この2年で感じていたリスクは何だったかと考えてみると、やはり地震だ。能登半島地震で少々過敏になっているのかもしれないが、2024年元日に半島尖端を震源とするマグニチュード7.6、震度7の地震以降、11月26日にも半島の西方沖を震源とするM6.6、最大震度5弱の揺れがあった。元日の地震が南下したように感じる。半島西方沖の地震はことしに入って、M4クラス、最大震度3の揺れが3回起きている。

そんな折、石川県危機対策課はことし5月7日に地震の被害想定を27年ぶりに見直し、報告した。政府の地震調査委員会が去年8月に示した「長期評価」などに基づき、9つの断層帯で将来、大地震が発生することを想定したものだ。それによると、人や建物への被害が最も大きいとされるのは金沢市の直下を走る「森本・富樫断層帯」(全長26㌔)で、最大震度7の揺れが金沢市で想定されるとしている。今回の見直しで特徴的だったのは、被害想定が正月やゴールデンウィークなど5つの状況を設定され、精密に被害を予測していることだ。以下、冬の被害想定をチェックすると。
冬の朝5時に地震が発生した場合、2212人が亡くなると見込まれている。要因別では、雪の重みなどによる建物の倒壊での死者が2029人と最も多く、次いで火災が94人、ブロック塀の倒壊や自販機などの転倒などによる死者が81人などと推定されている。けが人は9344人に上ると試算される。地震発生から1週間後の避難者は19万1898人と想定されている。
冬の午後6時に地震が発生した場合、もっとも多くなると推定される。この時間は、火気の使用で火災の危険が高まることや、積雪の重みで倒壊する家屋が増えることも考慮され、4万6947棟が全壊・全焼、5万5359棟が半壊と予測される。金沢市では36%の建物が全半壊することになる。
今回の被害想定の見直しは、1998年3月の被害想定が現状とかけ離れていることも背景にあった。前回の想定では能登半島北方沖断層(50㌔)を震源とするマグニチュード7.0の地震が起きた場合、死者は7人、建物の全壊は120棟になると想定していた。実際に起きた去年元日の能登半島地震では、建物の倒壊などによる直接死は228人、関連死は456人にのぼる(今月23日時点)。住家の全半壊は2万4891棟におよんでいる(11月20日時点)。
県の被害想定の見直し発表以降、金沢の町内会でも震災に関するセミナーや、震災を想定した避難訓練が行われるようになった。数値のリアルさ、そして能登半島地震が金沢の住民を災害訓練へと動かしている。
⇒28日(日)午前・金沢の天気 はれ
