★「台湾有事」めぐる総理答弁 中国は反発の意志表示を次々と 

国会(今月7日)で台湾有事について問われた高市総理が 「戦艦を使って武力行使を伴うのであれば、存立危機事態になり得る」と答弁した。翌日、中国の薛剣(セツ・ケン)駐大阪総領事が SNSで「汚い首は斬ってやるしかない」と投稿した (※現在は削除)。これがエスカレートし、中国政府は日本の治安への不安を理由として中国国民に日本への渡航自粛、留学の慎重な検討を求めた。また、中国大手旅行社は日本旅行の販売を停止。日本のアニメ映画などの中国上映も一部が延期に。そして、きょう(19日)中国政府は日本政府に対し、日本産の水産物の輸入を停止すると通達した(メディア各社の報道)。

水産物の輸入停止は2度目だ。2023年8月の福島第一原発の処理水放出以降、停止されていた。今月5日にようやく輸入が再開され、北海道産のホタテの中国への輸出が始まっていた。それが再び停止となる。むしろこれは中国側の日本に対する強い意志表示なのかもしれない。ここまで来ると、中国の次なる一手は「官製デモ」ではないだろうか。

2012年9月に日本政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化する手続きをとると、その数日後に北京などで大規模な抗議デモが繰り返された。「日本製品ボイコット」を叫びながら日系スーパーをことごとく襲い商品を略奪する。「反日無罪」を叫びながら日本の自動車メーカーの車を焼き、日系ディーラーの建物を破壊する。日本料理店を襲った。当時、テレビでその様子を見ていたが、現地の反日デモは単なる暴徒にしか見えなかった。

中国の身勝手な行動はこれまでも繰り返されてきた。南シナ海はオレのものとばかりに島々に軍事基地を造るなどして実効支配。さらに「中国は一つ」なので台湾はオレのものとばかりに、軍事演習と称して台湾周辺や日本のEEZ内に弾道ミサイル11発を放った(2022年8月4日)。そして、「尖閣諸島はオレのもの」と領海侵犯を重ねている。中国のこうした身勝手な行動の背景にあるのは、中華は天下(世界)の中心という「中華思想」なのだろう。脈々と受け継がれるこの思想には「国境」という発想がない。

この中華思想を明治期に指摘したのが、福沢諭吉だった。『脱亜論』を唱え、専制的なアジアの政治制度に限界を感じて見限った。彼は言った。「悪友を親しむ者は、共に悪名を免(まぬ)かる可(べか)らず。我れは心に於いて亜細亜東方の悪友を謝絶するものなり」(鈴木隆敏著『新聞人福澤諭吉に学ぶ』)。当時の日本は民主国家ではなかったが、それでも中国などアジアの近隣国の政治体制は古臭く、嫌気を感じたのだろう。

このところの一連の中国の動きに日本人も再び嫌気を感じ始めている。そのうち中国が「沖縄もオレのもの」と言い出す日がやってくるかもしれない。

⇒19日(水)夕・金沢の天気  くもり