
内閣支持率が急上昇している。きょう付の読売新聞の世論調査(22-24日・電話調査・有効回答991人)によると、石破内閣について「支持する」との回答は39%で前回調査(7月21、22日)の22%を大幅に上回った=写真・上=。「支持しない」は50%で前回調査より17ポイント減ったものの、過半数を占めている。また、参院選の結果を受けて、総理は辞任すべきだと思うか、との問いには、「思う」が42%、「思わない」が50%だった。
朝日新聞(今月18日付)の世論調査(今月16、17日・電話調査・有効回答1211人)も同様の傾向を示していて、内閣支持率は36%で前回調査(7月26、27日)の29%を上回り、不支持は50%で前回調査より6ポイント減った。そして、参院選の結果を受けて辞めるべきだと思うか、との問いには、「辞めるべきだ」が36%、「その必要はない」が54%だった。朝日の調査について記した今月20日付のブログでも述べたが、衆参両選挙で自民が大敗を喫したそもそもの原因は裏金問題であり、自民党内の「石破降ろし」の動きは責任の転嫁ではないのか、というのが有権者の目線ではないだろうか。内閣支持率の上昇は石破氏へのある意味で同情票のように感じる。

ところで、有権者の一人として、「アレはどうなりましたか」と石破総理に尋ねたいことがある。防災庁の創設のことだ。自身が初めて耳にしたのは、石破総理が就任早々の去年10月5日に、元日の能登半島地震、そして9月の「記録的な大雨」の被災現場を輪島市を訪れ視察した。そのとき、インタビューに答え、「日本国中どこで何が起きても、同じ支援が受けられるよう内閣として尽力していく。そのための防災庁を創設する」と述べた(2024年10月5日付・NHKニュース)。その後、政府は12月20日に全閣僚が参加する「防災立国推進閣僚会議」の初会合を総理官邸で開催し、2026年度中の創設を目指すことを確認している。
ことし7月4日、参院選で党公認候補の応援のため能登空港を訪れた石破総理の演説=写真・下=を直に聴いた。石破氏は「世界有数の災害大国ならば世界一の防災大国にしなければならない」と述べ、事前防災と災害対応の司令塔となる「防災庁」の必要性について強調した。ただ、どこに本部を置くかなどの具体案はなかった。そして、参院選以降、防災庁構想は進展しているのだろうか。
新しい省庁の新設で思い起こすのが、東日本大震災や福島第1原発事故の発生翌年の2012年2月に発足した「復興庁」だ。設立時は「スーパー官庁」と位置付けられ、複数省庁にまたがる課題を「ワンストップ対応」で調整し、予算を含めた復興政策を一元的に統括することが主な役割だったが、13年を経てその役割は最終ステージの段階に入っている。石破氏が構想するのは復興庁の「後継庁」なのだろうか。総理肝いりの防災庁だ。国民に早くビジョンを示してほしい。
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