午後2時すぎ、金沢大学で担当している共通教育科目「マスメディアと現代を読み解く」を履修した学生たちに次のようなメールを出した。「きょう臨時国会で冒頭解散があり、10月22日の衆院選挙が決まりました。メディア(新聞・テレビ)は選挙情勢や候補者の当落など分析に動いています。ここでお誘いですが、22日の投票が終わり次第、開票作業が始まります。この開票作業を双眼鏡でウオッチして当落を見極める「開披台(かいひだい)調査」というメディア独自の調査手法があります。メディアと連携して開披台調査を実施します。学生30人を募集します。この調査に参加するとメディアの選挙報道の在り様を学ぶことができます。交通費・手当も出ます。10月12日に説明会を開催しますので、参加希望の学生は集まってください。講義を履修していない学生の参加も可能です。」
この開披台調査は双眼鏡で開票作業員の手元をみて、実際にどの候補に票が入っているのかを読んでそれをメディアの選挙本部に電話で知らせる。30人15組で多様な角度からウオッチするので候補者の得票比率を確かめるには精度は高い。とてもアナログな手法なのだが、確かな読みができる。もちろん、開披台調査は新聞社やテレビ局が各自治体の選挙管理委員会に事前に届けて行う合法的な調査である。
午後3時ごろ、金沢大学創立五十周年記念館「角間の里」で、「石川県のクマ事情とネバダ州のクマ対策」と題した講演があり聴きに行った。すると、集まった社会人メンバーの中に、民進党の支持を公言してきたA氏の姿があった。挨拶すると、A氏は「民主党時代から支持してきたが、今回の希望の党への合流はさっぱり理由がわからん。地元の支持者も気落ちが混乱してる」と嘆いた。
地元の民進党石川県連は1区(金沢)、2区(加賀)、3区(能登)にそれぞれ元職や新人を立てる予定だった。急きょ3氏は希望の党へ公認申請することになった。10日に公示され選挙戦が始まるが、3氏は希望の党から出馬する理由を支持者に説明することから始めなければならないだろう。中には、安全保障関連法の白紙撤回を主張してきた立候補予定者もいる。希望の党への公認申請を望んでも、小池党首からポリシィが違うと排除される可能性もある。選挙に当選するためならば、政権交代のためならば主義主張を曲げてもよいのか、すっきり割り切れないアナログな心の葛藤が渦巻く様子が見て取れる。
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