★自民「まだまし」大勝
その理由のいくつかを考えてみる。民主が分裂したこと。さらに、政党の離合集散で12政党が候補者を出し、まさに多党乱立。前回の「政権選択」といった明確な選挙の構図に比べ、争点が分かりにくかったことだろう。
自民は第44回(2009年9月11日)の郵政選挙以来の大勝で、単独過半数(241議席)を大幅に超えた。それほどに魅力ある公約を打ち出しての勝利だったのか。「民主政権はひどかった。自民の方がまだまし」というが、今回の大勝の背景ではないだろうか。
私自身、選挙にはなるべく行くようにしている。そうしないと選挙の実感がわかないからだ。一票を投じると、その選挙がよく見える、選挙を考えるものだ。きょう午後1時過ぎに、自宅近くの投票場(小学校)に行った。毎回同じ時間に投票に行っている。駐車場の混み具合は前回並みだった。投票場は体育館だが、これまでは、入り口で上履きを脱ぎ、スリッパに履き替えて入場したが、今回はビニールシートが床の上にはってあり、上履きでも行けるようになっていた。周囲を観察すると、心なしか、高齢者の姿が少なかった。20代とおぼしき、若い人がいた。出口では地元のテレビ局が出口調査を行っていた。
午後9時、金沢市の開票場となっている中央市民体育館に行った。同9時30分から開票作業が始まった。ここでは、2階の開票場の様子が3階から見渡すことができる=写真=。新聞社やテレビ局の調査スタッフがざっと60人近く開披台調査を行っていた。双眼鏡で開票者(自治体職員)の手元を覗きながら、小選挙区の候補者名をチェックしていく。石川1区(金沢市)の場合、自民の馳浩(はせ・ひろし)氏と民主の奥田建(おくだ・けん)氏、維新の小間井俊輔(こまい・しゅんすけ)氏、未来の熊野盛夫(くまの・もりお)氏、共産の黒崎清則(くろさき・きよのり)氏の候補者5人がいる。双眼鏡で覗くスタッフが「ハセ、ハセ、オクダ、ハセ、コマイ…」などと読み上げる。それを、別のスタッフが○でチェック記入して、多い候補者が50ポイントなるまで読み上げる。すると、「馳50、奥田23、小間井22、熊野7、黒崎6」などと数字が出てくる。この時点で、いったん終了し、別の開票者の手元をチェックする。
午後9時50分に選挙管理委員会が開票速報の第1回をボードに貼り出した。各候補者はまだゼロとなっていた。が、この時点である新聞社と系列のテレビ局の合同の開披台調査では、「馳1000、奥田430、小間井400、…」の数字を掴んでいた。
北陸は「保守王国」とも言われ、自民が比較的強い。ただ、石川1区(金沢市)の投票行動は選挙全体の縮図のようなところがあり面白い。石川1区の選挙結果(確定票)を分析してみる。当選の馳(自民)は99,544票、2番目の奥田(民主)47,582票、小間井(維新)41,207票、熊野(未来)10,6291票、黒崎(共産)8,969票だ。2009年の前回では奥田12万5千、馳11万7千だった。これまで3回の衆院総選挙では馳、奥田はそれぞれ10万票前後で競ってきた。つまり基礎票がそれぞれ10万なのだ。
ところが、今回は奥田、小間井、熊野でほぼ10万票、ということは奥田のもともとの基礎票10万を3人で分け合ったカタチとなった。馳が伸びたのではなく、奥田が半減したのだ。乱暴な言い方をすれば、「自民まだまし、民主には幻滅、維新に少し期待」という有権者の思いが数字に表れた、とも言える。裏返しで言えば、自民は数字の上では大勝だが、これは敵失での勝利だ。むしろ、本格的な政変の始まりなのかもしれない。
⇒16日(日)夜・金沢の天気 はれ
昨日、北朝鮮が弾道ミサイルの技術を使って、自前の運搬手段で人工衛星を打ち上げた世界10番目の国になったと報じられた。最初に打ち上げたのはソビエト(当時、1957年)で、韓国も人工衛星を打ち上げているが、自前のものではなく、ランキング上では北朝鮮に抜かれた格好だ。
昨夜のテレビ報道を見ていると、脱原発世論の高まりを背景に「今のままだと選ぶ政党がない」「党、または個人で手を挙げてくれる人に『この指止まれ』方式で呼びかけたい」と新党設立を理由を説明した。その、基本的な政策は「全原発廃炉の道筋をつくる『卒原発』」「消費税を増税する前に徹底的した行政の無駄を排除する『脱増税』「地域中心の行政を実現する『脱官僚』」を柱とすると述べた。ただ、嘉田氏自身は代表を務めるが総選挙には立候補せず、知事は続投する。あくまでも関西1200万人の水がめである琵琶湖の「守護人」との立場を崩さない。
今朝7時35分ごろ、金沢市内の平野部で霰(あられ)が降った=写真=。自宅近くでも1分間ほど降り、登校の子どもたちが騒ぎながら小走りで学校へと急いだ。きょうの朝刊も騒がしい。「卒原発」を掲げる滋賀県の嘉田由紀子知事が、新党結成に動き出したことでもちきりだ。きょう27日午後、記者会見するという。
市長が「大分裂」と言ったのは、決議支持率が低迷する中の解散・総選挙では民主の苦戦が必至で、すでに同党の一部議員による新党結成や、有力議員の日本維新の会への合流など離党の動きが出ている。そこで、13日の民主党常任幹事会で「党の総意」として年内解散に反対する方針で合意していた。にもかかわらず、野田総理は党の分裂を覚悟で、「16日解散」を表明したのである。市長の読みは的中したことになる。
その紙から、里山の問題を考えさせるセミナーが昨日(10月31日)、金沢大学角間キャンパスであった。企画したのは香坂玲准教授。講師は、中越パルプ工業の西村修・企画営業部長。同社は、竹紙(たけがみ)を生産している。竹の伐採や運搬、原料チップの加工など、竹は木材に比べ効率が悪く、コスト面で不利とされてきたが、あえてそれに挑んだ。地域の住民や、チップ工場などの協力を得ながら集荷体制を築き、竹パルプ10%配合の製品を開発。さらに工場設備を増強し、2009年は国産竹100%の紙を販売。封筒やはし袋、コップといったほかに、パンフレットやカレンダー、名刺やノートなど使用用途を広げるために工夫をこらしてきた。現在、年間で2万㌧(67万本相当)の竹を使う。日本の竹のみを原料とする紙を「マスプロ製品」として生産する唯一の会社といってよい。
キノコ狩りのマニアは、クマとの遭遇を嫌って加賀地方の山々を敬遠する。そこで、クマの出没情報が少ない能登地方の山々へとキノコ狩りの人々の流れが変わってきている。本来、能登地方の人々にとっては迷惑な話なのだが。
ドイツで9月25日から28日にかけて、東部のブランデンブルグ州やザクセン州計5州の学校や幼稚園で園児や小学生1万1千人以上が給食の食材からノロウィルスに感染し、下痢や吐き気などの症状を訴え32人が入院する過去最大規模の食中毒事件が起きた。ドイツ政府がロベルト・コッホ研究所などに委託した調査で、給食に使われた中国産の冷凍イチゴからノロウィルスが検出された。
人口1300人ほどの村が一丸となって取り組んだ美しい村づくりとはこんなふうだった。クリ、カシ、ブナなどを利用した「緑のフェンス」(生け垣)が家々にある=写真=。高いもので8mほどにもなる。コンクリートや高層住宅はなく、切妻屋根の伝統的な家屋がほどよい距離を置いて並ぶ。村長のギュンター・シャイドさんが語った。昔は周辺の村でも風除けの生け垣があったが、戦後、人工のフェンスなどに取り替わった。ところが、アイシャーシャイドの村人は先祖から受け継いだその生け垣を律儀に守った。そして、人工フェンスにした家には説得を重ね、苗木を無料で配布して生け垣にしてもらった。景観保全の取り組みは生け垣だけでなく、一度アスファルト舗装にした道路を剥がして、石畳にする工事を進めていた。こうした地道な村ぐるみの運動が実って、見事グランプリに輝いたのだった。
