☆世界遺産めざす「佐渡金山」の価値とは
ユネスコ世界文化遺産への登録を目指す「佐渡島の金山」をめぐって、ユネスコ側から推薦書類の不備が指摘され、来年の登録が困難になっている問題。さらに、霊感商法や献金強要によって巨額の金を集めが問題となっている「世界平和統一家庭連合」(旧「統一教会」)の名称変更をめぐる問題。所管する文科省と文化庁にとってはダブルパンチに違いない。
去年10月、佐渡市で世界農業遺産(GIAHS)認定10周年記念フォーラムが開催され、個人として参加した。国連食糧農業機関(FAO)から2011年6月、日本で初めて佐渡と能登がGIAHS認定を受け、10年経ったことを記念するイベントだった。2泊3日のスケジュールの最終日にはエクスカーションがあった。
ツアーのテーマは「佐渡GIAHSを形成したジオパークと佐渡金銀山、そして農村の営み」。佐渡の金山跡に入ると、ガイドの女性が詳しく説明してくれた。島内には55の鉱山があり、江戸時代から約390年間に産出された金は78㌧、銀は2330㌧に上った。佐渡金山は幕府直轄の天領として奉行所が置かれ、金銀の採掘のほか小判の製造も行われた。鉱山開発の拠点となった佐渡には国内各地から山師や測量技術者、労働者が集まった。最前線で鉱石を掘ったのは、「金穿大工(かなほりだいく)」と呼ばれた採掘のプロだった。
鉱山特有の難題があった。地下に向かって鉱石を掘れば水が湧き出るため、放っておけば坑道が水没する。そこで、手動のポンプ「水上輪(すいしょうりん)」が使われた。紀元前3世紀にアルキメデスが考案したとされるポンプを応用したもので、ヨーロッパで開発されたものが幕府経由で佐渡にもたらされた。水を汲み上げて排水溝に注ぐ水上輪だが、ハンドルを回すのは相当な力仕事。水上輪だけでなく、桶でくみ上げる作業も必要となる。そうした坑道の排水作業は「水替人足(みずかえにんそく)」の仕事だった。
そこで、ガイドの女性に質問した。「水替人足はどんな人たちだったのですか。島流しの人たちですか」と。すると、ガイドは「佐渡金山は流刑の地ではありません。水替人足は無宿人(むしゅくにん)と呼ばれた人たちが行いました。無宿人は凶作や親から勘当を受けるなどさまざまな理由で故郷を離れ江戸や大阪にやってきた人たちで、江戸後期(安政7年=1778)から幕末までの記録で1874人が送られてきたそうです」と。重い罪で島流しになった「流人」とは異なる人たちだった。
島の農民はコメに限らず換金作物や消費財の生産で安定した生活ができた。豊かになった農民は武士のたしなみだった能など習い、芸能も盛んになった。現在でも島内に能舞台が33ヵ所もあり、国内の能舞台の3分の1が佐渡にある計算だ。
世界文化遺産「佐渡島の金山」として申請対象になっているのは「西三川砂金山」と「相川鶴子金銀山」の2ヵ所。金銀の生産体制と技術に関して道具や記録、そして採掘された坑道が記録として残っている。さらに、鉱山と集落が「遺跡」として一体化して現存していることで世界遺産の価値が高まる。
申請で問題もあった。対象時期を「戦国時代末~江戸時代」とした点だ。これまで報道があったように、この鉱山に戦時中、朝鮮半島からの人たちが強制労働をさせられたと韓国側からクレームがあった。もし、そのような歴史があるのであれば、無給で強制だったのか、有給だったのか、労働条件・待遇など、文書など記録を記載して、再申請すればよいのではないか。
明治・大正、そして戦時下を経て、平成元年(1989)に資源枯渇のため長い歴史の幕を閉じた。最盛期の江戸時代だけではなく衰退に向かう歴史的事実もすべて説明したほうがよいのではないか。世界文化遺産は栄枯盛衰の歴史そのものに価値があるのではないだろうか。
⇒3日(水)夜・金沢の天気 くもり時々あめ
そして紹介されたのは、葛飾北斎が描いた『富嶽百景』の中の「写真の不二」。トキのような鳥が柱のてっぺんに止まって、富士山を眺めている様子が描かれている。
夏を呼ぶ祭りもある。能登半島の尖端、珠洲市の「燈籠山(とろやま)祭り」は毎年7月20、21日の両日催される。高さ16㍍にもおよぶ巨大な山車を、当地では「燈籠山」と呼ぶ。総漆塗りの山車が街を練る、鮮やかな祭りでもある。そして、地元の人たちが「キャーラゲ」と称する、独特の木遣り歌が街中に響き、祭りの情緒を盛り上げる。山車は深夜まで町の中を練り歩きます。別名はお涼み祭り、夏を告げる祭りだ。
能登の海にはジンベエザメやクジラ、エイなどが泳いでいて、海の生物多様性に優れているといわれる。のとじま水族館は能登近海に回遊してくる南方海域に生息する温水系の大型魚類などを中心に500種4万点を展示している。その水族館のスターは何と言っても、ジンベエザメだ。水族館のジンベイザメは能登の地元の定置網で捕獲されたもの。
いまの時代、沿道ではスマートフォンを掲げて写真を撮る人が多く見られる。これはごく普通の光景だ。わざわざ沿道に来てパレードを見学に来た観衆とすれば、見せ場を撮るなというのは解せないだろう。ツイッターでも相当な数が上がっている。「2022年6月4日の3年ぶりに開催された #百万石まつり 印象に残ったのは撮影禁止とSNSの投稿禁止を高らかに叫ぶスタッフの声でした、とても残念な印象だけが残った。周りので見てる方も困惑してた」(7日付)など違和感の声だ。
ベリアを往復する。この季節は、冬場をオーストラリア周辺で過ごした渡り鳥が夏場の産卵のためにシベリアで行うに向かう。その途中に能登半島に立ち寄る。
環境省の候補地選定の動きをとらえて、石川県と能登の4市5町、関係団体は今月6日、「能登地域トキ放鳥受け入れ推進協議会」を設置し初会合を開いた。馳知事は「放鳥によって石川県の世界農業遺産に登録されている地域の農業に一層の付加価値を与える」と述べ、放鳥実現を目指していく考えを強調した(7日付・読売新聞石川県版)。
毎年この時節にアメリカハッカクレンを床の間に生ける。普通の生け方ではない。何しろ「蓮」なのだ。尊い花という意味合いの生け方になる。耳付き古銅の花入れ、そして敷板は真塗の矢筈板だ。掛け軸は『柳緑 花紅』(やなぎはみどり はなはくれない)、11世紀の中国の詩人・蘇軾の詩とされる。緑と白が浮かび上がり、凛とした感じで床の間を彩る。
この時季、野外の駐車場に車を停めておくと、フロントガラスが白くなり、ガソリンスタンドで列について洗車をする。洗濯物も部屋干し。そして、外出してしばらくすると目がかゆくなることがある。黄砂そのものはアレルギー物質になりにくいとされているが、黄砂に付着した微生物や大気汚染物質がアレルギーの原因となり、鼻炎など引き起こすとされる。さらに、黄砂の粒子が鼻や口から体の奥の方まで入り、気管支喘息を起こす人もいる。
庭にイチリンソウ(一輪草)が白い花をつけている=写真・上=。いつの間にと思わせるほど一瞬に姿を現わし、可憐な花をつける。「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」と称されるのもうなづける。花言葉は「久遠の美」。素朴な花の姿は昔から愛でられてきた。ただ、可憐な姿とは裏腹に、有毒でむやみに摘んだりすると皮膚炎を起こしたり、間違って食べたりすると胃腸炎を引き起こす、とか。その経験はないが。
木陰ではシャガ(著莪)も白い花を咲かせている=写真・中=。花には青色の斑点がいくつも入り、中心部分が黄色く色づいている。ネットで調べると、原産地は中国東部からミャンマーといわれ、古くに日本に持ち込まれた帰化植物のようだ。もともと根茎は薬草で、生薬名は「シロバナシャカン(白花斜干)」と呼ばれている。喉に痛みが生じる扁桃腺炎などを抑える作用があるようだ。意外なことだが、花言葉は「反抗」。葉先は鋭い剣のよう、そして日陰に花を咲かせる姿にちなんでそのように言葉が付されたようだ。
スノーフレーク(鈴蘭水仙)もスズランのような釣鐘型の白い花を咲かせている=写真・下=。雪がちらちらと落ちる様子にも見えるので、「snowflake」(雪片)と名付けられたのだろうか。原産地は東ヨーロッパだ。葉など外観がニラと似ているため、ニラの近くではスノーフレークを栽培しないように呼び掛けている自治体もある(広島県公式サイトなど)。有毒なアルカロイドを含有しているため、誤食すると吐気や下痢などの症状が出るようだ。花言葉は「純潔」「汚れなき心」。庭に咲き競う花を愛で、きょうという日を楽しむ。