36歳のKさんは、神奈川県でIT企業に勤めていた。「歩くツーリズム」を自分で企画することが夢で能登のやってきた。昨年、パートナーといっしょにスペインのカミーノ・デ・サンティアゴという道を850㌔歩く旅をし、「豊かな自然、人、文化を歩いて旅をし、味わう道をつくりたい」と面接で熱く語った。4月に夫妻で能登に移住した。そのKさんは、ノルディックウォーキング「SUZUあるき」という企画を仲間たちとつくっている。珠洲市の自然資源を自分の足で感じつつ、地域の人々と参加者同士で交流し、汗を流したあとは季節の味覚を味わうという毎月開催のイベントだ。
私にも案内メールが来た。今回のコース(11月28日)は、珠洲市野々江町。秋の紅葉の中、田園と池を爽やかに歩きます。八丁田で白鳥観察、亀ケ谷池での野鳥観察と、渡り鳥ウォッチングの予定。ノルディック・ウォーキングの後は、古民家レストランで昼食という内容だ。私は、2008年5月にドイツのシュバルツバルトの森を訪ねた折、泊まったホテルの企画で体験した。スキーのストックを手に山を登り、中腹の山小屋で食事をしながら語らい、そして戻るという往復7㌔ほどのコースだった。
Kさんの夢はほんの入り口だろう。受講生たちは、自己実現を図ろうとしている。一見、ささやかな夢、小さな事業であったとしても、そこには計り知れない社会的価値が存在するのではないか。近い将来、こうした60人の里山マイスターたちが能登の風景を明るく変えていくのではないかと楽しみにしている。
※写真はチラシの一部、【問い合わせ】090-9762-3298 加藤 【メールアドレス】
suzu.nordic.walking@gmail.com
⇒22日(月)夜・珠洲市の天気 くもり