され、金沢市など13市町への水道水の供給が一時停止するという問題が起きた。メディア各社の報道によると、県の水道をまかなう鶴来浄水場(白山市)で手取川の水に油の混入が確認された。上流の事業者から油漏れ事故の報告が県にあったという。

また、その後17日には河川水ではないが、白山市にある化学メーカー工場の地下水から国の指針値の2000倍の有機フッ素化合物が検出され、さらに、20日にはJR西日本の車両所跡地の地下水から基準値を超える化学物質テトラクロロエチレンが検出された。いずれも長期にわたって摂取すると、人体に影響を及ぼしかねない有害物質とされる。この2件の水質事故を受け、同市ではそれぞれの地区で半径500㍍の世帯に井戸水の使用自粛を呼びかけている。

相次いで露見した水問題。白山手取川ジオパークは「美しい水の旅がもたらす豊かな自然の恵み」がコンセプトなので、この夏以降のジオパーク現地審査に影響はあるのか。ただ、それぞれ個別案件なので、現地審査には直接影響は考えにくいとしても、行政に対しては企業や地域に向けてジオパーク教育や啓蒙活動の徹底が求められそうだ。

⇒25日(水)午後・金沢の天気   くもり

★「天皇誕生日」に想う 能登被災地を3度訪れた「寄り添いの美学」

★「天皇誕生日」に想う 能登被災地を3度訪れた「寄り添いの美学」

きょう23日、天皇陛下は66歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、皇居で行われた記者会見で、「ことしは東日本大震災から15年、熊本地震から10年の節目の年になります。震災が各地に甚大な被害を及ぼしたことは、今思い出しても胸が痛みます」「これからも、雅子と共に、被災地に心を寄せていきたいと思っています」と述べられた(メディア各社の報道)。

天皇、皇后両陛下が被災者に寄り添う姿に感服したのは、2024年元日の能登半島地震、そして同年の9月の記録的な大雨に見舞われた能登を訪問されたときだった。訪問現場に立ち会ったわけではなく、メディアの報道を通して得た印象だが、「寄り添いの美学」というものを感じた。

両陛下は2024年に3度、能登を訪問された。最大震度7だった能登半島地震の見舞いに3月22日と4月12日に、そして復旧・復興の途上の9月21日に輪島市など奥能登を襲った48時間で498㍉の記録的な大雨の被災者を見舞いに12月17日に訪れている。

3月に訪れた際に、現地に負担をかけないようにと昼食は東京から持参されていた。能登空港からヘリコブターとマイクロバスを乗り継いで輪島の朝市に向かい、店舗や住宅など200棟が焼失し、多くの犠牲者が出た焼け跡に向かって黙礼をされた=写真・上、宮内庁公式サイト「被災地お見舞い」より=。天皇陛下にとって輪島の朝市は、学習院高等科1年生の頃に訪問されたことのある思い出の場所でもある。その後、半島の尖端に位置する珠洲市に入り、避難所を訪れ膝をついて、被災者ひとり一人に「お体を大切に」などとお声をかけられた=写真・下、NHKニュースより=。

能登を再び訪問されたのは4月12日だった。両陛下は空港からマイクロバスに乗り、穴水町と能登町の避難所を訪れ、被災者を見舞われた。穴水町では、地震による土砂崩れで16人が亡くなった由比ヶ丘地区に向かって黙礼された。また、津波で住宅が流されるなどした能登町白丸地区を訪ね、家屋が倒壊し犠牲者が出た現場に向かって黙礼された。両陛下は3月に輪島市と珠洲市、4月に穴水町と能登町を回られ、地震災害がもっとも大きかった奥能登を一周された。地域それぞれを丁寧に見舞われた。石川県民の一人としてそんな印象だった。

そして3度目の訪問となった12月17日。両陛下は空港からマイクロバスで輪島市を訪れ、河川が氾濫し住宅4棟が流され、14歳の少女ら4人が犠牲となった同市久手川町で、犠牲者の冥福を祈った。その後、豪雨の避難所を訪れ、イスに座る被災者に中腰で声をかけられた。両陛下は県警や消防署、自衛隊関係者とも対面され、被災者の救助と支援の労をねぎらわれた。

両陛下の能登訪問の報道で印象に残るのは、3月に訪れた際の移動はヘリコプターとマイクロバスの乗り継ぎだったが、2回目以降はマイクロバスによる移動となった。マイクロバスでより近い距離から災害現場を見たいと要望されたようだ。12月の訪問では現地の首長との面談で、屋根に上り危険を伴う復旧作業や公費解体に当たる人たちを案じておられたようだ。

天皇誕生日の祝日に、能登の被災地と両陛下の寄り添いの訪問を振り返ってみた。

⇒23日(月・祝)午後・金沢の天気   はれ

☆衆院選後も選挙は続く 19日告示の石川県知事選ヒートアップ

☆衆院選後も選挙は続く 19日告示の石川県知事選ヒートアップ

衆院選後も石川県では選挙が続く。あさって19日に告示、3月8日に投開票となる県知事選は、有権者の一人としては適切な表現ではないかもしれないが、まさに見どころ満載の面白い選挙になりそうだ。

知事選に立候補を表明しているのは、現職の馳浩氏と、前金沢市長の山野之義氏、そして共産党系の団体が擁立した黒梅明氏の3人。とくに、馳氏と山野氏は前回選挙(2022年3月)では激戦だった。2人とも無所属・新人として立ち、馳氏は19万6432票、山野は18万8450票と、その差は7982票だった。とくに金沢市では山野氏が9万8807票を得て、馳氏の7万650票を上回った。激戦を反映して、県全体の投票率が前々回選挙(2018年3月)より22%増の61.8%だった。

元プロレスラーの馳氏は自民党幹事長だった森喜朗氏にスカウトされ、1995年7月の参院選で初当選、その後、衆院選に鞍替えして石川1区(金沢市)で7回当選を果たしている。その間、文科大臣も務めた。山野氏はソフトバンクを退社後、1995年4月の金沢市議選で初当選し、以降連続4選。2010年11月の市長選で現職を破り、初当選を果たした。以降3回当選。ただ、競輪場外車券売場の金沢市内での設置計画に関して、特定業者の利益を図ろうとした疑いがあるなどと批判され、任期途中で辞職し、出直し選挙(2014年10月)に臨んだこともあった。

では、今回の知事選ではどのような情勢なのか。きょう17日付で、地元メディア3社(北國新聞、北陸放送、テレビ金沢)は共同で行った支持動向調査を報じている。調査は今月14日と15日に有権者を対象に電話とネットで行い、1549人から回答を得た。報道によると、衆院選の選挙区別で石川1区では山野氏が依然として強いものの、1月の前回調査に比べ馳氏が差を詰めている。また、石川2区(金沢より南の加賀地区)では馳氏がややリード、石川3区(金沢より北の能登地区)では馳氏が上回っている。

また、政党別では馳氏が自民支持層の半数以上をまとめ、中道改革連合や維新にも浸透している。山野氏は中道改革連合や参政の半数を固め、維新の半数近くの支持を得ているほか、「支持政党なし」の無党派層でリードしている(北國新聞)。

ところで、最近街中で目に付くのがこの自民党のポスターだ=写真=。馳氏と高市総裁が並んで写っている。衆院選で大勝を収めた高市氏にあやかっているような印象のポスターではある。さて、馳氏が再選を果たすのか、山野氏が雪辱を果たすのか。

⇒17日(火)午後・金沢の天気   はれ

★雪の公園を泳ぐようなパンダ像/中国の高市総理への批判続く

★雪の公園を泳ぐようなパンダ像/中国の高市総理への批判続く

金沢の自宅近くにある公園を通ると、4、5人の子どもたちが「パンダが雪の中を泳いでいる」と面白がっていた。なるほど、確かに公園の雪原をパンダが泳いでいるように見える=写真、12日正午ごろ撮影=。この周辺はこれまで積雪が40㌢余りあったが、降雪のピークが過ぎてこのところ気温も和らいできたことから、雪が溶けて公園の中にもともとあったパンダ像が浮かび上ってきたのだろう。雪の中を泳いでいるように見える面白いアングルではある。

ところで、パンダが日本からいなくなって2週間余りが経った。東京の上野動物園の双子のジャイアントパンダ、シャオシャオとレイレイが中国へ返還されたのは先月27日だった。パンダは日中の国交正常化を記念して1972年にやってきた。それ以来、愛され、親しまれまさに日中友好のシンボル的な存在だった。それが、初めて国内からいなくなった。

中国と日本の冷ややかな関係が続いている。共同通信ニュースWeb版(11日付)によると、中国国務院(政府)台湾事務弁公室の報道官は11日の記者会見で、台湾の頼清徳総統が高市総理に示した衆院選での勝利に関する祝意について、「日本が植民地時代に犯した重罪を顧みず、媚(こび)を売る姿勢は恥ずべきだ」と非難したようだ。アアメリカやヨーロッパのほか韓国を含むアジア各国が高市氏に祝意を示す中、中国は高市氏への批判を続けている。

そもそも論だが、この中国の日本への圧力は2025年11月7日の国会で台湾有事について問われた答弁がきっかけだった。高市総理は 「(中国が)戦艦を使って武力行使を伴うのであれば、存立危機事態になり得る」と答弁した。翌日、中国の駐大阪総領事が SNSで「汚い首は斬ってやるしかない」と投稿した (※現在は削除)。これがエスカレートし、中国は日本の治安への不安を理由として中国国民に日本への渡航自粛など求めた。また、中国大手旅行社は日本への旅行の販売を停止。日本のアニメ映画などの中国上映も一部が延期に。さらに、中国は日本政府に対し、日本産の水産物の輸入を停止すると通達した(メディア各社の報道)。

こうした中国側の日本に対する圧力はこれまでもあった。2012年9月に日本政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化する手続きをとると、その数日後に北京などで大規模な抗議デモが繰り返された。「日本製品ボイコット」を叫びながら日系スーパーをことごとく襲い商品を略奪した。また、「反日無罪」を叫びながら日本の自動車メーカーの車を焼き、日系ディーラーの建物を破壊。日本料理店なども襲われた。当時、テレビでその様子を見ていたが、現地の反日デモは単なる暴徒にしか見えなかった。

今回の台湾有事が存立危機事態になり得るとした高市総理の国会答弁について、中国側は撤回を要求している。両政府に信頼関係があれば、撤回もありうるかもしれないが、パンダもいなくなった現状ではそれはあり得ない。孔子が説いたとされる、「信なくば立たず」ではないだろうか。

⇒12日(木)夜・金沢の天気   くもり時々あめ

☆心和む兼六園の寒紅梅/選挙中、トランプ大統領がメッセージ

☆心和む兼六園の寒紅梅/選挙中、トランプ大統領がメッセージ

冬のこの時季に目を楽しませてくれるのが、先にブログ(今月4日付)でも述べた、「雪中四友(せっちゅうしゆう)」の花ではないだろうか。ロウバイ、ウメ、サザンカ、スイセンのこと。国の特別名勝・兼六園では寒紅梅が見頃を迎え、ピンクの花と真っ白な雪のコントラストが心を和ませてくれる=写真・上、6日午後1時ごろ撮影=。

兼六園は様々な梅の木が咲き誇ることでも知られ、「梅林」という特別なエリアがある。この場所は、昭和44年(1969)に明治百年記念事業として3千平方㍍の広大な場所に全国から約20種200本の名梅の苗木が集められ造成された場所だ。様々な梅の木が咲き誇るのは3月中旬からとなるが、そのトップバッターが早咲きの寒紅梅でもある。雪景色の中、紅梅の風情を楽しむ。恵まれたひと時ではある。

衆院選も最終戦に入り、マスメディア各社は世論調査による終盤の情勢を伝えている=写真・下=。読売新聞の6日付の一面は、「自民、単独過半数の勢い 中道は大幅減」の見出しで、自民党は優位に戦いを進めており単独で過半数(233議席)を超える勢いで、衆院の常任委員長ポストを独占し、各委員会で過半数を確保できる「絶対安定多数」(261議席)を自民単独で獲得することも視野に入る、と報じている。一方、野党第1党の中道改革連合は大幅に議席を減らす情勢のようだ。

毎日新聞の6日付の一面は「自維3分の2 うかがう 自民勢い 300超も」の見出しで、自民は序盤情勢の調査(1月28、29日)からさらに勢いを増し、単独で過半数を大きく上回り、300議席を超える可能性もあると報じている。日本維新の会を合わせた与党では3分の2(310議席)をうかがう勢いのようだ。中道改革連合は伸び悩んでおり、公示前の167議席を大きく下回る公算が大きいようだ。日経新聞も6日付の一面で「自維、300議席うかがう 中道、半減の可能性」の見出しで、与党の自民と日本維新の会が定数(465議席)のうち300を超える議席をうかがうと報じている。中道改革連合は公示前の167議席から半減する可能性がある、としている。

総選挙を経て、高市政権の基盤が強固になりそうだ。この流れに反応しているのはアメリカのトランプ大統領のようだ。メディア各社の報道によると、トランプ氏は自身のSNSで、高市政権を「完全かつ全面的に支持する」と表明した。3月19日に高市総理をホワイトハウスに招き、日米首脳会談を開催することも明らかにした。アメリカの大統領が日本の選挙期間中に特定の立場を示すのは異例とも報じられている。冷え切った日本と中国の関係があるなかで、選挙後、日米関係はどのようなステージへと展開していくのか。

⇒6日(金)夜・金沢の天気   くもり

★能登半島の真ん中、JR能登部駅に夢のある「トキ舞う壁画」

★能登半島の真ん中、JR能登部駅に夢のある「トキ舞う壁画」

能登半島を走る列車のJR七尾線の能登部駅がちょっと面白い。このブログ(2025年12月17日付)でも述べたが、歌手の一青窈さんがこの駅の前でポーズを取っている写真が中能登町の広報(2025年1月号)に掲載されている。そして、列車の発着を知らせるメロディーは一青窈さんの曲『ハナミズキ』だ。電車が通るたびにこのメロディーが流れる。「♪果てない夢が ちゃんと終わりますように 君と好きな人が百年 続きますように」。駅で列車が近づいてくると、このメロディーがじんわりと心に響いてくる。この町は一青窈さんの先祖の地でもあり、「一青」という地名もある。

そして駅でもう一つ面白いのが、鉄道線路の上をまたぐ渡線橋に描かれた壁画だ。トキやツルが能登の伝統的な祭りのキリコと青柏祭の「でか山」の周りを飛ぶ姿が描かれている=写真=。駅近くの石川県立鹿西高校の生徒たち4人が『能登の明るい未来』をテーマにJRの許可を得て、描いた。

確かに能登の未来を感じさせる壁画ではないだろうか。近くにある邑知潟にはナベヅルが飛んできたことが確認されている。そして、トキ。ことし5月31日に本州で初めてトキが能登で放鳥される。その場所が能登部駅とも近い邑知潟の周辺なのだ。生徒たちは列車の上をツルやトキが舞い、伝統のまつりと重ね合わせることで能登の新たな光景、能登の未来可能性を描いたのではないだろうか。

能登は自然環境と調和した農林漁業や伝統文化が色濃く残されていて、2011年には国連の食糧農業機関(FAO)から「能登の里山里海」が日本で最初の世界農業遺産(GIAHS)の認定を受けるなど、国際的にも評価されている。一方で、能登半島地震による人口減少、そもそも能登の将来推計人口は2045年には現在の半数以下になるとされ、「課題先進地域」でもある。そこに高校生たちが、この社会課題に挑んで能登の可能性を描いた。それがトキの壁画ではなかったろうか。

伝統文化を大切にする能登に、新たにトキがやって来る。かつて、本州最後の一羽のトキが能登にいた。「能里(のり)」との愛称で呼ばれていた。国の指示で1970年1月に捕獲され、繁殖のために佐渡トキ保護センターに移された。しかし、翌71年3月にケージの金網でくちばしを折ったことが原因で死んでしまった。もう半世紀も前のことだ。そのようなトキへの想いを祖父母から聴いて、あるいはトキの棲息の歴史を学んで描いたのだろうか。夢のある壁画だと思った。

⇒5日(木)夜・金沢の天気   くもり  

★震災の仮設団地めぐるバスで一票 衆院選の期日前投票所

★震災の仮設団地めぐるバスで一票 衆院選の期日前投票所

この冬に降った雪はJPCZ(日本海寒気団収束帯)の居座りなどが影響して、記録的だったようだ。金沢の1月の降雪量は152㌢となり、平年の2.2倍。150㌢を超えたのは15年ぶりとのこと(地元メディア各社の報道)。金沢だけでなく、能登や加賀でも平年の1.8倍の大雪となっている。いまも金沢の自宅周辺では40㌢ほどの積雪だ。この大雪の中、衆院選は中盤戦を迎えている。真冬の寒さの中、期日前投票も行われているが、能登半島地震で仮設住宅団地に住んでいる人たちにとっては、近くに投票場がないケースもある。このため、選管ではバスを手配して、「移動期日前投票所」として活用している。きのう(2日)現場に行ってきた。

輪島市選管では2日から5日にかけて、9ヵ所の仮設住宅団地で移動期日前投票所を開設する。大型の仮設住宅団地や、投票所まで距離がある中山間地の仮設住宅団地などに時間を区切ってバス投票所を手配している。そのうちの一つ、同市二俣町の仮設住宅団地を訪れた。中山間地でにあり、団地では31世帯が暮らしている。周囲には40㌢ほどの積雪があり、足元が悪い中でも、次々と投票に訪れていた=写真、2日午後4時40分ごろ撮影=。

バスは地元で使われている北陸鉄道の路線バス。車両中央部に投票用紙の記載場所と投票箱を備え、立会人は後方の座席から見守るという配置になっている。有権者の中には足が不自由なシニアもいて、バスに上がり降りする際には選管のスタッフの介助を受けながら投票を済ませていた。

輪島市は去年7月の参院選では仮設住宅の集会所に期日前投票所を設けていたが、投票所の設置などに負担が生じたため、今回の衆院選ではバスを活用した期日前投票所を設置したようだ。輪島市のほか、隣接する珠洲市でも学校や道の駅など12ヵ所で、投票箱を乗せたバスが巡ることになっている。

能登半島地震があった2024年の10月に衆院選があり、近くに投票所がない仮設住宅団地が多いことや、車を持っていない高齢者が団地に多くいることなどが浮き彫りとなった。これを受けて、能登のいくつかの選管では2025年の参院選でバスによる期日前投票の導入に初めて踏み込んだ。行政側には投票率の向上につなげたいとの思いもあるのだろう。震災と選挙のあり方を考えるモデルケースではある。

⇒3日(火)午前・金沢の天気   くもり

☆衆院選は「自民優勢」の流れか・・・メディア各社が情勢分析

☆衆院選は「自民優勢」の流れか・・・メディア各社が情勢分析

衆院選の投票まであと1週間となり、メディア各社が世論調査を発表している。共同通信社は第2回トレンド調査(回答1048人、1月31日・2月1日)を行った。それによると、高市内閣の支持率は63.6%で0.5ポイント増、不支持率は25.6%で0.6ポイント増で、前回調査(1月24、25日)とほぼ横ばいだった。比例代表の投票先は自民が36.1%で、前回調査から6.9ポイント伸ばした。立憲民主と公明の新党「中道改革連合」は13.9%で2.0ポイント増だった。望ましい選挙結果は「与党が野党を上回る」が42.4%、「与党と野党の勢力が伯仲する」が34.9%、「野党が与党を上回る」14.0%の順だった。ただ、今回の解散に賛成ですか、反対ですかとの問いには、「反対」が48.0%、「賛成」44.2%を上回っている。

朝日新聞社は調査(1月31日、2月1日・電話とネット)に取材情報を加えて中盤情勢を報じている(1日付・公式サイト)。衆院選(定数465)について、(1)自民党(公示前勢力198)は単独で過半数(233議席)を大きく上回る勢いで、日本維新の会とあわせて与党として300議席超をうかがう、(2)中道改革連合はふるわず、公示前勢力(167議席)から半減する可能性もある、(3)国民民主党はほぼ横ばい、(4)参政党、チームみらいが躍進――などの情勢と分析している。(※写真は、石川1区の選挙ポスター掲示板=金沢市泉野出町)

読売新聞社は序盤の情勢調査(1月27、28日・電話とネット)に加え、全国の総支局などの取材を加味して分析している(1月28日付・公式サイト)。自民党は小選挙区選、比例選とも優勢に戦いを進め、単独で過半数(233)をうかがう勢い。中道改革連合は伸び悩み、公示前議席を割り込む見通し。自民は289の小選挙区のうち、半数近くで優勢となっている。地域別でみると中国や九州などで安定した戦いを繰り広げている。保守地盤の強い富山、鳥取などでは、議席独占の可能性がある、と分析している。

自民優勢との情勢調査だが、きょう2日付の地元新聞を読んでいて、ちょっと気になる記事があった。石川県選管が期日前投票の中間まとめ(選挙7日前)を行ったところ、県全体の投票者数は6万3994人で、前回2024年10月の同期比で1万407人減っていて、率にして13.9%減となる。とくに1区(金沢市)では50.5%減となっている。冒頭で述べた共同通信社の調査で、今回の解散に賛成ですか、反対ですかとの問いには、「反対」が48.0%だった。有権者には「何のために選挙をするんだ」との思いが強くあるのではないだろうか。もちろん、金沢は記録的な大雪に見舞われ、足元が悪いという状況もある。ただ、同じ大雪となっている2区(加賀地区)では12.9%増、3区(能登地区)では1.85%減なので1区だけが半減のようだ。

まだ、中間まとめの段階だが、この現象をどう分析すればよいのか。そして、全国の傾向はどうか。最終的な投票率はどうか、気になるところではある。

⇒2日(月)午後・金沢の天気   くもり時々ゆき