日本政府による韓国への半導体材料の輸出管理の優遇、いわゆる「ホワイト国」の解除をめぐって、韓国がアメリカ詣を続けている。今月10日には韓国の康京和外交部長官がアメリカのポンペオ国務長官と電話で会談して、日本の今回の措置に対する不満を述べたと韓国メディアが報じている。日本の輸出管理の厳格化措置が日米韓の安保上での連帯を弱めるだけでなく、アメリカが最優先事項としている北朝鮮の核兵器完全破棄の政策に支障になる、と。
直接向き合わず、他国を経由しての批判を「告げ口外交」という。2013年に韓国の朴槿恵大統領が就任して行った外交が、日本と韓国の歴史問題に関することを、第三国に対して日本への悪口を言い触らして回ったことで、「韓国の告げ口外交」と呼ばれた。これは朴槿恵独自の外交かと思っていたが、どうやら韓国の「お家芸」のようだ。で、トランプ政権は韓国の告げ口外交に同情して、日本側に改善を求めてくるだろうか。
これまでの韓国による自衛隊機への火器管制レーダー照射の問題、慰安婦財団の一方的な解散、戦時中における朝鮮半島出身の労働者問題をめぐる日韓請求権協定の反古など、外交問題を起こしてきたのは韓国側であることを実によく知っているのはアメリカ側だろう。「安全保障で信頼関係を保つのが難しい国だ」と。今後、韓国が徹底抗戦の姿勢を崩さず、日本も一歩も引かなければ日韓関係の在り様は異次元レベルの展開になるかもしれない。
日本海側に住む一人として今後懸念するのは漁場のことだ。昨年11月20日、操業中の日本のイカ釣り漁船に対し、韓国の海洋警察庁の警備艦が「操業を止め、海域を移動するよう」と指示を出し、漁船を威嚇するという事件があった。水産庁のHPで掲載されているプレスリリースを元に少し詳しく述べる。同日午後8時半ごろ、能登半島の西北西約400㌔に位置する、日本の排他的経済水域(EEZ)の大和堆(やまとたい)付近で操業中の日本のイカ釣り漁船(184㌧、北海道根室市所属)に対し、韓国・海洋警察庁の警備艦が「操業を止め、海域を移動するよう」と無線交信をしているのを、水産庁漁業取締船と海上保安庁巡視船が確認した。
水産庁の漁業取締船は日本の漁船の付近に位置取り、韓国警備艦に対し、日韓漁業協定でも日本漁船が操業可能な水域であり、漁船に対する要求は認められないと無線で申し入れた。その後、韓国の警備艦が漁船に接近し威嚇したため、海上保安庁の巡視船が韓国の警備艇と漁船の間に割って入った。すると、韓国の警備艇は午後10時50分ごろ現場海域を離れた。
スルメイカは貴重な漁業資源だ。それを北朝鮮に荒らされ、さらに「日本漁船は海域を出ろ」という韓国。その前の昨年8月にも韓国の海洋調査船が、島根県沖の竹島の領海に侵入した。日本の同意を得ずに海洋調査を実施したとして韓国に2度抗議したが、韓国は領有権があるとして抗議をはねつけている。同様のケースが今後続発するのではないか。日韓は歴史の転換点に差しかかっている。
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