☆高額献金めぐる旧統一教会の「深い闇」 どう断罪するのか

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の教団トップの韓鶴子総裁が23日、韓国の特別検察官によって政治資金法違反などの容疑で逮捕された(24日付・メディア各社の報道)=写真=。メディアによると、韓容疑者は2022年4月から7月、元教団幹部らと共謀し、教団に便宜を図ってもらう目的で尹前大統領の妻・金建希被告=斡旋収賄罪などで起訴=に高額のネックスレスなどを贈った疑いが持たれている。旧統一教会の問題についてこれまで何度かブログで取り上げた。解明されるべきはこの教団の日本での金集めの仕組みだ。これまでのブログから以下、再録する。

東京地裁はことし3月25日、文科省の解散命令請求を受けて、日本の旧統一教会に対して解散を命じた。安倍元総理の射殺事件(2022年7月8日)から端を発し、犯人が恨みを持っていたという旧統一教会に解散が命じられるという展開になっている。もう半世紀も前の話だが、自身も高校生のころにこの教団に洗脳されそうになった経験がある。

教団の霊感商法が社会問題となり、2009年2月に警視庁の摘発を受け複数の教団信者が逮捕されるという事件があった。その後も霊感商法は後を絶たず、全国霊感商法対策弁護士連絡会の記者会見(2022年7月12日)によると、1987年から2021年に連絡会などに寄せられた元信者らの被害件数は約3万4500件、被害金額は計約1237億円に上るという。これはあくまで被害総額であって、実際の献金はこの数十倍にもなるようだ。2023年7月3日付の共同通信Web版によると、韓総裁は同年6月に開催された教団内部の集会で、「日本は第2次世界大戦の戦犯国家で、罪を犯した国だ。賠償をしないといけない」などと発言していたことが音声データなどで分かった。

多額の献金は韓国の本部に集められた。それはどこに流れたのか。「文藝春秋」(2023年1月号)は「北朝鮮ミサイル開発を支える旧統一教会マネー4500億円」の見出しで報じている。旧統一教会と北朝鮮の接近を観察していたアメリカ国防総省の情報局(DIA)のリポートの一部が解除され、韓国在住ジャーナリストの柳錫氏が記事を書いている。旧統一教会の文鮮明教祖は1991年12月に北朝鮮を訪れ、金日成主席とトップ会談をした見返りとして4500億円を寄贈していた、と。

さらにDIA報告書では、1994年1月にロシアから北朝鮮にミサイル発射装置が付いたままの潜水艦が売却された事例がある。売却を仲介したのが東京・杉並区にあった貿易会社だった。潜水艦を「鉄くず」と偽って申告して取引を成立させていた。韓国の国防部は2016年8月の国会報告で、北朝鮮が打ち上げたSLBM潜水艦発射型弾道ミサイルは北朝鮮に渡った「鉄くず」潜水艦が開発の元になっていたと明かした。この貿易会社の従業員は全員が旧統一教会の合同結婚式に出席した信者だった。

高額献金をめぐる旧統一教会の「深い闇」をどう断罪するのか。断罪がなければまた繰り返される。

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