
学生寮をちょっと覗いてみる。大学周辺のアパートでは家賃のみで3万円から5万円が相場。これに比べ寮費は断然安い。寮の寄宿料、つまりアパートの家賃に当たるものが1ヵ月700円で3寮とも一律である。3寮のうち、もっとも大きい金沢市弥生にある北溟(ほくめい)寮(定員396人)のケースで見てみる。昭和43年建設ですでに築37年。電気代や水道代など様々な諸費用(基本料金)は全員で等分し、月当たり4000円ー8800円になる。倍近くの値段変動があるのは、人数で頭割りのため、寮から卒業生が抜け、新1年生が入る前の4月ごろが一番高くなる。寮の食事は平日の夕食のみで、給食センターから届く。北瞑寮の場合は1食は370円で、フルでとったとしても月6000円-7000円となる。合計して一番高いときでも1万6000円くらいである。
いまの学生に欠かせないインターネットの環境も工夫している。北溟寮にはHNS(ほくめいネットワークサービス)という会があり、独自のサーバーと光ファイバーによる快適なインターネット環境を構築している。しかも月額300円で使い放題だ。
こんなにリーズナブルでも寮の入居率が70%台に留まっているのは、それなりの理由がありそうだ。3寮とも金沢大学が金沢城の中にあった時代に建設されたもので、移転した現在では大学から遠くなった。大学と比較的近い女子寮の白梅寮でもバス通学で30分ほどかかり、バス賃は片道350円である。ひと部屋は8畳ほどのスペースだが、2人で共用することになる。
問題は3寮の共同浴場。利用できるのは一日おきだ。しかも、白梅寮では入浴可能時間は15時ー23時だが、22時になると湯沸しのためのボイラーが停止し、23時以降は水しか出ないこともあるとか。夏場は毎日入浴したい。しかし、銭湯は遠くて面倒、さらに300円-350円と高い。現代っ子は汗を嫌う。案外、入浴問題がいまいち学生寮に人気がでない原因かもしれない、と私は睨んでいる。
⇒8日(水)午前・金沢の天気 くもり