☆N響と「体内メロディ」
聴くが、やはりコンサートホールの方が胸が高鳴る。11年前にサントリーホールで聴いて以来だったので、今回の金沢公演を楽しみにしていた。
マエストロは高関健氏。1977年にカラヤン指揮者コンクール・ジャパンで優勝し、カラヤンのアシスタントを務めたことがあるベテランだ。開演でメンバーが入場、中でもコンサートマスターの篠崎史紀氏がバイオリンを持って入ってくると拍手が一段と大きくなった。演奏曲目はスメタナ「歌劇~売られた花嫁~序曲」、グリーグ「ピアノ協奏曲 イ短調 作品16」、ドヴォルザーク「交響曲 第8番 ト長調 作品88」。
よく知られるグリーグのピアノ協奏曲。ピアノを担当した児玉桃氏は赤いドレスで現れた。ティンパニーのクレッシェンドから雪崩落ちるようなピアノのフレーズで演奏が始まる。この出だし、映画やテレビドラマで主人公が絶望の淵に追いやられたときの効果音としても有名ではないだろうか。そして、ピアノが音階を駆け上がり、そして駆け下る。壮大に全楽器で演奏されて圧倒的なクライマックスで全曲を終える。
この曲を聴いていて、映画で何度か視聴した松本清張の推理小説「ゼロの焦点」のシーンと曲のイメージがかぶってきた。児玉氏の赤いドレスが私の想像をたくましくさせてくれたのかもしれない。男は過去の記憶を消すことが出来ないが、女は上書き機能付きの記録回路を持っていて、割り切りで記憶をコントロールしてしまう。現在と過去が交差しない女と、過去の愛と現在の愛が両立してしまう男の欲望と執念の愛憎劇。北欧ノルウエーの作曲家の感性と、北陸の能登と金沢を舞台にした映画のロケーションが妙に合っているように思えてならない。
ところで、第一楽章の真ん中あたりから、体内から「メロディ」が鳴っているのに気がついた。胃の上ありで、キュルキュル、グーグーとまるで曲に合わせるかのように腹鳴(ふくめい)がするのだ。普段でも腹鳴はめったにしないし、空腹でもなかった。そして不思議なことに、雪崩落ちるようなピアノのフレーズが三連符で表れて決然と曲を閉じて第一楽章が終わると、腹鳴もピタリと止んだのだ。
⇒28日(日)夜・金沢の天気 くもり
こはかとなく高貴な香りがする。「お守りして差し上げたい」と本能がくすぐられる。ところが、同じユリの花で姿、カタチはよく似ていても、香りがしないのが高砂百合(タカサゴユリ)だ。わが家でも5、6輪咲き誇っている=写真=。
聴していた。3時間40分余りの長丁場、いつの間にかうとうと眠ってしまった。
雑草に覆われることがある。その手入れが大変だ。
の日照りが続くと赤茶ける。結構手入れはしているつもりだが、最近、その場に増殖しているのがチドメグサだ。
東京都知事選の投票が終了するやいなや、小池百合子氏の当選確実とNHKが選挙特番で伝えた。孤軍奮闘するジャンヌ・ダルクのように、元総務大臣の増田寛也氏=自民、公明など推薦=、鳥越俊太郎氏=民進、共産、社民など推薦=と戦って破った。初の女性都知事が誕生することになる。ただ、地方から眺めると「東京の課題は山積、大丈夫か」である。
天皇陛下は82歳、皇后さまは81歳で、両陛下は実に多忙だ。報道によると、去年皇居で要人や海外の来客と面会したのは270件、全国植樹祭など地方訪問も75回あった。天皇の公務に関しては、憲法の第六条と七条に列記されている。「第六条 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。「第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。二 国会を召集すること。三 衆議院を解散すること。四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。七 栄典を授与すること。八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。九 外国の大使及び公使を接受すること。十 儀式を行ふこと」と。
うのだ。このとき、地方の介護人材(ホームヘルパーや介護福祉士など)が東京圏に集中すれば、まさに「地方消滅」に拍車がかかる。東京発のこの日本の危機を脱するために、地方への移住を含めた抜本的な解決策が必要というのが著書の内容だ。まさに、東京オリンピック後にやってくる「不都合な事態」なのだ。
昨日8日午後には、俳優の石田純一氏が記者会見した。「普通の市民と政治がかけ離れている。野党統一候補なら、思いを力に変換できる」と野党各党に統一候補になることを条件に出馬表明した。タレントだけに、すでに出演しているテレビCMのスポンサーとの調整も進めているという。その会見の様子を民放テレビが中継していたが、面白かったは靴だった。上下黒のスーツにネクタイ、しかし素足に革靴という異例の足回り。条件付き出馬表明も突厥なら、そのいでたちもバランスを欠く。今の言葉でいえば、エッジが効いたいでたちなのだが。
昨日(24日)午前11時30分、スマホでニュース速報が入った。「イギリス172ヵ所の開票所の集計終了、離脱支持が51.2%でリ-ド」と。さらに15分後の速報で「円相場が2年77ヵ月ぶり1㌦=99円台」と。そして正午ごろからはアジア外国為替市場でイギリス通貨ポンドが急落、東証株価が1000円下げなど次々と。このとき、「日本は参院選どころではなくなった」との思いが脳裏をかすめた。と同時に、伊勢志摩サミットでリーマンショックの再来を「予言」し、消費税増税を再延期を打ち出した安倍総理の先読みはある意味で正解だったのかもしれない、と。このニュース速報を見た多くの有権者は「先行き不透明な、混沌とした世界情勢に政治も経済も外交も突入していく。ならば、現政権で踏ん張ってもうらしかないのでは」との思いを共有したのではないか。