★荒ぶる神の見えざる手
先日、金沢大学の元留学生と立ち話をした。実家が上海にあり、正月休みでしばらく中国に帰っていた。「中国はネット通販が盛んだね。NHKのニュース特集でも取り上げられていたよ」と水を向けると。彼女は「そう、父も母も必要なとき以外は外出せずに、ネットで野菜や肉など食材を取り寄せている」と。「食品スーパーもネットで宅配、中国はすごいね」と同調すると、彼女は首を横に振った。「ネット通販は利便性ではないんです。PM2.5がすごくて多くの市民が外出を控えている。健康上の問題なんです」「宅配の車がまたオンボロで排気ガスを出しながら走っている。悪循環ですよ」と。
さらに「でも、それはまもなく解消するんではないですか。だって、中国はEV(電気自動車)の導入では世界をリードしているでしょう。中国の政府はEVなどを自動車メーカーに対して生産や販売台数の10%を義務づけると日本でもニュースになっている。明るい未来じゃないですか」と話すと、彼女は「煤煙を出しているのは自動車だけじゃないんですよ。工場や各家庭だってそう」「それより、EVが電池切れで止まって、交通渋滞を引き起こせば、さらに煤煙が出るじゃないかと思う。その方が心配」と。ちょっと彼女は考え過ぎかもしれないと話題を変えた。
電子マネーの話にした。「中国では買い物は8割くらいはスマホ払いだってね。これも日本のニュース番組でやっていたよ。日本は現金主義だし、中国の足元にも及ばないよ」と切り出した。すると、「確かにね。一元コインや五元札を数えるのは面倒なので、スマホ支払いが便利。最近は屋台の焼き芋屋さんでもQRコードですよ」「個人的には、中国のお札は汚いし、ニセ札も多いのでスマホで払えるようになってよかったと思う。でも、私の祖母はスマホを持たないので困っている」と。確かに、スマホしか受け付けない時代になると、大量の支払い難民も出てくるだろう。
需要と供給の絶妙なバランスが「神の見えざる手」とすれば、アダム・スミスのこの言葉は中国経済においては不都合な現象とイノベーション(技術革新)の絶妙なコラボレーション、これは「荒ぶる神の見えざる手」ではないか。少々乱暴な表現か。
⇒31日(水)午前・金沢の天気 ゆき
きょうの地元各紙は今回の雷による放送中断を一面で大きく伝えている。2局が共用している送信鉄塔(160㍍)の高さ130㍍から140㍍の場所で内部のケーブルとアンテナ一部が焦げていた。鉄塔には2系統の配信設備(ケーブル)があり、1系統に問題が生じても、もう1系統を使って放送ができる仕組みになっているが、今回は落雷によって両方とも使用が不能になっていた。きょう午前中、石川テレビは緊急用の仮設アンテナを設置して応急復旧した。しかし、復旧したとは言え、確認のためテレビをつけてみると、画質がザラメ状態で見れたものではなかった=写真・上=。すぐにチャンネルを変えた。
確かに地元各紙などでは大きく扱われた=写真・下=。問題は視聴者の反応だ。私の仲間内で今回の放送中断のことを話しても、関心度が低い。「そう言えば映ってなかったね」程度なのだ。「あの番組が見れなくて残念」とか「テレビの公共性を考えて、もっとしっかり対応を」などといった声は聞かれなかった。2局同時に放送が15時間も中断したにもかかわらず、である。テレビ局の存在感は一体どこにいってしまったのだろうか。むしろ、放送中断で別の問題が見えてきたようだ。
その雷がテレビ局を襲った。10日午後8時ごろ、帰宅してテレビをつけたが、石川テレビ(フジ系)と北陸放送(TBS系)の2局が映らないのだ。ブラックアウトの状態になってる=写真=。エラー表示が出ていて、「放送が受診できません。リモコンで放送切替や選局を確認ください。またはアンテナの調整・接続を確認ください。雨や雪んどの影響で一時的に受診できない場合もあります」。このエラー表示は、雪が降る日にBS放送が視聴できなくなる場合に表示されることがままある。ただし、地上波では見たことがない。
前書きが長くなった。きょう能登半島の中ほどにある中能登町の天日陰比咩(あまひかげひめ)神社で「どぶろく祭り」が初めて開催されると誘いを受けて出かけた。もちろん、ノーカーで。午後6時、神社拝殿では創作の舞や雅楽「越天楽(えてんらく)」など生演奏で始まり、同40分からは三尺玉の花火が冬の夜空に10発上がり、ムードが盛り上がった。拝殿ではどぶろくが振る舞われ、列についた。禰宜(ねぎ)の方は「50年前は全国で43の神社がどぶろくの醸造免許を持っていたが、現在では30社ほどに減りました。造るには手間はかかるのですが、これは神社の伝統ですからね」と語った。ここで小さな紙コップで3杯いただいた。
その言い伝えは的中した。きょう21日朝、能登町沖の定置網で寒ブリ550本が水揚げされ、金沢市中央卸売市場では仲買人たちの威勢のいい声が飛び交い、次々と競り落とされたと昼のニュースで。体長90㌢、重さ10㌔の大物などが揚がっていて、シーズンの先駆けとなったようだ。この時期に能登半島沿岸で水揚げされた重さ7㌔以上のブリを「のと寒ぶり」のブランド名を付けて売られている。10㌔以上ともなると特上品だ。
これは蛸島漁港で水揚げされたズワイガニだ。同漁港は能登半島の先端部分にある。金沢から距離にして150㌔、能登沖で漁をする漁船の水揚げの拠点になっている。半島の先端で、水揚げして、陸路で金沢に搬送することになり、海路で金沢港に持ち込むより時間的に速く、その分鮮度が保たれるというわけだ。茹でガニのパックを手にしてレジへ。3980円。価格は去年とほとんど変わらず。旬のものなので確かに高価だ。少し値段が落ちる、来週まで待てるかというとそうでもない。もし時化(しけ)が続いて、漁そのものができなければ、値段どころか、口にも入らない。旬が買い時だ、毎年同じようなことを思って自分を納得させて高値づかみをしている。
きょう(3日)能登町でキノコ採りをしている知人から聞いた話だ。アカマツ林の根元が掘られて、毎年採れるマツタケがなくなっていた。根元がほじくられているので、「おそらく来年からは生えてこないだろう」と肩を落とした。あちこちでこうしたイノシシによる被害があり、「能登のマツタケは壊滅だ」という。マツと共生する菌根菌からマツタケなどのキノコが生えるが、イノシシによる土壌の掘り返しで他の菌が混ざるとキノコは生えなくなることが不安視されているのだ。
こうした課題解決を目指すべき社会を「プラチナ社会」と定義し、地域でさまざまイノベーションに取り組んでいる自治体や企業、団体を表彰するのが、民間団体「プラチナ構想ネットワーク」(会長:小宮山宏元東京大学総長)だ。ちなみに、金のようにギラギラとした欲望社会を目指すのではなく、プラチナのようにキラキラと人が輝く社会づくりを理念に掲げている。その「プラチナ大賞」の第3回大賞・総務大臣賞(2015年)に、珠洲市と金沢大学が共同でエントリーした「能登半島最先端の過疎地イノベーション~真の大学連携が過疎地を変える~」が選ばれた。プラチナ構想ネットワーク事務局から、受賞から2年間の取り組みを報告してほしいと依頼され、過日(10月26日)、同市の担当者と2人で東京・イイノホールでに出かけた。
すっきりと見えた山が「株高」だった。23日、日経平均株価は2万1696円と上昇し、ことしの最高値を更新し29年ぶりの高値水準、15営業日連続の値上がりは57年前の14営業日連続の値上がりの記録を超え「史上最長」と、メディアは報じている。「天晴(あっぱれ)」と言うべきか。
次に「トリエンナーレ(3年に一度の美術展)で次回は2020年になりますが、『奥能登』と銘打っているので2市2町(輪島市、珠洲市、穴水町、能登町)へと会場を広げるお考えはあるのですのか」と質問した。「さいはてのアートなので、他の自治体とも連携してできればさらにアートの面白味がでてきます。しかし、運営資金を出し合うとなると途端にハードルは高くなります」と今度は口元が引き締まった。1週間後の14日夜、再び泉谷市長にお目にかかった。地元のキリコ祭りの会場で、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」で知られる新潟県十日町市の関口芳文市長の訪問を受けて、市内を案内されていた。珠洲市と十日町市の連携イベントを模索しているのかと直感したのだが。
黄色からピンク色への暖色に塗られたトンネルのようなカタチをした作品だ。レールの上を意識したのだろうか。そのトンネルの出口付近に双眼鏡を置いてあり、のぞくとネオンサインの看板が見え、そこに「Something Else is Possible」の文字が描かれている。ボランティアの男性ガイドによると、ネオンサインの看板とセットで一つの作品なのだと解説してくれた。なるほど。肉眼であれ、双眼鏡であれ、近くでも遠く離れていても「作品の場」は構成できる。なるほど、芸術はセットで一つだ。 