
大相撲夏場所で4度目の優勝を連覇で飾り、横綱昇進を果たした大の里関を讃える祝賀ムードは故郷の石川県津幡町ではまだ熱い。町役場の入り口付近には「祝 横綱昇進 大の里関」「祝 幕内最高優勝 大の里関」の2本の懸垂幕が掲げられている=写真・上=。さらに庁舎の中には横断幕も飾られている。今月29日には町主催の祝賀パレードが行われる。パレードの後、文化会館シグナスで報告会が行われ、その後、町の町民栄誉賞、そして石川県の県民栄誉賞の授与式と続く。まさに、故郷に錦を飾ることになる。
ただ、大の里関にはちょっと不安もあるようだ。今月16日に二所ノ関部屋で稽古を公開した折にメディア各社のインタビューに答えていた。「29日に地元でパレードが行われるということで、石川県は雨がよく降るので、晴れてほしいな」と。日本気象協会「tenki.jp」公式サイトの予報では津幡町に隣接する金沢市の29日の天気は晴れ時々くもり、降水確率は30%となっている。ただ、北陸には「弁当忘れても傘忘れるな」との言い伝えがあるほど、予期せぬ雨に見舞われたりすることがある。大の里関はそのことが気になっているのかもしれない。

話は変わる。きのう(19日)能登半島の真ん中に位置する志賀町富来で4年連続で営巣するコウノトリを観察に行った。前回は今月10日だった。そのときは4羽のヒナが大きく成長していて、いつでも飛び立つぞ意気込んでいる様子だったので、もう巣立ちをしているかもしれないと思い、確認の意味で現地に向かった。コウノトリはまだいた。5羽確認できた。親鳥1羽と成長した幼鳥4羽。4羽のうち3羽は巣にいて、1羽は飛び立って近くの丘陵地にいた。そして、よく見ると幼鳥には個体識別用の足環を装着されていた=写真・中=。巣立ちを前に行政が付けたのだろう。コウノトリは国の特別天然記念物で生態が管理されている。

町の人も観察に訪れていた。「コーちゃんはずいぶん成長したね」と声をかけられた。「えっ、だれのことですか」と返すと、「コウノトリのことをコーちゃんと呼んでます」と。地元の人は身近に感じているのだとこのとき思った。そう言えば、前述の津幡町にもコウノトリが3年連続で営巣していて、町ではつがいの名称を公募し、オスをコウタ(幸多)、メスをコウリ(幸里)の愛称で呼んでいる。
富来のコウノトリを観察して山を下りた。すると、ふもとの水田は青々としていて、土手に直立するように咲いているタチアオイのピンクと赤の花が面と線の絶妙なコントラスを描いていた=写真・下=。梅雨の花のタチアオイが咲き誇っていた。
⇒20日(金)夜・金沢の天気 はれ