
この日の仙台市内は冬型の気圧配置に見舞われ、雪だった。市内は数センチの積雪だが、光と雪の競演ともいえる風情だ。点灯時間は17時30分から23時まで。じっと見ていると、18時ごろに一瞬ライトが消えた。周囲は消えてないので、照明機器の故障かと思った。すると1分くらいして点灯した。ウオーと歓声が上がった。光のページェントを見に誘ってくれた友人によると、これは「スターライト・ウインク」という一つの演出なのだそうだ。18時から20時の1時間おきに、1分間消灯した後に再点灯する。
人は光が消えると一瞬不安になる。そこで再点灯すると感動に包まれる。言葉を付け足すと、暗闇という緊張と不安を感じるところに行き、そこで光を見るとなんともいえない安心感を覚えるという人間の心理を巧みに生かした演出だ。これを大がかりに都市の復興の仕掛けにしたのが、阪神淡路大震災犠牲者の鎮魂の意を込めると共に、都市の復興への希望を託し、1995年に始まった神戸ルミナリエだろう。
近隣外交を含めて、不安定な時代に一瞬に光を与え、人々に勇気と感動を与えてくれる「時代のウインク」とは何か、仙台の夜のページェントを見て、雪道を歩きながらふとそんなことを考えた。
⇒14日(土)夜・仙台の天気 ゆき