☆イチロー選手の言葉

   全国高校野球選手権の第2試合をテレビで観戦すると結構忙しい。7日の第2試合は地元・石川の遊学館と秋田の秋田商だ。まず地元民放のHAB北陸朝日放送にチャンネルを合わせた。カメラワークはABC朝日放送(大阪)だが、実況と解説はHABがやっている。HABの場合はローカル大会の1回戦から実況し、そして甲子園に臨んでいるので、地元チームの実況となると裏局のNHKとは思い入れが随分違うのである。ともあれ、HABは11時50分に全国ニュースに入り、チャンネルはNHK総合に。今度はNHK総合が11時54分にニュース&天気に入るためにNHK教育に。HABの全国ニュースが終わる12時00分にはNHK教育からHABに戻って、と10分間に3回の「チャンネルサーフィン」となる。

    試合は遊学館が秋田商を8-6で振り切った。遊学館らしい固め打ちで大量点を築いた。1回裏、遊学館は相手エラーの1アウト1、3塁で4番鈴木のタイムリーが出て1点、5番井原も2点タイムリーで3点を先制した。5回にも2点。7回には3番江川のタイムリーなど4本のヒットで8-1と大きくリードを広げた。上位打線がきっちりと仕事をした。先発は、去年甲子園のマウンドを経験しているエース曽根だった。8回までよく投げ、2番手の番匠と交代、9回の1アウト満塁のピンチに再びマウンドに登りよく踏ん張った。初戦の功労者は曽根だろう。

    しかし、私はむしろ秋田商の健闘を称えたい。3回表で、ローカル大会を一人で投げ抜いたエースの佐藤が走塁中に送球を頭(右こめかみ)に受けて負傷し交代した時、どれほどの動揺が選手に走ったことか。そして、8-1とリードされながらも8回に2点、9回に2度も満塁のチャンスをつくり、2点差にまで迫った。試合を投げたそぶりは誰も見せなかった。アメリカ大リーグ、マリナーズのイチロー選手の口癖は「負けている中でも粘りがないと、次の可能性は見えてこない」だ。最後までチャンスを狙うマインドが大切だ、との意味だろう。エース負傷という予期せぬアクシデントの逆境の中で粘りに粘った、「次の可能性」を感じさせるマインドの高いチームなのだ。

    遊学館の2回戦は8日目の第1試合(予定では13日)、宮城の東北と対戦する。あのダルビッシュはもういない。去年の雪辱を果たしてほしい。

⇒8日(月)朝・金沢の天気 晴れ