⇒ニュース走査

☆いよいよ北陸は雪マークの季節 強烈寒気帯JPCZ居座るのか

☆いよいよ北陸は雪マークの季節 強烈寒気帯JPCZ居座るのか

このところの寒暖差のせいか、体調が今一つさえない。熱はないが、くしゃみや鼻水が出る。金沢の天気予報に雪マークが出始めた。きょう夕方からあす4日にかけて日本付近は西高東低の冬型の気圧配置となり、筋状の雪雲の帯「JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)」が日本海に発生し南下する見込みのようだ。このため、日本海側は広い範囲で雪が降り、北陸や近畿、東海、山陰などは初雪ラッシュとなるとの予報だ。平地でも積雪し、山沿いでは大雪となるところがあるとのこと(※図は、3日15時発表の予想天気図から抜粋、日本気象協会「tenki.jp」公式サイトより)。

北陸に住む者にとって、このJPCZは「クセもの」だ。日本海を直撃する寒波で、この影響で日本海から活発な雪雲が断続的に流れ込み、局地的に降雪量が多くなる。シベリアから寒気団が日本海に向かって流れてくる際に朝鮮半島北部の白頭山によって、いったん二分されるが、その風下で再び合流し、雪雲が発達しやすい収束帯(ライン)となって北陸地方などになだれ込んでくるのだ。強烈に覚えているのは、2021年1月7日から11日にかけてJPCZが若狭湾付近に停滞して大雪が降り続いたため、福井県内の北陸自動車では66時間にも及ぶ通行止となり、1600台が動けなくなったことがあった。(※写真は、2021年1月9日夕方の金沢市内の降雪の様子。翌日10日には65㌢の積雪となった)

今夜からあすにかけては、北陸地方の上空約5500㍍付近に大雪の目安となるマイナス36度以下の非常に強い寒気が流れ込む見込む。このため、新潟の上越、中越では平地で20㌢、山沿いで50㌢の積雪が予想されている(日本気象協会「tenki.jp」公式サイトより)。

雪の季節を迎えると、2024年元日の能登半島地震を思い起こす。まもなく丸2年となる。地殻変動、気候変動はいつ起きるかわからない。関東大震災(1923年9月1日)に遭遇した経験があった物理学者の寺田寅彦(1878-1935)は「天災は忘れた頃に来る」と書き記した。昨今の状況は「天災はいつでもやって来る」と表現した方がよいかもしれない。取り留めのない話になってしまった。

⇒3日(水)夜・金沢の天気 あめ

☆中国「反日」攻勢は続くも、一貫した総理の姿勢は高支持率に

☆中国「反日」攻勢は続くも、一貫した総理の姿勢は高支持率に

中国による「反日」の煽り、日本への怒りが止まない。直近では、日本のアーティストの中国での公演が次々と中止に追い込まれている。メディア各社の報道によると、歌手の浜崎あゆみさんは11月29日に開催予定だった中国・上海での公演が直前で中止に追い込まれ、無観客(1万4千席)のステージで歌ったという。

中国によるこの行為の発端は、今月7日の衆院予算委員会で台湾有事について問われた高市総理が 「戦艦を使って武力行使を伴うのであれば、存立危機事態になり得る」と答弁したことだった。翌日、中国の薛剣(セツ・ケン)駐大阪総領事が SNSで「汚い首は斬ってやるしかない」と投稿した (※現在は削除)。これがエスカレートし、中国政府は日本の治安への不安を理由として中国国民に日本への渡航自粛や、留学に慎重な行動を求めた。さらに、日本政府に対し日本産の水産物の輸入を停止すると通達した。また、中国の国連大使は安保理で高市総理の台湾有事をめぐる国会答弁を批判するなど、拡散に躍起となっているようだ。(※写真は、日米首脳会談で署名された合意文書を掲げる高市総理とトランプ大統領=10月28日付・総理官邸公式サイトより)

中でも違和感を感じるのは、中国側が日本で中国人への犯罪多発を理由に「治安悪化」を訴え、渡航自粛を呼びかけていることだ。これに対し日本の外務省は、過去3年に国内で中国国籍の人が被害者となった殺人、強盗、放火の認知件数は減少傾向にある統計をSNSで紹介し、否定している(11月21日付)。

中国側は高市総理に発言撤回を求めて攻勢をかけているが、総理は応じる様子を見せていない。むしろ、この総理の動じない態度に国民は支持を寄せている。直近の世論調査の内閣支持率でそれが分かる。日経新聞の世論調査(11月28-30日)では内閣を「支持する」が75%となり、「支持しない」18%をはるかに上回った。10月の内閣発足後、2ヵ月連続で7割台の高い支持率を維持している。読売新聞の世論調査(11月21-23日)でも内閣支持率は72%だった。

国家のあり方に関わるこの台湾事案。高市総理は発言を撤回したり、外交的な小細工を講じない方がいい。一貫した姿勢に国民は信頼を寄せている。それが数字となって表れている。

⇒1日(月)午後・金沢天気   くもり時々あめ

☆世論調査から読む、高市総理の一貫した対中姿勢への評価

☆世論調査から読む、高市総理の一貫した対中姿勢への評価

けさの読売新聞で掲載されている世論調査(今月21-23日)によると、内閣支持率は72%で、内閣発足時の前回調査(10月21、22日)と横ばいの高い支持率を維持している。注目したのが中国に対する外交関係で、高市内閣の中国に対する姿勢を「評価する」は56%で半数を超え、「評価しない」は29%だった。

毎日新聞の世論調査(今月22、23日)の内閣支持率も前回調査と横ばいの65%となっている。そして、高市総理が台湾有事について集団的自衛権を行使できる「存立危機事態になり得る」と国会で答弁したことについて、「問題があったとは思わない」が50%となり、「問題があったと思う」の25%を大きく上回っている。

連日のように中国は「反日」を煽り、日本に怒りをぶつけている。今月7日の衆院予算委員会で台湾有事について問われた高市総理が 「戦艦を使って武力行使を伴うのであれば、存立危機事態になり得る」と答弁した。翌日、中国の薛剣(セツ・ケン)駐大阪総領事が SNSで「汚い首は斬ってやるしかない」と投稿した (※現在は削除)。これがエスカレートし、中国政府は日本の治安への不安を理由として中国国民に日本への渡航自粛、留学の慎重な検討を求めた。また、中国大手旅行社は日本旅行の販売を停止。日本のアニメ映画などの中国上映も一部が延期。中国政府は日本政府に対し、日本産の水産物の輸入を停止すると通達。さらに、中国の国連大使は安全保障理事会で高市総理の台湾有事をめぐる国会答弁を批判している。

読売、毎日の世論調査から、こうした中国側の一連の動きを民意は冷静に見ている、という印象だ。これまで報道されているように、中国の経済は不動産不況に端を発して厳しい状況が続いている。失業率も高いとされ、人びとの不満の矛先が中央政権に向かいつつある。このようなタイミングであえて外敵をつくることで文民を統制するやり方は一党独裁の中国ではありうる、と世論は見ているのだろう。その上で高市総理の対中姿勢を世論は評価。「高市総理には一貫してこの対中姿勢を続けてほしい」。これが72%の内閣支持率の世論なのだろう。

⇒24日(月)午後・金沢の天気   くもり

★横綱・大の里が千秋楽を休場、「唯一無二」の悔しさか

★横綱・大の里が千秋楽を休場、「唯一無二」の悔しさか

きょうの残念なニュースは石川県の郷土力士、横綱・大の里が千秋楽を休場したこと。3敗で首位に並んでいたが、きょう日本相撲協会に「左肩鎖けんさ 関節脱臼で1ヵ月間の安静・加療が必要」との診断書を提出した(メディア各社の報道)。確かに、琴桜に敗れたきのう14日目の取組後は、顔をしかめながら左肩を気にする様子がテレビで映っていた。まさか、千秋楽を休場するとは誰も想像しなかっただろう。大の里の休場は初土俵以来初めてで、「唯一無二」の悔しさを噛みしめているに違いない。(※写真・上は、JR金沢駅の観光案内所で展示されている石川県の郷土力士の等身大パネル)

話は変わる。自宅近くの山にクマが現れるようになった。きのう22日、午前10時半ごろ、金沢市山科町の大乗寺丘陵公園の登山道で、施設の管理人が体長0.7㍍ほどの1頭を目撃した。市役所では防災メールで注意を呼びかけ、警察署や猟友会がパトロールを行った(地元メディアの報道)。この丘陵公園は自宅から東に1.6㌔ほどのところにあり、きょう午前に丘陵公園のふもとあるガソリンスタンドで洗車をしてきた。

このクマ出没のニュースで地域の人たちは神経をピリピリさせていることだろう。2023年10月には丘陵公園でウオーキングしていた80代の男性がクマに襲われる人身被害があった=写真・下=。丘陵公園は住宅地に近く、周囲には小学校や中学校、大学もある。また、野田山墓地という市営墓地なども広がっていて、クマの出没はこの時季の最大のリスクかもしれない。近くの小学校や中学校では、児童・生徒に鈴の貸し出しを行っていて、「クマと遭遇しても大声を出さない」「複数人で登下校する」などの注意指導を行っている。

もともと丘陵公園周辺にはクマは生息していなかった。クマの目撃情報などがニュースになるようになったのは、2000年代に入ってからではないだろうか。クマはもともと奥山と呼ばれる山の高地で生息している。ところが、エサ不足に加え、これまで緩衝帯になっていた中山間地(里山)で人口減少が進み荒れ放題になっきた。住宅地近くに隠れ場所となる茂みが増え、クマが生息できる環境が広がっている。そして、丘陵公園の周辺ではリンゴや柿などの果樹栽培も行わていて、この周辺での出没が近年増えている。

最近では、「アーバンベア(都市型クマ)」と呼ばれる、市街地周辺で暮らし、街中に出没するクマも増えている。ペットフードや生ごみなどをあさる。また、設置された箱わななどの仕組みを学習していて決してわなに入らない「スマートベア」もいるそうだ。環境省のまとめによると、ことしのクマによる被害者(10月末時点)は全国で197人、うち12人が亡くなっていて、過去最悪となっている。放っておけばクマはさらに頭数が増え、人的被害は拡大する。クマとの向き合い方が問われている。

⇒23日(日)夕・金沢の天気   くもり

★不穏な中国の動き 反日を煽り、怒りをぶつける狙いは何か

★不穏な中国の動き 反日を煽り、怒りをぶつける狙いは何か

きょう午後3時ごろ、金沢の東の空を眺めると、雲行きが怪しくなっている=写真・上=。北陸では寒冷前線が通過する見込みで、夜遅くにかけて落雷や竜巻などの激しい突風、降雹(ひょう)、急な強い雨など大気が非常に不安定となるようだ(金沢地方気象台発表)。気象だけでない、中国の動向もとても不穏だ。

今月7日の衆院予算委員会で台湾有事について問われた高市総理が 「戦艦を使って武力行使を伴うのであれば、存立危機事態になり得る」と答弁した。翌日、中国の薛剣(セツ・ケン)駐大阪総領事が SNSで「汚い首は斬ってやるしかない」と投稿した (※現在は削除)。これがエスカレートし、中国政府は日本の治安への不安を理由として中国国民に日本への渡航自粛、留学の慎重な検討を求めた。また、中国大手旅行社は日本旅行の販売を停止。日本のアニメ映画などの中国上映も一部が延期。中国政府は19日に日本政府に対し、日本産の水産物の輸入を停止すると通達。さらに、スパイの摘発を担う中国の国家安全省は、日本人の摘発を念頭に取締りを強化すると発表した(メディア各社の報道)。

こうした中国のヒステリックとも思える反応に日本国内でもさまざまなネガティブな動きが出てきた。きょうの地元メディアによると、中国政府が国民に対して日本への渡航自粛を勧告したことを受けて、石川県の馳知事は記者会見(20日)で、中国・上海向けの誘客イベントを凍結すると発表した。ネットで影響力がある中国のインフルエンサーを招いて県内の観光スポットを発信してもらう予定だった。

そもそも中国が「反日」を煽り、日本に怒りをぶつける背景に何があるのか。以下自身の憶測だ。中国の経済は不動産不況に端を発して厳しい状況が続いているとの分析がさまざまにある。大規模なインフラの建設が経済発展を担った時代は終わり、人口が減少に転じる中でとくに地方は厳しい財政状況に直面しているといわれる。失業率も高いとされ、人びとの不満の矛先が中央政権に向かっても不思議ではない。その矛先を逸らす必要があった。このタイミングで日本の総理の「存立危機事態になり得る」発言が浮かんだ。さっそく中国側は中台が不可分であるとする「一つの中国」原則を日本が踏みにじったという宣伝を繰り広げ、対立を煽っている。

あえて外敵をつくることで文民を統制するノウハウは独裁的な国家ではよく見られることだ。その後はさまざまな外交カードを持ち出し、相手国に対し有利に決着を図ろうとすることもよくあることだ。ひょっとして、習近平主席から高市総理に和平会談が持ち込まれるかもしれない。両氏は先月10月31日に韓国・慶州で会談を行ったばかり=写真・下、外務省公式サイト「日中首脳会談」より=。もし、実現すれば、習氏は国内経済の苦境を訴え、日米首脳会談(10月28日)でトランプ大統領と約束した5500億㌦(約84兆円)とされる巨額な対米投資を、「ぜひ中国にも」と詰め寄ってくるかもしれない。根拠のある話ではない。

⇒21日(金)夜・金沢の天気   くもり

★「台湾有事」めぐる総理答弁 中国は反発の意志表示を次々と 

★「台湾有事」めぐる総理答弁 中国は反発の意志表示を次々と 

国会(今月7日)で台湾有事について問われた高市総理が 「戦艦を使って武力行使を伴うのであれば、存立危機事態になり得る」と答弁した。翌日、中国の薛剣(セツ・ケン)駐大阪総領事が SNSで「汚い首は斬ってやるしかない」と投稿した (※現在は削除)。これがエスカレートし、中国政府は日本の治安への不安を理由として中国国民に日本への渡航自粛、留学の慎重な検討を求めた。また、中国大手旅行社は日本旅行の販売を停止。日本のアニメ映画などの中国上映も一部が延期に。そして、きょう(19日)中国政府は日本政府に対し、日本産の水産物の輸入を停止すると通達した(メディア各社の報道)。

水産物の輸入停止は2度目だ。2023年8月の福島第一原発の処理水放出以降、停止されていた。今月5日にようやく輸入が再開され、北海道産のホタテの中国への輸出が始まっていた。それが再び停止となる。むしろこれは中国側の日本に対する強い意志表示なのかもしれない。ここまで来ると、中国の次なる一手は「官製デモ」ではないだろうか。

2012年9月に日本政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化する手続きをとると、その数日後に北京などで大規模な抗議デモが繰り返された。「日本製品ボイコット」を叫びながら日系スーパーをことごとく襲い商品を略奪する。「反日無罪」を叫びながら日本の自動車メーカーの車を焼き、日系ディーラーの建物を破壊する。日本料理店を襲った。当時、テレビでその様子を見ていたが、現地の反日デモは単なる暴徒にしか見えなかった。

中国の身勝手な行動はこれまでも繰り返されてきた。南シナ海はオレのものとばかりに島々に軍事基地を造るなどして実効支配。さらに「中国は一つ」なので台湾はオレのものとばかりに、軍事演習と称して台湾周辺や日本のEEZ内に弾道ミサイル11発を放った(2022年8月4日)。そして、「尖閣諸島はオレのもの」と領海侵犯を重ねている。中国のこうした身勝手な行動の背景にあるのは、中華は天下(世界)の中心という「中華思想」なのだろう。脈々と受け継がれるこの思想には「国境」という発想がない。

この中華思想を明治期に指摘したのが、福沢諭吉だった。『脱亜論』を唱え、専制的なアジアの政治制度に限界を感じて見限った。彼は言った。「悪友を親しむ者は、共に悪名を免(まぬ)かる可(べか)らず。我れは心に於いて亜細亜東方の悪友を謝絶するものなり」(鈴木隆敏著『新聞人福澤諭吉に学ぶ』)。当時の日本は民主国家ではなかったが、それでも中国などアジアの近隣国の政治体制は古臭く、嫌気を感じたのだろう。

このところの一連の中国の動きに日本人も再び嫌気を感じ始めている。そのうち中国が「沖縄もオレのもの」と言い出す日がやってくるかもしれない。

⇒19日(水)夕・金沢の天気  くもり

☆横綱・大の里「4日目の鬼門」を突破 クマ対策にきな臭さ

☆横綱・大の里「4日目の鬼門」を突破 クマ対策にきな臭さ

JR金沢駅の入り口の観光案内所では、石川県の郷土力士の等身大パネルが設置されている。きのう駅に行くと、パネルが入れ替わっていた。横綱の大の里と十両の輝はそのままだが、元小結の遠藤が引退したため外れ、新入幕で前頭の欧勝海が加わった=写真・上=。パネルを眺めていると、やはり大の里には貫禄がある。その大の里はきのう「4日目の鬼門」を振り払って、九州場所を4連勝とした。前回の秋場所の4日目で平幕の伯桜鵬に土俵際で突き落とされ、初黒星を喫していた。大関に昇進した昨年の九州場所以降の6場所で4日目は1勝5敗だったので、鬼門は今回で2勝5敗となった。

話は変わる。このところクマ出没が金沢でも相次いでいる。石川県ではことしのクマの出没件数は336件(今月11日時点)で、このうち金沢市内では50件ほどになる。先日11日午後6時35分ごろ、金沢市の山手に近い銚子町で体長1㍍ほどの1頭を目撃したと住民から行政に出没情報が寄せられた。このため、市職員と警察署員のパトロールを行った(地元メディアの報道)。銚子町は付近に北陸大学があり、金沢大学とも近い。金沢大がある角間キャンパス付近では「クマ注意」などの看板が掲げられている=写真・下=。通学する学生たちの間でも緊張感が漂っているのではないだろうか。

全国各地でクマの被害が相次ぐ中、きょう(13日)から警察官によるライフル銃を使った駆除が可能となる。クマの駆除をめぐっては、特殊な銃の用途について定めた国家公安委員会規則の一部が改正された。生活圏に出没したクマを対象に、警察官によるライフル銃を使った駆除が目的となる。ただ、警察庁は原則としてハンターに依頼するこれまでの運用は変わらないとしていて、緊急時に限った運用となる。

警察庁では被害が深刻な秋田県と岩手県に、テロなどの対応にあたる「銃器対策部隊」の機動隊員を派遣し、地元の猟友会からクマの特性を学ぶなどして準備を進めてきた。その上で警察庁は、全国の警察本部に通達を出し、クマの駆除を実施するための体制を確立するとともに、市町村長と緊密に連携し、ライフル銃の使用にあたっても十分な意思疎通を図るよう指示した。

ここまで来ると単なる獣害の域を超えている。テロ対策とまで言わないが、きな臭さを感じる。

⇒13日(木)午後・金沢の天気   くもり

☆能登で演じ、演出した俳優・仲代達矢氏死去

☆能登で演じ、演出した俳優・仲代達矢氏死去

俳優の仲代達矢氏が亡くなった。40年前に、主宰する無名塾の合宿場所を能登半島の中ほど位置する七尾市中島町に設け、同町で造られた能登演劇堂では、自ら演じ、演出を行ってきた。能登半島地震の復興に想いを寄せ、ことし5月と6月に能登演劇堂で演じた『肝っ玉おっ母と子供たち』が最後の舞台となった。このブログでは仲代氏が演出した『等伯~反骨の画聖~』について書いている。以下再録。                

織田信長や豊臣秀吉が名をはせた安土桃山時代の絵師、長谷川等伯は七尾で生まれ育った。その等伯をテーマとする演劇『等伯~反骨の画聖~』が2023年10月に能登演劇堂で上演された。無名塾と市民キャストによる合同公演で、演出は仲代達矢氏。鑑賞に行ってきた。

感想から先に言えば、京都で画壇の一大勢力となっていた狩野永徳らの狩野派に、能登からやってきた等伯が挑み、名刹の障壁画や天井絵などを手掛けて狩野派の壁を破っていく。下剋上の戦いを制したかと思ったときに、親交があった千利休が切腹を余儀なくされ、跡継ぎの長男・久蔵が病で亡くなる。その後に古里である能登の風景の『松林図屏風』を渾身の想いで描く。松林図屏風に等伯が込めた想いとは何だったのか。強風に耐えて細く立ちすくむ能登のクロマツの林に、等伯は自らの心を重ねたのだろうか。等伯の人生ドラマはここで終わる。

演出を担当した仲代氏は松林図屏風を描いた等伯の心情をこう表現している。「天下一の絵師となるために政りごとに阿(おもね)るかのような、世俗に仕えた彼の一面を見るような気がするのである。とは言え、彼はその世俗に流されることなく、彼自身の独自の世界を切り拓いていった。それは、松林図屏風に象徴されるように、世の中の動きとはっきり一線を画した、彼の孤高の世界だったように私には思えるのである」(『等伯~反骨の画聖~』公式パンフレットより)

等伯が「松林図」を描いたのは1594年、56歳のころだった。その後、大徳寺や南禅寺で襖絵を手掛け、僧侶の地位である「法眼」に叙せられる。時代は江戸幕府へと移り、家康の命だったのだろうか、72歳で江戸に向かうも発病。到着して2日後に亡くなったと伝えられている(同)。墓は等伯が上洛し身を寄せた京都市上京区の本法寺にある。

                    ◇

仲代氏はことし2月に等伯生家の菩提寺である七尾市の本延寺で営まれた等伯の四百十六回忌法要に参列している。このとき、能登との縁で演出した等伯の人生ドラマに自らの人生を重ねていたかもしれない。享年92歳。(※写真は、能登演劇堂公式サイトより)

⇒11日(火)夜・金沢の天気    くもり

★選挙通じ組織固めか 旧統一教会元会長が金沢市長選に出馬へ

★選挙通じ組織固めか 旧統一教会元会長が金沢市長選に出馬へ

しばらく鳴りを潜めていた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が再び動き始めた。きょう5日付の石川県の新聞メディアによると、来年3月の任期満了に伴う金沢市長選に、旧統一教会の元会長の徳野英治氏(70歳)が立候補の意向を固め、今月10日にも記者会見し、正式表明するという。韓国の前の政権との癒着疑惑で旧統一教会トップの韓鶴子総裁が逮捕・起訴され、また、日本では解散命令の是非が東京高裁で審理されている=写真、3月26日付の各紙=。このようなタイミングで元会長の金沢市長選への出馬の狙いは何なのか。

徳野氏はある意味で危機管理が強みのようだ。金沢の高校時代に入信し、その後、2008年に11代会長に就任する。統一教会の霊感商法が社会問題となり、2009年2月に警視庁の摘発を受け複数の教団信者が逮捕されるという事件があった。このとき、徳野氏は記者会見で謝罪し、「コンプライアンス宣言」を発した。コンプライアンス宣言以降は捜査機関による検挙はなかったものの、霊感商法は止まっていなかった。全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、1987年から2021年までの霊感商法による「被害件数」は3万4537件で、「被害総額」は約1237億円に上る(Wikipedia「全国霊感商法対策弁護士連絡会」より)。

さらに政治家とのネットワークづくりにも長けている。徳野氏が2012年から13代会長(2020年まで)となり、2016年6月、当時の安倍総理から首相官邸に招待されていたとの報道もあった。双方が反共産主義の立場を共有していて、教会側が党候補者の選挙支援などを行っていた。自民の議員秘書の中には信者が入り込んでいるなどと、新聞メディアなどで報じられたこともある。

教団の実力者である徳野氏が金沢市長選に出馬する狙いは何だろうか。以下、あくまで憶測だ。それは、旧統一教会トップの韓鶴子総裁が逮捕・起訴され、また、日本では解散命令の是非が東京高裁で審理されていている中で、動揺する信者の気持ちを引き締めたいとの思いがあるのかもしれない。おそらく、徳野氏の立候補がきっかけとなり、各地で旧統一教会の幹部の出馬が続くかもしれない。選挙を通じて信仰を訴え、組織内を引き締めていく、そんな新たな布教の手段だろうか。あるいは、宗教法人の解散を見越して政治団体化を狙っているのか。

⇒5日(水)午前・金沢の天気   くもり

☆建築家の坂茂氏が「文化功労者」に 能登復興への美学と使命感 

☆建築家の坂茂氏が「文化功労者」に 能登復興への美学と使命感 

前回ブログの続き。取り上げる順番は逆になったが、政府は2025年度の文化勲章・文化功労者を発表した(10月17日)。その中で能登の国際芸術祭や震災復興と関わってきた建築家の坂茂(ばん・しげる)氏が文化功労者に選ばれている。坂氏の能登での仕事の一端を初めて見たのは、能登半島地震の前年2023年5月5日に震度6強の揺れが起きた珠洲市を訪れたときだった。以下再録。

同市に入ったのは10日後の5月15日だった。家屋などの被害が大きかった同市正院町を歩いていると、横から声をかけられた。市長の泉谷満寿裕氏だった。金沢大学の教員時代に同市との協働プロジェクトを手掛けたことが縁で、これまでも声をかけていただいていた。そのときに、「バンさんのマジキリがすごいので見に行かれたらいい」と。「バンさんのマジキリ」の意味が分からなかったが、「それはどこにありますか」と尋ねると、近くの公民館にあるとのことだった。

さっそく行ってみると、公民館は避難所となっていた。スタッフの人が案内してくれた。実際に見てみると、避難所でつくられた個室パーテーションだった=写真・上=。説明によると、坂氏は被災した人々にプライバシーを確保する避難所用の「間仕切り」の支援活動を行っていて、同市にも震災後にいち早く間仕切りが寄贈された、とのこと。間仕切りは木製やプラスティックなどではなく、ダンボール製の「紙管」を使ったもの。カーテン布が張られているが、プライバシー確保のために透けない。中にあるベッドもダンボールだ。坂氏は1995年の阪神大震災を契機に災害支援活動に取り組んでいて、このような「バンさんのマジキリ」を開発したようだ。

坂氏はその年の秋に同市で開催された「奥能登国際芸術祭2023」では、日本海の絶景が見渡せる丘の上に長さ40㍍、幅5㍍の細長い建物「潮騒レストラン」を造った=写真・中=。一見して鉄骨を感じさせる構造だが、よく見るとすべて木製だった。ヒノキの木を圧縮して強度を上げた木材を、鉄骨などで用いられる「トラス構造」で設計した日本初の建造物という。日本海の強風に耐えるため本来は鉄骨構造が必要なのかもしれないが、それでは芸術祭にふさわしくない。そこで、鉄骨のような形状をした木製という稀にみる構造体になった。まさにこの発想はアートだと感じ入った。

もう一点。2024年元日の最大震度7の能登地震で同市では坂氏が監修した仮設住宅が整備された=写真・下=。木造2階建ての仮設住宅は木の板に棒状の木材を差し込んでつなげる「DLT材」を積み上げ、箱形のユニットとなっている。地元県産のスギを使い、木のぬくもりが活かされた内装となっている。観光名所でもある見附島近くあり、外装の色合いも周囲の松の木と妙にマッチしていて、まるで海辺のリゾート地のような雰囲気を醸し出していた。

建築を通じて社会貢献をしていきたい、社会課題を解決していきたいという提案型の作品をつくり続ける坂氏の美学、そして使命感が伝わってくるようだった。

⇒4日(火)午前・金沢の天気   はれ