☆猛暑一転、波立つ
先日までの猛暑が嘘のように一気に秋めいてきた。昨日は「夏じまい」の日だった。夏場で汚れた自家用車を洗った。ところどころに鳥のフンがついていた。家族から「むさくるしい」と言われ、6月以来の散髪に行った。ひと夏でこんなに伸びたのかと実感した。
ところで、尖閣諸島で海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件が起きて、外交が波立っている。中国の例の大人気ない「対日圧力」が続いた。中国側が招待した千人規模の日本青年上海万博訪問団の受け入れ延期や、日本向けのレアアース(希土類)の輸出を全面禁止など、思いつくまますべての約束事を棚上げ、禁止して圧力を強めているという感じだ。きょう24日になって、河北省で、ゼネコンの邦人社員4人が軍事管理区に無断で侵入し、軍事目標を違法にビデオ撮影したとして検挙されたというニュースが流れている。報復措置と見られている。そしてダメ押しは中国の温家宝首相が「日本側に、(船長を)即刻、無条件で解放することを強く促す。日本が独断専行するなら、中国は一歩、行動を進める。発生する一切の深刻な結果は、すべて日本側の責任だ」と非難していることだ。なんとなく北朝鮮の非難声明と似た論調に聞こえる。
漁船の衝突でなぜ中国がこれほど過敏に反応するのか、なぜ中国側がいきり立っているのかと誰しもが思っている。理解できない。こうまでされると、この漁船には何か漁業以外の目的があったのではと推測してしまう。今思い出したが件、毒ギョーザ問題(08年)でも「日本側の捏造だ」と当初、中国政府がコメントを出していた。
前原外務大臣は23日、ニューヨークでクリントン米国務長官と会談し、尖閣諸島沖の海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件について、国内法に基づき刑事手続きを進める方針を説明した。これに対し、クリントン長官は尖閣諸島について「日米安全保障条約は明らかに適用される」と述べ、アメリカの対日防衛義務を定めた同条約第5条の適用対象になるとの見解を表明した。また、クリントン長官は衝突事件に関し「日中両国が対話によって、平和的に早期に問題を解決するよう望む」との期待を示した、と報じられている。尖閣諸島はどこの領土かを第三者によって外交的に確認し、その上で日本の国内法で処罰の手続きを進めるという中国側に対するメッセージだろう。日本側は、法にのっとり粛々と進めるという方法をとっている。
さらにこんなことも考えてみる。もし、先の民主党代表選挙で小沢一郎氏が勝ち、総理大臣になっていたとすると、どんな手法をとるだろうか。そこで思い出してしまうのが、昨年12月に問題となった、宮内庁の「30日ルール」を官邸側が強引に破って、天皇と中国国家副主席との会見を設定した一件だ。民主党の幹事長だった小沢氏はこのとき、反対した宮内庁長官に対し「内閣が決めたことを一官僚が記者会見まで開いて言うものではない。言うのなら、辞めてから言うべきだ」と言ったのを覚えている。この小沢氏のスタンスなので、もし総理になっていれば、「人道に基づき、船長を中国に帰す」など言っていたかもしれない。小沢氏の強引な政治手法は、中国側のそれと少々似たところがある。
問題はさらに根深い。前原外務大臣がかっこくよクリントン国務長官の言質を引き出したおかげで、「思いやり予算」(在日米軍駐留経費負担)は事業仕分けどころか、アメリカからの増額要求を飲まざるを得ないかもしれない。これはこれで問題なのである。「安上がり」のことを考えれば小沢流の超法規的措置なのかもしれない。小沢流か前原流か、外交は複雑である。
⇒24日(金)朝・金沢の天気 くもり
昨晩(1日)、知り合いのイラン人研究者の名前で「Help」という件名の英文メールが届いた。メールの内容は、イギリスでパスポートやクレジットカードの入ったカバンを盗まれたので、お金を工面して欲しいというもの。日本人の知り合いに多数届いていて、そのうちの1人が研究者の所在を電話で確認したところ、昨日も金沢にいることが分かった。つまり、メールはスパムメールだったのだ。
講師は、西洋美術から名園鑑賞まで幅広く解説する立命館大学非常勤講師の門屋秀一氏(京都市)。以下はレジュメを基に講演をたどる。庭園は時代の思想を反映している。11世紀中ごろから、仏法の力が弱まる末法になると信じられ、公家は阿弥陀如来に帰依して来世である西方極楽浄土に救われるため、阿弥陀堂を池の西側に配置する浄土式庭園をつくらせた。
畠山氏らカキ養殖業者は気仙沼湾に注ぐ大川の上流で植林活動を1989年から20年余り続け、約5万本の広葉樹(40種類)を植えた。この川ではウナギの数が増え、ウナギが産卵する海になり、「豊饒な海が戻ってきた」と実感できるようになった。漁師たちが上流の山に大漁旗を掲げ、植林する「森は海の恋人」運動は、同湾の赤潮でカキの身が赤くなったのかきっかけで始まった。スタート当時、「科学的な裏付けは何一つなかった」という。雪や雨の多い年には、カキやホタテの「おがり」(東北地方の方言で「成長」)がいいという漁師の経験と勘にもとづく運動だった。この運動が全国的にクローズアップされるきっかけとなったのは、県が計画した大川の上流での新月(にいつき)ダム建設だった。
金沢大学の「能登里山マイスター」養成プログラムの修了生による「サカキビジネス」はそのよい事例である。耕作放棄率が30%を超える奥能登(輪島市、珠洲市、穴水町、能登町)にあって、土地は有り余る。そこに、花卉(かき)市場では品質がよいといわれる能登のサカキを放棄した田畑に挿し木で植えて栽培する。しかも、サカキは摘みやすく、高齢者でも比較的楽な作業である。過疎や高齢化で進む耕作放棄地と、お年寄りの労働力に目をつけたビジネスなのである。いまでは2地区のJAがサカキ生産部会を結成し、高齢者を中心に組織的な取り組みが始まって入る=写真=。
農と林は本来一体である。かつて、野菜を耕す土壌は落ち葉を堆肥化してきたし、人々は農と林の仕事の組み合わせで里山の生業(なりわい)を立ててきた。ところが、農は化学肥料に依存し、外材の輸入による価格低迷で林の仕事はコスト的に見合わなくなった。1960年代からの高度成長期を経て、その有り様が鮮明になり、農と林の関係性はまったく別ものになってしまった。
面白いと思ったのは、「少子高齢社会を克服する日本モデル」だった。少子高齢化は日本だけでなく、ヨーロッパを含めて問題だ。ただ問題とするのではなく、積極的に打って出て、「克服する日本モデル」をつくろうと提唱している点だ。これは年金、介護、子育て支援を含めた社会保障をトータルでハンドリングできる仕組みづくりを進めるという意味合いだと読める。そのために、過去さまざまに論議をされてきた「社会保障や税の番号制度」などに踏み込んで基盤整備を進めるとしている。確かに、「崩壊」が危惧され、若者が見限りつつある年金制度にしても、問題が個別化してしまって見えにくくなっている。この際、「揺りかごから墓場まで」の強い社会保障の再構築が必要であり、それを国際モデル化するという発想なのだろう。さらにその信念のほどについて、演説では「企業は従業員をリストラできても、国は国民をリストラすることができない」と述べている。市民目線の貫きを感じる。
3日午後、沖縄旅行の折、沖縄県名護市辺野古の在日米軍海兵隊の基地「キャンプ・シュワブ」のゲートで写真撮影をした。すると、門兵が駆け寄ってきたので、その場を速やかに立ち去った。その後、辺野古で住民が座り込むテント村も訪れた。笑顔で声をかけてくれたが、総理の沖縄訪問を前にピンと張り詰めた雰囲気がテント内に漂っていた。総理を迎えた沖縄は、その一挙手一投足を注視していたのではないか。その総理に対し、4日の現地では「恥を知れ」の罵声が飛んだ。
きょう午後、辺野古を訪れた。現地では普天間飛行場の代替施設の建設に反対する住民の座り込み行動「辺野古テント村」=写真=がきょうで2206日目となった。テントの中には5、6人が海を見つめながら話し合ったりしていた。記者と間違えられたのか、「どこの新聞社なの」と向こうから尋ねられた。ニュースの現場を見に金沢からやってきた旨を告げると、代替施設の建設計画地などを説明してくれた。人魚のモデルとして知られるジュゴンが生息するという辺野古の海は透き通った緑の海だ。砂浜を挟んだ陸地には在日米軍海兵隊の基地「キャンプ・シュワブ」が広がる。
沖縄の海の文化が紹介されているというので、本部(もとぶ)町の海洋博公園を半日ゆっくり回った。興味を引いたのが「沖縄美ら海水族館」で特別展「海の危険生物展」だった。中でも危険な静物して紹介されているのがハブクラゲ。初めて聞くおどろおどろしい名前の生き物だ。なにしろ、ハブと聞いただけで危険と直感するのに、それにクラゲがついている。写真のようにいかにもグロテスクだ。何が危険かというと、水深50㌢ほどの浅瀬にいて、カサの部分が半透明なため、接近されてもよく見えない。それでいて、触手は150㌢にもスッと伸び、刺胞(毒針が毒液が入ったカプセル)を差し出す。これ触れると毒針が飛び出し、毒を注入される。姿が見えない、それでいて超越した戦闘能力を持つ、まるでSF映画『プレデター』に出てくる異星人なのだ。
話はがらりと変わる。海洋博公園に屋台の店が出ていた。なにげなくのぞくと除くと「ヤギ汁」と手書きの看板が出ていた。きょうのバス・ツアーのガイド嬢の説明によると、沖縄ではヤギ(山羊)料理をヒージャーグスイ(山羊薬)と呼ぶほどの名物だという。新築とか出産のお祝いのときに、ファミリーが集まって食する。料理は「山羊刺し」が一般的で、ショウガとニンニクを乗せて、しょう油で食べるそうだ。ただ、「ヤギ汁」はウチナンチュ(沖縄の人)でも、その匂いで苦手な人も多いとか。ガイド嬢は「沖縄に来たら一度はチャレンジしてくださいね」と言っていた。そのヤギ汁が目の前にある。挑戦すべきか否か…。値段は「ヤギ汁(小)」が500円、「ヤギ汁(大)」は1000円もする。そこで、ささやかに挑戦することに意を決し、小盛を注文した。ヨモギの葉入り、ショウガ味で臭みが思ったほど感じられなかった。が、肉が弾力的で歯ごたえがある。ギュッと噛む。野ウサギの肉も、クマ肉、野鳥の肉も食したことがあるが、これら「けもの臭い」ジビエとは違った食感だ。薬だと思えば、気にするほどではない。